2024年12月14日土曜日

君は柿の実を1つ僕に落とした(やさしいんだね、君って)

君は柿の実を1つ僕に落とした。

これが、僕の最初の1行となった。


それ以来、どんな言葉を綴っても、

その1行を超える言葉は出てこなかった。


君は柿の実を1つ僕に落とした。

君に届く言葉はない。


僕が吐き出したどんな言葉も、

枯葉となって風に舞い、

どこかに消え去っていくだけだった。


その静寂を打ち破って

どこからか無節操な笑い声が聞こえてくる。


胸の鼓動が何かを語ろうとしたが、

それはもちろん言葉になるはずもなかった。


はっとして振り返ると

切なさはという友達が・・・

そう思う間もなく、

君は柿の実を1つ僕に落とした。

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