私の下で地面がつながっている
だから寝返りをうっても安心
地面がつながっているから
下に落ちてしまう心配がない
だから幸せ
地面がつながっているということは
空にとっても安心
覆いつくす雲も胸をなでおろす
雲が裂けても
たとえ さらに空が裂けても
地面が支えてくれるから
地面がつながっいるということは
歩行する動物にとって
安息の地であるということ
歩行にあわせて
息をリズミカルに弾ませることもできる
地面がつながっているということは
空と地面の間にテントを張って
私たちは眠ることができる
地面に縫い目のように覆いかぶさり
眼という膚の裂け目を閉じて
見えるものから解放されて
2012年12月31日月曜日
2012年12月30日日曜日
君を見守る
いま写した君の写真の横に
生まれたばかりの頃に撮られた
君の写真を並べてみる
二枚の写真の間には
君がいままでに生きた時間が
挟まれている
その隙間に
どんなことがあり
どんな人びとがいるのか
君が一番知っているはずだ
君は私が差し出した二枚の写真を
なんともいえぬ表情で見ている
私に気遣ってくれているのが分かる
君はそうして周りの人を気遣ってきた
自分の不器用さも認められるようになった
きょうは君の誕生日だ
君はその命をふる里の地で引き受けてから
その力強さと得体の知れなさに悩まされながら
必死に生きてきた
その姿が人を感動させたこともたくさんあった
いま君はどんな気持ちでいるのかな
目の前にいるのに分からない
二枚の写真の隙間が
私たちを見守っている
窓の外の寒い街並の上空では
無数の星が私たちを見守っている
生まれたばかりの頃に撮られた
君の写真を並べてみる
二枚の写真の間には
君がいままでに生きた時間が
挟まれている
その隙間に
どんなことがあり
どんな人びとがいるのか
君が一番知っているはずだ
君は私が差し出した二枚の写真を
なんともいえぬ表情で見ている
私に気遣ってくれているのが分かる
君はそうして周りの人を気遣ってきた
自分の不器用さも認められるようになった
きょうは君の誕生日だ
君はその命をふる里の地で引き受けてから
その力強さと得体の知れなさに悩まされながら
必死に生きてきた
その姿が人を感動させたこともたくさんあった
いま君はどんな気持ちでいるのかな
目の前にいるのに分からない
二枚の写真の隙間が
私たちを見守っている
窓の外の寒い街並の上空では
無数の星が私たちを見守っている
2012年12月29日土曜日
2012年12月28日金曜日
フェダーの部分だけをはずして
マイクロホンミキサーのフェダーの部分だけをはずして仕舞おうとしていたので
私は文句を言った
そこまで分解すると次回使うときにあちこちを探し回って組み立てなければならない
石庭を通って機材を運び入れている連中は
若い割には皆達者な仕事師ではあるが
たまに意味不明の行動をとる
和風の平屋建築の奥に機材室があり
出張の仕事を終えるとそこに格納することになる
私はその会社の社長をしているが仕舞うことにかけては
右に出るものがいないと自負するほど
手際よく美しく仕舞う
番頭に当たる男はスタッフの中では唯一私より年上の技術者だ
不器用で粗相が絶えないのであまり信望がないが
創業時からの大事な人間なので
悪い見本としながらも重用している
彼には6才の息子がいる
私は高校時代
足を怪我して運動会に出られなかった苦い思い出がある
またほとんど出席しなかった幾つかの授業の教科書を紛失し
単位取得に必要な時間数も計算できないでいた
中には必修科目もあり
卒業も危ぶまれた
石庭は先祖から受け継いだものだが
先祖の影はない
私は小さいころから当主として
この庭と家を守ってきた
父は南米にばかり行き通しで
母は大人しい心配性の女性だったので
ほぼ母屋のリビングとキッチンと寝室で暮らし
仕事にはタッチしなかった
その日
私は期限が来て会社を辞めることになっていた
だが
いつもの同じように
撤収してきた機材が長閑な庭を通って
機材室に運ばれていた
やがて機材室に大きな錠前が掛けられた
縁側に穏やかな日差しが当たっている
猫が鈴を鳴らした
青空の向こうに熱線を放つ爆弾が落ちたのはその時だった
私は文句を言った
そこまで分解すると次回使うときにあちこちを探し回って組み立てなければならない
石庭を通って機材を運び入れている連中は
若い割には皆達者な仕事師ではあるが
たまに意味不明の行動をとる
和風の平屋建築の奥に機材室があり
出張の仕事を終えるとそこに格納することになる
私はその会社の社長をしているが仕舞うことにかけては
右に出るものがいないと自負するほど
手際よく美しく仕舞う
番頭に当たる男はスタッフの中では唯一私より年上の技術者だ
不器用で粗相が絶えないのであまり信望がないが
創業時からの大事な人間なので
悪い見本としながらも重用している
彼には6才の息子がいる
私は高校時代
足を怪我して運動会に出られなかった苦い思い出がある
またほとんど出席しなかった幾つかの授業の教科書を紛失し
単位取得に必要な時間数も計算できないでいた
中には必修科目もあり
卒業も危ぶまれた
石庭は先祖から受け継いだものだが
先祖の影はない
私は小さいころから当主として
この庭と家を守ってきた
父は南米にばかり行き通しで
母は大人しい心配性の女性だったので
ほぼ母屋のリビングとキッチンと寝室で暮らし
仕事にはタッチしなかった
その日
私は期限が来て会社を辞めることになっていた
だが
いつもの同じように
撤収してきた機材が長閑な庭を通って
機材室に運ばれていた
やがて機材室に大きな錠前が掛けられた
縁側に穏やかな日差しが当たっている
猫が鈴を鳴らした
青空の向こうに熱線を放つ爆弾が落ちたのはその時だった
2012年12月27日木曜日
もっていても
もっている人
もっていない人
もてる人
もてない人
もてなくもない人
もてなくもなくない人
もてていなくもない人
もてていなくもなくない人
もってくる人
もっていく人
もってこなくもない人
もってこなくもなくもない人
もたれている人
もたれていない人
もたれていっていない人
もたれていかないでいる人
もっているのかいないのか
もっていないのかいるのか
もっているとどうか
もっていないとどうか
もたれてもっていない
もれなくもたれていて
もっていない人
もっていない人より
もっている人がいいですか
どちらでもいいです
2012年12月26日水曜日
父の署名
死んだあとも
くっきりと在り続ける父の署名は
わだかまりを支えたまま
時の流れを渡って行く
はっきりしないことだらけの世の中を
いつ知ったのか
同じ通学路を何度も歩くうちに
大事なことは結論ではなく過程だと
いつから訳知り顔でいられたのか
冷たい風の後に何がやってくるのかを
予定表に書き込んで
未来の予定も書き込んで
オルゴールのように人生を奏でる
署名は歌わず
世の矛盾の訳を理解せず
佇んでいる
私は誰かに詫びたい気分になり
ペンを手に取るが
名前さえ書く勇気がなく
検索窓に名前を打ち込んで
結果と対峙しない理由を探し始める
くっきりと在り続ける父の署名は
わだかまりを支えたまま
時の流れを渡って行く
はっきりしないことだらけの世の中を
いつ知ったのか
同じ通学路を何度も歩くうちに
大事なことは結論ではなく過程だと
いつから訳知り顔でいられたのか
冷たい風の後に何がやってくるのかを
予定表に書き込んで
未来の予定も書き込んで
オルゴールのように人生を奏でる
署名は歌わず
世の矛盾の訳を理解せず
佇んでいる
私は誰かに詫びたい気分になり
ペンを手に取るが
名前さえ書く勇気がなく
検索窓に名前を打ち込んで
結果と対峙しない理由を探し始める
2012年12月25日火曜日
それが私の人生さ
隠すことに夢中になって
大事なことは後回し
それが私の人生さ
真剣勝負はなるべく避けて
誤魔化しやりくりしてばかり
それが私の人生さ
気づいたときには手遅れで
それでもそれも知らんぷり
それが私の人生さ
それが私の
つまらぬ人生さ
大事なことは後回し
それが私の人生さ
真剣勝負はなるべく避けて
誤魔化しやりくりしてばかり
それが私の人生さ
気づいたときには手遅れで
それでもそれも知らんぷり
それが私の人生さ
それが私の
つまらぬ人生さ
2012年12月24日月曜日
吹きだまりの星
吹きだまりでやさぐれた心を自ら癒そうとして
煙草に火をつけた
赤い火の玉を燃やし煙を纏う君
クリスマスの音楽と騒ぎ声で溢れるあたりに
人気がなくなったら星屑でも拾いに行ってみるかと君は
頭の端っこで思っているが
疲れに襲われたらいつものように
朝まで夢の中をさまようことになると知っている
幸せの記号がどんなものか知らないまま
それはいつか引っ越してきたお嬢さんが首につけていた
あの光るナニのようなものかと思っていたこともあったが
幸せを掴み損ねた脱落者とつるむようになり
幸せがどんなものなのか考えるセンスも
ヒントさえも忘れてしまった
ご縁がなかったということでごめんなさい
と世界中の天使や神様や悪魔にも言われたような気がしていた
クリスマスツリーは
よく燃えるのかな
飾りをいっぱいつけた巨木はさぞかしよく燃えて
山裾の廃墟の低い窓からもよく見えることだろう
寒さがどんどん増してくるのがわかる
煙はまだその辺を漂っているが
こんな夜に猫は喧嘩して唸っている
沈黙がこわいわけじゃあるまいに
壁の中が透けてみえるのは
マッチ売りの少女の話
あれは本当は娼婦の話だとどこかのバカが言っていた
あの子は幸せになったのか憶えていない
多分なっていないだろう
なっていたとしてもすぐに終わっただろう
人が幸せを感じるのは他人よりマシだと感じた時
あるいは諦めがついた時
あるいはどうでもよくなったとき
吹きだまりの君は煙草を投げ捨てて空中で
スニーカーで蹴り上げた
赤い流れ星に気づいたものはいなかった
煙草に火をつけた
赤い火の玉を燃やし煙を纏う君
クリスマスの音楽と騒ぎ声で溢れるあたりに
人気がなくなったら星屑でも拾いに行ってみるかと君は
頭の端っこで思っているが
疲れに襲われたらいつものように
朝まで夢の中をさまようことになると知っている
幸せの記号がどんなものか知らないまま
それはいつか引っ越してきたお嬢さんが首につけていた
あの光るナニのようなものかと思っていたこともあったが
幸せを掴み損ねた脱落者とつるむようになり
幸せがどんなものなのか考えるセンスも
ヒントさえも忘れてしまった
ご縁がなかったということでごめんなさい
と世界中の天使や神様や悪魔にも言われたような気がしていた
クリスマスツリーは
よく燃えるのかな
飾りをいっぱいつけた巨木はさぞかしよく燃えて
山裾の廃墟の低い窓からもよく見えることだろう
寒さがどんどん増してくるのがわかる
煙はまだその辺を漂っているが
こんな夜に猫は喧嘩して唸っている
沈黙がこわいわけじゃあるまいに
壁の中が透けてみえるのは
マッチ売りの少女の話
あれは本当は娼婦の話だとどこかのバカが言っていた
あの子は幸せになったのか憶えていない
多分なっていないだろう
なっていたとしてもすぐに終わっただろう
人が幸せを感じるのは他人よりマシだと感じた時
あるいは諦めがついた時
あるいはどうでもよくなったとき
吹きだまりの君は煙草を投げ捨てて空中で
スニーカーで蹴り上げた
赤い流れ星に気づいたものはいなかった
2012年12月23日日曜日
自転車があったなら
私は客なのだが成り行き上 床を掃除している
昨日までは社長をやっていた
店員より私のほうが上手いだろう
線路際の食堂は冬には寒々とするほど全面ガラス戸で囲われていて
電車が通るたびに長閑にがたがたいっている
さっきまで私は秘密の女と石段の下の踏み切りのところで
いちゃついていた
秘書に知られたら彼女がかわいそうだと気もそぞろに
その落ち着きのなさに久々の新鮮な快楽を得て
しかしこの汚れやすい床は
いくら掃除してもきれいにならない
まるでそれが狙いであるかのように
油汚れを永遠に引きずり回すようだ
それでも
私は掃除が上手だ
巷では安部政権が発足するというが
その稼働率が四割ほどになったとき
私の口の中で
液晶表示装置の白い文字が
16ドットのゴシック体で
文字をスクロール表示することになっている
八又(やつまた)さんとできちゃった
私の中はそのニュースで持ちきりで
すごく忙しいから
夕方になるのも忘れて床をしごいている
自転車があったなら
すこしは
はかどったかも知れない
2012年12月22日土曜日
望み
秘密の人ごみ
やわらかな路
暗い気持ちには
居留守をつかい
知らん顔
あったかいブーツを履き
近場へトリップ
あのこはストリートダンサーを
振ったばかり
群馬県の家から
東中野まで
体力勝負で通い
スレンダーな体に
お尻の上までの長い髪を
なびかせて
香りを振りまく
許されるなら
土星の影で
すべてを奪い確かめたい
彼女が何をしたいのかを
やわらかな路
暗い気持ちには
居留守をつかい
知らん顔
あったかいブーツを履き
近場へトリップ
あのこはストリートダンサーを
振ったばかり
群馬県の家から
東中野まで
体力勝負で通い
スレンダーな体に
お尻の上までの長い髪を
なびかせて
香りを振りまく
許されるなら
土星の影で
すべてを奪い確かめたい
彼女が何をしたいのかを
2012年12月21日金曜日
20121222
親切そうな男の人が
お金の振込先を教えてくれる
そしてお待たせしたら悪いからと
預かり証を用意して
あとは自分がやるから
もう帰っていいという
小雪が昼下がりの郊外の街の
ビルの谷間に舞い降りる
駅ビルにはちょっと値段が高めの
この国の何処に行ってもある
安心感のあるお店が連なり
客を誘い込んでいる
親切そうな男の人は
預かり証を渡して
さあお帰りくださいと
笑顔で挨拶する
本社は彼の人柄とは関係なく
別のものと繋がっていて
人々の間に根を張って
養分を取り入れている
ニュースでは
戦地で死んで行った
ジャーナリストの特集が流されている
昨日は傭兵のアルバイトの暴露話の番組が流されたばかりだ
グラッとまた震度3の地震
お金の振込先を教えてくれる
そしてお待たせしたら悪いからと
預かり証を用意して
あとは自分がやるから
もう帰っていいという
小雪が昼下がりの郊外の街の
ビルの谷間に舞い降りる
駅ビルにはちょっと値段が高めの
この国の何処に行ってもある
安心感のあるお店が連なり
客を誘い込んでいる
親切そうな男の人は
預かり証を渡して
さあお帰りくださいと
笑顔で挨拶する
本社は彼の人柄とは関係なく
別のものと繋がっていて
人々の間に根を張って
養分を取り入れている
ニュースでは
戦地で死んで行った
ジャーナリストの特集が流されている
昨日は傭兵のアルバイトの暴露話の番組が流されたばかりだ
グラッとまた震度3の地震
2012年12月20日木曜日
2012年12月19日水曜日
2012年12月18日火曜日
寒い街並みの向こうに
寒い街並みの向こうに海がある
風にヨットがきしむ
夏の青い海がある
窓辺に立って
私は背後に
ポットのお湯が滾る音を聞いている
山の方角に日が落ちる
明日の朝は爽やかに晴れる気がして
風にヨットがきしむ
夏の青い海がある
窓辺に立って
私は背後に
ポットのお湯が滾る音を聞いている
山の方角に日が落ちる
明日の朝は爽やかに晴れる気がして
2012年12月17日月曜日
曲がりかどの向こうで
寝入りばなの目覚め際
小鳥のさえずりを聴いたような気がして
陽だまりの中にこころを移してみると
そこに
やはりあなたが後ろ向きで座っていた
胸騒ぎがして近寄り覗き込んでみると
なんのことはない
あなたは独り遊びに興じていて
他人の心配などはどこ吹く風
その独り遊びは
バリアで自分を覆い
外の声は聴こえないらしい
なにか寂しい事件でもあったのだろうか
しゃぼん玉のように疑問は天へとのぼり
青空の震えのせいで
虹を現しては破裂する
そのとき
私の心の中で
音もなく破裂したものは
何だ
----今月誕生日のひとに----
小鳥のさえずりを聴いたような気がして
陽だまりの中にこころを移してみると
そこに
やはりあなたが後ろ向きで座っていた
胸騒ぎがして近寄り覗き込んでみると
なんのことはない
あなたは独り遊びに興じていて
他人の心配などはどこ吹く風
その独り遊びは
バリアで自分を覆い
外の声は聴こえないらしい
なにか寂しい事件でもあったのだろうか
しゃぼん玉のように疑問は天へとのぼり
青空の震えのせいで
虹を現しては破裂する
そのとき
私の心の中で
音もなく破裂したものは
何だ
----今月誕生日のひとに----
2012年12月16日日曜日
素直に生きていけばいいと
自分のよさに気づける人は
素直に生きていけばいいと
神様から選ばれた人
神様から選ばれても
そのことを信じないでいると
幸せになれない
幸せになれないまま
悩み続けて
ある日やっと素直に生き始める
というのが
婉曲に表現した
私の人生です
私というのは
あなたのことであり
筆者は神様の家来として
これをあなたに伝えるため
このような方法で
ここに書いています
素直に生きていけばいいと
神様から選ばれた人
神様から選ばれても
そのことを信じないでいると
幸せになれない
幸せになれないまま
悩み続けて
ある日やっと素直に生き始める
というのが
婉曲に表現した
私の人生です
私というのは
あなたのことであり
筆者は神様の家来として
これをあなたに伝えるため
このような方法で
ここに書いています
2012年12月15日土曜日
パズル
そこには
日本語のパズルがあって
それをせっせとならべて
ぼくは
たまにうれしくなる
そのパズルを
だれがくれたのか
ぼくはうすうす
気づいているけれど
それをみんなに知らせるのは
なんだか
はしたないことのように思えて
だから
ぼくは黙って
パズルのかけらをただ選びつづける
パズルはしょっちゅう完成するが
決まった答えはないので
いつまでも
やめられない
それに
パズルはどんどん増えていく
その一方
磨り減ってなくなって行くパズルもある
いつのまにか
たくさんのパズルを
ぼくはもっている
詩集のようなパズル
お伽噺のようなパズルもある
ぼくは
自分のパズルも作っている
いつから作りはじめたのだろう
無数の星が
パズルの上でまわって
ぼくは消えていく
きょう、12月15日は、谷川俊太郎さんの誕生日です。
日本語のパズルがあって
それをせっせとならべて
ぼくは
たまにうれしくなる
そのパズルを
だれがくれたのか
ぼくはうすうす
気づいているけれど
それをみんなに知らせるのは
なんだか
はしたないことのように思えて
だから
ぼくは黙って
パズルのかけらをただ選びつづける
パズルはしょっちゅう完成するが
決まった答えはないので
いつまでも
やめられない
それに
パズルはどんどん増えていく
その一方
磨り減ってなくなって行くパズルもある
いつのまにか
たくさんのパズルを
ぼくはもっている
詩集のようなパズル
お伽噺のようなパズルもある
ぼくは
自分のパズルも作っている
いつから作りはじめたのだろう
無数の星が
パズルの上でまわって
ぼくは消えていく
きょう、12月15日は、谷川俊太郎さんの誕生日です。
2012年12月14日金曜日
素敵なおじいちゃん
素敵なおじいちゃん
愉快で
おもしろくて
ちょっとだけひねくれていて
人を驚ろかすのが好き
一人っ子の風体を後姿に感じさせながら
わき目も振らず何かに打ち込む
それはいつからの癖?
今までしてきた仕事が
おじいちゃんの信念を裏打ちして
つよく押し出す
おじいちゃんが遠慮なく言うことが
世の中を楽しませることだと感じるから
無用な遠慮もしなければ
させないようにも気を遣う
長い間
いろんなところにでかけて仕事をしてきたから
いまや世界一の物知りだと言っても
否定する人はいない
おじいちゃんは
新しいものを作っては惜しげもなく人々に見せる
おじいちゃんがした仕事は
世界中に広がり
たくさんの人を喜ばせた
そのせいで
おじいちゃんは
たくさんの人から愛されている
おじいちゃんは
年をとった
死ぬのが楽しみだという
おじいちゃんにとっても
死は初体験のことだろうから
その新しい経験が
気分よく
できますように
みんなが願っています
誕生日の日に
あなたのことを目蓋に思い浮かべながら
12月15日は谷川俊太郎さんの誕生日です
毎年、誕生日のお祝いのつもりで詩を書いています マツザキヨシユキ
去年の詩はこちらです↓
http://miraisousaku.blogspot.jp/2011/12/blog-post_14.html?spref=twv
愉快で
おもしろくて
ちょっとだけひねくれていて
人を驚ろかすのが好き
一人っ子の風体を後姿に感じさせながら
わき目も振らず何かに打ち込む
それはいつからの癖?
今までしてきた仕事が
おじいちゃんの信念を裏打ちして
つよく押し出す
おじいちゃんが遠慮なく言うことが
世の中を楽しませることだと感じるから
無用な遠慮もしなければ
させないようにも気を遣う
長い間
いろんなところにでかけて仕事をしてきたから
いまや世界一の物知りだと言っても
否定する人はいない
おじいちゃんは
新しいものを作っては惜しげもなく人々に見せる
おじいちゃんがした仕事は
世界中に広がり
たくさんの人を喜ばせた
そのせいで
おじいちゃんは
たくさんの人から愛されている
おじいちゃんは
年をとった
死ぬのが楽しみだという
おじいちゃんにとっても
死は初体験のことだろうから
その新しい経験が
気分よく
できますように
みんなが願っています
誕生日の日に
あなたのことを目蓋に思い浮かべながら
12月15日は谷川俊太郎さんの誕生日です
毎年、誕生日のお祝いのつもりで詩を書いています マツザキヨシユキ
去年の詩はこちらです↓
http://miraisousaku.blogspot.jp/2011/12/blog-post_14.html?spref=twv
2012年12月13日木曜日
雪解けを待つ
私の庭は雪に埋まっている
その下で放射性物質が
身の振り方を考えている
私はあなたの下で
身の振り方を考えている
なにもかも
あきらめて
なにもかも
新しく望む
私は私の庭で
雪解けを待つ
その下で放射性物質が
身の振り方を考えている
私はあなたの下で
身の振り方を考えている
なにもかも
あきらめて
なにもかも
新しく望む
私は私の庭で
雪解けを待つ
2012年12月12日水曜日
花は立ち止まる
花は立ち止まる
私の前で
世間の風を受けながら闊歩していたけれど
百人の人と
幾千の事象に臨んできたけれど
花は迷いもなく立ち止まる
振り返ることもせず
昨日までの計算高さも忘れて
花は立ち止まって
黙り
凛と立って
無言で視線を私に向けてくる
花を前にした私は
花の来し方行く末を想った
だかそれは
ほんの一瞬のことだった
私は
私の人生を受け入れて生きることに
集中しなければならなかったから
季節の風に身を任せて
花や樹や草や生き物や宇宙の自然を
受け入れて
ただ
なすべきことをしなければならなかったから
私の前で
世間の風を受けながら闊歩していたけれど
百人の人と
幾千の事象に臨んできたけれど
花は迷いもなく立ち止まる
振り返ることもせず
昨日までの計算高さも忘れて
花は立ち止まって
黙り
凛と立って
無言で視線を私に向けてくる
花を前にした私は
花の来し方行く末を想った
だかそれは
ほんの一瞬のことだった
私は
私の人生を受け入れて生きることに
集中しなければならなかったから
季節の風に身を任せて
花や樹や草や生き物や宇宙の自然を
受け入れて
ただ
なすべきことをしなければならなかったから
2012年12月11日火曜日
細い腕
細い腕が畑に埋まっている
畑から畑が腕伝いに上がってくる
畑と地上はやがて混ざり合い
入れ替わる
私を植えようと企んでいるのは
私の腕だ
だが腕は既に脳みそを混ぜながら
夕飯の用意をしているので
大根は自ら細く切られなければならない
まな板が水と混ざり合い
包丁は既に鍋の中で
味噌と入れ替わっているので
私はあなたのワンピースの袖を掴んで
竈にくべて
火を起こさなければならない
料理がそれを待っている
風呂が先か夕飯が先か
あるいは有る岩がさきか
後片付けが先か
細い腕は一本
大事な些事が掛けられているので
油断できない
油揚げを揚げるために
火を起こさなければならない
細い腕は腕まくりして
お尻とは区別が必要だ
トイレにいくときに
廊下が便器と入れ替わらないためにも
畑から畑が腕伝いに上がってくる
畑と地上はやがて混ざり合い
入れ替わる
私を植えようと企んでいるのは
私の腕だ
だが腕は既に脳みそを混ぜながら
夕飯の用意をしているので
大根は自ら細く切られなければならない
まな板が水と混ざり合い
包丁は既に鍋の中で
味噌と入れ替わっているので
私はあなたのワンピースの袖を掴んで
竈にくべて
火を起こさなければならない
料理がそれを待っている
風呂が先か夕飯が先か
あるいは有る岩がさきか
後片付けが先か
細い腕は一本
大事な些事が掛けられているので
油断できない
油揚げを揚げるために
火を起こさなければならない
細い腕は腕まくりして
お尻とは区別が必要だ
トイレにいくときに
廊下が便器と入れ替わらないためにも
2012年12月10日月曜日
淀んだ風
あのとき殴られた左の頬
長い年月が経ち
いま
殴って欲しい右の頬
あのひとがなぜ殴ったのかは
いまよりも
あのときの自分の方が
きちんとよく知っていた
長いものに巻かれ
夢を忘れることさえ正当化することを覚えた私に
あのときの
あのひとのことはわからない
いま
子どもたちは
殴ってさえもらえない
大人になってから頬に
淀んだ風が中るだけだろう
長い年月が経ち
いま
殴って欲しい右の頬
あのひとがなぜ殴ったのかは
いまよりも
あのときの自分の方が
きちんとよく知っていた
長いものに巻かれ
夢を忘れることさえ正当化することを覚えた私に
あのときの
あのひとのことはわからない
いま
子どもたちは
殴ってさえもらえない
大人になってから頬に
淀んだ風が中るだけだろう
2012年12月9日日曜日
会ったことのないあの人
会ったことのないあの人だけど
気になる 気になる
会ったことのない人は
私に語りかけてくる
やさしく 激しく
会ったことのない人は
いつまでも
そのままでいるとは限らない
会ったことのない人の
ことばかり 考える
夜に 朝に いつの間にか
会ったことのない人が
私に語りかけてくる
昨日も 今日も 明日もきっと
会ったことのない人は
かけがえがない
あの人は
私の大事な人
いつから? どうして?
気まずくても 楽しくても
距離感もわからずに
肌のぬくもりも知らぬまま
寒い夜も
暖かい部屋に
一緒にいる
気になる 気になる
会ったことのない人は
私に語りかけてくる
やさしく 激しく
会ったことのない人は
いつまでも
そのままでいるとは限らない
会ったことのない人の
ことばかり 考える
夜に 朝に いつの間にか
会ったことのない人が
私に語りかけてくる
昨日も 今日も 明日もきっと
会ったことのない人は
かけがえがない
あの人は
私の大事な人
いつから? どうして?
気まずくても 楽しくても
距離感もわからずに
肌のぬくもりも知らぬまま
寒い夜も
暖かい部屋に
一緒にいる
2012年12月8日土曜日
中心のこころ
体にピンを刺すと
痛いけれど
どこが中心かが
わかってくる
ピンを刺した場所と
心が通信していると
そのことをここに書いている自分が
主張し始める
胸に手を当てても
そこに心の気配はしない
頭の中から
心はここにあると
信号が発せられ
また同じ場所に戻ってくる
心にピンを刺すと
そこから血が出て
辺りを浸す
血は乾いて
かぴかぴになり
心を守ろうとする
私は裸の心に
ぶかぶかの服を着せて
外に連れ出そうとする
パンツが落ちると
心は
中心を隠そうとして
心の中心の中心があることに
みんなは気づいてしまう
痛いけれど
どこが中心かが
わかってくる
ピンを刺した場所と
心が通信していると
そのことをここに書いている自分が
主張し始める
胸に手を当てても
そこに心の気配はしない
頭の中から
心はここにあると
信号が発せられ
また同じ場所に戻ってくる
心にピンを刺すと
そこから血が出て
辺りを浸す
血は乾いて
かぴかぴになり
心を守ろうとする
私は裸の心に
ぶかぶかの服を着せて
外に連れ出そうとする
パンツが落ちると
心は
中心を隠そうとして
心の中心の中心があることに
みんなは気づいてしまう
2012年12月7日金曜日
ネガディブソングス
この世には
上手くいかないことばかり
100回死んでも
まだ足りぬ
あの世にも
上手くいかないことばかり
毎日は
苦しいことの繰り返し
努力をしても
抜けられぬ
いつまでも
苦しい道が続くだけ
あの人は
きょうも恨んでいるばかり
赦(ゆる)しなんぞは
ありゃしない
あの人は
恨みと愚痴で忙しい
その愛は
いつまでたっても後ろ向き
愛しい人を
苦しめる
その愛は
身勝手 意地悪 隙(すき)だらけ
上手くいかないことばかり
100回死んでも
まだ足りぬ
あの世にも
上手くいかないことばかり
毎日は
苦しいことの繰り返し
努力をしても
抜けられぬ
いつまでも
苦しい道が続くだけ
あの人は
きょうも恨んでいるばかり
赦(ゆる)しなんぞは
ありゃしない
あの人は
恨みと愚痴で忙しい
その愛は
いつまでたっても後ろ向き
愛しい人を
苦しめる
その愛は
身勝手 意地悪 隙(すき)だらけ
2012年12月6日木曜日
未来のこども
あしたはなにするの?
あしたは今日と同じこと
あさってはなにするの?
あさっては先週と同じこと
先月はなにしてたの?
先月は去年と同じこと
来年はなにするの?
来年はきのうと同じこと
そうして百年目の満月を
未来のこどもが眺めてる
あしたは今日と同じこと
あさってはなにするの?
あさっては先週と同じこと
先月はなにしてたの?
先月は去年と同じこと
来年はなにするの?
来年はきのうと同じこと
そうして百年目の満月を
未来のこどもが眺めてる
2012年12月5日水曜日
おととしの今日書いた詩
プレゼント
冬の暖かい日差しの中で
夢を見たわ
どこからが夢で
どこまでが空想だったか
わからないの
冬の街を雨が通りすぎ
珍しく虹が掛かったの
そして
いつまでも消えずにいた
白いカーテンの揺れる部屋で
あなたは風がいいねと言って
ほほえみかけてくれた
私は
そう?
とわざとそっけなくした
それからあなたに
プレゼントの箱を手渡したわ
あなたは私の肩を抱き寄せて
いつもの挨拶のキスをした
夜がきて
朝がきて
沢山仕事をした
友達とお酒を飲み
旅行にも行った
ネイルも何度も塗りかさね
それと同じくらい嘘もついた
気づくと
いつもの場所の
古びた椅子にすわっていて
目覚めていたけれど
いつ
眼をあけたのか
もう忘れていたの
夢を見たわ
どこからが夢で
どこまでが空想だったか
わからないの
冬の街を雨が通りすぎ
珍しく虹が掛かったの
そして
いつまでも消えずにいた
白いカーテンの揺れる部屋で
あなたは風がいいねと言って
ほほえみかけてくれた
私は
そう?
とわざとそっけなくした
それからあなたに
プレゼントの箱を手渡したわ
あなたは私の肩を抱き寄せて
いつもの挨拶のキスをした
夜がきて
朝がきて
沢山仕事をした
友達とお酒を飲み
旅行にも行った
ネイルも何度も塗りかさね
それと同じくらい嘘もついた
気づくと
いつもの場所の
古びた椅子にすわっていて
目覚めていたけれど
いつ
眼をあけたのか
もう忘れていたの
しのきすとあのき
けっとんぴー
すきりあふ あぁーまり
きりるまたべ しれそこ
ろぬかせらのさしくみち
しいわありこみそつれいのち
よいこはり はりせしずみちと
くるしいかずごけらくぱく ぬわいらせす
しにら りけん すうほたろつろけ
みくならたぬふゆうみしれと
けっとんぴー
たむけめそうあま しのて
けりししまいの まちあかり
ぬと やちくそさへ しらまたほ
けっとんぴー
ていてすらりくあ ずんとこし
すきりあふ あぁーまり
きりるまたべ しれそこ
ろぬかせらのさしくみち
しいわありこみそつれいのち
よいこはり はりせしずみちと
くるしいかずごけらくぱく ぬわいらせす
しにら りけん すうほたろつろけ
みくならたぬふゆうみしれと
けっとんぴー
たむけめそうあま しのて
けりししまいの まちあかり
ぬと やちくそさへ しらまたほ
けっとんぴー
ていてすらりくあ ずんとこし
2012年12月4日火曜日
円形の駐車場
中腹に円形の駐車場があり
自殺者がよく訪れる
やや下にある砂利が敷き詰められている
広大な四角い駐車場は
開業以来満車になったことがない
人々が駐車場を訪れる理由は
四角い駐車場の国道側にできた施設を
訪れるためだが
フェスティバルが行われる日などは
誘導員が数百名も出て
駐車スペースに車を導いている
円形の駐車場への道は
行き違えないほど狭く
看板も立っていない
到着すると外周の道を回りながら
駐車スペースを探すことになるが
その道沿いにあるスペースは限られていて
13台停まるのがやっとだ
この駐車場には13台しか停まれない
ある夜
彼がやってきたときには既に6台が停まっていた
彼は外周を回りながら停車位置を選ぼうとしていた
駐車位置は円形に配置されているので
その内側には駐車できず
ただの芝生の広場になっている
6時の方向から入り右回りにぬ12を過ぎ
5時の位置に来たとき
1時の方向の車の中に母と子がいるのが視えた
母は子供と無理心中しようとしていたが
子供はビー玉が一つ床に落ちて見つからなくなったと
シートの下をしきりに覗き込んでいた
6時の方向の車には
やはり別の母と子が乗っていたが
この母は
子供を刺し殺すタイミングを計っていた
刺し殺した後
車ごと置き去りにして
逃げ帰ろうと考えていた
彼は円周をもう一周して
4時の位置に車を停めた
死へ向かう密度がこれほど高い場所に来たのは
初めてだった
下の駐車場は
きのうの雨でぬかるんでいる
ここは
木の上の月の景色が見渡せる場所
誰も円の中心へと入っていくことはない
一握りの人同士ががにらみあい
その行状を見届けられる唯一の場所
自殺者がよく訪れる
やや下にある砂利が敷き詰められている
広大な四角い駐車場は
開業以来満車になったことがない
人々が駐車場を訪れる理由は
四角い駐車場の国道側にできた施設を
訪れるためだが
フェスティバルが行われる日などは
誘導員が数百名も出て
駐車スペースに車を導いている
円形の駐車場への道は
行き違えないほど狭く
看板も立っていない
到着すると外周の道を回りながら
駐車スペースを探すことになるが
その道沿いにあるスペースは限られていて
13台停まるのがやっとだ
この駐車場には13台しか停まれない
ある夜
彼がやってきたときには既に6台が停まっていた
彼は外周を回りながら停車位置を選ぼうとしていた
駐車位置は円形に配置されているので
その内側には駐車できず
ただの芝生の広場になっている
6時の方向から入り右回りにぬ12を過ぎ
5時の位置に来たとき
1時の方向の車の中に母と子がいるのが視えた
母は子供と無理心中しようとしていたが
子供はビー玉が一つ床に落ちて見つからなくなったと
シートの下をしきりに覗き込んでいた
6時の方向の車には
やはり別の母と子が乗っていたが
この母は
子供を刺し殺すタイミングを計っていた
刺し殺した後
車ごと置き去りにして
逃げ帰ろうと考えていた
彼は円周をもう一周して
4時の位置に車を停めた
死へ向かう密度がこれほど高い場所に来たのは
初めてだった
下の駐車場は
きのうの雨でぬかるんでいる
ここは
木の上の月の景色が見渡せる場所
誰も円の中心へと入っていくことはない
一握りの人同士ががにらみあい
その行状を見届けられる唯一の場所
2012年12月3日月曜日
そわそわしちゃう
そわそわしちゃう
やさしくてすき
たったかはしる
たのしくてすき
じっとりみてる
いろけがあるね
くっきりはなす
わたしはできぬ
しらじらあける
よあけはきれい
しんしんひえる
さむざむこごえ
あなたがいれば
ぬくぬくゆるむ
いないとこまる
そわそわしちゃう
やさしくてすき
たったかはしる
たのしくてすき
じっとりみてる
いろけがあるね
くっきりはなす
わたしはできぬ
しらじらあける
よあけはきれい
しんしんひえる
さむざむこごえ
あなたがいれば
ぬくぬくゆるむ
いないとこまる
そわそわしちゃう
2012年12月2日日曜日
甘えん坊さんの巨塔
甘えん坊さん
彼女はたまに自分の言っていることがわからない
かきくけこ
口をついて出た言葉の意味を理解するまえに
次の言葉を発してしまうから
おまけに相手がややこしいことや
どうでもいいことを
長ったらしく語りかけてくるから
パニックだ
さしすせそ
差し詰めすし詰めだ
白いニットの胸の膨らみの前で
手を合わせ
体を揺すりながら
眼は焦点を結ばない
小さな噴水から
ちょろちょろと
白い水が漏れる
四つ葉の残り一枚
バターケースのなかの
少し残ったバターが
味方だよ
探せばほかにも!
浦島太郎の玉手箱の中
まみむめも
マリモの中心部
彼女の中心部で
息づいている
脳みそ色の巨塔
彼女はたまに自分の言っていることがわからない
かきくけこ
口をついて出た言葉の意味を理解するまえに
次の言葉を発してしまうから
おまけに相手がややこしいことや
どうでもいいことを
長ったらしく語りかけてくるから
パニックだ
さしすせそ
差し詰めすし詰めだ
白いニットの胸の膨らみの前で
手を合わせ
体を揺すりながら
眼は焦点を結ばない
小さな噴水から
ちょろちょろと
白い水が漏れる
四つ葉の残り一枚
バターケースのなかの
少し残ったバターが
味方だよ
探せばほかにも!
浦島太郎の玉手箱の中
まみむめも
マリモの中心部
彼女の中心部で
息づいている
脳みそ色の巨塔
2012年12月1日土曜日
あたたかい私信
いま、山手線で向かっています。
あと、三十分くらいです。
おでんは食べないでください。
昨日はごめんね。
殺したのは、あなたじゃなく私かもね。
反省しました。
最近、ちょっと行き違いが多いけど、これから良くなると思っています。
ミーナにエサあげましたか。
共食いする夢みちゃいました。
月がきれいだね。
明日は、郡山行くよ。
朝、東京駅で下田さんと待ち合わせした。
いいポスター、できるといいな。
じゃ^ - ^
あと、三十分くらいです。
おでんは食べないでください。
昨日はごめんね。
殺したのは、あなたじゃなく私かもね。
反省しました。
最近、ちょっと行き違いが多いけど、これから良くなると思っています。
ミーナにエサあげましたか。
共食いする夢みちゃいました。
月がきれいだね。
明日は、郡山行くよ。
朝、東京駅で下田さんと待ち合わせした。
いいポスター、できるといいな。
じゃ^ - ^
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