2011年2月21日月曜日

お月さん バンコンワ

心にフィルターがかかり
いつもの街の上を動き回る人々が
よく見える
自分の様子もよくわかる
夜になりライトアップされたオブジェの赤い色が
くっきりと見える

足を交互に投げ出して
歩くことができる
友だちと話すこともできる
うまく喋っているつもりでも
どこかがおっかなびっくりなところがあるが
相手のいたわりが感じられ
気を遣う

最近忙しすぎた上に
過大なストレスを抱えてしまったのだろうか
普段の流れから弾かれ
改札口で歩くことができなくなり
友だちからかかってきた電話にすがりついた

間もなくやってきた友だちは
明るい笑顔とハキハキした態度で
肩を抱えて
歩いた

カフェにはいると
きょうは何か食べたか尋ねられ
食べていないと答えた

運ばれてきたパスタを食べてみた
美味しいのかどうか、いつまで食べたらいいのか
考えた

友だちは心配していた
私も心配していた
何がどうなってしまったのだろう

やるべきことをするため
休むことにした
周りの人が助けてくれるだろう
かえっていいかもしれない
それまでよりもっとうまくいくかもしれない

家に帰り
友だちにコーヒーをいれてもらった
こんなありがたいことは初めてだ

窓の外の空に
月がこうこうと輝いていた
死んだおばあちゃんにおぶられて見た月だ

お月さん バンコンワ
コンバンワではない
おばあちゃんは何度も繰り返していた

お月さん
バンコンワ

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