くちびるがくっつきそう
相手が目を閉じた
私は目を閉じているのだろうか
くちびるにくちびる
湿った舌から押し出される息
擦れる産毛
ファンデの香りに
めまいがしそうになる
腕はどうなっているだろう
腰の周りの衣服は
肉体の躍動と呼吸と
どうせめぎ合って
感覚器官を刺激しているのだろう
舞台の上を回りながら
二人きりになって
遊んでいるのだろうか
責任は誰がとるのか
後戻りできない罪は
どこに紛れ込ませれば
忘れられるのだろう
2012年3月31日土曜日
2012年3月30日金曜日
2012年3月29日木曜日
誤魔化された今日
誤魔化すのが当たり前になってしまった人が
もう誤魔化していることも忘れてしまった
誤魔化された人はまだ誤魔化され続けていたから
何事も変わらなかった
誤魔化している人は
誤魔化していることによって誤魔化されている人から
誤魔化していると指摘されないので
誤魔化していることに気付けずに
そのうち誤魔化していることのほうが
耐え切れずに真実に変容していった
誤魔化している人は
誤魔化しながら
誰かに誤魔化されたいと
心の奥で望んでいたが
干からびた心の厚い壁に阻まれて
その思いはただ朽ちてしまった
誤魔化している人が増えると
なにが誤魔化しているといえるのか
やがてますます判りにくくなってゆき
誤魔化していないことが誤魔化しのようにさえ目に映り
私たちは自分たちを信用できなくなっていった
最初にごまかした人は
もう誤魔化しの輪っかから抜け出し
西方浄土と天国の間の地の果てで
酒を酌み交わしながら洋菓子を食べながら
周りの人々と高みの見物を決め込んでいた
という夢が
誤魔化し誤魔化されることに飽き果てた
私に見られていた
もう誤魔化していることも忘れてしまった
誤魔化された人はまだ誤魔化され続けていたから
何事も変わらなかった
誤魔化している人は
誤魔化していることによって誤魔化されている人から
誤魔化していると指摘されないので
誤魔化していることに気付けずに
そのうち誤魔化していることのほうが
耐え切れずに真実に変容していった
誤魔化している人は
誤魔化しながら
誰かに誤魔化されたいと
心の奥で望んでいたが
干からびた心の厚い壁に阻まれて
その思いはただ朽ちてしまった
誤魔化している人が増えると
なにが誤魔化しているといえるのか
やがてますます判りにくくなってゆき
誤魔化していないことが誤魔化しのようにさえ目に映り
私たちは自分たちを信用できなくなっていった
最初にごまかした人は
もう誤魔化しの輪っかから抜け出し
西方浄土と天国の間の地の果てで
酒を酌み交わしながら洋菓子を食べながら
周りの人々と高みの見物を決め込んでいた
という夢が
誤魔化し誤魔化されることに飽き果てた
私に見られていた
2012年3月28日水曜日
言葉をなくしたら
夕方の景色と出会って
言葉をなくした
言葉をなくしたら
べつの
言葉をなくした人 と繋がったような
気がした
さっきまで
言葉を持って
きょうも
外を出歩いて
言葉を投げ合っていた
運動会でやった
競争のように
言葉をなくしたら
心の底に
言葉の泉があることに気がついた
言葉をなくしたら
また
言葉が自分の中に溜まり始めて
溢れてくることが分かった
綺麗な言葉が
湧いてくるように
したい
言葉をなくした
言葉をなくしたら
べつの
言葉をなくした人 と繋がったような
気がした
さっきまで
言葉を持って
きょうも
外を出歩いて
言葉を投げ合っていた
運動会でやった
競争のように
言葉をなくしたら
心の底に
言葉の泉があることに気がついた
言葉をなくしたら
また
言葉が自分の中に溜まり始めて
溢れてくることが分かった
綺麗な言葉が
湧いてくるように
したい
2012年3月27日火曜日
問い Lesson 1
あなたが過去の日の自分を見る時
未来から今のあなたを見る人がいる
私が未来の日の自分を見ようとする時
過去から今の私を見る人がいる
私があなたを見ようとする時
あなたは私の方を向いて
そこに誰の姿を見たのか
あなたが未来と過去の自分に出会う時
あなたはそれぞれに向かい何を語るのだろうか
2012年3月26日月曜日
知り合ったばかりなのに
知り合ったばかりなのに
ことばも少ししか通じないのに
小さな竹の林の前で立ち止まると
2人は2つのモバイルフォンのカメラで
黙って写真を撮っていた
それまでに何をしてきたのか
これから何をしようとしているのか
竹の林は影に映していたのだろうか
知り合って
すぐにさよならしたけれど
竹の林は
いつまでもそこにただ立って
気まぐれに時のあやとりをしている
2012年3月25日日曜日
簡単な質問に
それを持ったままでいいですか
そのまま
持っていくのですか
春風が強く吹く
海岸からあなたの部屋につづく道を歩けば
日差しには
もう汗ばんでしまいそう
靴も
夏のものに履き替えたくなってきて・・・
まだ
持っているのですか
その
簡単な質問に
なぜか
正面から
答えることが
できなくて・・・
2012年3月24日土曜日
2012年3月23日金曜日
博物誌的なりんりんの考察
りんりんは
やさしい眼をしている
その眼は
世間にある美しいものを見つめる
それは例えば
博物館に展示された青磁
つややかな
白い肌の陶磁器
古代の人の装飾品や埋葬品
ー新しいのものより光を通しにくい筈なのに、なぜ、こんなに美しく清楚なのだろうー
彼女は夜
パソコンでアニメを観る
映画やドラマを観る
隣の国の音楽を聴く
その歌詞には
いつか学んだ
まだ知らない言葉が散りばめられていて
貝殻のようにそれを選んでは
拾い集めた
生まれ育った街からこの街にやって来て
博物館を開館する仕事に関わった
それは
何に喩えることができるだろう
かんがえると
答えが見つかる前に
いつも眠ってしまう
美しいお棺に入って
星の巡る気配を天井に感じながら
2012年3月22日木曜日
彼は待っている
こんもりした木立の周りの道を
ぐるりと回って行けば
きっと彼がいる
いつか
焚き火の煙が登っていくのを
見たことがある
静まり返った夜に
眠れずに
胸のときめきを抱えていた時
木立の向こうから
彼の声が聞こえてきたこともある
こんもりした木立の周りの道を
ぐるりと回って行けば
きっと彼がいる
彼はひとりで
あなたが到着するのを待っている
あたりまえのような
顔をして
2012年3月21日水曜日
2012年3月20日火曜日
むこうのせかいに
するするっと
ぬけていこうよ
すきまをね
ちかみちをね
くるくるって
まいてしまおう
イヤホンのコードと
はしるのにじゃまなしっぽ
くりくりって
くりぬいちゃえば
ビーだまおさめるく ぼみ
むこうのせかいをみるためのあな
ぬけていこうよ
すきまをね
ちかみちをね
くるくるって
まいてしまおう
イヤホンのコードと
はしるのにじゃまなしっぽ
くりくりって
くりぬいちゃえば
ビーだまおさめるく ぼみ
むこうのせかいをみるためのあな
2012年3月19日月曜日
2012年3月18日日曜日
失われた庭
失われた庭は
失われることで
永遠を呼び込んだ
いま
私は その永遠と
戯れて
身を沈める
失われた庭に
風が吹き
太陽がめぐる
鳥のさえずりと
虫の声が
交互に響く
静寂は
私の見つめる彼方に
ひっそりとしている
失われた
庭の場所には
新しい家族が住んでいる
私は
遠く離れて
永遠の庭を
勝手気ままに呼び寄せる
失われることで
永遠を呼び込んだ
いま
私は その永遠と
戯れて
身を沈める
失われた庭に
風が吹き
太陽がめぐる
鳥のさえずりと
虫の声が
交互に響く
静寂は
私の見つめる彼方に
ひっそりとしている
失われた
庭の場所には
新しい家族が住んでいる
私は
遠く離れて
永遠の庭を
勝手気ままに呼び寄せる
2012年3月17日土曜日
詩人と二人、街道を東へ
詩人を乗せて街道を東へ
詩人は余計なことを喋らない
詩人は詩人にとって大切なことを話す
詩人は自分と世間との関係を大事にしている
だがその自分は世間と分け隔てなく存在することも知っている
詩人の眼は車窓から外を見ているのだろうか
それとも窓枠の水滴が跡を引いて流れる様子か
時々私は詩人の方を見る
すると詩人は前を向いているが
私に目配せして話してくれる
詩人は今ここにいるが
詩人にとっては「今」はどこにあるのだろう
詩人は最近出たエッセイ集の話を私としているが
詩人は私とだけ話しているのだろうか
私はくれかけた休日の街道の混雑の中をすり抜けながら
前照灯をつけたりスモールにしたりしながら
時々ワイパーの速度を調整しながら
詩人と話をする
詩人の撮った映像は
物の見方が特別だと
私は気づいたと私は話す
そして
いままでは思想や書き方が特別だと想っていた
私もその思想や書き方は似ているので
とても近いと感じていた
しかし
本当はそうではなく
見方自体が違うと気付いたんです
と話す
詩人は無意識な領域が
特別かもしれないというようなことを話す
私は納得して嬉しくなる
沈黙して
話し始めるのは
カフェにおけるPAと音場設計の話
プロジェクターの価格と進化と購入方法の話
沈黙すると
次に話し始める話が
まったく別系統の話になるのは
詩人が私の話にあわせてくれているからだ
詩人は
ワイヤレスのPAシステムを
自宅で私に見るように勧めたが
のろのろ運転で自宅に到着すると
一人で建屋の中に入っていった
私は
ワイヤレスのPAシステムの
取扱説明書を受け取った
800メガヘルツ帯は
果たして使えるの゛たろうか
もう売っていないはずだか
そういえば
ソフトバンクが獲得したというニュースの中に
補償料を払うという一文があった
私は一人で車を運転し始めたが
私はまだ
詩人と話していた
詩人は家で
食事を摂っているにちがいない
私も食事を摂ろう
詩人が嫌いだと言っていた蛸は
私も好きではない
そのことは
誰にも話したことがない
詩人との会話は
完結せずに
始まりも終わりもなく
日本語の海の中で
泳ぎ続ける
雪解け水が流れこむ海で
暖流と寒流の間で
天の川と太陽を頭上に置いて
詩人は余計なことを喋らない
詩人は詩人にとって大切なことを話す
詩人は自分と世間との関係を大事にしている
だがその自分は世間と分け隔てなく存在することも知っている
詩人の眼は車窓から外を見ているのだろうか
それとも窓枠の水滴が跡を引いて流れる様子か
時々私は詩人の方を見る
すると詩人は前を向いているが
私に目配せして話してくれる
詩人は今ここにいるが
詩人にとっては「今」はどこにあるのだろう
詩人は最近出たエッセイ集の話を私としているが
詩人は私とだけ話しているのだろうか
私はくれかけた休日の街道の混雑の中をすり抜けながら
前照灯をつけたりスモールにしたりしながら
時々ワイパーの速度を調整しながら
詩人と話をする
詩人の撮った映像は
物の見方が特別だと
私は気づいたと私は話す
そして
いままでは思想や書き方が特別だと想っていた
私もその思想や書き方は似ているので
とても近いと感じていた
しかし
本当はそうではなく
見方自体が違うと気付いたんです
と話す
詩人は無意識な領域が
特別かもしれないというようなことを話す
私は納得して嬉しくなる
沈黙して
話し始めるのは
カフェにおけるPAと音場設計の話
プロジェクターの価格と進化と購入方法の話
沈黙すると
次に話し始める話が
まったく別系統の話になるのは
詩人が私の話にあわせてくれているからだ
詩人は
ワイヤレスのPAシステムを
自宅で私に見るように勧めたが
のろのろ運転で自宅に到着すると
一人で建屋の中に入っていった
私は
ワイヤレスのPAシステムの
取扱説明書を受け取った
800メガヘルツ帯は
果たして使えるの゛たろうか
もう売っていないはずだか
そういえば
ソフトバンクが獲得したというニュースの中に
補償料を払うという一文があった
私は一人で車を運転し始めたが
私はまだ
詩人と話していた
詩人は家で
食事を摂っているにちがいない
私も食事を摂ろう
詩人が嫌いだと言っていた蛸は
私も好きではない
そのことは
誰にも話したことがない
詩人との会話は
完結せずに
始まりも終わりもなく
日本語の海の中で
泳ぎ続ける
雪解け水が流れこむ海で
暖流と寒流の間で
天の川と太陽を頭上に置いて
2012年3月16日金曜日
無口な さよなら
さよならさんが
ドアの外に立っていと
ドアを開けた次の瞬間に
さよならさんの顔を
見てしまうことになる
すると
それで
すべては終わってしまうのだ
だから
よくよく用心して
さよならさんと
出くわさないように
ドアを開けなければならない
春風の音が
ドアを叩き
出会いの予感と共に
ドアを開けると
そこには
よく
さよならさんが立っていることがある
さよならさんは
無口だ
何も語ることはない
さよならさんの顔には
何も書いていない
さよならさんが
声を発することもない
そういうことだ
黙して語らず
すべてをすでにしらしめているのだ
その
すべてのなかにさえ
美しい希望のかけらがあるというのに
そのことを口にするものはいないのだ
ドアの外に立っていと
ドアを開けた次の瞬間に
さよならさんの顔を
見てしまうことになる
すると
それで
すべては終わってしまうのだ
だから
よくよく用心して
さよならさんと
出くわさないように
ドアを開けなければならない
春風の音が
ドアを叩き
出会いの予感と共に
ドアを開けると
そこには
よく
さよならさんが立っていることがある
さよならさんは
無口だ
何も語ることはない
さよならさんの顔には
何も書いていない
さよならさんが
声を発することもない
そういうことだ
黙して語らず
すべてをすでにしらしめているのだ
その
すべてのなかにさえ
美しい希望のかけらがあるというのに
そのことを口にするものはいないのだ
2012年3月15日木曜日
夜は友だち
あなたが一人でいる時
密やかな気配を感じたことがあるだろうか
それは
あなたに寄り添う
夜という友だち
星の衣装を纏って
あなたの隣にひっそりと座っている
部屋が明るい時
あなたは友だちがいることに気づかない
明かりを消して
薄暗がりをボーッと眺めていると
その
気配と共に
友だちの姿は見えてくる
先に挨拶してくるのは
決まってその友だちの方だ
あなたは
いつも忘れてしまうが
その友だちは
決して怒ったりはしない
だから
たまにでいいから
哀しみを抱いて
部屋のドアを開けて
帰ってきて欲しいのだ
それは
ちっとも哀しいことではないと
知ることができるし
それによって
あなたはまた
友だちの元を離れて
強く生きていくことができるのだから
密やかな気配を感じたことがあるだろうか
それは
あなたに寄り添う
夜という友だち
星の衣装を纏って
あなたの隣にひっそりと座っている
部屋が明るい時
あなたは友だちがいることに気づかない
明かりを消して
薄暗がりをボーッと眺めていると
その
気配と共に
友だちの姿は見えてくる
先に挨拶してくるのは
決まってその友だちの方だ
あなたは
いつも忘れてしまうが
その友だちは
決して怒ったりはしない
だから
たまにでいいから
哀しみを抱いて
部屋のドアを開けて
帰ってきて欲しいのだ
それは
ちっとも哀しいことではないと
知ることができるし
それによって
あなたはまた
友だちの元を離れて
強く生きていくことができるのだから
2012年3月14日水曜日
転がりゆく人
坂道の途中で電話を掛けた
すると上から
誰かが転がり落ちてきた
電話に夢中だった私は
ひょいとよけて
話を続けていたのだが
電話の相手が
何かあったのか と尋ねてきたので
私は正直に
誰か人が転がってきたからよけた
と 答えた
相手は
それは大変だ と言ったが
私との話に夢中だったので
転がってきた人のことはそれ以上話さずに
元の話題に戻った
転がってきた人は
転がりながら考えていた
この世は絶望的な情況だ
このままなにも気にせずに
転がっていよう と
だか
まさにその時
坂の終点に到着してしまった
ああ
なんという
それにしても
それにしても青い空だ!
すると上から
誰かが転がり落ちてきた
電話に夢中だった私は
ひょいとよけて
話を続けていたのだが
電話の相手が
何かあったのか と尋ねてきたので
私は正直に
誰か人が転がってきたからよけた
と 答えた
相手は
それは大変だ と言ったが
私との話に夢中だったので
転がってきた人のことはそれ以上話さずに
元の話題に戻った
転がってきた人は
転がりながら考えていた
この世は絶望的な情況だ
このままなにも気にせずに
転がっていよう と
だか
まさにその時
坂の終点に到着してしまった
ああ
なんという
それにしても
それにしても青い空だ!
2012年3月13日火曜日
駅までの道は
靴音が自分の前を歩いていく。他人の靴音ではない。自分の靴音だ。坂を上るとき、私は自分の靴音が自分を追い越して、前のほうで鳴っている錯覚から抜けだすことができない。
そういえば、いつか、学校の授業中に先生が言った。視覚より聴覚のほうが尊いんです、格が上。神さまにキコシメスって言うでしょう? と。真面目な私はそれ以来、目に見えるものより聞こえるもののほうが大事に思えてきた。自分の発する音が自分という「本体」から分離して、坂を上るときには前のほうに行ってしまっているのはそのせいかもしれない。
☆ ☆
駅までの道を
靴音響かせて歩く
上り坂のまっすぐな道
車が沢山通っている
人々が行き交っている
駅までの道は
にぎやかな道
それでいて孤独な道
駅までの道は
繰り返す道
日常の上を
通り過ぎようとする道
駅までの道は
妄想の道
いけないことが
浮かんでは燃え上がる道
駅までの道は
雨が降ると
傘が行き交う道
大事な事をしにいく道
駅までの道に
抱きしめられる
駅からの道で
そっぽを向かれた後に
駅までの道は
たしなめてくる
駅までの道は
昨日までとは違う道
駅までの道は
昨日とすこしも変わらない道
駅までの道は
永久に世間話をする
駅までの道が
冷たい手で握手を求めてくる
駅までの道は
もう通わない道
二度と歩かない道
二度と振り向かない道
帰り道と一緒に消えていく道
2012年3月12日月曜日
出会いたい人
天井の画を見上げるあなたを
盗み見する
私はあなたから
盗んでばかりいる
与えたものなど
なにもない
それでもあなたは
私を連れだす
そぼ降る雨の中を
陽気に喋りながら
きょぅも何かを見つけに行く
私には
なにも見つけられないが
あなたは
見つけているようだ
私は祈りたい気分になる
あなたと
また
出会えますように
と
まだ別れていないけれど
もう出会った後だけど
また
出会えますように
と
盗み見する
私はあなたから
盗んでばかりいる
与えたものなど
なにもない
それでもあなたは
私を連れだす
そぼ降る雨の中を
陽気に喋りながら
きょぅも何かを見つけに行く
私には
なにも見つけられないが
あなたは
見つけているようだ
私は祈りたい気分になる
あなたと
また
出会えますように
と
まだ別れていないけれど
もう出会った後だけど
また
出会えますように
と
2012年3月11日日曜日
2012年3月10日土曜日
二人
あなたに会わないでいると
あなたのことがよく見えてくる
あなたの声を聴くと
あなたの考えていることが
はっきりと判ってくる
あなたのメールを見ると
二人の関係が
誰にも理解されないことが確信されてくる
あなたのことがよく見えてくる
あなたの声を聴くと
あなたの考えていることが
はっきりと判ってくる
あなたのメールを見ると
二人の関係が
誰にも理解されないことが確信されてくる
2012年3月9日金曜日
質問
あなたはいつ生まれてきたのですか
それはあなたの言う誕生日と一緒の日ですか
そしてあなたは
一体なにを求めて生きているのですか
それが手に入った瞬間に
あなたは死んだほうがいいのでしょうか
それとも余生を生きたほうがいいのでしょうか
あなたの誕生日に
あなたは生まれてきたのですか
あなたはいつから生きているのですか
あなたはどうなったら死んだといえるのでしょう
それは脳死となったときですか
それとも心臓が止まった時ですか
死んだらもう生まれてこないのですか
干からびてしまったら
もう生きていないということなのですか
それともどこかに行って
まだ生きているのでしょうか
あなたは
私のことをどう思っていますか
あなたと私は
別の生命体ですか
それともひとつながりの生命体ですか
あなたと私は二人で二つの意識を持っているのでしょうか
それともそれらは
見ようによっては一つなのでしょうか
それとももっとたくさんなのでしょうか
入れ替わったらら気づけるのでしょうか
人間だけが
特別の器に入れなれた命なのでしょうか
意識とか言語とかというものがあるところが
特別なのでしょうか
それとももっと別なところに特別である理由があるのでしょうか
それとも特別ではなく
またはそのような観念とは無関係に
ただ在るだけ
あるいは無いだけなのでしょうか
こんな質問に
あなたは答えてくれるでしょうか
ああ
もう眠ってしまっていますね
死んだように
私も
眠ることにしましょう
どちらが
先に目を覚ますでしょう
あっ
眠るように死んで
生まれるように
起きましょう
それはあなたの言う誕生日と一緒の日ですか
そしてあなたは
一体なにを求めて生きているのですか
それが手に入った瞬間に
あなたは死んだほうがいいのでしょうか
それとも余生を生きたほうがいいのでしょうか
あなたの誕生日に
あなたは生まれてきたのですか
あなたはいつから生きているのですか
あなたはどうなったら死んだといえるのでしょう
それは脳死となったときですか
それとも心臓が止まった時ですか
死んだらもう生まれてこないのですか
干からびてしまったら
もう生きていないということなのですか
それともどこかに行って
まだ生きているのでしょうか
あなたは
私のことをどう思っていますか
あなたと私は
別の生命体ですか
それともひとつながりの生命体ですか
あなたと私は二人で二つの意識を持っているのでしょうか
それともそれらは
見ようによっては一つなのでしょうか
それとももっとたくさんなのでしょうか
入れ替わったらら気づけるのでしょうか
人間だけが
特別の器に入れなれた命なのでしょうか
意識とか言語とかというものがあるところが
特別なのでしょうか
それとももっと別なところに特別である理由があるのでしょうか
それとも特別ではなく
またはそのような観念とは無関係に
ただ在るだけ
あるいは無いだけなのでしょうか
こんな質問に
あなたは答えてくれるでしょうか
ああ
もう眠ってしまっていますね
死んだように
私も
眠ることにしましょう
どちらが
先に目を覚ますでしょう
あっ
眠るように死んで
生まれるように
起きましょう
2012年3月8日木曜日
2012年3月7日水曜日
2012年3月6日火曜日
引っ越しします
引っ越すよ
引っこ抜いて
やっとこさ
去りゆくよ
逆らって
手を打つさ
さっぱりと
取り去るか
かりそめの
なれそめを
苦しめて
手塩にかけたけど
白々として
取り付くシマもなく
くるっとターンして
狂って去りゆくさ
引っこ抜いて
やっとこさ
去りゆくよ
逆らって
手を打つさ
さっぱりと
取り去るか
かりそめの
なれそめを
苦しめて
手塩にかけたけど
白々として
取り付くシマもなく
くるっとターンして
狂って去りゆくさ
2012年3月5日月曜日
一緒に見ていた
解決できないことを
白い壁に立てかけておいたら
跡がついてしまった
その跡は
銀色に光っていた
しばらくじっと
眺めていると
窓から夕日が差し込んできた
その跡は
オレンジ色の壁の上で
金色に輝き始めた
解決できないことは
いつのまにか
私に寄り添って
一緒にそれを見ていた
白い壁に立てかけておいたら
跡がついてしまった
その跡は
銀色に光っていた
しばらくじっと
眺めていると
窓から夕日が差し込んできた
その跡は
オレンジ色の壁の上で
金色に輝き始めた
解決できないことは
いつのまにか
私に寄り添って
一緒にそれを見ていた
2012年3月4日日曜日
呑気なサイレン
地震の揺れに合わせて
巨人が踊る
私の中の小人も踊る
誰かが遠くで
警笛を鳴らす
スイッチを入れる
重機が傾いて
地層の深いところに
杭を打ち込んだ
建物が立ち上がる
怒ってはいないが
怒りを孕んでいる
地球はそれを溜め込んでいる
私はそれを夢に見て
解除する手続きをする
だが原子力に溶かされて
動けなくなってしまい
そこに雨が振り続いて
傷口から腐食が進行してしまった
狼の遠吠えが
サイレンを真似て
地球の裏側近くで叫んでいるが
ダンスの音に邪魔されて
聴こえない
そのため
ダンスの振動は地響きとなり
時速200キロで
列島や大陸を割れ目に沿ってひた走る
巨人が踊る
私の中の小人も踊る
誰かが遠くで
警笛を鳴らす
スイッチを入れる
重機が傾いて
地層の深いところに
杭を打ち込んだ
建物が立ち上がる
怒ってはいないが
怒りを孕んでいる
地球はそれを溜め込んでいる
私はそれを夢に見て
解除する手続きをする
だが原子力に溶かされて
動けなくなってしまい
そこに雨が振り続いて
傷口から腐食が進行してしまった
狼の遠吠えが
サイレンを真似て
地球の裏側近くで叫んでいるが
ダンスの音に邪魔されて
聴こえない
そのため
ダンスの振動は地響きとなり
時速200キロで
列島や大陸を割れ目に沿ってひた走る
圏外
土に染み込んだ雨の雫
何を考えているのか
小鳥の影が
湿った地面の上を走る
小さな虫がそれに驚いて
親に報告を始めた
いつもの事のようでもあるが
とても新しい感じがする
遥か上空では
雲一つない青空が
何か言葉を発しようとしているが
聴くものが大勢いるせいで
始められない
人工衛星さえ先ほど通過して
聞き耳を立てている
私は無線機を持って
空と地上とを
交互に見
だれとも交信できなくなっている
何を考えているのか
小鳥の影が
湿った地面の上を走る
小さな虫がそれに驚いて
親に報告を始めた
いつもの事のようでもあるが
とても新しい感じがする
遥か上空では
雲一つない青空が
何か言葉を発しようとしているが
聴くものが大勢いるせいで
始められない
人工衛星さえ先ほど通過して
聞き耳を立てている
私は無線機を持って
空と地上とを
交互に見
だれとも交信できなくなっている
2012年3月3日土曜日
きみというあなた
苦し紛れの言い訳を言って
やってまいりました
来なくてもいいのに
今年もやって参りました
ひな祭りの季節に
決まってやってくるあなた
早咲きか
遅咲きか
はたまた狂い咲きか
桃の香りは
春の恋を誘発し挑発
きみというあなたの
くちびるは桃の色
きみというきみの瞳は
昼間の闇を映して綺麗
時が過ぎゆくのは夢
とどまるのは幻
決着つけましょう
今夜の星が輝くか
それとも夜露に濡れるかで
やってまいりました
来なくてもいいのに
今年もやって参りました
ひな祭りの季節に
決まってやってくるあなた
早咲きか
遅咲きか
はたまた狂い咲きか
桃の香りは
春の恋を誘発し挑発
きみというあなたの
くちびるは桃の色
きみというきみの瞳は
昼間の闇を映して綺麗
時が過ぎゆくのは夢
とどまるのは幻
決着つけましょう
今夜の星が輝くか
それとも夜露に濡れるかで
愛する人がくるくる変わる
たぶんずっと一人の人を愛していると思っていたら
なんだがくるくる変わっているみたい
ところが
なんだかくるくる愛する人が変わると疑念を抱きはじめたら
どうも一人の人をずっと愛しているみたい
あなたから見て私はどうだろう
二人の関係から見て
何がどうなっているのだろう
なんだがくるくる変わっているみたい
ところが
なんだかくるくる愛する人が変わると疑念を抱きはじめたら
どうも一人の人をずっと愛しているみたい
あなたから見て私はどうだろう
二人の関係から見て
何がどうなっているのだろう
電気をつけっぱなしにして
お金が158円しかかくなってしまったので
きょうはPASMOで家に帰り着いたら
硬くなった食パンを食べて
眠ることにする
電気をつけっぱなしにして
眠っていいかな
なぜ158円しかないのかというと
友だちの展示会で1470円のネックレスを買い
友だちのカフェで800円のお茶を飲み
夕方に吉野家で定食を食べちゃったから
ステキな土曜日を過ごしたから
きょうはPASMOで家に帰り着いたら
硬くなった食パンを食べて
眠ることにする
電気をつけっぱなしにして
眠っていいかな
なぜ158円しかないのかというと
友だちの展示会で1470円のネックレスを買い
友だちのカフェで800円のお茶を飲み
夕方に吉野家で定食を食べちゃったから
ステキな土曜日を過ごしたから
2012年3月2日金曜日
2012年3月1日木曜日
理想の人
前向きに善処する人
一流の人
才能があり努力もするひと
効率よく仕事する人
チャンスに恵まれものにする人
挫折をバネにできる人
勇気があり
真実を見つめる人
雨にも負けず風にも負けず
丈夫な体を持っている人
弱い人の立場がわかる人
愚痴を言わず
明るい人
一流の人
才能があり努力もするひと
効率よく仕事する人
チャンスに恵まれものにする人
挫折をバネにできる人
勇気があり
真実を見つめる人
雨にも負けず風にも負けず
丈夫な体を持っている人
弱い人の立場がわかる人
愚痴を言わず
明るい人
包帯に巻かれた方策
全身がひりひりして
胸の中で灼熱の太陽が照っでいる
腰のあたりには巨きな水牛が立ち往生し
針金で吊られた心臓が
干からびながら打っている
木霊は耳の奥で歪み
三半規管を嵐が弄ぶ
このような場所に
魂を隣接させ
置いておくことは
ためにならない
生暖かい湾に沈めて
海底魚の餌にすべきだ
胸の中で灼熱の太陽が照っでいる
腰のあたりには巨きな水牛が立ち往生し
針金で吊られた心臓が
干からびながら打っている
木霊は耳の奥で歪み
三半規管を嵐が弄ぶ
このような場所に
魂を隣接させ
置いておくことは
ためにならない
生暖かい湾に沈めて
海底魚の餌にすべきだ
私は書きました
手紙を出したいので
手紙を出しました
と
書きました
手紙を読んで欲しいので
手紙に返事が来た
と
書きました
返事の手紙に愛が籠っていて欲しいので
愛されていた
と
書きました
そうして書いているうちに疲れたので
眠りました
と
書きました
手紙を出しました
と
書きました
手紙を読んで欲しいので
手紙に返事が来た
と
書きました
返事の手紙に愛が籠っていて欲しいので
愛されていた
と
書きました
そうして書いているうちに疲れたので
眠りました
と
書きました
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