僕は年老いて指揮棒を振る
それに合わせて
楽器を奏でる楽団は見当たらない
もちろん歌を唄う歌手もいない
僕はいつかみた映画の
ワンシーンのように
森の中で指揮棒を振る
たまに
鳥や獣が興味ぶかげにみているが
直ぐに
何処かにいなくなってしまう
だから
だいたいはひとりで
指揮棒を振っている
だか彼には
楽団とピアニストが
彼の動きや表情を注意ぶかく観ているのが見えるので
彼は
気を緩めることなない
彼の唇には
いくつかの国の言葉が
かわるがわるたち現れるが
すぐにどこかに消えてく
隠れていたものたちが
彼の指揮によって
たまに姿を見せたり見せようとしたが
彼はその気配を感じ
それを織り込んで
さらに先を指揮した
すると突然
ひとりの美少女が
砂浜の道を駆けていったかと思うと
また戻ってきて
親しげに彼の顔を覗き込んだ
彼は狼狽したのを悟られないように
海のほうを向いて
意味のないセリフを吐いた
美少女は屈託なく笑ったが
それができたのは
深い悲しみと向きあい
それを押しやる術を学んだからだった
僕はそれにやっと気づいた時
彼女の姿はその国になかった
波音が森の上空を回り
何処からか銃声が聞こえてくる
彼ももうここにはいない
僕は
いくつかの国の言葉を
詩のリフレインのように発して
携帯の電源を切り
森に還すため
土に沈めた
2011年9月24日土曜日
2011年9月23日金曜日
2011年9月22日木曜日
途轍もなく不思議なもののために
途轍もなく不思議
不思議に思うのは何処か
自分を何から引き受けたのか
流れているだけなのか
流れてさえいないのか
自分を放(ほう)っている時は
何が引き受けているのか
引き受けていないのか
放っているだけなのか
何が必要なのか
思考する必要があるのか
あるなら何処にあるのか
必要なものは必然か
必然は語っているのか
疑問を受け付けないのか
疑問さえ内在するのか
包み込むのか
自分は自分に必要なのか
必要は自分を探すのか
金髪の男が黄色いボールを投げ
それをもう一人の茶髪の男が
杓文字のような板で打ち返した
ボールはベンチの方向に転がり
さっきまで本を読んでいた
黒い髪の女が拾い上げて
茶髪の男に投げた
笑顔と一緒に
何か言葉を発した
男も言葉を発した
世界とは自分を中心に広がる時間と空間なのか
中心は別の所にあるのか
ないのか
中心が無数にあるのか
無数にあったのか
一つもなかったのか
黄色いボールから
女が遠ざかり
茶髪の男が近づいた
黄色いボールから
茶髪の男が遠ざかり
金髪の男が近づいた
巨木が緑を揺らし
銅像の周りを廻った
銅像も自分の中心を軸にして回った
巨木と銅像の間を
笑い声が波となり進み
エコーが小さい波としてやってきて
干渉して渦巻いた
その渦巻いた中心は
周りを巻き混んで
激しく回った
辺りの風景は
加速度に耐えきれず
中心を拡散し
何処かに追いやる力が働いた
働きは
エネルギーを移転し
移転する時に
風を起こし
ひかりを乱反射した
乱反射の中心で
必然が笑い声に移転し
黄色いボールを追った
いま
そのボールは
自分の視界になく
ここに存在しないかのようだが
ボールは
自分に向かっているかもしれない
途轍もなく不思議だが
自分の中心が
ボールに近づいている
黒い髪の女は
二つの目を頭の前側につけ
中心のバランスを
うまく取り
向かってくるものに
迷いを与えているのだ
不思議に思うのは何処か
自分を何から引き受けたのか
流れているだけなのか
流れてさえいないのか
自分を放(ほう)っている時は
何が引き受けているのか
引き受けていないのか
放っているだけなのか
何が必要なのか
思考する必要があるのか
あるなら何処にあるのか
必要なものは必然か
必然は語っているのか
疑問を受け付けないのか
疑問さえ内在するのか
包み込むのか
自分は自分に必要なのか
必要は自分を探すのか
金髪の男が黄色いボールを投げ
それをもう一人の茶髪の男が
杓文字のような板で打ち返した
ボールはベンチの方向に転がり
さっきまで本を読んでいた
黒い髪の女が拾い上げて
茶髪の男に投げた
笑顔と一緒に
何か言葉を発した
男も言葉を発した
世界とは自分を中心に広がる時間と空間なのか
中心は別の所にあるのか
ないのか
中心が無数にあるのか
無数にあったのか
一つもなかったのか
黄色いボールから
女が遠ざかり
茶髪の男が近づいた
黄色いボールから
茶髪の男が遠ざかり
金髪の男が近づいた
巨木が緑を揺らし
銅像の周りを廻った
銅像も自分の中心を軸にして回った
巨木と銅像の間を
笑い声が波となり進み
エコーが小さい波としてやってきて
干渉して渦巻いた
その渦巻いた中心は
周りを巻き混んで
激しく回った
辺りの風景は
加速度に耐えきれず
中心を拡散し
何処かに追いやる力が働いた
働きは
エネルギーを移転し
移転する時に
風を起こし
ひかりを乱反射した
乱反射の中心で
必然が笑い声に移転し
黄色いボールを追った
いま
そのボールは
自分の視界になく
ここに存在しないかのようだが
ボールは
自分に向かっているかもしれない
途轍もなく不思議だが
自分の中心が
ボールに近づいている
黒い髪の女は
二つの目を頭の前側につけ
中心のバランスを
うまく取り
向かってくるものに
迷いを与えているのだ
2011年9月21日水曜日
優しい人に
優しくしてくれる人と会いたくない日に
いままでの生き方が悔やまれて
息ができず
濁った池のほとりに立って
正面からさしてくる夕日に
立ち向かうわけでもなく
途方に暮れていることさえ
あとからあとから
悔やまれてくる
繰り返し聞いた母の声は
正義と嘘つきの話を語っていた
繰り返していた
日々はいまも
繰り返しているようだか
いままでとは違い
私を守る砦は私の中にない
ウイルスが侵入しないよう
敵が攻撃をしてこないよう
びくびくするばかりだ
優しくしてくれる人と会いたくない日に
優しい人のことを思う
優しい人が
いつまでも生きていかれますように
幸せを感じられ
愛に恵まれますように
いつまでも優しい人で
いてくれますように
私も
優しい人に
なりたい
いままでの生き方が悔やまれて
息ができず
濁った池のほとりに立って
正面からさしてくる夕日に
立ち向かうわけでもなく
途方に暮れていることさえ
あとからあとから
悔やまれてくる
繰り返し聞いた母の声は
正義と嘘つきの話を語っていた
繰り返していた
日々はいまも
繰り返しているようだか
いままでとは違い
私を守る砦は私の中にない
ウイルスが侵入しないよう
敵が攻撃をしてこないよう
びくびくするばかりだ
優しくしてくれる人と会いたくない日に
優しい人のことを思う
優しい人が
いつまでも生きていかれますように
幸せを感じられ
愛に恵まれますように
いつまでも優しい人で
いてくれますように
私も
優しい人に
なりたい
2011年9月20日火曜日
私はあなたに会いに行くことができる
世界のどこにいても
あなたに会いに行くことができる
たとえば
明日
台風の過ぎた砂浜が見える
いつも待ち合わせがうまくいかなかった
カフェで
会うことが
できなくても
夏の日差しが輝き
夜になり
月の独壇場となる
あの
海が見える場所までいけば
あなたと
会うことができる
たとえば
二人で計画した通り
2016年の初夏に
あなたの父と母が結婚式をあげた
あの教会で
衣装に身を纏って
会うことが
できなくても
お互いのことを知るために
歩いた
素敵な街並みと店で
紅茶を飲んでサンドイッチを
笑いながら頬張っている
あなたに
会うことができる
私は
いま一人で
言葉の通じない国にいるが
あなたに
会いに
行くことができる
あなたは私の気持ちをもてあまして
やはり言葉の違う国にに旅立とうとしているが
あなたがどこにいても
ふりかえれば
私に会うことができる
インターネットが繋がれば
私は詩を書き
あなたに読ませるために
ブログにアップし
tweetする
私はあなたに
会いにいくのだ
あなたに会いに行くことができる
たとえば
明日
台風の過ぎた砂浜が見える
いつも待ち合わせがうまくいかなかった
カフェで
会うことが
できなくても
夏の日差しが輝き
夜になり
月の独壇場となる
あの
海が見える場所までいけば
あなたと
会うことができる
たとえば
二人で計画した通り
2016年の初夏に
あなたの父と母が結婚式をあげた
あの教会で
衣装に身を纏って
会うことが
できなくても
お互いのことを知るために
歩いた
素敵な街並みと店で
紅茶を飲んでサンドイッチを
笑いながら頬張っている
あなたに
会うことができる
私は
いま一人で
言葉の通じない国にいるが
あなたに
会いに
行くことができる
あなたは私の気持ちをもてあまして
やはり言葉の違う国にに旅立とうとしているが
あなたがどこにいても
ふりかえれば
私に会うことができる
インターネットが繋がれば
私は詩を書き
あなたに読ませるために
ブログにアップし
tweetする
私はあなたに
会いにいくのだ
2011年9月19日月曜日
マオはくじらの肩の上
最近
中腹に上がっていることがおおい蒼いくじらだが
友だちのくじらは
ガーデンプールと
中庭を挟んだ温室プールにいる
父と母のくじらは
この辺りには来ていない
(ロープウェイに載せようとした時に
すでに載せられない大きさだったから
諦めたようだ)
下のは施設には
くまとしかがいる
潮が引いたときに現れる道を
荷馬車で運ばれたのだ
中州のような
低く小さな島に
ひしめき合って住んでいるので
たまにくまとしかは
恋人のようになる
くまは
ヤシノキに登っていることもある
人は
どこにいるのだろう
携帯の着メロが聞こえてくるほらあなの中か
商店の向こうに霞んで見えるビルのネオンサインのあたりか
日曜日に
観光電車が駅に着いたら
だれかに
きいてみよう
色んな疑問を放ったらかしに
したままだったから
質問がうまくできるか
わからない
猫は思った
そういえば
あの国では
知り合いの猫たちはみんな
マオとよばれていた
マオね
にゃーんだろうにゃん
中腹に上がっていることがおおい蒼いくじらだが
友だちのくじらは
ガーデンプールと
中庭を挟んだ温室プールにいる
父と母のくじらは
この辺りには来ていない
(ロープウェイに載せようとした時に
すでに載せられない大きさだったから
諦めたようだ)
下のは施設には
くまとしかがいる
潮が引いたときに現れる道を
荷馬車で運ばれたのだ
中州のような
低く小さな島に
ひしめき合って住んでいるので
たまにくまとしかは
恋人のようになる
くまは
ヤシノキに登っていることもある
人は
どこにいるのだろう
携帯の着メロが聞こえてくるほらあなの中か
商店の向こうに霞んで見えるビルのネオンサインのあたりか
日曜日に
観光電車が駅に着いたら
だれかに
きいてみよう
色んな疑問を放ったらかしに
したままだったから
質問がうまくできるか
わからない
猫は思った
そういえば
あの国では
知り合いの猫たちはみんな
マオとよばれていた
マオね
にゃーんだろうにゃん
2011年9月18日日曜日
あなた、きみ、わたし
あなたが連絡を断ったので
あながあいてしまった
きみがとても優しくするから
きみが悪い
私は大事なものを
わたし忘れてしまったので
あなたが開けた
あなはそのまま
きみが送ってくれた
きみどりの切符は期限切れ
わたで首を締めているのか
笑うような泣き声が聞こえてくる
あながあいてしまった
きみがとても優しくするから
きみが悪い
私は大事なものを
わたし忘れてしまったので
あなたが開けた
あなはそのまま
きみが送ってくれた
きみどりの切符は期限切れ
わたで首を締めているのか
笑うような泣き声が聞こえてくる
2011年9月17日土曜日
2011年9月16日金曜日
希望の姿
古い建物の窓から乗り出して
あなたは電話しているけれど
その建物が完成したときのことを
あなたは知らない
あなたのママは
まだあなたを産んでいなかったし
あなたのパパは
まだ知らない外国の人と付き合っていた
あなたが生まれた時
その建物は
もう生まれて20年が過ぎていた
建物は
完成したときのことをよく覚えている
オーナーのオジさんが初めて建てた建物だったから
友人知人関係者たちが集まって
お酒を飲んで
それはそれは大騒ぎしたものだと
オーナーのオジさんは
希望に胸を膨らませ
翌日
なんと結婚を申し込んだのだ
多くの人たちが
ピカピカの建物をたたえた
オジさんは
新しいお嫁さんを思いながら
くる日もくる日も
建物を大事にメンテナンスした
だから
建物は大活躍して
入居者を喜ばせ
オジさんに富をもたらした
そのオジさんも
いまは
もうここに
来ることはなくなってしまった
あなたは
窓から
雲が敷き詰めれた空や街の景色を
見るともなく見て
色んな表情を作りながら
電話している
くすんだ外壁から
あなたの鮮やかな色と優しい曲線が輝き
私は目を奪われている
建物は
オジさんのことを思っているが
窓から乗り出しているあなたのことも
きっと好きだ
私は
この建物に新しい風景を見出している
どこかに芽生える私の希望を
この建物に
重ねられるから
何もかも失った私には
希望の姿が眩しいほどに
よく見えるのだ
あなたは電話しているけれど
その建物が完成したときのことを
あなたは知らない
あなたのママは
まだあなたを産んでいなかったし
あなたのパパは
まだ知らない外国の人と付き合っていた
あなたが生まれた時
その建物は
もう生まれて20年が過ぎていた
建物は
完成したときのことをよく覚えている
オーナーのオジさんが初めて建てた建物だったから
友人知人関係者たちが集まって
お酒を飲んで
それはそれは大騒ぎしたものだと
オーナーのオジさんは
希望に胸を膨らませ
翌日
なんと結婚を申し込んだのだ
多くの人たちが
ピカピカの建物をたたえた
オジさんは
新しいお嫁さんを思いながら
くる日もくる日も
建物を大事にメンテナンスした
だから
建物は大活躍して
入居者を喜ばせ
オジさんに富をもたらした
そのオジさんも
いまは
もうここに
来ることはなくなってしまった
あなたは
窓から
雲が敷き詰めれた空や街の景色を
見るともなく見て
色んな表情を作りながら
電話している
くすんだ外壁から
あなたの鮮やかな色と優しい曲線が輝き
私は目を奪われている
建物は
オジさんのことを思っているが
窓から乗り出しているあなたのことも
きっと好きだ
私は
この建物に新しい風景を見出している
どこかに芽生える私の希望を
この建物に
重ねられるから
何もかも失った私には
希望の姿が眩しいほどに
よく見えるのだ
2011年9月15日木曜日
十年前の九月十五日に書いたもの
あしたのあしたはあさって
あさってのあさってはやのあさって
あさってのきのうはあした
あしたのおとといはきのう
きのうのしあさってはあさって
あさってのおとといはきょう
あしたになったら
どうなるだろう
じゅうねんごになっても
あしたはあしたかしら
あさってのあさってはやのあさって
あさってのきのうはあした
あしたのおとといはきのう
きのうのしあさってはあさって
あさってのおとといはきょう
あしたになったら
どうなるだろう
じゅうねんごになっても
あしたはあしたかしら
2011年9月14日水曜日
愛を続ける
庭からは見えないんだ
橋からも見えない
木々の隙間からも見えない
テニスコートの向こうにも
風が渦巻いている場所にも
見えない
想像して
耳を澄ましても
聞こえないんだ
遠くの雑踏の中にも
子供たちのはしゃぎ声や
誰かを呼ぶ声の後ろからも
聞こえてこないんだ
触れないんだ
手を伸ばしても
近づいても
向かい合わせになっても
触れられないんだ
そこにいても
目を合わせても
触れられないんだ
橋からも見えない
木々の隙間からも見えない
テニスコートの向こうにも
風が渦巻いている場所にも
見えない
想像して
耳を澄ましても
聞こえないんだ
遠くの雑踏の中にも
子供たちのはしゃぎ声や
誰かを呼ぶ声の後ろからも
聞こえてこないんだ
触れないんだ
手を伸ばしても
近づいても
向かい合わせになっても
触れられないんだ
そこにいても
目を合わせても
触れられないんだ
2011年9月13日火曜日
2011年9月12日月曜日
片思いの月
月を見上げながら歩いていたら
道に迷ってしまった
こんなときに
旅先から
愛するあなたに電話するのは
やめよう
きっとあなたも
道に迷っているに
違いないから
月からみれば
2人は一緒も同然
いつも会うカフェの
飾り物の風見鶏が
青く光って見えている
また
あそこで
一緒にすごすんだ
そのとき
私は片思いの月
悲しくて身を細らせている
道に迷ってしまった
こんなときに
旅先から
愛するあなたに電話するのは
やめよう
きっとあなたも
道に迷っているに
違いないから
月からみれば
2人は一緒も同然
いつも会うカフェの
飾り物の風見鶏が
青く光って見えている
また
あそこで
一緒にすごすんだ
そのとき
私は片思いの月
悲しくて身を細らせている
2011年9月11日日曜日
2011年9月10日土曜日
これも性格
ぼくのほっぺは
ふくらんでいる気がする
こんなにふくらんでいなくても
いいのに
おまけに拳はまるい気がする
熊に近い形に見える
体もずんぐりムックリしている気がする
下手するとムッツリナントカだ
だから
自分と似ていない形にあこがれるとすると
すらっとした細身で
ほっぺはスッキリしている形
ということになる
また
オタクで小心者
見栄っ張りでワガママ
自分が大事で
イベント好き
詩人を気取りたがり
特別感をもとめる
人を驚かすのが好きで
驚かされるのは嫌いな
気がする
とすると
同じように
社交的で勇気があり
素直で親切
特別なものを求めず
見栄を張らず自然体
人を驚かせない
性格に惹かれる
ということになる
そんなことを考えていたら
自分の形や
性格をなおしたほうがいいと
思えてきた
そして
いつものように
考えるのをやめてしまう
これも性格
ふくらんでいる気がする
こんなにふくらんでいなくても
いいのに
おまけに拳はまるい気がする
熊に近い形に見える
体もずんぐりムックリしている気がする
下手するとムッツリナントカだ
だから
自分と似ていない形にあこがれるとすると
すらっとした細身で
ほっぺはスッキリしている形
ということになる
また
オタクで小心者
見栄っ張りでワガママ
自分が大事で
イベント好き
詩人を気取りたがり
特別感をもとめる
人を驚かすのが好きで
驚かされるのは嫌いな
気がする
とすると
同じように
社交的で勇気があり
素直で親切
特別なものを求めず
見栄を張らず自然体
人を驚かせない
性格に惹かれる
ということになる
そんなことを考えていたら
自分の形や
性格をなおしたほうがいいと
思えてきた
そして
いつものように
考えるのをやめてしまう
これも性格
2011年9月9日金曜日
詩人のスーパーカー
これは
ぼくが作った電気自動車なんだ
とその詩人は言った
*これは、最終行にもってきてもいいかな
巨きな会場の床一面に
テストコースが設置されている
きょうは昼の生番組で
スーパーカーを披露することになった
サングラスを掛けた司会者が
ゲストを呼び込む
私も一足遅れて一緒にでる
サポート役だからだ
さっきまで
会場内のレストランで打合せをしていたときには
客はまだ少なく
白けたらどうしよう という感じだったのに
いつの間にか二階の上のほうまで客はが入り
心配は別の心配に変わった
盛大な拍手と歓声に
圧倒され
失敗が怖くなったのだ
スーパーカーは
ゴーカートのようなおおきさで
床は紙でできている
ボディは夏休みの宿題と同じ
牛乳パックで作ってあるが
仕上げに凝ってある
ドライバーと
後部座席にもう1人乗れるが
きょうは
車の不具合を調整する使命で
私が同乗する
コマーシャルが終わり
サングラスの司会者がスタートを盛り上げた
ついに
走り始めた
だかあろうことかすぐに
ボディがしなって
よじれて失速した
2人でよじれを直しながら
平静を装い
走り続けようと
必死になった
実況のアナウンスが盛り上げようとしているが
無理だ!
いったいどこが
スーパーカーなのだ
といった様相だ
そのとき
ドライバーが振り向いて
後ろに設置された
ちいさなワイヤレスカメラに向かって
カメラ目線で言った
これは
ぼくが作った電気自動車なんだ
ぼくが作った電気自動車なんだ
とその詩人は言った
*これは、最終行にもってきてもいいかな
巨きな会場の床一面に
テストコースが設置されている
きょうは昼の生番組で
スーパーカーを披露することになった
サングラスを掛けた司会者が
ゲストを呼び込む
私も一足遅れて一緒にでる
サポート役だからだ
さっきまで
会場内のレストランで打合せをしていたときには
客はまだ少なく
白けたらどうしよう という感じだったのに
いつの間にか二階の上のほうまで客はが入り
心配は別の心配に変わった
盛大な拍手と歓声に
圧倒され
失敗が怖くなったのだ
スーパーカーは
ゴーカートのようなおおきさで
床は紙でできている
ボディは夏休みの宿題と同じ
牛乳パックで作ってあるが
仕上げに凝ってある
ドライバーと
後部座席にもう1人乗れるが
きょうは
車の不具合を調整する使命で
私が同乗する
コマーシャルが終わり
サングラスの司会者がスタートを盛り上げた
ついに
走り始めた
だかあろうことかすぐに
ボディがしなって
よじれて失速した
2人でよじれを直しながら
平静を装い
走り続けようと
必死になった
実況のアナウンスが盛り上げようとしているが
無理だ!
いったいどこが
スーパーカーなのだ
といった様相だ
そのとき
ドライバーが振り向いて
後ろに設置された
ちいさなワイヤレスカメラに向かって
カメラ目線で言った
これは
ぼくが作った電気自動車なんだ
2011年9月8日木曜日
!
雨が降り
あたり一面が濡れた
あなたの頬に
マイナスの記号をつけたら
いままで生きてきた人生が
幸せになるか
不幸になるか
もし不幸になるなら
マイナスの記号は
不幸が訪れるときまで
とっておこう
雨があがり
地上に湿った風が吹き
見渡す限りの
光る街が現れ
海と地続きになる
風に置き去りにされた私は
どんな符号を待っているのか
あたり一面が濡れた
あなたの頬に
マイナスの記号をつけたら
いままで生きてきた人生が
幸せになるか
不幸になるか
もし不幸になるなら
マイナスの記号は
不幸が訪れるときまで
とっておこう
雨があがり
地上に湿った風が吹き
見渡す限りの
光る街が現れ
海と地続きになる
風に置き去りにされた私は
どんな符号を待っているのか
2011年9月7日水曜日
土ぼこりの香り
急に雨が降ってきたんだ
ちょうど道に迷っていた
静かな町なのに
前からも後ろからも
左右の道や建物の間からも
ひとが出てくるんだ
みんなそれぞれ
何か用がありそうだったり
楽しそうだったり
さびしそうだったり
何かを抱えているみたいなんだ
そういう自分だって
他人からみれば
何かを抱えているように
みえるんだろう
雨の間を風邪が吹いて
木の下の乾いていた土が
けむりをたてる
曲がり角をまがり
みたことがない静かな道に入ったとき
外人のジャージ姿の人が
声を掛けてきたけど
何をいっているかわからないので
こちらも自分でもわからない言葉で
わからないと伝えて手を振った
さびしげな道に入ったはずなのに
相変わらずひっきりなしに
ひとびとがいき過ぎる
なかには迷い顔のひともいる
さあ
部屋に帰らなくては
傘をとって
ご飯と洗濯屋に行かなくては
雨が降っている
優しい雨だ
きょうは朝から
霧っぽい空気だった
夜の向こうに何があるのかな
すれ違うひとびとは
何処に帰るのかな
食事をしおわったら
どこかのラウンジに座って
誰かの前にいてみようかな
そのとき
雨は
土ぼこりを鎮めているだろう
ちょうど道に迷っていた
静かな町なのに
前からも後ろからも
左右の道や建物の間からも
ひとが出てくるんだ
みんなそれぞれ
何か用がありそうだったり
楽しそうだったり
さびしそうだったり
何かを抱えているみたいなんだ
そういう自分だって
他人からみれば
何かを抱えているように
みえるんだろう
雨の間を風邪が吹いて
木の下の乾いていた土が
けむりをたてる
曲がり角をまがり
みたことがない静かな道に入ったとき
外人のジャージ姿の人が
声を掛けてきたけど
何をいっているかわからないので
こちらも自分でもわからない言葉で
わからないと伝えて手を振った
さびしげな道に入ったはずなのに
相変わらずひっきりなしに
ひとびとがいき過ぎる
なかには迷い顔のひともいる
さあ
部屋に帰らなくては
傘をとって
ご飯と洗濯屋に行かなくては
雨が降っている
優しい雨だ
きょうは朝から
霧っぽい空気だった
夜の向こうに何があるのかな
すれ違うひとびとは
何処に帰るのかな
食事をしおわったら
どこかのラウンジに座って
誰かの前にいてみようかな
そのとき
雨は
土ぼこりを鎮めているだろう
2011年9月6日火曜日
ずっと話していない人は
ずっと話していない人のことを
考えている
窓の向こうでは
秋の虫が鳴いている
ずっと話していない人は
どうしてか
愛おしい
どうしてか
とても身近に感じられる
ずっと話していない人は
どこでなにして
いるのだろう
まさか私のことを考えている?
まさか まさか
ずっと話していない人は
ほんとは少し前に別れた人
あれからまだ髪も切っていないだろうが
昔別れた人みたい
考えている
窓の向こうでは
秋の虫が鳴いている
ずっと話していない人は
どうしてか
愛おしい
どうしてか
とても身近に感じられる
ずっと話していない人は
どこでなにして
いるのだろう
まさか私のことを考えている?
まさか まさか
ずっと話していない人は
ほんとは少し前に別れた人
あれからまだ髪も切っていないだろうが
昔別れた人みたい
2011年9月5日月曜日
恋の歌
材料はこうだ
厚めに切った食パン
真四角で小麦の感じがしっかりしていて、ややしっとりしているもの
蜂蜜
ココナッツパウダー
シナモン
ザラメの砂糖
隠し味に味噌
鶏の卵
無塩バター
出来上がると
それは
とてもおいしい
ものになる
どうしておいしいのかは
教えてくれない
ただ
あなたは
笑顔と神妙な顔を繰り返しながらそれを作り上げ
食べる時はまた別人になる
器用なあなたは
周りにいろんな問題を抱えているが
平気な顔をしている
それが
一番器用なところだと
一番私が知っている
厚めに切った食パン
真四角で小麦の感じがしっかりしていて、ややしっとりしているもの
蜂蜜
ココナッツパウダー
シナモン
ザラメの砂糖
隠し味に味噌
鶏の卵
無塩バター
出来上がると
それは
とてもおいしい
ものになる
どうしておいしいのかは
教えてくれない
ただ
あなたは
笑顔と神妙な顔を繰り返しながらそれを作り上げ
食べる時はまた別人になる
器用なあなたは
周りにいろんな問題を抱えているが
平気な顔をしている
それが
一番器用なところだと
一番私が知っている
2011年9月4日日曜日
あなたと航海 はじめちゃう
あなたが騒いだので
花火大会は
ぶち壊しになった
みんなが怒って車に乗り
列をなして田舎道を走り出す
臨時に設けられたガードレールは
工事用ヘルメットを並べたものだが
異様な縁石にしか見えず
その不始末を隠そうとして担当者は
外側に体操着を広げて並べた
だがかえってますます意味が分からなくなり
目立ってしまっている
花火大会はまたやればいいし
ガードレールも必要ない
騒いだあなたは
必要な人だから
助手席で
眠っていたほうがいい
あしたはここで
マラソン大会があるのだ
ホイールが外れた車が
続出して
渋滞が激しくなってきたのを
上で天の川が見下ろしている
愛する人が眠っている間に
つまらない考えは
捨ててしまおうと試みていだが間に合わなかった
もう
荒波に巻き込まれて
ヘラヘラ笑いながら
だんだん本当に楽しくなっていってしまった
花火大会は
ぶち壊しになった
みんなが怒って車に乗り
列をなして田舎道を走り出す
臨時に設けられたガードレールは
工事用ヘルメットを並べたものだが
異様な縁石にしか見えず
その不始末を隠そうとして担当者は
外側に体操着を広げて並べた
だがかえってますます意味が分からなくなり
目立ってしまっている
花火大会はまたやればいいし
ガードレールも必要ない
騒いだあなたは
必要な人だから
助手席で
眠っていたほうがいい
あしたはここで
マラソン大会があるのだ
ホイールが外れた車が
続出して
渋滞が激しくなってきたのを
上で天の川が見下ろしている
愛する人が眠っている間に
つまらない考えは
捨ててしまおうと試みていだが間に合わなかった
もう
荒波に巻き込まれて
ヘラヘラ笑いながら
だんだん本当に楽しくなっていってしまった
言わず終い
電話してもいいですか
と
電話してみた
出なかった
ますます
電話したくなった
いつになったら電話に出られますか
と
電話しようとしたら
だれかから
電話がかかってきた
電話してもいいですか
と
その寂しがり屋に尋ねられ
それは私が別の人に
言おうとした台詞だ
と
答えた
その人は
私が話したかった相手から
電話がかかってきて
電話してもいいですか
と
だれかから
電話がかかってきた
と
言われた
と
言う
私は
電話してもいいですかと
自分が
言わず終いであることに
深く
絶望した
と
電話してみた
出なかった
ますます
電話したくなった
いつになったら電話に出られますか
と
電話しようとしたら
だれかから
電話がかかってきた
電話してもいいですか
と
その寂しがり屋に尋ねられ
それは私が別の人に
言おうとした台詞だ
と
答えた
その人は
私が話したかった相手から
電話がかかってきて
電話してもいいですか
と
だれかから
電話がかかってきた
と
言われた
と
言う
私は
電話してもいいですかと
自分が
言わず終いであることに
深く
絶望した
2011年9月3日土曜日
だれのもの?
揺れて霞んでいるのは
あなたの姿
香りがどこかに
残っていて
たまに気づくと
問いかけてくる
あなたが
わたしを愛しているのは
なにか
理由があるのよ
言葉にはできない
理由が
と
あなたにも
なにかが
問いけてくるのだろうか
不意に
どこかからか
それは
だれのものなのだろう
私には
分からない
あなたの姿
香りがどこかに
残っていて
たまに気づくと
問いかけてくる
あなたが
わたしを愛しているのは
なにか
理由があるのよ
言葉にはできない
理由が
と
あなたにも
なにかが
問いけてくるのだろうか
不意に
どこかからか
それは
だれのものなのだろう
私には
分からない
2011年9月2日金曜日
弱虫の宣言
降りしきる蝉時雨の
都会の木立を抜けて
あなたから
離れていった
地下鉄にもぐり
当てもなく駅で降りて
また乗った
気づくと
知らない国にいた
飛行機を降りたのは半日前
あなたから離れたのは
一日前
知らない人に囲まれて
泣いていたのは
ずっと前
そしていまもだ
何かがこんがらかっているが
解く気持ちにならないのは
それが我が身を守っているから
そのことだけは
宣言しておこう
都会の木立を抜けて
あなたから
離れていった
地下鉄にもぐり
当てもなく駅で降りて
また乗った
気づくと
知らない国にいた
飛行機を降りたのは半日前
あなたから離れたのは
一日前
知らない人に囲まれて
泣いていたのは
ずっと前
そしていまもだ
何かがこんがらかっているが
解く気持ちにならないのは
それが我が身を守っているから
そのことだけは
宣言しておこう
2011年9月1日木曜日
きちゃってよ、いますぐに。
いっちゃってよ
いっちゃって
それで
きちゃって
いっちゃってよ
やっちゃってよ
やっちゃって
たまには
やらずに
よっちゃってよ
くんじゃってよ
くんじゃって
そしたら
ぬいて
だしちゃってよ
だしちゃったら
いれちゃって
じゅんじょは
いいから
ぬいちゃってよ
すっちゃってよ
すっちゃって
どさくさ
まぎれに
もんじゃってよ
いっちゃってよ
いっちゃって
くんず
ほぐれつ
きちゃってよ
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