2011年2月28日月曜日

悩みの解決

まず、箱に入れる。
透明な箱の中に。

入れたらた
「困ったこと、悩み、負の感情」。

箱を振って
混ぜてみる。

混ざらない。
もちろん消えない。

箱を開けて
マッチで火をつけてみる。

燃えた。
煙。
燃えかす。

燃えカスを指でくだいて
ゴミ箱へ。

手を洗う。
消毒。

ついでに
シャワー。
シャンプー。
トリートメント。
洗顔。
体もゴシゴシ。

鼻歌。
呻(うめ)くような。

タオルタイム(わたし流呼び名)
パウダーパタパタ。
ローション。
保湿液。
歯磨き。
うがい。

パジャマ着る。

灯りを消す前に
透明な箱。
じゃまにならないところに置く。
布をかける。

寝る。

自分にも
布を掛けて。

2011年2月27日日曜日

シャワータイム

シャワーを浴びている

シャワーを浴び終わって
扉を開けると
君がいる世界に
きっと
繋がっているだろう
と 思えてくる

シャワーを浴びていると
いつシャワーを浴び始めたのか
季節はいつか
何年何月か
混沌としてくる

シャワーを浴び終わり
タオルで水滴を拭う時
現れたてきた世界を
生きていくしかないのだろう

それでいい
それしかない

君はシャワーを浴びず
湯船で
体を泡だらけにして
半身浴をしている

微笑みかける君は
僕の手のひらに触れる

シャワーを浴びない君は
別の世界の人なのか

シャワーを浴びながら考えてみたけれど
それがいつのことだったのか
だれのことだったのか
混沌とする

シャワーよ
勢い良く
水滴を放出し
体を刺激せよ
何も考えずに
無数のアタックをさせてくれ

2011年2月26日土曜日

未来 -ある朝に-

いつ始まったのかわからなかったが
周りに朝が来ていた

あなたが抱える銀色の小さなケースの中には
あなたの過去が詰まっているの?

箱にあなたと僕が映っている

耳を近付けて箱を揺すると
小さな鉄琴が
小さな音を響かせ静まった空気を揺らした

過去は美しい秘密

未来は開いた手のひらの
指の間を掠めて
床に散らばった

拾う必要はない

拾わなければ未来は
無限に降り注いでくる

2011年2月25日金曜日

香り

窓の外に咲いた花の香りが
時間を忘れて漂っている

あなたは
この部屋で
わたしを見上げながらシャンプーしていた

焦げ茶色のボトル

空っぽになった

まだ香っている

2011年2月24日木曜日

あなたが見たもの

あなたの眼が見てきたものを
わたしも見たいのに
わたしに見えるのは
荒れた日照りの道を歩いてゆく
あなたの眼
あなたの姿
そして
あなたの唇を塞ぐ
砂混じりの風

あなたが旅立った訳を
あなたは知らない
知ることは縛られることと分かっていたから
あなたは自らに問いかけることなく
旅立っていった
すべてをそのままにして

あなたがわたしの前に現れたとき
わたしはあなたに夢中になった
あなたはあなたを
わたしに惜しげもなく差し出した
次々とボタンを外して
すべての服を脱ぎ捨てて

あなたのからだは
夜の中で陶器のように輝いた
触れ合った部分が熱を帯びて
しっとりと引き合った
あなたの長い脚はわたしに絡みつき
わたしの手はあなたの膨らみをおおった

あなたが見てきたものの中に
わたしも含まれるのだろうか

わたしはあなたの眼になって
見えるものを見て見たいけれど
あなたを見るわたしの眼は
何を望んでいるのだろう

眼をつぶりあなたを見る
眼をあけると
あなたはわたしを見ていないから

2011年2月23日水曜日

あなた

久しぶりにあなたの夢をみて
あなたの香りが私を満たした

寝過ごして目覚めるとカーテンの間から陽が差し込んで
部屋の中に眩しい陽だまりを作っている
一瞬 季節が分からなくなったのは
あの夏の日のつづきと錯覚したから

幸せなことだ
あなたはいないのに
いるような気がする

ブランコから飛び降りて
駆け出した
少年時代の息の乱れ

喉の奥で予感した未来の中
突然抱きしめ合うことになったあなたは
消える運命だったのか

白い2つの山が
息をするたびに小さく波打ち
愛という異人の接近を押し返していた

2011年2月22日火曜日

こえ

たすけてください というこえも
もう ききとれない
ほしのひかりが じめんにあたるときの わずかな おとよりも
ちいさくなってしまったから

あとは まぶたを いっしょうけんめいに あけて
ゆびさきを さしだして 
あのひとに つたえるしかない

まだ おとなになったばかりなのに
からだがしびれ いきがくるしい

くびすじには
ははの ての やさしいかんしょくが
まだ のこっている

かがみのまえにたつと
わたしは つよいめをして みらいをゆめみていた
はしりだせば
だれもおいつけなかった

くつひもをむすび
かばんをもって
まいあさ でかけた

でんしゃの わっかに つかまって
いやほんからきこえる おんがくにききほてれていた

それが いま
わたしは
じめんに はうように よりそって
じぶんの しんぞうのこどうも いたみとしてしか かんじられない

なにかが わたしを とりのぞこうとしている
まけたくない 
という ふとでた ことばが わたしに まけをおもいしらせた

たすけてください 
と いってみた
じぶんにもきこえないよ と
つっこみをいれた

2011年2月21日月曜日

お月さん バンコンワ

心にフィルターがかかり
いつもの街の上を動き回る人々が
よく見える
自分の様子もよくわかる
夜になりライトアップされたオブジェの赤い色が
くっきりと見える

足を交互に投げ出して
歩くことができる
友だちと話すこともできる
うまく喋っているつもりでも
どこかがおっかなびっくりなところがあるが
相手のいたわりが感じられ
気を遣う

最近忙しすぎた上に
過大なストレスを抱えてしまったのだろうか
普段の流れから弾かれ
改札口で歩くことができなくなり
友だちからかかってきた電話にすがりついた

間もなくやってきた友だちは
明るい笑顔とハキハキした態度で
肩を抱えて
歩いた

カフェにはいると
きょうは何か食べたか尋ねられ
食べていないと答えた

運ばれてきたパスタを食べてみた
美味しいのかどうか、いつまで食べたらいいのか
考えた

友だちは心配していた
私も心配していた
何がどうなってしまったのだろう

やるべきことをするため
休むことにした
周りの人が助けてくれるだろう
かえっていいかもしれない
それまでよりもっとうまくいくかもしれない

家に帰り
友だちにコーヒーをいれてもらった
こんなありがたいことは初めてだ

窓の外の空に
月がこうこうと輝いていた
死んだおばあちゃんにおぶられて見た月だ

お月さん バンコンワ
コンバンワではない
おばあちゃんは何度も繰り返していた

お月さん
バンコンワ

2011年2月20日日曜日

長い一週間

六角形の紙に
手紙を書き
水曜日にだした

木曜日に着いた手紙の返事は
金曜日に書かれ
土曜日に出された

月曜日
返事の手紙が届いた
七角形の紙に
誤解を解くための手紙を書き
火曜日にだした

もうすぐ一週間

2011年2月19日土曜日

うつむく力はあるか

澄んだ空気を吸う
吐き出す空気には湿気が混じる

空気が沢山私を取り巻いている
足元には湿った路

服に身をまとい
靴を履いて
鞄を持っている

心のなかには思い出がある
思いがある
傷もある

周りにいる人の顔を見る
姿を見る
笑顔や無表情を見る

今まで生きてきた
これからも生きていく
確認するまでもないほどの


(うつむく力はあるか)

2011年2月18日金曜日

あした海を見に行く

あした
海を見に行こうと思う
車に乗って
愛する人と

いつか
一人で見に行こうとして
あまりの寂しさに
思わず友達を誘って見に行った海だ
その友達は素敵な人だった

海を見ると
自分が何にこだわっているのか
みえてくる

海はいつもそこひとりであるからだろう
海はその胸にあらゆる思いや夢をうけとめるからだろう

海水浴シーズンの海は
ひとでごった返している
海の家が粗末なシャワールームをかまえ
貧乏臭く水をチョロチョロ浴びさせる

シャワールームでは
人は一人で後悔に呉れ
将来を考える

ある朝
目が覚めると
なにか大事なモノがガラガラと風に飛ばされ
爽やかな空虚がそこに満たされていた
シャワーのお湯が
体を包み
空虚もそっちのけで
未来に溶かしていた

2011年2月17日木曜日

見るだけのわたし

怖がりな人
弱虫の人
お節介なきみ
ひとのいい彼

生き急ぐ人
苦労症の人
やりくり上手なきみ
細やかな彼女

見せたがる人
我儘な人
執念深いきみ
欲深い人

呼べばくる人
出不精な人
困り顔のきみ
笑いすぎる彼

物知りな人
人を騙す人
破天荒なきみ
謹慎中の彼

狂い咲く人
煙たい人
話好きのきみ
お呼びでない彼

嫁入り前の人
愛される人
まぶたを伏せたきみ
ただ見るだけのわたし

2011年2月16日水曜日

いつもと違う日

林の上の澄んだ空気に
月が明るく光り

降り積もった雪を集めた小山に
苦しみを抱えた人が腰を下ろす

誰の文句も受け付けない場所

息をすると恥ずかしいほど
たっぷりと白い湯気が出る

でも誰も見ていない

静かさが
包む

心配事は
氷に閉じ込める

きょうはいつもと違う日
栞の日

2011年2月15日火曜日

秘書がいない

秘書が
私のからだの半分を連れて
出て行ってしまったので
自分の考えが正しいかどうか判断ができない

その半分には脳も含まれていたようだ
記憶がその分なくなり
思考力ももっていかれただろう

そのため日常の生活もままならず
高度な仕事は穴だらけとなる

チンチンも半分なくなったようだ
以前がどういうものだったのか思い出せない

知人と何があったか
何処に住んでいる人なのか
何か約束をして違えていないかどうかなど
重要と思われることが分からない
そのくせ
思い出さなくていいことが
鮮明に蘇る

秘書がここにいたときには
今日のご予定がよく分かった
物事の手配や段取りはすべてうまくいった
パスされたボールを投げれば
得点が上がった

秘書はいま何処で何をしているのだろう
半分の自分にメールして尋ねてみたいが
アドレス帳の所在が分からないうえ
自分がいるかさえも分からない
あちらからの連絡を待つために
フェイスブックに登録しておこう

2011年2月14日月曜日

弱さ

これ以上弱くなれないという弱さ
命の崖っぷちを歩くことができない自分

生きている価値というのはどういうものだろう
顕微鏡の中でうごめく細胞をみながら
思い出の海を捜し回る

いつから道はなくなってしまったのか
それまであったはずだった道は幻想だったのだろうか

答えてくれる者はいない
白い雪が街に降り積もる
いつもと違う街の風景
これは幻想ではなく現実なのだろうか

頼りなく指先を動かす
干からびかけた手が
誰かの意志で動いているようだ

2011年2月13日日曜日

センサーが働いちゃうんだよ

感じないようにしていても感じてしまう
感度を下げられないし
スイッチを切ることもできない

センサーは心臓に直結していてそこから脳へと管が伸びている
グロテスクな形だが
いいものは案外こんなものだ
それが世の常

昼ごはんを食べる
松花堂弁当は
胃の中で混ぜ合わされ
もう松花堂弁当と呼ぶことは出来なくなる

言葉を費やし
重ね
こねくり回しても
もはや原型を求めることもできず
そのためか
道や電信柱やスレートの屋根や雲は
切り離されたままこの世にに存在できている

ジョギングのための服や諸々をまとって
そこからスタートする
中身が踊っている
風が意外と冷たく
頬が痺れる

距離をカウントする理性が
野生に思えてくる
センサーは働く
自動計算機の上に汗のつぶが落ちる
なんのために
その問いはご法度
暗黙のルールがあるからだ

2011年2月12日土曜日

うさぎとくま

うさぎ対くまの対決が始まった
どっちもまけるな

ふわっと浮かびあがって
桃色のキック
吐息を漏らして
緑色の靄(もや)

もつれて
ふたりで
空中戦で
ぐるぐるまわる
(目だって回る)

えーい、なんだか思いたぜない
今朝の夢の続きよ攻撃
むかしの恥ずかしいことをまとめた独り言攻撃

帰宅途中の新しいLED街灯を見すぎて目が変
坂道の下に猫の死骸を発見

服が似合わない
好きな服がほつれてる
靴底は減りやすい靴屋の陰謀攻撃

少しでも高くとろうとする人気店
良品ではない無印
いやなうわさ話をする田舎の人の良さそうなおばさん

組んず解れつ
やさしい戦い
くまさんもうさぎさんもどっちもがんばれ

部屋の中で
ふたりの戦いを見ていると
自分も戦いを思い出す
負けてしまったけれど
いつかあいこにしなくては

生きている限り
まだチャンスはある

2011年2月11日金曜日

きみの

きみの名前の文字が
空に浮かんでいる

声に出して言うことはできない
してはならない約束のように

2011年2月10日木曜日

美しい背景

絵が飾られた壁
夜には照明が作り出す影さえ
光源となっている
きみの背景はいつだって美しい
例えばダウンタウンの雑踏でも
きみとの境界線のエッジがくっきりと立ち上がって輝き
背景は柔らかく後ずさりして協和し
雑多なディティールを和ませる

きみのからだは光を弾いて
瞳のグレーを吸収する
脛の直線はシーツの上で燃え残る
白い灰で焔を隠す役割を果たして


白い壁に
窓からの光が反射し
きみの顔をレフ板のように明るくし
新緑の世界が宿る
きみは手のひらの上でオブジェをもてあそんで
僕に見せる

重い扉の外の世界は
きみが出現すると一瞬のうちに
背景と化す

2011年2月9日水曜日

真面目に生きてきて

楽しむことの罪悪から逃げて
真面目に苦労してきたよ
本当は怖がりなだけ
楽しいことはたくさんあったから

という
遺書を残した人がいた
という書き出しの物語りを放り出して
ぬるい風が強く吹く街に出ていった
道行く人はみな日常の歩行を楽しんでいるようだった

私は綺麗な写真を撮ろうとデジカメを取り出して
撮影を繰り返した

信号機に目が留まった
シャッターをためらわずに押すと
赤信号と青信号が同時に灯る信号機が
モニターに写し出された

真面目に生きてきた人へ
真面目に生きてきて
どうでしたか
真面目に生きてきて

2011年2月8日火曜日

亀と猿

ハラハラドキドキ
カミツキガメが逃げ出した
いきなり噛みますので
ご注意ください

寝ている間に
噛まれた人もいます
友達を噛まれた人もいます

カミツキガメは
神出鬼没で
修学旅行の学生のカバンの中にも
入っていたことがあります

OLのかすみさんは
フライパンだと思って
火にかけて気づきました

落ちこぼれ小学生の雷太くんは
おもちゃ箱の中のブレードを取り出そうとして
亀に噛まれました

サラリーマンの小千谷さんは
帰り道で小便をしようとして
噛まれたそうです

カミツキガメの噂がもちきりとなった街に
それに嫉妬したカミツキザルが現れました
すっとんでやってきて
腕やお知りに噛み付きます

すっぽんにも噛み付きます
釜にも噛み付きます

だけれど
カミツキザルとカミツキガメは
お互いを噛まないのだそうです

明け方近くに
今日も眠りにつこうとすると
どこからか
噛み付く気配を感じました

しかし眠さに勝てず
すーっと眠りの中に落ちてゆきました

すると
一緒に眠りの世界に
落ちてゆく亀と猿を目にしたのです

2011年2月7日月曜日

ただなにかだいじなものをしまいたがるだけで

開いていたものを閉じるとき
そのなかにモノを収める
そのことを「しまう」というのかもしれない

閉じていたものを開き
その中からモノを取り出すとき
そのことはなんというのだろう

きみはそんなことにはお構いなしに
入れたがってばかりいるのではないのか

回転しているものの上で
行ったり来たりしながら
きみとぼくはふたりで思案に暮れる

周りにはそうした人がいっぱいだ
その人達はテーブルの影で
当然のようにお互いを握り合っている

きみは
ただなにかだいじなものをしまいたがるだけで
他のことに興味がない

ぼくはきみがしまうものを探すのに熱中するばかりだ

2011年2月6日日曜日

待ち合わせ

時計のある塔の下で待ち合わせをしましょう
幾多の恋人たちがそうしてきたように
遠くに見える噴水や
石作りの回廊を眺めながら
一枚の絵の中に
私たちを美しく閉じ込める準備をして

お互いを発見したら誰もがそうするように
軽く手をあげて笑顔を見せましょう
それがきょうも始まりの合図です
いつ終わるともしれない刹那の逢瀬の

私たちは名前も所番地も捨てて
ただの愛し合う恋人同士となり
あの街並みの人混みの中に入って行きましょう
私たち自身も見失うほどお互いの中の街に溶け込むように

2011年2月5日土曜日

名作誕生シリーズ

アッ
あそこで名作がうまれている
アッ
でも誰もそれに気づかない

アッ
ここでも名作がうまれた
アッ
でもそれは僕の勘違い

2011年2月4日金曜日

2010年2月4日に来た手紙

封を開ける前から手紙がサヨナラを言っている
寒い夕に届いた薄い桜色の封筒は
あなたからとびたったひとひらの花びらなのか

夜の暗いトンネルを抜け
寒い人ごみの雑踏を抜け
ポストにやってきた
ため息のようにポトンという音を響かせて

封筒は季節を映して色を変えてきた
まるで映画の予告編みたいに
これからのふたりの未来を見せようとしていたのか

最後の手紙はいつもと同じブルーブラックの宛名
よく似合う花の切手にあなたの地名
なんど行ったことだろう
何度行くことだろうと思いながら

2011年2月3日木曜日

スキを狙って

私の値段は幾ら?
とても大事なことなのに
そのシステムの中で自ずと価格が決められてしまう
自分には抱えられないほど
大きくて小さな私なので
私の価値はさまよう
キスをする時は別世界が入ってくるので
伸ばした手に引っかかった紐を指に巻き付け
それを頼りに戻れるようにするけれど
有効かどうかは分からない
戻った場所が元の場所なのか判断がつかないからだ

相手はなにを考えているのだろう
いつも少しだけ興味を持つ
でも尋ねる術が思いつかないので
なるがままいる

私の名前はキミという
私がキミなんて
たまにこんがらがる
どうでもいいことだが
何か深い意味があるのだろうか
たぶんないだろう

幽霊を見たことはないが
私は幽霊のようにあなたの前に現れる
初めて私を見たあなたは眼を輝かせて
落ち着きなく紳士を気取る
または気取りなく話しかけてくる

私はあなたの指の一本を握り
半分を自分のために使おうとするけれど
ごちゃごちゃになって
何人もの私が現れるので
結果はわからずじまいだ

私には価値があるとみんなが言う
私もそう思う
私はやりたいことをやる
そのためにやりたくないこともやる

ただ たまに
その二つは入れ替わる
私の許可なく
私が忙しいスキを狙って

2011年2月2日水曜日

こまどり

こまどり
こまどり
こまどり
こまどり

きみどり
ぎみどり
きみどり
きみどり

くさいろ
くさいろ
くさいろ
くさいろ

2011年2月1日火曜日

帰り道

夜道をゆっくり歩いて帰っていく
パンの袋を破ってパクつきながら
空にはお月さん
通りの向こうにはコツコツ音を立てて急ぎ足の女
間をバイクが通る
私はそろそろすり足気味で歩く
手にコンビニの袋揺らして
コンクリートで覆われた橋を渡る
パンはおいしい
部屋についたら灯りをつけて
暖房をつけて
トイレに入る
トイレには綺麗な神様がいるから
だれかがそういっていたから
そのあとは
眠くなるまで起きていたら寝る
それまでの間に何が出来るか
眠った後にすることよりいいことができるか