2011年3月14日月曜日

あの部屋

あの部屋のドアを開けて
何度出ていっただろう
何度帰っていっただろう

数えきれないほどの思い出があった
辛いときには涙も流した
夢を一杯抱えて出ていったこともあった
帰っていったこともあった

楽しいこと
憂鬱なこと
嬉しい思い
儚い気持ち
様々な思いが巡った

窓を開けて見あげた星
明け方に鳴きやむ秋の虫
雪景色を見渡した夜
頬に火照りを感じながら
愛する人のことを思った

皆 あの部屋の中のことだ
皆 あの部屋の天井が
見守っていてくれた

わたしは別の部屋に移り住み
あの部屋は
今はどこよりも遠く
いくことはできなない

だが思い出すことはできる
心に思い浮かべて入っていくことはできる

部屋の明かりを暗くして
わたしは何を思おうか
どんな未来を描こうか

部屋に尋ねてみたい

部屋のドアを開けて
部屋に入り
また部屋を出てゆくまでの
わずかなあいだに

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