君は柿の実を1つ僕に落とした。
これが、僕の最初の1行となった。
それ以来、どんな言葉を綴っても、
その1行を超える言葉は出てこなかった。
君は柿の実を1つ僕に落とした。
君に届く言葉はない。
僕が吐き出したどんな言葉も、
枯葉となって風に舞い、
どこかに消え去っていくだけだった。
その静寂を打ち破って
どこからか無節操な笑い声が聞こえてくる。
胸の鼓動が何かを語ろうとしたが、
それはもちろん言葉になるはずもなかった。
はっとして振り返ると
切なさはという友達が・・・
そう思う間もなく、
君は柿の実を1つ僕に落とした。
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