天秤座の彼女は いつも
カレシとモトカレを
天秤にかけているという
地球から20光年のところに
地球とよく似た星が 見つかったという
その星は天秤座の中にあるらしい
いっしょに蠍座のところにいた
僕の彼女は
いま別の星座に近づいているらしい
天秤座の彼女は
双子座の双子のカレシの
区別がつかなくて やけになっているらしい
これらのことは B型の友達が教えてくれた
うそつきの友達が これはマジ ホントなんだけど と
語ってくれたのだそうだ
2010年9月30日木曜日
2010年9月29日水曜日
行きずり
きみは行きずりのひと
何度も待ち合わせして
手も繋いでみたけれど
河原で短いかけっこもしたけれど
ベッドでに沈みながら未来の話もしたけれど
きみと僕のあいだには
何かが挟まっていて
密着して合わさらなかった
きみとは
さよならをすることなく
行き違った
僕はまたきみと
行きずりたいと願う
また行きずるだろうか
行きずらないだろうか
そうだ いっそ正面衝突がいい
それならその場にもつれて倒れこみ
行きずれない
人目を気にしない勇気さえあれば
何度も待ち合わせして
手も繋いでみたけれど
河原で短いかけっこもしたけれど
ベッドでに沈みながら未来の話もしたけれど
きみと僕のあいだには
何かが挟まっていて
密着して合わさらなかった
きみとは
さよならをすることなく
行き違った
僕はまたきみと
行きずりたいと願う
また行きずるだろうか
行きずらないだろうか
そうだ いっそ正面衝突がいい
それならその場にもつれて倒れこみ
行きずれない
人目を気にしない勇気さえあれば
日記のように詩を書き、このブログに掲載しています。誰かに読んでもらおうというものではく、ほとんど自分のために書いていますが、偶然に通りかかった人が立ち寄ってくれ、常連のようになりつつある人もいて、それはそれで張り合いがあってうれしく、その少ない読者に感謝しています。しかし、「広報活動」をして、もっと多くの読者を獲得しようとは思っていません。少ないのがちょうどいいのです。
詩をかく楽しさとは別に、毎日は苦闘しています。また、詩を書くことが、その苦闘をより鮮明にしているとも思えます。冬の寒さが夕日のあたたかさを教えてくれるように、詩と日常は別の場所にあって、詩は苦闘のありかを照らしています。苦闘ははやく過ぎ去ればいいのですが。
詩をかく楽しさとは別に、毎日は苦闘しています。また、詩を書くことが、その苦闘をより鮮明にしているとも思えます。冬の寒さが夕日のあたたかさを教えてくれるように、詩と日常は別の場所にあって、詩は苦闘のありかを照らしています。苦闘ははやく過ぎ去ればいいのですが。
2010年9月28日火曜日
白いタンクトップ
きみはぼくのすきなひと
白いタンクトップがよく似合う
飾り気のない美しい人
きみの横顔には
しゃれた街並みや緑の草原
曇った窓ガラス 雪の雑木林も
よく似合う
きみはいろんなものをほしがるけれど
ぼくは それらの代わりに
一本の枯れ枝を渡したい
枯れ枝はなんの役にも立たないけれど
きみの頬をふくらますのには十分だ
きみはぼくの誘いにもよくつきあって
軽やかについてくるけれど
きみが思っているのは
いつでもきみの優雅な日常のこと
きみをどこに解き放つかということ
ぼくはきみの部屋にある
きみの写真を思い出す
モノクロ写真のの森の中にいまもつるされているはだかのきみ
その周辺を 天女の布が舞い 漂っていて
きみは今にも放心しそうに こちらを見ている
ぼくは きみに 問いかける
きみはなにをゆめみているのか
きみは いつもわらうばかりで こたえない
きみは なにも ゆめみていない
ぼくは きみに 手紙をかこう
よまれることのない とどくこともない手紙
きみのゆめのなかで もやすといい
白いタンクトップがよく似合う
飾り気のない美しい人
きみの横顔には
しゃれた街並みや緑の草原
曇った窓ガラス 雪の雑木林も
よく似合う
きみはいろんなものをほしがるけれど
ぼくは それらの代わりに
一本の枯れ枝を渡したい
枯れ枝はなんの役にも立たないけれど
きみの頬をふくらますのには十分だ
きみはぼくの誘いにもよくつきあって
軽やかについてくるけれど
きみが思っているのは
いつでもきみの優雅な日常のこと
きみをどこに解き放つかということ
ぼくはきみの部屋にある
きみの写真を思い出す
モノクロ写真のの森の中にいまもつるされているはだかのきみ
その周辺を 天女の布が舞い 漂っていて
きみは今にも放心しそうに こちらを見ている
ぼくは きみに 問いかける
きみはなにをゆめみているのか
きみは いつもわらうばかりで こたえない
きみは なにも ゆめみていない
ぼくは きみに 手紙をかこう
よまれることのない とどくこともない手紙
きみのゆめのなかで もやすといい
2010年9月27日月曜日
小峰に纏わりつくネコ
小峰とネコのことは想像するしかない
小峰が人前でネコといたところを
誰も見ていないから
第一 小峰にネコは似合わないと僕は思う
小峰はペットを飼うような感じではなく
孤立して淑やかで
生き物の毛を衣服につけている筈もなく
そんなに寂しがり屋でもない
それでも
小峰とネコのことを考えるのには訳がある
それは僕が小峰のことを考えるとき
最近は いつでも
ネコの気配を感じる
足もとにネコがいる!
このあいだは ネコがまとわりつき
小峰が もう~ とネコのことを払いのけるような声が聴こえた
ネコはどこからくるのか知らないが
妙に訳知りの様子で
程よく小峰に纏わりつくが
たまに度を越して追い払われる
その様子は
楽しそうで 悲しそうだ
僕はいつか
纏わりつくがネコに聞いてみたい
あんた 小峰の なんなのさ
小峰が人前でネコといたところを
誰も見ていないから
第一 小峰にネコは似合わないと僕は思う
小峰はペットを飼うような感じではなく
孤立して淑やかで
生き物の毛を衣服につけている筈もなく
そんなに寂しがり屋でもない
それでも
小峰とネコのことを考えるのには訳がある
それは僕が小峰のことを考えるとき
最近は いつでも
ネコの気配を感じる
足もとにネコがいる!
このあいだは ネコがまとわりつき
小峰が もう~ とネコのことを払いのけるような声が聴こえた
ネコはどこからくるのか知らないが
妙に訳知りの様子で
程よく小峰に纏わりつくが
たまに度を越して追い払われる
その様子は
楽しそうで 悲しそうだ
僕はいつか
纏わりつくがネコに聞いてみたい
あんた 小峰の なんなのさ
2010年9月26日日曜日
夜の(ピンクゴールド)
えっ?
夜のしましま
いっ?
なかに入っちゃうの?
うっ?
がまんしなくてもいい
あっ?
あのときよりいい感じ
おっ?
どこまでもいくのだ
ねぇ
夜のしましま
しましま?
しましま。
夜のしましま
いっ?
なかに入っちゃうの?
うっ?
がまんしなくてもいい
あっ?
あのときよりいい感じ
おっ?
どこまでもいくのだ
ねぇ
夜のしましま
しましま?
しましま。
新聞連載詩 未来 3
「心の当たりくじ」 マツザキヨシユキ
指で土を掘って 種を一粒落とす
間隔をあけて もうひとつ またひとつ
そしてすぐに 土をかぶせてしまう
種をまくときの気分はなぜか楽しい
これで きっと 芽が出て 花が咲く
どんな花が咲くのだろう
花が咲くころ 自分は何をやっているのだろう
花が咲いたら 写真を撮って うんと凝って撮って
あのこにメールで送ってみよう
あのこはなんて言うのかな
花が咲くころ いま石ころを投げつけたい
にっくきアイツは もう自分の前にはいないだろう
今 手元にある 宝くじは 100円玉2つになり
わたしは せっせと 働いているだろう
メッセージ☆
種というのは「未来カプセル」のようだと、どこかで誰かが言っていたような気がします。
人にとって、自分の「未来カプセル」って何なのでしょうか。
宝くじ、でしょうか?
いいえ、もちろんぼくは違うと思います。ではねなんでしょう。それは人さまざまだと思うのです。
僕にとっての「未来カプセル」は、毎日詩を書くこと、です。いつか花咲くといいなと思いながら書き続けています。
指で土を掘って 種を一粒落とす
間隔をあけて もうひとつ またひとつ
そしてすぐに 土をかぶせてしまう
種をまくときの気分はなぜか楽しい
これで きっと 芽が出て 花が咲く
どんな花が咲くのだろう
花が咲くころ 自分は何をやっているのだろう
花が咲いたら 写真を撮って うんと凝って撮って
あのこにメールで送ってみよう
あのこはなんて言うのかな
花が咲くころ いま石ころを投げつけたい
にっくきアイツは もう自分の前にはいないだろう
今 手元にある 宝くじは 100円玉2つになり
わたしは せっせと 働いているだろう
メッセージ☆
種というのは「未来カプセル」のようだと、どこかで誰かが言っていたような気がします。
人にとって、自分の「未来カプセル」って何なのでしょうか。
宝くじ、でしょうか?
いいえ、もちろんぼくは違うと思います。ではねなんでしょう。それは人さまざまだと思うのです。
僕にとっての「未来カプセル」は、毎日詩を書くこと、です。いつか花咲くといいなと思いながら書き続けています。
2010年9月25日土曜日
眠っている小峰
小峰が眠っている
眠っている小峰は
どこか別の世界に 何かをしに行ってしまったようだ
ここにいない 小峰の 眠っている姿は
いつまでも見ていたいほど いい
小峰は寝息一つ立てずに静寂を保っていて
それは 最後の一葉をおとさないように という比喩がしっくりくるように思える
小峰を守るものは何もないが
世界中の善良な魂が みんなで小峰を守っているということが
なぜだか はっきりと判る
小峰は 薄く やわらかい色の 衣服をまとっているが
衣服の隙間から 肌を見せている
その肌は かすかに産毛が光っていて
赤ん坊の時と きっと ほとんど変わりがないのだ
小峰の閉じられた瞳は 美しく 小鹿のようなので
だから時折 小鹿がのぞきに来る
小峰は 2本の腕を持ち
手のひらは 5つに分かれている
その手のひらが いつだったか もみじを持って 写真におさまっていた
その光景は 紅葉と手のひらの境界を危うくするような事件だった
小峰は いつ 目覚めるのだろう
唇が 季節の風に 少し乾き
そのわずかな不快に 目を覚ますのだろうか
それとも どこからか飛んできた 綿毛の気配を感じて だろうか
こわれそうで やわらかい 小峰
父母から生まれ でも 誰のものでもない小峰は
いつか 自分を誰かに差し出すのだろうか
リボンを巻いた プレゼントと一緒に
瞳に笑みさえ 浮かべて
眠っている小峰は
どこか別の世界に 何かをしに行ってしまったようだ
ここにいない 小峰の 眠っている姿は
いつまでも見ていたいほど いい
小峰は寝息一つ立てずに静寂を保っていて
それは 最後の一葉をおとさないように という比喩がしっくりくるように思える
小峰を守るものは何もないが
世界中の善良な魂が みんなで小峰を守っているということが
なぜだか はっきりと判る
小峰は 薄く やわらかい色の 衣服をまとっているが
衣服の隙間から 肌を見せている
その肌は かすかに産毛が光っていて
赤ん坊の時と きっと ほとんど変わりがないのだ
小峰の閉じられた瞳は 美しく 小鹿のようなので
だから時折 小鹿がのぞきに来る
小峰は 2本の腕を持ち
手のひらは 5つに分かれている
その手のひらが いつだったか もみじを持って 写真におさまっていた
その光景は 紅葉と手のひらの境界を危うくするような事件だった
小峰は いつ 目覚めるのだろう
唇が 季節の風に 少し乾き
そのわずかな不快に 目を覚ますのだろうか
それとも どこからか飛んできた 綿毛の気配を感じて だろうか
こわれそうで やわらかい 小峰
父母から生まれ でも 誰のものでもない小峰は
いつか 自分を誰かに差し出すのだろうか
リボンを巻いた プレゼントと一緒に
瞳に笑みさえ 浮かべて
2010年9月24日金曜日
錆びたポスト
おいてけぼりにした錆びたポスト
あの家と一緒に
ドングリの木の傍らの
引き抜かれた門柱の奥
草花の咲く庭の向こう側
電信柱の間のへいの向こう側
小さな公園の隣
家路につく足跡が聴こえ
風に流されてきた線路の音が籠る場所
花火大会が屋根越しに見える
カレーの香りが漂い
剣道に出かける少年が飛び出す
落ち葉の中で焼き芋が作られる
その家
外壁に張り付いたポスト
古くて錆びたポスト
いまはもう どこにもないポスト
あの家と一緒に
ドングリの木の傍らの
引き抜かれた門柱の奥
草花の咲く庭の向こう側
電信柱の間のへいの向こう側
小さな公園の隣
家路につく足跡が聴こえ
風に流されてきた線路の音が籠る場所
花火大会が屋根越しに見える
カレーの香りが漂い
剣道に出かける少年が飛び出す
落ち葉の中で焼き芋が作られる
その家
外壁に張り付いたポスト
古くて錆びたポスト
いまはもう どこにもないポスト
2010年9月23日木曜日
ふくらむ小峰
小峰はまだまだふくらんでいく
小峰はずんずん伸びていく
小峰はるらるら歌っている
小峰はとんとん冷えている
小峰はきしきし立っている
小峰はりらりら溶けていく
小峰はすりすり熱していく
小峰はねたねたまったりとする
小峰は小峰のことが分からない
小峰はずんずん伸びていく
小峰はるらるら歌っている
小峰はとんとん冷えている
小峰はきしきし立っている
小峰はりらりら溶けていく
小峰はすりすり熱していく
小峰はねたねたまったりとする
小峰は小峰のことが分からない
2010年9月22日水曜日
観察
小峰は
山より小さい
大地の
ふくらみ
雨にぬれ
水を吸い
くぼみに
ちいさな水たまりをつくり
人を登らせる
生き物を
這わせる
小峰は
来るものを拒めないのだ
夜
くぼみは
水分を
静かに
蒸発させる
そうすることで
小峰は
平静を
たもてるから
月に照らされた
小峰を
横から見ると
いつもと違う
感じがした
山より小さい
大地の
ふくらみ
雨にぬれ
水を吸い
くぼみに
ちいさな水たまりをつくり
人を登らせる
生き物を
這わせる
小峰は
来るものを拒めないのだ
夜
くぼみは
水分を
静かに
蒸発させる
そうすることで
小峰は
平静を
たもてるから
月に照らされた
小峰を
横から見ると
いつもと違う
感じがした
2010年9月21日火曜日
合唱祭
みんなに交じって小峰が歌っている
ふくらみはじめた夢
小峰の声が
聴こえる
小峰がからだを揺らして
歌っている
小峰の周りも歌っているが
それと競うように小峰は歌う
声を出すことが気持ち良さそうに
よろこびを湛えている
合唱が盛り上がる
小峰も盛り上がる
小峰と一緒に
僕も盛り上がる
いつか小峰の名前を呼びたい
小峰はそのときは歌わない
歌は胸の中にしまいこみ
僕の名を呼ぶだけ
ふくらみはじめた夢
小峰の声が
聴こえる
小峰がからだを揺らして
歌っている
小峰の周りも歌っているが
それと競うように小峰は歌う
声を出すことが気持ち良さそうに
よろこびを湛えている
合唱が盛り上がる
小峰も盛り上がる
小峰と一緒に
僕も盛り上がる
いつか小峰の名前を呼びたい
小峰はそのときは歌わない
歌は胸の中にしまいこみ
僕の名を呼ぶだけ
2010年9月20日月曜日
夏の瞳
お店の中を覗き込んだら
きれいなお姉さんと目があった
かるい笑みをうかべていた彼女は
目があうとはじかれたように
瞳をそらし
すぐに また一瞬僕の方を見た
今度は僕が瞳をそらした
彼女もまたそらした
僕は扉を開けて彼女に告白し付き合いすぐに結婚し
三人の子をもうけた
僕はその店の前に何となくたちどまった
彼女は椅子に座って何かをしていたようだった
彼女がその店の客なのか店員なのか
僕は分からず迷った
目があった瞬間
僕は恋をした
近くで大音量のスピーカーが
J-popを流していた
斜め向かいの店でカツカレーを食べる
そのあいだじゅう
僕は彼女の瞳を思っていた
夏の最後の日差しが
店前に光を当て
人が行きかっている
川の流れの音が時折聞こえてくる
きれいなお姉さんはあの店で
何を感じているのだろう
さようなら
またここに来た時
時間が止まっていたように
あの瞳は僕の瞳に焦点をあわせるだろうか
そらさずに
あわせつづけることに
どれだけたえられるか
きれいなお姉さんと目があった
かるい笑みをうかべていた彼女は
目があうとはじかれたように
瞳をそらし
すぐに また一瞬僕の方を見た
今度は僕が瞳をそらした
彼女もまたそらした
僕は扉を開けて彼女に告白し付き合いすぐに結婚し
三人の子をもうけた
僕はその店の前に何となくたちどまった
彼女は椅子に座って何かをしていたようだった
彼女がその店の客なのか店員なのか
僕は分からず迷った
目があった瞬間
僕は恋をした
近くで大音量のスピーカーが
J-popを流していた
斜め向かいの店でカツカレーを食べる
そのあいだじゅう
僕は彼女の瞳を思っていた
夏の最後の日差しが
店前に光を当て
人が行きかっている
川の流れの音が時折聞こえてくる
きれいなお姉さんはあの店で
何を感じているのだろう
さようなら
またここに来た時
時間が止まっていたように
あの瞳は僕の瞳に焦点をあわせるだろうか
そらさずに
あわせつづけることに
どれだけたえられるか
2010年9月19日日曜日
おりこうさん
おりこうさんのありんこさんは
りこんしてから
ありがとう
ありげーだーのけいたいでんわ
げーむしながら
けいさんできる
さんだるはいてるさんたくろーす
たくはいぎょうむに
くろうさんたん
りこんしてから
ありがとう
ありげーだーのけいたいでんわ
げーむしながら
けいさんできる
さんだるはいてるさんたくろーす
たくはいぎょうむに
くろうさんたん
2010年9月18日土曜日
終わりへ
たき火のにおいがした
雲と煙は友だちなのだろうか
あるいは霊はどうなのだろう
盆地に夕焼けが落ちていく
灯りの数が増えていく
互いにシーソーをしているのだろうか
高地から低地へ
都市から田舎へ移動する
海は今も凪いでいないだろうか
沈黙をすることが
美しい人を引きつけることがあるだろうか
傷つけるよりも多く
電車が線路をならして走っている
その重さに何が含まれているのだろう
まさか過去の駅で乗せた重い荷物も?
この詩も終わりに近づいて
僕のブログへ旅立とうとしている
終わりは旅立ちの合図なのか
雲と煙は友だちなのだろうか
あるいは霊はどうなのだろう
盆地に夕焼けが落ちていく
灯りの数が増えていく
互いにシーソーをしているのだろうか
高地から低地へ
都市から田舎へ移動する
海は今も凪いでいないだろうか
沈黙をすることが
美しい人を引きつけることがあるだろうか
傷つけるよりも多く
電車が線路をならして走っている
その重さに何が含まれているのだろう
まさか過去の駅で乗せた重い荷物も?
この詩も終わりに近づいて
僕のブログへ旅立とうとしている
終わりは旅立ちの合図なのか
2010年9月17日金曜日
狂詩曲
どうにか なって しまいたい
どこかに いって しまいたい
と きみは
微笑みながら 云うから
何が本当なのか
わからなくなってしまう
いつになっても このままがいい
どこにも いかないで
と きみは
真剣な顔をして 云うから
ぼくは
動くことができない
虫たちが羽をこすり
植物がこっそり 受粉する
一人ぼっちの夜よ
あと何回
ぼくに やってくるのだ
呼びもしないのに
季節の変わり目や
人々の夢の上を
乗り越えて
どこかに いって しまいたい
と きみは
微笑みながら 云うから
何が本当なのか
わからなくなってしまう
いつになっても このままがいい
どこにも いかないで
と きみは
真剣な顔をして 云うから
ぼくは
動くことができない
虫たちが羽をこすり
植物がこっそり 受粉する
一人ぼっちの夜よ
あと何回
ぼくに やってくるのだ
呼びもしないのに
季節の変わり目や
人々の夢の上を
乗り越えて
2010年9月16日木曜日
2010年9月15日水曜日
30円のコーヒーチケット
金券ショップでチケットを買う
120円のコーヒーチケットが
とても安くて1枚30円
ぼくは迷わず「5枚」と云った
1枚30円で買ったコーヒーチケット
1枚目は新宿の店
ノートを広げて思いついたことをメモ
やらなければならないことを箇条書き
今日しなければならないことは
今日なんとかし終えた
明日は明日しなければならないことをする
あさってしなければならないことは
あさってすることに決めた
1枚30円で買ったコーヒーチケット
2枚目は赤坂の店
15人ほどの人間が思い思いに
それぞれ時間を過ごしている
誰もがしなければならないことを
両手いっぱい抱えている
締め切りに追われて生きている人がいる
ノルマに縛られ一生懸命
自分を逃す道を探す人も
1枚30円で買ったコーヒーチケット
3枚目は大宮の店
将来のこと考えれば考えるほど
ぼやけてきてしまうのはなぜか
友達に聞いても同じ問いが
返ってくるだけだから
いつのまにか問うことの代わりに
紛らわすことがうまくなった
自分を責めて苦笑して
1枚30円で買ったコーヒーチケット
4枚目は仙台の店
高速バスで早朝の街に着くと
街が目覚めるまでまだもう少し
気だるさと懐かしさを傍らに
過ぎ去った人を思う
同じ場所で朝のコーヒーを飲み
夢見ていた愛の生活
この場所は変わらないまま
1枚30円で買ったコーヒーチケット
5枚目は待ち合わせ
手を小さく振って近づいてきたのは
さよならをし忘れたからですか
そんな意地悪言っても
笑いあえる不思議
ぼくは30円でここにいるけれど
君の分のチケット買い忘れた
あと一枚買えばよかった
120円のコーヒーチケットが
とても安くて1枚30円
ぼくは迷わず「5枚」と云った
1枚30円で買ったコーヒーチケット
1枚目は新宿の店
ノートを広げて思いついたことをメモ
やらなければならないことを箇条書き
今日しなければならないことは
今日なんとかし終えた
明日は明日しなければならないことをする
あさってしなければならないことは
あさってすることに決めた
1枚30円で買ったコーヒーチケット
2枚目は赤坂の店
15人ほどの人間が思い思いに
それぞれ時間を過ごしている
誰もがしなければならないことを
両手いっぱい抱えている
締め切りに追われて生きている人がいる
ノルマに縛られ一生懸命
自分を逃す道を探す人も
1枚30円で買ったコーヒーチケット
3枚目は大宮の店
将来のこと考えれば考えるほど
ぼやけてきてしまうのはなぜか
友達に聞いても同じ問いが
返ってくるだけだから
いつのまにか問うことの代わりに
紛らわすことがうまくなった
自分を責めて苦笑して
1枚30円で買ったコーヒーチケット
4枚目は仙台の店
高速バスで早朝の街に着くと
街が目覚めるまでまだもう少し
気だるさと懐かしさを傍らに
過ぎ去った人を思う
同じ場所で朝のコーヒーを飲み
夢見ていた愛の生活
この場所は変わらないまま
1枚30円で買ったコーヒーチケット
5枚目は待ち合わせ
手を小さく振って近づいてきたのは
さよならをし忘れたからですか
そんな意地悪言っても
笑いあえる不思議
ぼくは30円でここにいるけれど
君の分のチケット買い忘れた
あと一枚買えばよかった
2010年9月14日火曜日
秋の事件Ⅲ
誰かが小声で囁いている
少女というにはしっかりとした口調
そして優しさと強さを併せもっている
なにか強い思いがあるのだろうか
声は囁きをやめない
日がな一日 止むことはない
辛くはないのだろうか
知らぬ間に誰かと入れ替わっているのだろうか
いや、そんなことはない
声は確かに同じ声だ
そして繰り返し 唄のように
挨拶の言葉のように 発せられる
夜に鳴き始めた虫たちさえ
黙り込んでしまった
声はどこまでも進んでいく
空気を振動させて
時には 風に逆らって
震えながら
そして馬車に飛び乗るように
季節の流れに身を投じると
下流の町へと消えていく
その町で
きょう 信号が変わる瞬間
一人の少女が ため息をついた
声はなく
もちろん 笑みもなく
少女というにはしっかりとした口調
そして優しさと強さを併せもっている
なにか強い思いがあるのだろうか
声は囁きをやめない
日がな一日 止むことはない
辛くはないのだろうか
知らぬ間に誰かと入れ替わっているのだろうか
いや、そんなことはない
声は確かに同じ声だ
そして繰り返し 唄のように
挨拶の言葉のように 発せられる
夜に鳴き始めた虫たちさえ
黙り込んでしまった
声はどこまでも進んでいく
空気を振動させて
時には 風に逆らって
震えながら
そして馬車に飛び乗るように
季節の流れに身を投じると
下流の町へと消えていく
その町で
きょう 信号が変わる瞬間
一人の少女が ため息をついた
声はなく
もちろん 笑みもなく
2010年9月13日月曜日
新聞連載詩 未来 2
「魔法の力」 マツザキヨシユキ
来る、来ない、来る…と花占いしてたら
いつの間にか未来になっていた
タイムマシーンにさらわれたのだ
そこには 見慣れない風景があった
人々の表情もどこか不自然に見える
それに 音がよく聞こえない
どうしたのだろう
私はどぎまぎしていた
するといきなり誰かが後ろから肩をたたき
私に向かって言った
「きょう、くる?
それとも行こうか」
私には行くも来るも
なぜか一緒のように思えた
上のほうで
柱時計の音がした
メッセージ☆
時々、過去に起こったことの前後関係が
わからなくなること、ありませんか。
そんな時はタイムマシーンに乗ってもきっと迷ってしまいます。
新しい気持ちで朝が迎えられたり、心が二日酔いだったり、
時と記憶の魔法の力は、きっと誰もが持っています。使いこなせればいいのですが…。
来る、来ない、来る…と花占いしてたら
いつの間にか未来になっていた
タイムマシーンにさらわれたのだ
そこには 見慣れない風景があった
人々の表情もどこか不自然に見える
それに 音がよく聞こえない
どうしたのだろう
私はどぎまぎしていた
するといきなり誰かが後ろから肩をたたき
私に向かって言った
「きょう、くる?
それとも行こうか」
私には行くも来るも
なぜか一緒のように思えた
上のほうで
柱時計の音がした
メッセージ☆
時々、過去に起こったことの前後関係が
わからなくなること、ありませんか。
そんな時はタイムマシーンに乗ってもきっと迷ってしまいます。
新しい気持ちで朝が迎えられたり、心が二日酔いだったり、
時と記憶の魔法の力は、きっと誰もが持っています。使いこなせればいいのですが…。
2010年9月12日日曜日
区別がつかない
毎日 日付変更線がこの身の上を通り過ぎていくのに
通り過ぎでしばらくすると もう
境界線は 溶けてなくなってしまう
初めてそのひとと会った夏の終り
スキー場の斜面に無数に咲き誇るコスモスが
風に揺れていたけれど
その風が
その日が
どんな境界線で区切られているかは
判然としない
コスモスの中に
そのひとはいたけれど
いま そのひとはどこにいて
何をしているのか
その輪郭さえ
とらえることができない
幻と夢の間に
夕日が落ちて
思い出へと誘う
誘っているのが
誰なのか
判然としない
通り過ぎでしばらくすると もう
境界線は 溶けてなくなってしまう
初めてそのひとと会った夏の終り
スキー場の斜面に無数に咲き誇るコスモスが
風に揺れていたけれど
その風が
その日が
どんな境界線で区切られているかは
判然としない
コスモスの中に
そのひとはいたけれど
いま そのひとはどこにいて
何をしているのか
その輪郭さえ
とらえることができない
幻と夢の間に
夕日が落ちて
思い出へと誘う
誘っているのが
誰なのか
判然としない
2010年9月11日土曜日
詩は死なない 1
詩のノートが
消えてしまった
詩のノートには
シャーペンや万年筆や色鉛筆
近くにいた人から借りたボールペンや
その他さまざまな筆記具で
詩が書かれていた
まだ書きかけのものや
嫌いになってしまったものや
線によって消されたもの
丸の付いたお気に入りのもの
書いた行の上に線が引かれたもの
それらは
僕の前から突然 姿を消した
誰かに呼ばれて
ちょっと出かけて行ったのか
ノートが帰ってくる頃
僕はいないだろう
書かれた詩に
返事が返ってくる頃
ノートはもう
どこにもないだろう
消えてしまった
詩のノートには
シャーペンや万年筆や色鉛筆
近くにいた人から借りたボールペンや
その他さまざまな筆記具で
詩が書かれていた
まだ書きかけのものや
嫌いになってしまったものや
線によって消されたもの
丸の付いたお気に入りのもの
書いた行の上に線が引かれたもの
それらは
僕の前から突然 姿を消した
誰かに呼ばれて
ちょっと出かけて行ったのか
ノートが帰ってくる頃
僕はいないだろう
書かれた詩に
返事が返ってくる頃
ノートはもう
どこにもないだろう
2010年9月10日金曜日
嵐
さよならを言いなさい
きみの大事なものに いますぐ
きみがそれらのものとともに
生きていくことはだれも認めない
きみは自分の意志をすてなさい
その愚痴のような意志は
誰の何の役にもたたない
詩でなく散文で語りなさい
きみの韻律は人の心を揺らさない
きみは部屋から出て行きなさい
きみの汗は雨でなきゃ洗われない
枯れた木が杖として使われるように
道端に転がりなさい
窓の外で誰かが言った
窓を開けると嵐が立っていた
きみの大事なものに いますぐ
きみがそれらのものとともに
生きていくことはだれも認めない
きみは自分の意志をすてなさい
その愚痴のような意志は
誰の何の役にもたたない
詩でなく散文で語りなさい
きみの韻律は人の心を揺らさない
きみは部屋から出て行きなさい
きみの汗は雨でなきゃ洗われない
枯れた木が杖として使われるように
道端に転がりなさい
窓の外で誰かが言った
窓を開けると嵐が立っていた
2010年9月9日木曜日
新聞連載詩 未来 1
「未来へ」 マツザキヨシユキ
みんなでよってたかって
きみの悪口を言ってる
きみをどうやって救うのか
寄り集まって話し合ってる
ぼくは きみのこと
そんなに悪いと思わないよ
っていうか いいとおもってる
悪口を言う人たちより
ずっとね
きっと いつか
きみと会えるね
きみとぼくの 中間点で会おう
出発したら知らせる
じゃ
メッセージ☆
未来は待っているだけではやってこない。
自分からも進んでいかなければ。
希望を持って進めば、きっとどこかでばったり
未来と出会える。僕はそう信じている。
未来って、きっといいやつだ思う。
みんなでよってたかって
きみの悪口を言ってる
きみをどうやって救うのか
寄り集まって話し合ってる
ぼくは きみのこと
そんなに悪いと思わないよ
っていうか いいとおもってる
悪口を言う人たちより
ずっとね
きっと いつか
きみと会えるね
きみとぼくの 中間点で会おう
出発したら知らせる
じゃ
メッセージ☆
未来は待っているだけではやってこない。
自分からも進んでいかなければ。
希望を持って進めば、きっとどこかでばったり
未来と出会える。僕はそう信じている。
未来って、きっといいやつだ思う。
2010年9月8日水曜日
傷心
道の端っこをしよんぼり歩くことを許してくれないか、世界さん。
こんな蒸し暑い月のない夜だから、
逃げ帰る自分の影も薄く、
存在をより薄くしてくれるから、
戯言や愚痴を言うことを許してくれないか、世界さん。
世界の友達さん。
見えないところにいる知り合いの皆さん
どうか気付かないで。ね。
僕のことに。
世界さん、いつか
懺悔してみましょう。
僕が立ったところが
自分と世界の交わる中心だと
大手を振っていえる日に。
今は、そのことに堪えられないから
道の端っこを進みます。
小さな自分のアパートに向かって。
小さな虫が鳴いているその上空を。
こんな蒸し暑い月のない夜だから、
逃げ帰る自分の影も薄く、
存在をより薄くしてくれるから、
戯言や愚痴を言うことを許してくれないか、世界さん。
世界の友達さん。
見えないところにいる知り合いの皆さん
どうか気付かないで。ね。
僕のことに。
世界さん、いつか
懺悔してみましょう。
僕が立ったところが
自分と世界の交わる中心だと
大手を振っていえる日に。
今は、そのことに堪えられないから
道の端っこを進みます。
小さな自分のアパートに向かって。
小さな虫が鳴いているその上空を。
2010年9月7日火曜日
裏庭には
裏庭には 二羽ニワトリがいる
世の中には 悪い人がいる
裏庭には 二羽ニワトリがいる
世の中には いい人がいる
裏庭には 二羽ニワトリがいる
世の中には 知らん顔の人がいる
裏庭には 二羽ニワトリがいる
世の中には 恨みを持った人がいる
裏庭には 二羽ニワトリがいる
世の中には たくさんの人がいる
裏庭には 二羽ニワトリがいる
世の中には たくさんのニワトリがいる
裏庭には 二羽ニワトリがいる
世の中には 悪い人がいる
裏庭には 二羽ニワトリがいる
世の中には いい人がいる
裏庭には 二羽ニワトリがいる
世の中には 知らん顔の人がいる
裏庭には 二羽ニワトリがいる
世の中には 恨みを持った人がいる
裏庭には 二羽ニワトリがいる
世の中には たくさんの人がいる
裏庭には 二羽ニワトリがいる
世の中には たくさんのニワトリがいる
裏庭には 二羽ニワトリがいる
2010年9月6日月曜日
いつか行った場所
そこに あのときの
自分はいない
いるのは
いまの 自分だけ
いや、そうじゃない…
見渡せば
他人がいる
いっぱい…
面影というのは
どこに出現するものなんだろう
どもるように呟いて
尋ねようとしていたら
僕の中できみが答えた
「あなたの知らない
夢枕のうえよ」
自分はいない
いるのは
いまの 自分だけ
いや、そうじゃない…
見渡せば
他人がいる
いっぱい…
面影というのは
どこに出現するものなんだろう
どもるように呟いて
尋ねようとしていたら
僕の中できみが答えた
「あなたの知らない
夢枕のうえよ」
2010年9月5日日曜日
秋の事件Ⅱ
夏祭りの後
あっという間にやってきた秋祭り
子どもたちが担ぐ神輿がやってきた
からからと紙の飾り物を回して揺らす風は
もう寒い季節に向かって吹いていく
きょうは夕日が美しいことを
思い出すだろう
いつか見た夕日
美しかったいろいろなもの
あっという間にやってきた秋祭り
子どもたちが担ぐ神輿がやってきた
からからと紙の飾り物を回して揺らす風は
もう寒い季節に向かって吹いていく
きょうは夕日が美しいことを
思い出すだろう
いつか見た夕日
美しかったいろいろなもの
2010年9月4日土曜日
2010年9月3日金曜日
2010年9月2日木曜日
毎日首つり
目を覚ますとき
毎日首がつられる
硬いロープで
喉を締め付けられて
気が遠くなる勢いで
目を覚ます
それでも
目覚まし時計で起きるよりは
自分らしい
と思う
眠るときは
馴れない手漕ぎボートで
小さな波を超えていく
目的地は見えず
永遠に近づけない
虚しさの重みで
沈んでいく
毎日首がつられる
硬いロープで
喉を締め付けられて
気が遠くなる勢いで
目を覚ます
それでも
目覚まし時計で起きるよりは
自分らしい
と思う
眠るときは
馴れない手漕ぎボートで
小さな波を超えていく
目的地は見えず
永遠に近づけない
虚しさの重みで
沈んでいく
2010年9月1日水曜日
そのままのきみで
そのままのきみでいい
と 言ってみたくなった
心の中で言うことさえためらわれる
自信に満ちたことば
このままの自分では
だめな自分が
きみを
逃がすまいとしているのか
このままでいい
と 思っていないきみが
見つめる先に
脇目も振らずに歩いていく人の姿がある
と 言ってみたくなった
心の中で言うことさえためらわれる
自信に満ちたことば
このままの自分では
だめな自分が
きみを
逃がすまいとしているのか
このままでいい
と 思っていないきみが
見つめる先に
脇目も振らずに歩いていく人の姿がある
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