つよがり しっゃくり しらんぷり
どっぷり とっぷり ぼったくり
やっぱり きっぱり へのつっぱり
おまつり まんねり あとのまつり
2012年10月31日水曜日
去年の10月31日に書いたもの
じんせいは わからない
よいことをして
わるいこともして
よくもわるくもないことをして
どちらかわからないことをして
おとなになった
おとなになっても
よいことをして
よくないことをして
どちらかわからないことをして
ろうじんになった
じんせいは
むずかしい
じんせいは
おもしろくて
つまらない
あくびをしたら
しかられる
しかったひとも
あくびをしてる
わるいこともして
よくもわるくもないことをして
どちらかわからないことをして
おとなになった
おとなになっても
よいことをして
よくないことをして
どちらかわからないことをして
ろうじんになった
じんせいは
むずかしい
じんせいは
おもしろくて
つまらない
あくびをしたら
しかられる
しかったひとも
あくびをしてる
2012年10月30日火曜日
ワタシヲ タベナイデ
ワタシヲ タベナイデ
タベタラ ナカナイデ
イナクナッテモ ソコニイテ
デモ イナクナラナイカラ
ワタシヲ タノシマセテ
シツジミタイニ
イウコトキイテ
ワタシハ
ダレカノテヲ フリホドイテ
ココニキタノデス
ホシウラナイノ カードヲモッテ
アナタハ
カクゴヲキメテ
ヨワムシナノハシッテイルヨ
デモ
モウソツギョウダネ
イチバンダイジナモノヲ
ステテキテ
ソシテ
ワタシヲ
タベナイデ
アジミスルダケニ
シテオイテ
タベタラ ナカナイデ
イナクナッテモ ソコニイテ
デモ イナクナラナイカラ
ワタシヲ タノシマセテ
シツジミタイニ
イウコトキイテ
ワタシハ
ダレカノテヲ フリホドイテ
ココニキタノデス
ホシウラナイノ カードヲモッテ
アナタハ
カクゴヲキメテ
ヨワムシナノハシッテイルヨ
デモ
モウソツギョウダネ
イチバンダイジナモノヲ
ステテキテ
ソシテ
ワタシヲ
タベナイデ
アジミスルダケニ
シテオイテ
2012年10月29日月曜日
死んでいません (書きかけのメール)
きょうも
生きていますか
息をしていますか
鼓動を胸の中で立てて
死んでいませんね
そうですか
それはよかった
私は
あなたが生きてさえいれば
死んでいなければ
まずはいいのです
生きてさえいれば
いろんな良くなる可能性がありますから
もし
あなたが何かに苦しんでいるなら
その闘いは
あなたを良くするための闘いだと思います
「良くする」ってどういうことか分からなくても
一生懸命やっているあなたを
私はすごいと思います
私は
生きているあなたを讃えたいと思います
私も一生懸命やっていますが
あなたに比べると
ずっと努力がたりないと思います
だから
私はあなたのようにもっとちゃんと苦しんで
必要な答えを見つけたいと思っています
2012/10/29
生きていますか
息をしていますか
鼓動を胸の中で立てて
死んでいませんね
そうですか
それはよかった
私は
あなたが生きてさえいれば
死んでいなければ
まずはいいのです
生きてさえいれば
いろんな良くなる可能性がありますから
もし
あなたが何かに苦しんでいるなら
その闘いは
あなたを良くするための闘いだと思います
「良くする」ってどういうことか分からなくても
一生懸命やっているあなたを
私はすごいと思います
私は
生きているあなたを讃えたいと思います
私も一生懸命やっていますが
あなたに比べると
ずっと努力がたりないと思います
だから
私はあなたのようにもっとちゃんと苦しんで
必要な答えを見つけたいと思っています
2012/10/29
回転
お寿司が次々やってきて
目の前を過ぎていく
お寿司 こんにちは
お寿司 さようなら
押し寿司は
押されたね
巻き寿司は
巻かれたの?
お寿司が右からやってきて
左の方へ遠ざかる
お寿司 こんばんは
お寿司 おやすみなさい
にぎり寿司よ
ようこそ
お稲荷さんは
ごきげんよう
あの子もこの子もやってきて
目の前を過ぎていく
あの子 どこから来て
この子 どこへ行く
お嬢さん
トシ幾つ?
あなた
何の用?
目の前を過ぎていく
お寿司 こんにちは
お寿司 さようなら
押し寿司は
押されたね
巻き寿司は
巻かれたの?
お寿司が右からやってきて
左の方へ遠ざかる
お寿司 こんばんは
お寿司 おやすみなさい
にぎり寿司よ
ようこそ
お稲荷さんは
ごきげんよう
あの子もこの子もやってきて
目の前を過ぎていく
あの子 どこから来て
この子 どこへ行く
お嬢さん
トシ幾つ?
あなた
何の用?
2012年10月28日日曜日
中央線の電車
その独り身の中年男は
(初めて詩に登場するわけだが)
JR中央線のドア際の手すりに寄りかかりながら
ぼんやり考えていた
昔からその位置が好きだった
TwitterをiPhone4Sで眺めて
学生はいいなぁ と
つぶやいた
夢や希望
世間に知らないことが沢山ある
それは中年男にはないものだ
代わりに良くない常識や古傷や
幾つものシミが顔にあった
この中年男の生きる意味は
どこにあるのだろう
中年男は誰かに教えてほしいと願っていた
しかしそう願い始めてから
無駄な時が流れている気がしていた
電車は都心に向かい高架を走っていて
踏切がない
警鐘も聴こえない
走る音も静かになった
中年男には何が必要なのか
男は黙っていた
中央線の電車だけが
それを教えようとしていた
(初めて詩に登場するわけだが)
JR中央線のドア際の手すりに寄りかかりながら
ぼんやり考えていた
昔からその位置が好きだった
TwitterをiPhone4Sで眺めて
学生はいいなぁ と
つぶやいた
夢や希望
世間に知らないことが沢山ある
それは中年男にはないものだ
代わりに良くない常識や古傷や
幾つものシミが顔にあった
この中年男の生きる意味は
どこにあるのだろう
中年男は誰かに教えてほしいと願っていた
しかしそう願い始めてから
無駄な時が流れている気がしていた
電車は都心に向かい高架を走っていて
踏切がない
警鐘も聴こえない
走る音も静かになった
中年男には何が必要なのか
男は黙っていた
中央線の電車だけが
それを教えようとしていた
2012年10月27日土曜日
幼い魂
この身をいじめたら
誰かが何かを赦してくれるなどと
考えていた幼い魂は
正しい答えを見つけられぬまま
立ち枯れた林の間を
獣の鳴き声のようにさまよっている
さまよっている間に
いつの間にか
老いぼれてしまう
凍てつく月光をいつか
見ていたことがあったと魂は思い出そうとするが
未来の月の光と混じってしまって
分からなくなる
そうして
すべて分からなくなる
たださまよう魂は
安堵することなく
さまよい続ける
誰かの赦しを得られるはずがないと知りながら
命が果てるまで
さまよっているのか
誰かが何かを赦してくれるなどと
考えていた幼い魂は
正しい答えを見つけられぬまま
立ち枯れた林の間を
獣の鳴き声のようにさまよっている
さまよっている間に
いつの間にか
老いぼれてしまう
凍てつく月光をいつか
見ていたことがあったと魂は思い出そうとするが
未来の月の光と混じってしまって
分からなくなる
そうして
すべて分からなくなる
たださまよう魂は
安堵することなく
さまよい続ける
誰かの赦しを得られるはずがないと知りながら
命が果てるまで
さまよっているのか
2012年10月26日金曜日
2012年10月25日木曜日
わたしをいじめてたきみへ
なぜ きみは となりの席に
すわって いたの?
なぜ いまになって 手紙を書いたの?
それも 出さない 届かない 手紙を なぜ
書いたの?
*
きみが 私に お金をせびって
公園の柵をこえて もち去ったとき
私は きみと きみの友だちの
後ろ姿を みていたよ
きみは もう いじめないと約束したのに
つぎの日から まえにも増して
私を いじめたね
おぼえているでしょ
よく考えると
ああなることは うすうす分かっていたんだ
でも 少しは 希望はあった
きみは ずっと私をいじめたけど
不幸になってほしいとは考えなかった
あのときは 憎かったけど
いま考えると もっと 憎いやつがたくさんいたんだ
きみは ずっと 生ぬるい人間だったんだと
私は思う
私は
子どもを3人産んで
結婚は 2回したけど
まあまあおちついて 生活している
白髪の多い ババアになったけど
茶パツにして おしゃれもすこしはしている
少女だったころより うす化粧だけどね
*
暗い少女時代は何だったのかと
いまだに回想することはある
たしかに 今の私の中に あのときの 自分もいる
でも 暗かった過去が
幸せの涙で洗い流され
新しい自分になったと感じたこともあったんだ
本当に愛せる人と出会ったおかげて
私はずっと愛を求めて
愛を与えて生きていくんだと思う
きみにこんなことを言うのは変だけど
きみの中には愛情はあったんじゃないかな
もう誰にもたしかめようもないことだけど
たしかめても しかたない ことだけど
私も きみに
この 出さない 手紙で
私の こころの わだかまりを
流しさってしまおうと思う
なぜ きみが 出さない手紙を書いたのか
出してくれても よかったんじゃないか
うん
もうそんなギモンも終わりにして
さっさと 寝ることにする
明日 朝 早いから
BYE!
すわって いたの?
なぜ いまになって 手紙を書いたの?
それも 出さない 届かない 手紙を なぜ
書いたの?
*
きみが 私に お金をせびって
公園の柵をこえて もち去ったとき
私は きみと きみの友だちの
後ろ姿を みていたよ
きみは もう いじめないと約束したのに
つぎの日から まえにも増して
私を いじめたね
おぼえているでしょ
よく考えると
ああなることは うすうす分かっていたんだ
でも 少しは 希望はあった
きみは ずっと私をいじめたけど
不幸になってほしいとは考えなかった
あのときは 憎かったけど
いま考えると もっと 憎いやつがたくさんいたんだ
きみは ずっと 生ぬるい人間だったんだと
私は思う
私は
子どもを3人産んで
結婚は 2回したけど
まあまあおちついて 生活している
白髪の多い ババアになったけど
茶パツにして おしゃれもすこしはしている
少女だったころより うす化粧だけどね
*
暗い少女時代は何だったのかと
いまだに回想することはある
たしかに 今の私の中に あのときの 自分もいる
でも 暗かった過去が
幸せの涙で洗い流され
新しい自分になったと感じたこともあったんだ
本当に愛せる人と出会ったおかげて
私はずっと愛を求めて
愛を与えて生きていくんだと思う
きみにこんなことを言うのは変だけど
きみの中には愛情はあったんじゃないかな
もう誰にもたしかめようもないことだけど
たしかめても しかたない ことだけど
私も きみに
この 出さない 手紙で
私の こころの わだかまりを
流しさってしまおうと思う
なぜ きみが 出さない手紙を書いたのか
出してくれても よかったんじゃないか
うん
もうそんなギモンも終わりにして
さっさと 寝ることにする
明日 朝 早いから
BYE!
2012年10月24日水曜日
いるもの と いらないもの
いらないものを身の回りに集めて
自分を守っているから
彼女の部屋はいつでも散らかり放題
たまにゴミ捨てや整理整頓をして
掃除機をかけるが
外からいろいろ持ち帰ってくるので
すぐにもとの状態を取り戻す
いらないみのといるものの区別が
たまにつかなくなるから
彼女はいつもいらついている
たまに根本的に考えなおして
いらないものを減らし
すっきりした部屋にしようと思うが
なんだか違う気がしてしまう
いらないものと同化して
身を潜めていると
いるものが隣からささやきかけてくる
自分を守っているから
彼女の部屋はいつでも散らかり放題
たまにゴミ捨てや整理整頓をして
掃除機をかけるが
外からいろいろ持ち帰ってくるので
すぐにもとの状態を取り戻す
いらないみのといるものの区別が
たまにつかなくなるから
彼女はいつもいらついている
たまに根本的に考えなおして
いらないものを減らし
すっきりした部屋にしようと思うが
なんだか違う気がしてしまう
いらないものと同化して
身を潜めていると
いるものが隣からささやきかけてくる
2012年10月23日火曜日
2012年10月22日月曜日
十月の とある日の わたくし
立派な表札の掛かった門があって
その前を貧相なわたくしが通り過ぎる
並木のあいだの道は人と犬が通い
木の上の枝はカラスが使っている
昼間は太陽と青空が使っていた
この辺りの世間は
夜になると月と星が控えめに控えて
見下ろしている
喫茶店は二人の姉妹とその友人がやっている
客はこの姉妹たちと無関係の人がほとんどだ
あきらめてやっていくことと
あきらめずにやっていくことは
ほぼ同じこと
わけもなく駅が混雑する日
そんな日が度々あっても
駅員にはなにも変化がない
オレンジスカッシュを頼んだのは
その色が見たかったからだけではない
三日月型のオレンジがグラスの淵にへばりついて
わたくしを励ましてくれるだろうから
ありがとうオレンジスカッシュ
わたくしは表札をいつかかけたいよ
どんな表札がいいかは
わたくしが決めよう
その前を貧相なわたくしが通り過ぎる
並木のあいだの道は人と犬が通い
木の上の枝はカラスが使っている
昼間は太陽と青空が使っていた
この辺りの世間は
夜になると月と星が控えめに控えて
見下ろしている
喫茶店は二人の姉妹とその友人がやっている
客はこの姉妹たちと無関係の人がほとんどだ
あきらめてやっていくことと
あきらめずにやっていくことは
ほぼ同じこと
わけもなく駅が混雑する日
そんな日が度々あっても
駅員にはなにも変化がない
オレンジスカッシュを頼んだのは
その色が見たかったからだけではない
三日月型のオレンジがグラスの淵にへばりついて
わたくしを励ましてくれるだろうから
ありがとうオレンジスカッシュ
わたくしは表札をいつかかけたいよ
どんな表札がいいかは
わたくしが決めよう
2012年10月21日日曜日
髪の毛を濡らして
髪の毛を濡らして
やってくる彼女は
朝 彼の家でシャワー
彼にはそれが自慢さ
シャンプーの香りを振りまいて
きのうと同じ服を着て
走ってくる彼女
彼にはそれが自慢さ
しかし
自慢の彼女は
彼とは別の誰かの腕の中
お腹の上
それは彼には
自慢できない
ご自慢の彼女の
悪い癖
いつまで続くの
自慢できない
悪い癖
やってくる彼女は
朝 彼の家でシャワー
彼にはそれが自慢さ
シャンプーの香りを振りまいて
きのうと同じ服を着て
走ってくる彼女
彼にはそれが自慢さ
しかし
自慢の彼女は
彼とは別の誰かの腕の中
お腹の上
それは彼には
自慢できない
ご自慢の彼女の
悪い癖
いつまで続くの
自慢できない
悪い癖
2012年10月20日土曜日
・・・・・・伝えたい
「ありがとう」ばかりではなく
「さよなら」と伝えてたい
霜の降る月の夜に
狐がすすきの間から
顔を出し
きょとんとしている
その時
「さよなら」ばかりではなく
「もう会えません」と伝えたい
円型の大地に
波打ちながら風が渡っていく
吹き違い
混じりあいつつ
地にはりついて
「もうあえません」ばかりではなく
「幸せを祈っています」と伝えたい
やがて雪が振り
この辺りは一面真っ白になる
その上を
足跡が縫っていく
「幸せを祈っています」ばかりではなく
「・・・・・・・・」と伝えたい
黒板に書いた文字を消したら
教室を出て行きましょう
また明日もやってきます
その時に気持ちがいいから
「さよなら」と伝えてたい
霜の降る月の夜に
狐がすすきの間から
顔を出し
きょとんとしている
その時
「さよなら」ばかりではなく
「もう会えません」と伝えたい
円型の大地に
波打ちながら風が渡っていく
吹き違い
混じりあいつつ
地にはりついて
「もうあえません」ばかりではなく
「幸せを祈っています」と伝えたい
やがて雪が振り
この辺りは一面真っ白になる
その上を
足跡が縫っていく
「幸せを祈っています」ばかりではなく
「・・・・・・・・」と伝えたい
黒板に書いた文字を消したら
教室を出て行きましょう
また明日もやってきます
その時に気持ちがいいから
2012年10月19日金曜日
ひとりでに
ひとりでに
影が窓から入ってきて
パンを食べている
やりきれぬ
思いを食べているのか
しくしくと泣いている
ひとりでに
ドアが開いて
今度は主人が帰ってきた
見たところ
不漁だったらしく
ゴキゲンが斜め
やりきれぬ
悩み事は持ち越さない主義なので
ストーブに薪をくべて
焼いてしまう
こんがりと
焼けたパンを
木の皿にのせて
テーブルの上に置く
見たところ
焦げ目を隠して
積み重ねて
置いてある
ひとりでに
涙が出てきて
頬に線ができる
そういえば
去年も
おととしも
こんなことがあった
こんがりと
焼けたパンは
影が全部食べてしまい
もう残っていない
ひとりでに
眠ってしまった主人は
いつまた起きるのか
わからない
見たところ
日が暮れて
薄暗い窓の外に
白い月が出ている
やりきれぬ
やり場のない思いは
そういえば
見たところ
ひとりでに
どこかにいってしまって
帰ってこない
影が窓から入ってきて
パンを食べている
やりきれぬ
思いを食べているのか
しくしくと泣いている
ひとりでに
ドアが開いて
今度は主人が帰ってきた
見たところ
不漁だったらしく
ゴキゲンが斜め
やりきれぬ
悩み事は持ち越さない主義なので
ストーブに薪をくべて
焼いてしまう
こんがりと
焼けたパンを
木の皿にのせて
テーブルの上に置く
見たところ
焦げ目を隠して
積み重ねて
置いてある
ひとりでに
涙が出てきて
頬に線ができる
そういえば
去年も
おととしも
こんなことがあった
こんがりと
焼けたパンは
影が全部食べてしまい
もう残っていない
ひとりでに
眠ってしまった主人は
いつまた起きるのか
わからない
見たところ
日が暮れて
薄暗い窓の外に
白い月が出ている
やりきれぬ
やり場のない思いは
そういえば
見たところ
ひとりでに
どこかにいってしまって
帰ってこない
2012年10月18日木曜日
それも 関係ありません
秋の夜が 更けて
囁きかけて きます
遠くから 近くにやってきます
気が 遠くなるほどの
距離を 走って
あの夏に 叶えられなかった
願いごとの 理由が
今になって
はっきりと 分かって きます
日照り続きの 道に
雨が しみ込み
さまざまな 疑問が
答えを得られないまま
報われて いきます
割り箸の うえに
カマキリが 卵を産みます
公園の 向こうで
友達の 小さな 家が
火事になって 燃えています
季節は 寒くても 暑くても
関係 ありません
すぐに 過ぎていって しまうから
ここに 残っている ものは
過ぎゆく ことが できなくて
腐って 滅びることも できなくて
ただ 立ったり 座ったり 横になったりを
繰り返しています
新月から 2日目の 月が
雲の影から
覗こうとしていますが
それも 関係ありません
犬が 吠えていますが
あの犬は
きのう 友達の家に
おしっこを 引っ掛けていた 犬です
囁きかけて きます
遠くから 近くにやってきます
気が 遠くなるほどの
距離を 走って
あの夏に 叶えられなかった
願いごとの 理由が
今になって
はっきりと 分かって きます
日照り続きの 道に
雨が しみ込み
さまざまな 疑問が
答えを得られないまま
報われて いきます
割り箸の うえに
カマキリが 卵を産みます
公園の 向こうで
友達の 小さな 家が
火事になって 燃えています
季節は 寒くても 暑くても
関係 ありません
すぐに 過ぎていって しまうから
ここに 残っている ものは
過ぎゆく ことが できなくて
腐って 滅びることも できなくて
ただ 立ったり 座ったり 横になったりを
繰り返しています
新月から 2日目の 月が
雲の影から
覗こうとしていますが
それも 関係ありません
犬が 吠えていますが
あの犬は
きのう 友達の家に
おしっこを 引っ掛けていた 犬です
2012年10月17日水曜日
ちゃんと苦労する詩
工藤ちゃんが
苦労してる
工藤ナオちゃんが
尚 ちゃんと 苦労してる
工藤ナオちゃんの姉が
尚 ちゃんと 苦労してる やーねー
工藤ナオちゃんの姉が
屋根が漏って ちゃんと 苦労してる
やーねー もってのほか だね!
屋根が たわんで 漏って 苦労してる
工藤ナオちゃんの姉が
屋根が たわんで 漏って 尚 ちゃんと苦労している
やーねー やな 屋根やね あかんで!
工藤ナオちゃんの 姉さん
尚 ちゃんと 苦労する 姉やね もってのほか だね!
屋根が 漏って やーねー やーねー
もってのほか だね!
工藤ナオ ちゃん
直さんと ちゃんと 屋根 直さんと あかんで!
苦労してる
工藤ナオちゃんが
尚 ちゃんと 苦労してる
工藤ナオちゃんの姉が
尚 ちゃんと 苦労してる やーねー
工藤ナオちゃんの姉が
屋根が漏って ちゃんと 苦労してる
やーねー もってのほか だね!
屋根が たわんで 漏って 苦労してる
工藤ナオちゃんの姉が
屋根が たわんで 漏って 尚 ちゃんと苦労している
やーねー やな 屋根やね あかんで!
工藤ナオちゃんの 姉さん
尚 ちゃんと 苦労する 姉やね もってのほか だね!
屋根が 漏って やーねー やーねー
もってのほか だね!
工藤ナオ ちゃん
直さんと ちゃんと 屋根 直さんと あかんで!
2012年10月16日火曜日
難しい話
お腹が空いたら
私にごちそうしてくれますか
なんの義理もないと
あなたは思っているのでしょう
けれど
もしかしたら
義理はあったかもしれませんよ
前世とかに・・・
私にもよく分らないけれど
そういうことにして
何か私に食べさせませんか
「すきなものを
すきなだけどうぞ」
などと言って
大盤振る舞いしなくてもいいから
ほどほどに気前よく
食べさせませんか
そうしたら
あしたから
あなたと私
仲良くなるかもしれません
私はあなたにお礼を言います
だから
どうですか
私に何か
食べさせませんか
とりあえず
お茶を濁さず
答えてください
あなたがいつも食べるために
使っているお金を
少しだけ私に振り向ければ
それができるのです
どうでしょうか
無理な相談でしょうか
あなたにとっては
難しい話なのでしょうか
私にごちそうしてくれますか
なんの義理もないと
あなたは思っているのでしょう
けれど
もしかしたら
義理はあったかもしれませんよ
前世とかに・・・
私にもよく分らないけれど
そういうことにして
何か私に食べさせませんか
「すきなものを
すきなだけどうぞ」
などと言って
大盤振る舞いしなくてもいいから
ほどほどに気前よく
食べさせませんか
そうしたら
あしたから
あなたと私
仲良くなるかもしれません
私はあなたにお礼を言います
だから
どうですか
私に何か
食べさせませんか
とりあえず
お茶を濁さず
答えてください
あなたがいつも食べるために
使っているお金を
少しだけ私に振り向ければ
それができるのです
どうでしょうか
無理な相談でしょうか
あなたにとっては
難しい話なのでしょうか
おなかがすくのがいちばんこまる
おなかがすくのがいちばんこまる
なにかをたべなきゃならないからね
たべたくないときどうしたらいい?
たべずにしぬのをまつべきなのか
たべたくなるまでまつべきなのか
おなかがすいててわからない
なにかをたべなきゃならないからね
たべたくないときどうしたらいい?
たべずにしぬのをまつべきなのか
たべたくなるまでまつべきなのか
おなかがすいててわからない
2012年10月15日月曜日
23時のラストオーダー
一人で入った
一人きりの不二家レストランの
美味しくないパフェは
何も知らなかったころの
血の混じった涙の味
塩素の香りのカットフルーツ
湿ったカビのようなシフォンケーキ
苦味だけが後味にのこるオレンジ
それを救うのは
無造作に丸くくり抜かれた小さなバニラアイス
喉と疲れた脳をほぐして
750円と刻印される
コンクリートで整備された都会の川のほとり
24時の閉店まで
どんな明日を描こうか
一人きりの不二家レストランの
美味しくないパフェは
何も知らなかったころの
血の混じった涙の味
塩素の香りのカットフルーツ
湿ったカビのようなシフォンケーキ
苦味だけが後味にのこるオレンジ
それを救うのは
無造作に丸くくり抜かれた小さなバニラアイス
喉と疲れた脳をほぐして
750円と刻印される
コンクリートで整備された都会の川のほとり
24時の閉店まで
どんな明日を描こうか
2012年10月14日日曜日
ろんろんろろろん
ろんろんろんろん
ろんろんろん
ろんろんろんろん
誰か いる?
ろんろんろんろん
ろんろんろん
ろんろんろろろん
はい います
ろんろんろんろん
ろんろろろ
ろろろろろんろろ
誰ですか
ろんろろろんろん
ろろんろろん
ろろろろろろろ
ももんがです
ろんろんろん
ろんろんろんろん
誰か いる?
ろんろんろんろん
ろんろんろん
ろんろんろろろん
はい います
ろんろんろんろん
ろんろろろ
ろろろろろんろろ
誰ですか
ろんろろろんろん
ろろんろろん
ろろろろろろろ
ももんがです
2012年10月13日土曜日
夢から覚める前に
夢から覚める前に
いそいでアイスカフェオレを喉に流し込んだ
まだほとんど飲んでなかったので
ベッドのうえで
きのうの宿題を思い出そうとしたが
どこに置き忘れたのか
どうしても思い出せない
青空にキンモクセイが香っていた
あの少し肌寒い日に
鉢合わせして出会ったあの人は
何をしているだろう
ぼんやり部屋なかを眺めたら
そこは自分の部屋ではなかった
いそいでアイスカフェオレを喉に流し込んだ
まだほとんど飲んでなかったので
ベッドのうえで
きのうの宿題を思い出そうとしたが
どこに置き忘れたのか
どうしても思い出せない
青空にキンモクセイが香っていた
あの少し肌寒い日に
鉢合わせして出会ったあの人は
何をしているだろう
ぼんやり部屋なかを眺めたら
そこは自分の部屋ではなかった
2012年10月12日金曜日
ものうげなあのこ
すきまからのぞいてごらん
ほんとうのことがわかるから
こえをだしちゃいけないよ
みつかったら
つかまってかえれなくなる
あのこはうつくしいかおをしているが
おそわれていらい
ひがおちると
こころがおにになってしまう
じぶんでもきづいていないらしい
あのこのおおきなひとみは
うるんで
だれもがみとれるが
ときどきまっかにそまり
あいするものを
みつめころしてしまう
あいしてもあいしても
しらぬうちに
あいてをころしてしまう
そのきおくは
あさになるときえてなくなるから
あのこは
ちゃんとあいさつして
ひとびととうまくやっている
さあ
いま
すきまからのぞいてごらん
ものうげなあのこは
なにをしているとおもう?
ほんとうのことがわかるから
こえをだしちゃいけないよ
みつかったら
つかまってかえれなくなる
あのこはうつくしいかおをしているが
おそわれていらい
ひがおちると
こころがおにになってしまう
じぶんでもきづいていないらしい
あのこのおおきなひとみは
うるんで
だれもがみとれるが
ときどきまっかにそまり
あいするものを
みつめころしてしまう
あいしてもあいしても
しらぬうちに
あいてをころしてしまう
そのきおくは
あさになるときえてなくなるから
あのこは
ちゃんとあいさつして
ひとびととうまくやっている
さあ
いま
すきまからのぞいてごらん
ものうげなあのこは
なにをしているとおもう?
2012年10月11日木曜日
おなかをすかせて
じんせいは おなかがすく
いっぱいたべたら
まんぷくになる
おなかがすいたら
なにかをたべる
なにかをたべると
なにかはどこへ?
なにかは
おなかのなかへいき
おなかをすかせて
きえていく
いっぱいたべたら
まんぷくになる
おなかがすいたら
なにかをたべる
なにかをたべると
なにかはどこへ?
なにかは
おなかのなかへいき
おなかをすかせて
きえていく
2012年10月10日水曜日
すきなひとが
すきなひとが
となりでねむっています
あなたは
なぜかねむらない
あなたは
なにをのぞんでいますか
ほしいものが
あるのですね
ふたりは
ずっといっしょです
いままでも
そしてこれからも
あたらしいものが
ふるびて
やさしくなっていきます
うるさいことを
いわなくなります
そらは
うえにありつづけて
おちてきません
すいへいせんの
したにあるそらは
かくれたままです
あなたは
なににかくれていますか
だれかのかげにですか
それとも・・・
となりでねむっています
あなたは
なぜかねむらない
あなたは
なにをのぞんでいますか
ほしいものが
あるのですね
ふたりは
ずっといっしょです
いままでも
そしてこれからも
あたらしいものが
ふるびて
やさしくなっていきます
うるさいことを
いわなくなります
そらは
うえにありつづけて
おちてきません
すいへいせんの
したにあるそらは
かくれたままです
あなたは
なににかくれていますか
だれかのかげにですか
それとも・・・
2012年10月9日火曜日
あなたはうつ病さえ
あなたは
あなたの優しい性格で
うつ病さえ迎えいれたのですね
あなたは
あなたの優しい性格を
失わないまま
少しずつ強くなって
たまに知らん顔で
辛いこともやってのけている
木綿の衣服を
じゃぶじゃぶ洗って
汚れをおとし
お日さまにさらして乾かして
いつの間にか身に纏って走り回っている
あなたのことが好き
あなたは
あなたの優しい性格を
周りの人につかっているが
誰につかったのかはもうわからない
それほど
無尽蔵につかい続けている
あなたの優しい性格で
うつ病さえ迎えいれたのですね
あなたは
あなたの優しい性格を
失わないまま
少しずつ強くなって
たまに知らん顔で
辛いこともやってのけている
木綿の衣服を
じゃぶじゃぶ洗って
汚れをおとし
お日さまにさらして乾かして
いつの間にか身に纏って走り回っている
あなたのことが好き
あなたは
あなたの優しい性格を
周りの人につかっているが
誰につかったのかはもうわからない
それほど
無尽蔵につかい続けている
2012年10月8日月曜日
2012年10月7日日曜日
詩の友だち
彼は詩の友だち
私がこうして詩を書いているとき
彼もまた詩の中にいる
詩は永遠の欠片のように
心に突き刺さっいる
夢の中で探し当てた
いい方向へと向かう道が
雲に覆われた月のせいで
見えなくなっているけれど
平気な顔をしているのは
信じているから
信じられる何かを
私がこうして詩を書いているとき
彼もまた詩の中にいる
詩は永遠の欠片のように
心に突き刺さっいる
夢の中で探し当てた
いい方向へと向かう道が
雲に覆われた月のせいで
見えなくなっているけれど
平気な顔をしているのは
信じているから
信じられる何かを
2012年10月6日土曜日
その香り
私はじっと座っているだけだった
座って花の香りを吸い込んで
うっとりと目を閉じていた
いや
目を閉じてはいなかった
私は
劇場の舞台に目をやって
心地良い歌声に心をさ迷わせて
浸っていた
暗転が暗闇を投げかけてくる
拍手が静寂を破って
あふれだす
私の胸を満たしたその香りは
記憶の中に沈んで
未来の明るい日差しを投射してくる
時は
劇場の微風を吸い込んで
ゆるやかに速度を早め
舞台の奈落の上空を渦巻いて
ただ爽やかに過ぎ去っていった
座って花の香りを吸い込んで
うっとりと目を閉じていた
いや
目を閉じてはいなかった
私は
劇場の舞台に目をやって
心地良い歌声に心をさ迷わせて
浸っていた
暗転が暗闇を投げかけてくる
拍手が静寂を破って
あふれだす
私の胸を満たしたその香りは
記憶の中に沈んで
未来の明るい日差しを投射してくる
時は
劇場の微風を吸い込んで
ゆるやかに速度を早め
舞台の奈落の上空を渦巻いて
ただ爽やかに過ぎ去っていった
2012年10月5日金曜日
何度思ったことか
死んでお詫びしたいと何度思ったことか
死んでもお詫びできないと何度思ったことか
死んだらさらに迷惑がかかると何度思ったことか
死ぬより死んだ気になったほうがいいと何度思ったことか
死んだ気でやるのは死ぬより大変だと何度思ったことか
死ぬなんて口走る自分は死ぬに値しないと何度思ったことか
死んでも何も良くならないと何度思ったことか
死んだら誰かが喜ぶだろうと何度思ったことか
死んだら喜ぶ誰かのためにも死ねないと何度思ったことか
死んだふりして死なないのもいい手だと何度思ったことか
死なないふりして死ぬのは意味がないと何度思ったことか
死んだら死にたくない人の力になれないかと何度思ったことか
死ぬなら首を吊ったらどうかと何度思ったことか
死ななくてもいい人生はなんて素敵なんだと何度思ったことか
死んだら誰が葬式に来てくれるだろうと何度思ったことか
死んでも葬式はみすぼらしいだろうと何度思ったことか
死んだらまた生まれかわるのだろうかと何度思ったことか
死ぬよりいい途はないものかと何度思ったことか
死ぬ時何を思うだろうと何度思ったことか
死んだらあのひとはどう思うだろうと何度思ったことか
死なないで生きていこうと何度思ったことか
死なないでいるうちにいつか死ぬのだろうと近頃何度思ったことか
死んでもお詫びできないと何度思ったことか
死んだらさらに迷惑がかかると何度思ったことか
死ぬより死んだ気になったほうがいいと何度思ったことか
死んだ気でやるのは死ぬより大変だと何度思ったことか
死ぬなんて口走る自分は死ぬに値しないと何度思ったことか
死んでも何も良くならないと何度思ったことか
死んだら誰かが喜ぶだろうと何度思ったことか
死んだら喜ぶ誰かのためにも死ねないと何度思ったことか
死んだふりして死なないのもいい手だと何度思ったことか
死なないふりして死ぬのは意味がないと何度思ったことか
死んだら死にたくない人の力になれないかと何度思ったことか
死ぬなら首を吊ったらどうかと何度思ったことか
死ななくてもいい人生はなんて素敵なんだと何度思ったことか
死んだら誰が葬式に来てくれるだろうと何度思ったことか
死んでも葬式はみすぼらしいだろうと何度思ったことか
死んだらまた生まれかわるのだろうかと何度思ったことか
死ぬよりいい途はないものかと何度思ったことか
死ぬ時何を思うだろうと何度思ったことか
死んだらあのひとはどう思うだろうと何度思ったことか
死なないで生きていこうと何度思ったことか
死なないでいるうちにいつか死ぬのだろうと近頃何度思ったことか
2012年10月4日木曜日
わたしはおまけ
わたしはおまけ
おとくなひとよ
ねだんはないし
すててもへいき
がっかりしても
そのときかぎり
じゃまにならずに
くっついている
ときたましゅやく
わきやくなのに
だいじにされる
だいじなゆめを
かかえていれば
ゆめをほっする
ひとがはぐする
たのしいよるよ
とわにつづけよ
だけどつづかぬ
ゆめあささめる
おとくなひとよ
ねだんはないし
すててもへいき
がっかりしても
そのときかぎり
じゃまにならずに
くっついている
ときたましゅやく
わきやくなのに
だいじにされる
だいじなゆめを
かかえていれば
ゆめをほっする
ひとがはぐする
たのしいよるよ
とわにつづけよ
だけどつづかぬ
ゆめあささめる
2012年10月3日水曜日
さよならは短いことばで
長い長いあなたとの
付き合いだったけれど
さよならは短いことばで
すませましょう
気持ちは変わらなくても
別れのときは
突然やってきます
それを望んでいなくても
自分のなかに
さよならしたい理由を
見つけようとしましたが
それさえ
なんだかとても
いいものに見えてきてしまうのは
なぜでしょう
きのうの大きくて明るい月は
きょうは雨雲に覆われて
あなたと私の心を隠しています
最後には抱きしめます
それは
無粋なことに違いないけれど
あなたもそれをきっと待っていると
私には信じられたから
あなたの胸が私の胸と交感して
鼓動を打ち
別れの時が来ます
もう会うことはありません
会いたくても
会うことはできません
長い長い付き合いでした
生きてきた時間よりも ずっと
付き合いだったけれど
さよならは短いことばで
すませましょう
気持ちは変わらなくても
別れのときは
突然やってきます
それを望んでいなくても
自分のなかに
さよならしたい理由を
見つけようとしましたが
それさえ
なんだかとても
いいものに見えてきてしまうのは
なぜでしょう
きのうの大きくて明るい月は
きょうは雨雲に覆われて
あなたと私の心を隠しています
最後には抱きしめます
それは
無粋なことに違いないけれど
あなたもそれをきっと待っていると
私には信じられたから
あなたの胸が私の胸と交感して
鼓動を打ち
別れの時が来ます
もう会うことはありません
会いたくても
会うことはできません
長い長い付き合いでした
生きてきた時間よりも ずっと
2012年10月2日火曜日
安らぎを見つけようとしても
私には花を手向ける相手がいない
手向けるべき花束もこの世にはない
あの人はもうどこかへ行ってしまった
暗い森を照らす光は
もう月と星の光しか夜は残っていない
蝋燭の火も
街あかりもみんな消えてしまった
子鹿の鳴く声も
泉の湧き出る場所も
あの軽快な足音もどこにも残っていない
傍らに人は座っているけれど
尋ねてみても記憶の中に
地図も道標もなく
そこには多くの人々や生き物たちが
彷徨い迷っている
遠くの陽炎のゆらゆらの中に
毎日やってくる日常の安らぎを見つけようとしても
それは粒子となって微かにキラキラ光るだけで
海底の砂浜に沈んでいく
もう帰ることはできないのだ
立ちどまるできないように
進むこともできないのだ
手向けるべき花束もこの世にはない
あの人はもうどこかへ行ってしまった
暗い森を照らす光は
もう月と星の光しか夜は残っていない
蝋燭の火も
街あかりもみんな消えてしまった
子鹿の鳴く声も
泉の湧き出る場所も
あの軽快な足音もどこにも残っていない
傍らに人は座っているけれど
尋ねてみても記憶の中に
地図も道標もなく
そこには多くの人々や生き物たちが
彷徨い迷っている
遠くの陽炎のゆらゆらの中に
毎日やってくる日常の安らぎを見つけようとしても
それは粒子となって微かにキラキラ光るだけで
海底の砂浜に沈んでいく
もう帰ることはできないのだ
立ちどまるできないように
進むこともできないのだ
2012年10月1日月曜日
木立の間の日だまりを
木立の間の日だまりを
ぼくに貸してくれませんか
小さな椅子を置いて
愛する人と
話をしたいから
風がめぐり
草花が香り
木の葉が見下ろす
人がやっと
寝転べるほどの
その場所を
太古からあったような
その場所を
貸してくれませんか
日がくれて
木々の天井の隙間から
かすかな光の星が
一つだけ見える
その場所を
ぼくに貸してくれませんか
小さな椅子を置いて
愛する人と
話をしたいから
風がめぐり
草花が香り
木の葉が見下ろす
人がやっと
寝転べるほどの
その場所を
太古からあったような
その場所を
貸してくれませんか
日がくれて
木々の天井の隙間から
かすかな光の星が
一つだけ見える
その場所を
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