2011年4月7日木曜日

きえさる

わたしはいなくてもいいひと
いないほうがいいひと

ひつようとしてくれているひともいるが
きらっているひともいる

かみさまにいかされているが
また
かみさまにみすてられてもいる

いきているめんどうが
つみかさなる
とうひしたいおもいが
ながれこんできて
こきゅうができなくなる

きべんのきりくちから
ちがながれて
とまらない

みつめることはできるが
うごくことはできない

とおくのみかづきが
だぶってみえる
わたしのめでは
もうくっきりとみられない

おもいでがあふれて
こぼれだす

へやのゆかが
つかいものにならなくなる

いきていきたいひとが
しにたいひとをひはんする

ひはんにあたいする
とおもう

はるのくうきは
あたたかくて
にんげんのあたまをひやせない

まんかいのさくらとともに
ちるのだけは
さけたいものだ

せめて
つきのでていないよるに
できれば
まちのくらがりで
いっしゅんのひかりをはなち
きえさりたいもの

2011年4月6日水曜日

質問するよりも

どこの誰に
質問したらいいのか
さっきから考えている

校庭のテニスコートの金網のもっと向こうにある
鉄の柱が
気になる
一部を黄色く塗装された仮設の柱

しかし 
その鉄の柱は
答えてくれないだろう



いつのまにか風に流されてきた雲が
マントを着た旅人のように思える

 (青空を見るには少し眩しい
    露出を絞りこまなければ)

その旅人に訊くのは違うだろう
旅人は盗賊のように去っていく

質問する相手を思い描いては
否定する
そのことを繰り返している

校庭では
サッカー部が大きく陣取って
サッカーボールを回している

息を切らしている奴をみていたら
自分の呼吸も引っ張られて苦しくなる



通り雨
ぬるい雨

シャツが濡れて肌に張り付いたが
もう乾いてきた

文通相手に手紙を出して質問してみたらどうか
一瞬頭をよぎったが
そんな高度な手紙が書けるはずがない
それに迷惑だろう



いったい誰が
質問を受け止めてくれるだろう
ネットの占い師?

マクドで
iPhoneで
詩の日記を書く
プレミアムアイスコーヒーを飲む

週末の約束が
ケータイに届く

こんな人間でも
会ってくれる人がいる

 (街とは便利なものだ
  人を酔わせることができる)



自分は何を質問したいのだろう

それは
大事なことではないように
思えてくる



放射能物質が風に乗って
飛んでくる
旅人の頭上を追い越し
雨にまぎれて

柱の黄色のところで
ちょっとたじろいだけれど

プレミアムアイスコーヒーのところまでくると
ジャンプして飛び込み
カップの中で溶けた

質問を
確かに受け止めた

2011年4月5日火曜日

最高指令

原発の必要性を訴えるために
この際
計画停電を効果的にやらなければならない。
産業も病人も生かさず殺さずが方針だ。
多少の犠牲は出てもいい。
悲痛な面持ちでお詫びすればいい。
消費者心理を掴み
ニュースをコントロールして
エキセントリックな人々も利用して
悲劇を演出し
カッコつけたがりの権力者をうまく使いこなし
我々の組織を守らなければならない。
今までそうしてきたように。
我々の必要性を認識させ、
成長しなければ苦労の意味がない。

我々は産業界のエリートだ。
かつて銀行を国民の負担で救ったように
我々も救われるべきだ。
責任をとってやめなければならない者たちは
決して見捨てることはしないから
ここをうまく乗り切って
次のステージで好き好きやってくれ。

具体的には
秘密組織を発足したので情報を集約し
戦略を立て指示をくだす。

事故の影響が幅広いので
撹乱に使う情報と
ヤバイ情報の出し方が勝負だ。
さあ
取りかかれ。
これが最初の作戦だ。

---そうして
いつものように
資料が配られる

2011年4月4日月曜日

あなたのほう

待ち合わせの約束をしたまま
忘れてしまった日

取り返しのつかないことばかりが
思い出される

涙が枯れ果てた夕日のベランダで
傷ついたのは自分ではないことに気づいた

待ち合わせをしたまま
忘れられたのは私のほう

そのことを覚えていたのは
あなたのほうだった

2011年4月3日日曜日

あのコのことはわたしがいちばんよく知っている

あのコはスキ
あのコはキライ
あのコはまあスキかな
あのコはウザい
あのコは超便利
あのコはムカつく
私は?

あのコが店に入って行く
あのコがスマホでメールしてる
あのコがホットペッパーみてる
あのコが買い物してる
あのコがカレシと笑ってる
あのコが猫にお菓子あげてる
私は?

あのコが神社で手を合わせてる
あのコが男に怒鳴られてる
あのコが料理を作っている
あのコが泣けずに唸っている
あのコが友だちを慰めている
あのコが嘘ついて誤魔化してる
私は?

あのコは私の友だち
あのコは私の鏡
あのコは私のライバル
あのコは私の監視者
あのコは私の愚痴を聞いてくれる
あのコは私を遠慮なく叱る
あのコは私
私はあのコと同じ

あのコは私と同じ?

2011年4月2日土曜日

寄付をする人

大きなお金を寄付するとき
彼は幸せな気分ではない
誰かと何かを共感できるとは
思っていない
彼の目的は共感ではないし
ましてや感謝されようなどもど思ったことはないのだ

彼は寄付を済ませたあと
いつでも孤独になる
云い知れぬ寂しさに襲われ
しばらくは黙して悶絶する
彼が得たものは
このような時間なのだ

だが
彼はその孤独こそが
一番大切なものだといつからか知るようになった

引き合う孤独の力が
宇宙を形成し
人は愛について語りさえする 
 
宇宙が彼を包み
彼は自分の考えたことが
記憶という海から溢れ出し
銀河を流れ去っていく様子を見る

もはや
どこに視点があるのか分からなくなる

所在無げな彼のポストに
乱れのない文字で記された
一通の礼状が届き
指先がその冷たさに出逢った


☆ この連は著名な詩の表現を引用しました

2011年4月1日金曜日

古いラジオ

古い男が鳴らなくなったラジオを
修理している

古いラジオが
古い男の
思い出を修復している

いつのまにか
夜明けが窓の外に来ている

ラジオが時報を告げた

2011年3月31日木曜日

雨の遣い

あなたは外でつらいことがあって
その小さな部屋に逃げ帰ってきた

ベッドの上に体を投げ出したまま
動けなくなってしまった
シャワーを浴びたいのに
じっとして自分を癒すしかなかった

窓の外で雨が降り出したが
気づく様子もない

その雨は私が遣いにやったのだ

あなたは
雨の音を聴きながら
それが何であるのか認識できない

幸せだったあの頃の
遠い歌声が
聴こえているような気がしているだけだ

2011年3月30日水曜日

子どもたちへ

海から魚の女の子がやってきて
町は海の底に沈んでしまった
女の子は人間になったかな

このあとの世界は
君たちがすきなように作るといい
絵を描いてみて!
僕が大人たちを説得するよ

どんな町を作りたい?

2011年3月29日火曜日

ノノノノノ
ノノノノノノノノノノノノノノノノ


のののののののの

nonononononono
nononononononoノノノノノ
ノノノノノnono

あなたは私が間違っているという

ラジオにのせて

夕暮れ時に...........

ノノノノノノノノ
針葉樹の葉の
ノコギリ

ノノノノノノノノ

ノノノノノノノノノノノノノノノノ
ノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノ

2011年3月28日月曜日

夜はおやすみ(私の願い)

人命救助だって
夜はおやすみ
記者会見も
記者クラブも
監督官庁も
夜はおやすみ

眠れないのは
あなたとわたし
そして
人が操れないもの

電車だって
会社だって
役場だって
夜はおやすみ
でも本当は

働いている人がいる
起きている人がいる
眠れない人がいる

でも
誰かが蓋して

夜はおやすみ

ニュースは時々目を覚ます
再放送はボタン一つ
ニュースライターは夢の中で
徒競走

大事なことは
朝になるまで知らないことにします
そのほうが都合がいいこともあります

夜はおやすみなさい
それが大人の約束

どうか
朝には目覚めますように
明日こそ できごとを先送りしませんように

新聞記事より

原発20キロ圏内、捜索進まず…1657人不明
読売新聞3月27日 21時13分配信
 
福島県大熊町や双葉町などの県警双葉署管内では、今も1657人が行方不明のままで、遺体は12体しか発見されていない。
同県警は「原発の20キロ圏内に遺体が何千体残されているか、わからない」としている。

2011年3月27日日曜日

念のため 見殺しに

念のため
この辺りの野菜は廃棄してください
10年食べ続けると
健康を害するおそれがありますもので

念のため
乳児に水を飲ませないでください
どうしても必要な場合は
大丈夫ですので飲ませてください

念のため
避難地域を広げます
いつ帰れるかは
わかりませんが

念のため
この辺りには近づかないでください
生存者は
見殺しにする方針です

2011年3月26日土曜日

ソファに坐って寛いでいる人

さっきからソファに坐って寛いでいるあの人は
ここが自分の部屋だと思い込んでいるらしい

煙草を吸い
ツマミを次々と口に運び
ビールを美味しそうに飲む
その態度は
あまりに堂にいっているので
私のほうが他人の家に来ているような錯覚に襲われる
出前でも注文しそうな勢いだ

大きなあくびをした

あの人には
私が居ることが分かっていないのだろうか

わたしは透明人間ではないのに
あの人はあの人の日常をそのまま抱えて
この部屋に来ている

わたしは
わたしの日常をかき集めて
勝負しなければ と思えてくる
そうしないと
私の存在のほうが希薄化してしまう

しかしなぜこんなことになってしまっているのだろう
いくら考えても思い当たるフシがない
いつの間に来たのだろう
なぜ 私は気づかなかったのだろう
第一 私はいま何処にいるのだろう
ソファの後ろのパソコンのところか

いいや
パソコンは付いているが
私が居る気配がない

そのとき
耳鳴りのようにサイレンが鳴った
まただ
と思った瞬間 
汗のようなものがタラタラと
床に流れ落ちた

2011年3月25日金曜日

友だちがやってきた

友だちがやってきた
一人ぼっちの夜に
まえぶれもなく
突然やってきた

いつの間にか
傍らに立っていた
やさしい表情で
言葉もなく微笑んだ

私も言葉を発しなかった
ただ友だちの眼を見つめた

気がつくと
友だちの手を握っていた

しっとりとして
あたたかかった

2011年3月24日木曜日

別のものが宿る

何かの形にみえるが
そこには別のものが宿っているといっておこう
それが何であれ だ

そのことを知らずに近づけば
しっぺ返しを食ってしまう

例えばそれは大きな圧力釜の形をしているが
本当は200年以上前に戦火で焼けた掛け軸だ
日輪と一人の人物が描かれていた

また隣にあるプールは
砂漠に落ちてきた隕石のかけらだ
有名なサハラ砂漠に埋まっている
いまも埋まったままだが
そこに宿って顔を出している

その近くにあるまた別のプールは
中国 唐の時代の瀟洒な門だ

海岸線の形をしているものは
娼婦エレンディラのガーターベルトだ

そのガーターベルトには
いま数学の教科書が宿っている
数学の教科書には
ニューヨークのスタンドで1980年に売られたプレッツェルが宿っている
という具合だ

あの日
沿岸に大きな津波がやって来てから
この世は大きく変わってしまった
あらゆる形あるものに
別のものが宿っていった

宿ることで
よく変わったものもあれば
あまりよく変わらなかったものもあった
だが 悪くなったものは
わずかだった

何かの形に見えるものが
別の何かに宿られる世界ができていったとき
その大きな動きに
人々はあまり気がつかなかった
いや 気付けなかった

気づいた人は思った
なぜこんなことになってしまったかわからない
証明のしようがない

そこで詩人は詩を書いた
詩は少しずつ広がっていった
詩人に何が宿っているかは
語られていない

2011年3月23日水曜日

マイページ

¥眠って

眠って起きることと
死んで生まれることは
どれほどの差があるのだろう

毎日目を覚まし
今日をどう生きようかと思案し
床に就く時
あやふやに
きょうへの思いと
明日の予定が混ざり合う

死んでゆく時
きょうまでの過去を振り返り
自分の死後に思いを寄せる

瞼に祭りの列が通り過ぎる
喜びを湛え苦悩を祓いながら
だが次の瞬間には
祭りの列の中で鳴り物をならし
舞を舞い
見物の人に愛想を振りまき
カメラに納められる

毎日眠り
毎日生きる
この役目を毎日担当して
マツザキヨシユキ46年4か月



¥ドングリ

ドングリとお魚で
ドングリトット
という



¥いつの間にか去っていった友

樹々の筆先ミドリ
キギノフデサキミドリ
という
誰も超えられない
初夏の峠のような言葉をのこして

きみが友であったことに
今初めて気づいた
2011/3/23


¥おさるさん

おさるさん
とんで行って助けてよ
籠を担いで
助け出しておくれよ
友だちを
小田原提灯ぶらさげて
暗い道を行っておくれ


¥僕の詩は

僕の詩は
もっとオトナにならなければ
ならないにだろうか


¥行方が分からない

不安はサーチライトにならない
不満は燃料にならない
心配は愛情にならない

この足で歩き
あなたを見つけ出したとき
郵便が届くように
愛が来る
誰から届いたかは知れずに

2011年3月22日火曜日

朽ちて美しくなろうとしている

朽ちて美しくなろうとしている
深く身を沈め
永遠に近づこうとしている

陽ざしも 夜の冷気も
遠くから聞こえてくる音も
潮風の香りも
人が戯れる音も
食べ物の味も
どれも同じものであると
初めて気づいたのだ

だが
その気づきもまた
同じものの一つだ

気づかないものとも
同じなのだ

もう言葉は存在しない
すべての差異が埋められてゆく
このような安定は初めてだ

誰もここにはこない
近くにいるのに
なんと遠いことだろう

朽ちていくことは
生まれていくこと
ただ
その時間の流れを
計るモノサシは
この世に存在しない

波音は繰り返し
語りかけてくる

去ったものたちは
すべてに同化して
言葉で伝えるべき物語はない

2011年3月20日日曜日

被災した電車さん

津波にさらわれて
線路を外れ
原っぱに倒れている
あなたに
電気を送る電線はない

あなたを操った
運転手も車掌さんも
常連のお客さんの姿もない

あなたの中には
瓦礫と林の木
電線の切れ端と電柱の一部
屋根の瓦や襖の残骸
畑でてきかけた作物の茎と葉
本屋の看板
子供のオモチャ
それから海に帰り損ねたものたちが
入っている

おおらかなきみ
よろけんで受け入れ
彼らを救おうとしたのだろう

かつて きみは
颯爽と海辺の線路を駆け抜けてきた
もっと昔には
都会のビルの間や
新しく作られたトンネルを走ったこともあった

そんなきみが
いまは横たわり
動きだす気配すらない

こんなにゆっくり
星空を見上げたことがあっただろうか

きみは僕たちの問いに答えるように
小さな聞こえない声でこたえてくれる


クモハ

クハ

モハ ……

2011年3月19日土曜日

盛大な拍手

地上よりもう一つ上の階で
パーティーが始まったが
皆 心配顏

行き先を告げずにきてしまった
いろいろとやりっぱなしで
離れてしまった

会場がざわめく

モニターに地上の様子が映し出されるたび
すまないと思う
あの惨状の中に置き去りにしてしまって

周りを見渡すと
知らない人がおおぜいいるが
なぜか旧知の親友や家族のように思える
恋人もいるに違いない

戻ることはできない

ここから眺めるだけなのだが、
会いにゆくことより祈ることのほうが尊いと思える
そのほうが役に立つのだ

パーティー会場では舞台の上で
スピーチが始まる
司会者がうまくて感心だ
登壇者の話に
皆がスッキリとした笑顔を見せる
そしてみるみる
気持ちが軽くなってゆく

皆、ありがとう
という言葉が心から湧き上る

地上の空に朝焼けが現れ
海に浮かぶ島を照らし出す

サイレンとともに
車が消えてゆく
人々が集まって
対策を練り
壊れたものを直し
さらには作り直そうとしている

パーティー会場では拍手の渦がわく

拍手の音は届いただろうか
確かに盛大な拍手だったのだが

2011年3月18日金曜日

懐かしい場所へ

何故か懐かしい と 思ったので
そう通信した

ルートは波形(なみがた)をしている
それが最短距離なのだ

進むために燃料は要らない
いってみれば
そう希うことで進むことができる

光の速さを殊更に意識しなくてもいい
光は違う種類の人間だ

いくつもの集落が
粒状の
光の小山として見える
そう通信した

山はいくつもある
音はほとんどしない

音を出さないのは
神様の声を聞くためだと思われる

かれらはそれぞれに
崇高に生きようとしているのだ

わたしは汚れたものだな
これは通信しなかった

明るい天体の向こうに回りこむと
小さな天体は光に邪魔されて見えなくなった

しかしそこには
あたたかい島があった

島には波が打ち寄せ
人々が穏やかに暮らしているようだ

波間から水にもぐると
水の粒が光に向かって昇っていった

青い空が水の底にもあった
鮮やかな色とりどりの貝やサンゴが星のように光っている

2011年3月17日木曜日

命は 失われていない

私は大きなものを失った

私は大きなものを失った


私は大きなものを失ったけれど

それは

自分の命ではない
あのひと
でも、ない

あのひとの
命、でもない


私は大きなものを失った

私は大きなものを失った


私は大きなものを失ったけれど

それは
失っても
仕方のないものばかり



あのひとは
大きなものを失った

あのひとは
大きなものを失った


あのひとは
大きなものを失ったけれど

それは
命、ではない


数えられない命が
去っていった

数えられない命が
去っていった


数えられない命が
去っていったけれど

それはあのひとから
失われた訳ではない


私は大きなものを失った

私は大きなものを失った


私は大きなものを失ったけれど
それは
失われても
仕方のないものばかり


あのひとは
あのひとたちは
大きなものを失った

あのひとたちは
大きなものを失った


あのひとたちは
大きなものを失ったけれど
それは
命ではない

命は
去っていっただけ
命は
失われていない


失ったものは
仕方のない
ものばかり

失ったものは
仕方がない
ものばかり

命は
失われていない
去っていっただけ


命は失われていない

どこかに
去っていっただけ


去っていっただけ
どこかに

だれ

だれかいませんか


声が空気をノックする


だれかいませんか


ぼくは
なんども
目を覚ます

だれか
いませんか


その声を
聞き逃すまい
その声の主を
やり過ごすまい


空き地の横の
砂利道を
一緒に歩いた
きのう



きょうは
その
あした


きのうは
きょうの
きのう




おとといの
あした



小学生の
名札

名前



書いてある
滲んでいる


書いた名前


名前








涙を
飛ばした
海の風



つめたい


まぶしい
日差し










なにが
できますか



なにか




できますか







なにが









やがて

積もる




きれいな

結晶



綿





かたち





まっすぐ


でも
ゆらめく







あの日





雪の









サカナ




きこえる



さあ

2011年3月16日水曜日

純愛プロジェクト

純愛でいこう
愛って尊いもの
傷ついてもすぐ治る
相手を信じる強さが大事
自分を信じることは
もっとむずかしいけど
逃げてる場合じゃないんじゃない

結論をだそう
すぐ決めよう
迷いを蹴っ飛ばせ
空に高くジャンプしよう

疲れはてて乗り込む終電
焦燥が襲う帰り道
忘れ物のような日々に
問いかけなくてもいい
無用な心配はもうしないで
することは何

いますぐいこう
迷わずに行こう
直感を信じて
全力で進もう

キミと二人の
新しい日々
夢の情熱を持って
進んでいく

あやふやさん

1

あやふや 宙ぶらりん
ゆらゆら 揺れるので
そわそわ
気持ちが悪い

わたしを
いいかげんに投げ上げて
キャッチボールしないで!

空は好きだけど
落ちる感覚は嫌いなんだから

おっ、キャットがスキャットしてるわ
あんなところで

デベソなのね

ルビーの指輪
失くなったって
言っていたでしょ

芝生で
ゴロゴロしてたら
見つけたよ

しょんぼりしないで
「いつかきっといいことがある」
って何度言わせたら気が済むの(怒!)

アホ!

怒った?
あした起こしてくれる?

結婚するの?
んなはずないか

ペンギン観に行かない?
クラッカー投げよう
食べるかな

きみじゃあるまいし

豊島園にいるかな?

夜何時までだっけ

夢佳にきいてみる
あっ 夢佳はしならいな

メールするね

どんとこい
日曜日
関係ないけど

2

ぼくはやくにたちますか
いるだけじゃまですか
つかってください
すててもいいので

すてられて
はじめていきる
よそじかな


3

顕微鏡で見ちゃイヤ!


4

温泉行く?


5

苦労した?


6

ハリウッド仕込み?


7

飽きた?


8

そちのほうがいい。
いまのほうがいい。

2011年3月15日火曜日

あした出掛ける

線路のところまできた

彼方で曲線を描いて消えていく

耳の奥に かたっ かたっ …
響いている音

夕日が列車のように反映してやってくる

車内アナウンスの声に
女子高生たちが話しながら笑っている声が重なる

列車はいってしまったけれど
またいつか戻ってくる

わたしがここにいるから

あなたに逢うためになら
わたしは待っていよう

いや
あした 
出掛けていこう

書きかけの手紙はそのままにして

2011年3月14日月曜日

あの部屋

あの部屋のドアを開けて
何度出ていっただろう
何度帰っていっただろう

数えきれないほどの思い出があった
辛いときには涙も流した
夢を一杯抱えて出ていったこともあった
帰っていったこともあった

楽しいこと
憂鬱なこと
嬉しい思い
儚い気持ち
様々な思いが巡った

窓を開けて見あげた星
明け方に鳴きやむ秋の虫
雪景色を見渡した夜
頬に火照りを感じながら
愛する人のことを思った

皆 あの部屋の中のことだ
皆 あの部屋の天井が
見守っていてくれた

わたしは別の部屋に移り住み
あの部屋は
今はどこよりも遠く
いくことはできなない

だが思い出すことはできる
心に思い浮かべて入っていくことはできる

部屋の明かりを暗くして
わたしは何を思おうか
どんな未来を描こうか

部屋に尋ねてみたい

部屋のドアを開けて
部屋に入り
また部屋を出てゆくまでの
わずかなあいだに

2011年3月13日日曜日

ラジオをやりましょう

ラジオをやりましょう
優しい陽射し
冷たい風
遠くをゆく電車の音
水が流れる音は聞き耳を立てても聴こえない

あなたとやりたいことは
ラジオ
あなたと聴きたいものもラジオ
乾電池を詰め込んで
でかけましょう

いつ帰ってくるか
きめなくていい
きままな旅

腰に下げていた不安は
いつの間にかなくなるよ

旅をしながら放送するラジオは
メールで番組表が届きます

どこかの町のカフェから放送したあとには
そのカフェに居座り
コミュニティーをつくってしまったりします

素敵だね
素敵なあなたと
ラジオをするって

2011年3月12日土曜日

行方不明

暗い夜の海から
救難信号がでている

ひとり波にさらわれたあなたが
私に向けて発しているのだ

長大な夢をさまようさなかに
わたしはそれに気づいた

いくつもの物語が混ざり合い
濁流を作って
流れ過ぎる

その信号を受けるまで
わたしはいつのまにかあなたの記憶を奪われ
無目的に生きていた

どこまでが夢で
どこからが覚醒していたかは
どうでもいいことだ

ただ いま
その信号に答える方法が見つからない

あなたは遠いところに行ってしまった
そこで
幸せを掴んでいることを願う

2011年3月11日金曜日

よろめきドラマ

よろめくよ
よろめきドラマは
たわむれる
ひがな一日
あいしてる
来る日も来る日も
いちゃついて
くんずほぐれつ
闇雲に
言うが早いか
抱き合って
とろけるまなざし
強く出て
押しては引いて
さえぎられ
よもやと思い
仮りそめに
居ても立っても
いられない
24時間週七日
ろくろくものも食べないで
そればっかりに熱中し
いやよいやよもスキのうち
盛って磨いて光らせて
パワースポット巡礼し
たたんでのしてまたひらき
くるくるまわり押し上げて
お釈迦様にも分かるまい
メーメーコヤギメー牛山
出かけるときは忘れずに
ゆるく締め上げきつく打つ
水分補給忘れずに
ヒアルロン酸1000ミリグラム
慌てず騒がず冷静に
くるぶしまではいいことに
ドーンと構えてさびしがる
よろめきドラマは
午後1時

2011年3月10日木曜日

こわいものしらずのきみが

こわいものしらずのきみが
なにか必死にかんがえている
その顔はとても迫力がある
見ているほうも力が入る

こわいものしらずのきみが
かんがえるのをやめて笑う
笑顔の造形が美しい
角度を変えてもまた美しい

こわいものしらずのきみが
暗く沈んでだまっている
言葉が閉じ込められている
醗酵してお酒になりそう

こわいものしらずのきみが
ぼくのまえにいる
こわいものしらずの性格が
吊り橋をスタスタわたって
ぼくのなかに入ってくる


★要約
こわいものしらずのきみが
ぼくのなかに入ってくる

2011年3月9日水曜日

キミとの顛末 その一部

キミと
こんもりした山の
坂道を登っていっく
息が切れるけど気にしない
(でも気になる)
ちょうどいい歩幅の段々がつづく

ずんずん先を行くキミ
あとからついて行くぼく

てっぺんまではあとどのくらい?
てっぺんはどうなっているの?

キミは無言でてっぺんを通りすぎて
下り坂に入る
ぼくは「ここがてっぺん?」
と聞く
キミは別の話に夢中ななりながら
どんどん先を行き
いきなり民家に入っていく

知っている人の家らしい
ぼくもおそるおそる民家に入る
するとそこには香りのいい花が乾かされて刻まれて袋に詰められ棚に並べてある
さらにアロマオイルやシャンプーやバスソルトなども並んでいる

キミはその一つを手にとって出てきた男に目配せした
犬が跳びかかってぼくたちをナメる
股間に鼻を押し当ててくる

キミはその家を出ると
無言で歩き出す

古い門の上に月が出ている
ぼくはそれを写真に撮る

キミは前方に洒落た店を発見し
ぼくに合図をする
ぼくは
「入ろうか」という
キミとぼくは店に入り
メニューを一緒に見て注文を決める

外では月が笑っているだろう
きょうは三日月よりも少し細い月

ニヤけた笑いだ
おあいにくさま

2011年3月8日火曜日

未来旅

ペットボトルから山の水を流し込んで
からだの中に川を作る
次にその辺に転がっている雑多なものを積み上げて
岸を作る

太陽の光を浴びて草花と木を生やし
あなたを呼びにゆく

あなたは渦巻く風となって
水を波立たせ
草花と木を揺する

その風景の中で
わたしはあなたと手をつないでかけてゆく
そこには夕焼けがあるが
それにはお構いなく
二人はずっと未来の朝の陽ざしの中のいる

2011年3月7日月曜日

ホットケーキ気分

フライパンの上で
泡立っている

どれだけの時が流れたのだろう
あなたは
料理を作るのが好きだ

ホットケーキを作るのは
ものの五分

その五分間に
あなたは人生のすべてを詰め込もうとしている

あなたがいだいてきた思いの数々

知っているはずだ
振り向けばあの日のお母さんが
あなたのためにおやつをつくっている
その意味を

ホットケーキの裏面は
こんがりと日焼けした背中のよう

ちょっとだけ塩を加えようか

潮風が手伝ってくれる

お礼を言っても構わない
風が涙を飛ばしてくれる

2011年3月6日日曜日

yokokuーhen

夕べの流星群はすごかった
町をすっかり掃き清めてしまった

あなたが見る夢の背景を
星の群れg,kが照らし
hはあなたの過去を照らした

あなたの胸の前で結ばれた手に中には
いつのまにか
itunomanikaが入っていた

震えて光っているものだ

先ほどから降り出したアメノナカニデテミルト
それは優しい雨で
町のよごれをきれいに流してしまった

そしてそれとは別に
窪地に集まった水は
命をhagukumu機会を
待ち始めた

2011年3月5日土曜日

おとなになって

すいかキャンディ
がらくたの大きな箱
イソギンチャクのワッペン

こどものころに
すきだったもの

貝殻のついた鉛筆
リトマス試験紙とスポイト
エキゾチックなピンナップ

こどものころに
自慢していた

でも
いまは
どこにあるのか
わからない

さがそうとしたら
あなたにであった

おとなになって
すきになった

こどものころには
知らなかった
あなた

2011年3月4日金曜日

首を伸ばしてきみを

ろくろっ首だよろくろっ首
首吊りして伸びたんだよ
古い家の太い梁にぶら下がったんだよ
ぞっとしたよ
さめざめしたなあ

ろくろっ首だよろくろっ首
見せ物じゃないよ
やりたかっただけだよ純粋なんだよ
はっきりしたよ
後悔はしないさ

ろくろっ首だよろくろっ首
ぶらさがったよあいつらのうえに
もうしたくないよ首伸びちゃったよ
引っ込まないよ
引っ込みもつかないよ

ろくろっ首だよろくろっ首
伸びちゃったろくろっ首だよ
引っ込みつかないろくろっ首だよ
きみが好きだよ
きみに首ったけだよ

2011年3月3日木曜日

あなたのためにある

あなたの美しい瞳は
砂埃の中でも濁ることがない
指は擦れてもまた艶をとりもどす
つらいことがあっても
あなたの笑い声が消えることはない

寒さが包みこむ厳しい冬に
あなたを守っているバリアは
あなた自身が作ったものだ
寂しい時間が奏でた音色が
あなたの耳の奥で鳴り続けても
心臓の鼓動が高まったとき
あなたは楽し気な音楽を聴いている

あなたの家の屋根に
月の光が降り注ぎ
光のカーテンが揺れながら覆う
あなたは知らないかも知れない
わたしはそれを見ている

あなたの部屋の中で
優しい夢が寄り添って
あなたは子どものような寝顔で
甘えている

この世界は
あなたのためにある

2011年3月2日水曜日

七つの戯言

1

人を愛することより自分を守ることを優先するようになってしまった人
本当は守るものなどないのに

部屋に飾ってある金色に光るオブジェにしがみついて
自分が影になっていることに気付こうとしない

いまや
漬物石のほうが世の役に立っている
※注1

※注1 この人の皮肉には誰も共感しない。ユーモアのセンスも感じられない。慰めてもらいたくてもそれは無理な相談だ。


2

雨にぬれて光る道を歩きながら
何事も考えることができない


3

月のようだと思った瞬間に
その人は月の話をし始めた

陰りのない月に照らされて
わたしは
自分が何者か分からなくなる
※注2

※注2 かっこつけているようで気持ちがわるい。


4

オーロラって何に見える?


5

小さな宇宙同士が出会うと
まず爆発を起こして眩しい光が放たれる
秩序と混沌、生と死、善と悪、原因と結果など
陳腐なものも含め、対立する概念が
激しく争いあう
その激しさの度合いや規模が
相性や愛の分量、スピード感を決める
※注3

※注3 宇宙を擬人化してどうするつもりなのか。

6

ひとは振り返りながら生きるべきだ

ひとは振り返らずに生きるべきた
ということの
TPOを間違うと
うまくいかない
※注4

弱い人ほど振り返れずに
失敗する

※注4 当然のことを詩の行を割いて言ってくれるな。


7


詩人は詩的でない詩を書くべきだ
無害なロマンチシズムをおっかけてどうなる
詩なんか書かなくていい
頼まれたものを適当にちょちよっとやって
魂は別のものに捧げるべきだ
逃げ足が早くても
追いかけてくれる人はいない

2011年3月1日火曜日

今日、しよう

とっ手がついていて
とっても持ちやすいのよ

リサが言っている言葉が
理解できない

さわらないで
いれて見せてみて
脚は遊ばせあそばせ
飯は召し上がらずに

わざと災いがくるように
市内で竹刀でしないで

ふざけているのか

携帯がおならしたの
そう聞こえたわ 着信が

着ているものをだんだんに脱ぎながら
話すのをやめない

病める会話は止めない?
いいことについてだけ話そ

明日はあたし
はしたないことはしたくない

きょうしよう

2011年2月28日月曜日

悩みの解決

まず、箱に入れる。
透明な箱の中に。

入れたらた
「困ったこと、悩み、負の感情」。

箱を振って
混ぜてみる。

混ざらない。
もちろん消えない。

箱を開けて
マッチで火をつけてみる。

燃えた。
煙。
燃えかす。

燃えカスを指でくだいて
ゴミ箱へ。

手を洗う。
消毒。

ついでに
シャワー。
シャンプー。
トリートメント。
洗顔。
体もゴシゴシ。

鼻歌。
呻(うめ)くような。

タオルタイム(わたし流呼び名)
パウダーパタパタ。
ローション。
保湿液。
歯磨き。
うがい。

パジャマ着る。

灯りを消す前に
透明な箱。
じゃまにならないところに置く。
布をかける。

寝る。

自分にも
布を掛けて。

2011年2月27日日曜日

シャワータイム

シャワーを浴びている

シャワーを浴び終わって
扉を開けると
君がいる世界に
きっと
繋がっているだろう
と 思えてくる

シャワーを浴びていると
いつシャワーを浴び始めたのか
季節はいつか
何年何月か
混沌としてくる

シャワーを浴び終わり
タオルで水滴を拭う時
現れたてきた世界を
生きていくしかないのだろう

それでいい
それしかない

君はシャワーを浴びず
湯船で
体を泡だらけにして
半身浴をしている

微笑みかける君は
僕の手のひらに触れる

シャワーを浴びない君は
別の世界の人なのか

シャワーを浴びながら考えてみたけれど
それがいつのことだったのか
だれのことだったのか
混沌とする

シャワーよ
勢い良く
水滴を放出し
体を刺激せよ
何も考えずに
無数のアタックをさせてくれ

2011年2月26日土曜日

未来 -ある朝に-

いつ始まったのかわからなかったが
周りに朝が来ていた

あなたが抱える銀色の小さなケースの中には
あなたの過去が詰まっているの?

箱にあなたと僕が映っている

耳を近付けて箱を揺すると
小さな鉄琴が
小さな音を響かせ静まった空気を揺らした

過去は美しい秘密

未来は開いた手のひらの
指の間を掠めて
床に散らばった

拾う必要はない

拾わなければ未来は
無限に降り注いでくる

2011年2月25日金曜日

香り

窓の外に咲いた花の香りが
時間を忘れて漂っている

あなたは
この部屋で
わたしを見上げながらシャンプーしていた

焦げ茶色のボトル

空っぽになった

まだ香っている

2011年2月24日木曜日

あなたが見たもの

あなたの眼が見てきたものを
わたしも見たいのに
わたしに見えるのは
荒れた日照りの道を歩いてゆく
あなたの眼
あなたの姿
そして
あなたの唇を塞ぐ
砂混じりの風

あなたが旅立った訳を
あなたは知らない
知ることは縛られることと分かっていたから
あなたは自らに問いかけることなく
旅立っていった
すべてをそのままにして

あなたがわたしの前に現れたとき
わたしはあなたに夢中になった
あなたはあなたを
わたしに惜しげもなく差し出した
次々とボタンを外して
すべての服を脱ぎ捨てて

あなたのからだは
夜の中で陶器のように輝いた
触れ合った部分が熱を帯びて
しっとりと引き合った
あなたの長い脚はわたしに絡みつき
わたしの手はあなたの膨らみをおおった

あなたが見てきたものの中に
わたしも含まれるのだろうか

わたしはあなたの眼になって
見えるものを見て見たいけれど
あなたを見るわたしの眼は
何を望んでいるのだろう

眼をつぶりあなたを見る
眼をあけると
あなたはわたしを見ていないから

2011年2月23日水曜日

あなた

久しぶりにあなたの夢をみて
あなたの香りが私を満たした

寝過ごして目覚めるとカーテンの間から陽が差し込んで
部屋の中に眩しい陽だまりを作っている
一瞬 季節が分からなくなったのは
あの夏の日のつづきと錯覚したから

幸せなことだ
あなたはいないのに
いるような気がする

ブランコから飛び降りて
駆け出した
少年時代の息の乱れ

喉の奥で予感した未来の中
突然抱きしめ合うことになったあなたは
消える運命だったのか

白い2つの山が
息をするたびに小さく波打ち
愛という異人の接近を押し返していた

2011年2月22日火曜日

こえ

たすけてください というこえも
もう ききとれない
ほしのひかりが じめんにあたるときの わずかな おとよりも
ちいさくなってしまったから

あとは まぶたを いっしょうけんめいに あけて
ゆびさきを さしだして 
あのひとに つたえるしかない

まだ おとなになったばかりなのに
からだがしびれ いきがくるしい

くびすじには
ははの ての やさしいかんしょくが
まだ のこっている

かがみのまえにたつと
わたしは つよいめをして みらいをゆめみていた
はしりだせば
だれもおいつけなかった

くつひもをむすび
かばんをもって
まいあさ でかけた

でんしゃの わっかに つかまって
いやほんからきこえる おんがくにききほてれていた

それが いま
わたしは
じめんに はうように よりそって
じぶんの しんぞうのこどうも いたみとしてしか かんじられない

なにかが わたしを とりのぞこうとしている
まけたくない 
という ふとでた ことばが わたしに まけをおもいしらせた

たすけてください 
と いってみた
じぶんにもきこえないよ と
つっこみをいれた

2011年2月21日月曜日

お月さん バンコンワ

心にフィルターがかかり
いつもの街の上を動き回る人々が
よく見える
自分の様子もよくわかる
夜になりライトアップされたオブジェの赤い色が
くっきりと見える

足を交互に投げ出して
歩くことができる
友だちと話すこともできる
うまく喋っているつもりでも
どこかがおっかなびっくりなところがあるが
相手のいたわりが感じられ
気を遣う

最近忙しすぎた上に
過大なストレスを抱えてしまったのだろうか
普段の流れから弾かれ
改札口で歩くことができなくなり
友だちからかかってきた電話にすがりついた

間もなくやってきた友だちは
明るい笑顔とハキハキした態度で
肩を抱えて
歩いた

カフェにはいると
きょうは何か食べたか尋ねられ
食べていないと答えた

運ばれてきたパスタを食べてみた
美味しいのかどうか、いつまで食べたらいいのか
考えた

友だちは心配していた
私も心配していた
何がどうなってしまったのだろう

やるべきことをするため
休むことにした
周りの人が助けてくれるだろう
かえっていいかもしれない
それまでよりもっとうまくいくかもしれない

家に帰り
友だちにコーヒーをいれてもらった
こんなありがたいことは初めてだ

窓の外の空に
月がこうこうと輝いていた
死んだおばあちゃんにおぶられて見た月だ

お月さん バンコンワ
コンバンワではない
おばあちゃんは何度も繰り返していた

お月さん
バンコンワ

2011年2月20日日曜日

長い一週間

六角形の紙に
手紙を書き
水曜日にだした

木曜日に着いた手紙の返事は
金曜日に書かれ
土曜日に出された

月曜日
返事の手紙が届いた
七角形の紙に
誤解を解くための手紙を書き
火曜日にだした

もうすぐ一週間

2011年2月19日土曜日

うつむく力はあるか

澄んだ空気を吸う
吐き出す空気には湿気が混じる

空気が沢山私を取り巻いている
足元には湿った路

服に身をまとい
靴を履いて
鞄を持っている

心のなかには思い出がある
思いがある
傷もある

周りにいる人の顔を見る
姿を見る
笑顔や無表情を見る

今まで生きてきた
これからも生きていく
確認するまでもないほどの


(うつむく力はあるか)