2011年3月31日木曜日

雨の遣い

あなたは外でつらいことがあって
その小さな部屋に逃げ帰ってきた

ベッドの上に体を投げ出したまま
動けなくなってしまった
シャワーを浴びたいのに
じっとして自分を癒すしかなかった

窓の外で雨が降り出したが
気づく様子もない

その雨は私が遣いにやったのだ

あなたは
雨の音を聴きながら
それが何であるのか認識できない

幸せだったあの頃の
遠い歌声が
聴こえているような気がしているだけだ

2 件のコメント:

  1. 雨の音は優しいですね。
    「あなた」もいつか「わたし」の遣いに気がつくと思います。
     

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  2. 余裕があると、普段嫌なものでも、その良さを感じることができます。ものの愛は、気づかない人にも、きっと注がれているのでしょう。

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