2011年3月18日金曜日

懐かしい場所へ

何故か懐かしい と 思ったので
そう通信した

ルートは波形(なみがた)をしている
それが最短距離なのだ

進むために燃料は要らない
いってみれば
そう希うことで進むことができる

光の速さを殊更に意識しなくてもいい
光は違う種類の人間だ

いくつもの集落が
粒状の
光の小山として見える
そう通信した

山はいくつもある
音はほとんどしない

音を出さないのは
神様の声を聞くためだと思われる

かれらはそれぞれに
崇高に生きようとしているのだ

わたしは汚れたものだな
これは通信しなかった

明るい天体の向こうに回りこむと
小さな天体は光に邪魔されて見えなくなった

しかしそこには
あたたかい島があった

島には波が打ち寄せ
人々が穏やかに暮らしているようだ

波間から水にもぐると
水の粒が光に向かって昇っていった

青い空が水の底にもあった
鮮やかな色とりどりの貝やサンゴが星のように光っている

3 件のコメント:

  1. 人は不自由な肉体をもって、この世に修行にきているのかもしれませんね。

    命をもつ、わたしたちにできること、
    一生懸命生きること。

    それは、わたしたちの最低限の礼儀。

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  2. 大阪のうけちゃん2011年3月19日 10:03

    光は違う種類の人間だ

    という一文に、感じいっていました

    人間という存在を考えさせられる詩です

    深いです!

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  3. 天と地がでんぐり返るほどの衝撃でした。人と人でないものの別け隔ても意味のないものではないかと感じられていまいます。おおげさにいえば、宇宙と一体となって、命という事象を考えてみたいという衝動に襲われています。
    震災、津波による被災は悲劇なのか。否、すくなくとも「劇」という気にはなれません。むしろ命や事象の真実を垣間見る体験なのではないでしょうか。

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