2011年5月18日水曜日

海に向かう電車で

海に向かう電車に乗っているのは誰ですか

はい、私ですけど

何をしにいくんですか

いえ、ちょっと、砂浜を歩きに

それだけですか

まあ、色々考え事をして

はい、

人と待ち合わせします

誰とですか

最近知り合った人とです

どんな関係ですか

いえ、ちょっと、仕事の関係・・

愛しているんですか

・・・・・・

恋人にしたいんでしょ

なに言ってるんですか、そんな

もうキスはしたんでしょ

いいえ、なんで・・?

もういいです、はっきりしない人だ

はい。

そこははっきりしてるんだ

・・・・・・・

2011年5月17日火曜日

setsunaの前奏曲

あなたはわたしと
遊ぶだけ
刹那の哀しみを
見にゆくために

あなたは
わたしといても
幸せになれない
積み重ねることはできても
それはいつか踏み台になるだけ

とび箱の前で
息を整える暇もなく
まっしぐらに
挑んでいったけど
とんだ後の世界は向こう側
別の人が
待っている

あなたは
初めから気づいていたでしょう

わたしと見る
一風変わった
ドラマチックな景色は
あなたが幸せになるための
前奏曲
わたしにとっては
クライマックスであることを

出会った時
砂浜で
波は大きく波打ち白い泡を巻いて
反対した

2011年5月16日月曜日

深夜の手紙

「愛する人へ」

これは最後の機会かもしれません
あなたとわたしの間には
埋めることのできない距離が存在します
時々その距離が縮んでなくなるものだから
勘違いしてしまいますが
やはり向こう岸が見えないほどの距離が存在するのです

最後の機会だと偉そうに言うのは
とても
おこがましいことでしょう
わたしはえらいにんげんではありません
誤魔化しの多いくだらない人間です
親にさえそう言われてきました

だからあなたは多分錯覚して
わたしを見ているのです

わたしは
あなたの前から去らなければならないと思いつつ
決意ができずに今まで来てしまいました
なにか残せるものとか
手渡せる財産が欲しかったのです
しかしそれは無理な相談でした
わたしはわたしに
無理だと
やっと
告げたのです

わたしはきょう
自分の無力さを知りました
どうでもいいような存在だと思いました
これは
わたしが目指す私の将来像と
正反対のものです

ここからどれだけ
努力したら
いいのでしょう

こんなことを書いているようでは
永遠に
無理だと言えるのではないでしょうか

そこで
わたしは
あなたへの被害を食い止めるため
ここで
あなたの目の前から去ることにしました

たぶん
そういうことになります
優柔不断な自分ですから
信用することはできませんが

そういうわけで
その決意をここに記し
その証にしようとしているのです

こんなくだらない証が
この世にあっていいものなのでしょうか

ながなが書きましたが
そういうことです

寝て
目覚めたら
わたしは
あなたのことを忘れるために
生きていきます

神様
よろしくおねがいします

2011年5月15日日曜日

仕方がないこと

お金持ちが
お金をもっと儲けたくて
そのための仕組みを作る

悪いことではない
仕方がないことだ

権力者が
権力を保持し続けるため
弱いものから奪い
強い者のスキをうかがう

悪いことではない
仕方がないことだ

人間が生きてゆくため
他の命から搾取し
身内の生活を保護する

悪いことではない
仕方がないことだ

嘘つきが嘘をつき続けるため
嘘に合わせて現実を作り変え
真実は忘れようとする

悪いことではない
仕方がないことだ

気取った人が
いい人になりたくて
不器用な悪人を非難する

悪いことではない
仕方がないことだ

お笑いタレントが
笑いを取るたろに
空気をつかめない人をコケにする

悪いことではない
仕方がないことだ

以上の中から
良いと思うものを選び
その理由を140文字以内で述べよ
最も良いという答えの多かったものを
正解とし
その中から任意に選んだ答えを
Twitterで公開し
人気投票によって
トップになった方を
みんなのお笑いショーにご招待し
素晴らしい賞品を差し上げます

未来の鳥を

あなたと歩いた砂浜を
足の裏が憶えていて
恋しがる

テーブルを挟んで
見あげた空が
まだ あのときのまま
残っている

未来がないように思えたのは
過去があまりにも誘いかけたから

あなたはアイシテルと私に行ったけれど
もうそのことは忘れて
未来の予定ばかりを気にしている

その未来の空には
変わった風貌の鳥が飛んでいる
大きくて愛嬌のある鳥だ
あなたはそれを
つかまえて! 
と叫ぶのだが・・・

2011年5月14日土曜日

slow

階段を12段昇って
12段降りて

あなたの周りを
18回まわって

鍵盤の黒いところだけで
ピアノを弾いて

何度もメールを書いては
下書きに保存した

敗れたシャツで靴を磨き
ホテルに行ってはあなたを置いて帰った

空を見上げて風を心地よく受け
雨に降られるたびに安い傘が増えた

階段を12段昇ってドアを開け
あなたの唇に初めてキスした

消えている

あなたのことを
見失っている間に
私の住む街が
消えてしまった

住民もろとも
居なくなってしまった
それなのに
騒ぐ人は
誰もいなかった

ニュースにもなっていない
ネットで検索しても
出てこない

オロオロしていると
見る間に
あなたがどこにいるのか
という思いが
消えていくことに気がついた

きのうのメールの返事もこないまま
出したことさえあやふやになってゆく

ブログに書き綴った詩のサムネイルだけが
木片のように流れ着く

やっとの思いで
ブログの端っこに貼り付けた
終わりの方は
失くなっている


、、、

私は古い家 建物なので あなたのところへゆくことはかなわい ただ思いをこめて念じるだけだ 私の隣には古い寺があり 今時はツツジの香りが立ち込めている 掃き清められた庭は どこから見ても美しい ツツジの香りの良さを あなたに届けたい そう願って私は念じる あなたがやってくるように ところで 私には 一人の男が住んでいる 私を手入れし磨き上げているうちに 若い一人の娘が やってくるようになり すぐに男と結ばれ...


解説

これより先の部分は見当たりません。きのうコピーした方がいらっしゃれば、データをご提供くださると助かります。
Googleのブログサービスは、一応今しがた復旧したようですが、多くの下書きデータと、昨日以降の投稿とコメントは、見つかりません。

2011年5月12日木曜日

ろくろっくびはいいやつだ

ろくろっくびだよ
ろくろっくび
またまたやったきたよ
ひさしぶりだよ
なつかしいかぎりだよ
またきたよ
よばれなくても
こちらから
きたくてきたよ
ろくろっくび
りずむにのって
かぜにのって
らいばるけおとして
やってきましたろくろっくび
なんかいいかんじだよ
にゅーすにもでそうだよ
にんきものだよ
ろくろっくび
ぶらさがったよ
のびちじみしたよ
くるくるまいたよ
でんちゅうも
もんちゅうも
もちゅうも
きんしんちゅうも
ちゅーしてるさいちゅーも
かまわずまいたよ
ろくろっくび
ぐるぐるしたよ
めがまわったよ
なみだでしーつもぬらしたよ
ろくろっくびは
いいやつさ
あいどるよりも
にんきもの
ろくろっくびは
へのかっぱ
やることなすこと
おおあたり
ぜんもんせいかい
ごじゅうまる
ろくろっくびさ
ろくろっくび

ろくろっくびだよ
ろくろっくびだよ
いせいがいいよ
けいきづけだよ
どんどんまいて
どんどんまかれ
かってもまかれ
まけてもまかれ
くびったけだよ
ろくろっくび
いちにのさんで
ろくろっくび
くびがながいさ
ろくろっくび

またいつか
やってくるね
およびでなくても
こちらから
ではまたあおう
ろくろっくびは
いいやつだ

2011年5月11日水曜日

月屋の日誌より

照明が消えてしまったので
月を5つほど貸していただけませんか
そう言って
木戸を静かに開けて彼女は入ってきた

ちょうどいい月が
入荷したばかりだったので
私は迷わず
いい月があります
電球色のもので
やや黄色い感じです
表示してあるのはひと月分の値段です
と説明した

彼女は
安心した様子で
商品を手に取ると
昼光色のものも一つ貸していただけますかと言った
そして
鈴のついた横長の札入れから
きれいなお札を出して代金を払いつり銭を受け取った

私は
ありがとうございます 
どうもありがとうございます
と丁寧に言って
彼女の後ろ姿を見送った
彼女は小峰ににているが
小峰ではないな
と思った

2011年5月10日火曜日

父が生きていた頃のこと

浜辺に打ち上げられたウミホウズキが
月の光を浴びて
体を乾かしている

見知らぬ浜辺だ
と言っている

歌にして聴かせてくれた
打ち上げられるまでの顛末

まだ父が生きていた頃のこと

月模様のドレス

8つの会場を
出たり入ったりしている
あなたは
そのたびごとに
服を着替える

さっきから
もう何度繰り返しているだろう
これは
夜を徹して行われているのだろうか

もう汗びっしょりだ
控え室のタオルで汗を拭うが
また慌ただしく
出て行く

会場では
それぞれ別々の会合が催されている
たとえば
花と音楽に包まれた陽気なお別れ会であったり
新婦が欠席している結婚披露宴であったり
平均年齢82歳の老人会の学芸会であったり
麻酔医7人のための生前葬であったり
仲間同士のただの飲み会であったり…だ

ひとつの会がおわると
また別の会の準備がなされ
やがて出席者がやってきて会が始まる
稀に「ワケあり」の会もあり
そんなとき
あなたはいつも 
緊張でカチカチになって入っていく

そんなことを繰り返しているうちに
どうも
もう数年の月日が流れてしまったらしい

あなたは
私に目配せをして
パーティーに参加するように促した
私がためらっていると
あなたはイルカになって
海の中を泳ぎ回り
高く飛び上がった

次の瞬間
イルカはトンビになり
トンビは空中で激しく輪をかいた

トンビは地面に落下して
あなたにもどり
私の手をとって
話しかけてきた

楽しいでしょ!

驚いた私は

もう終わりにしない?
お家に帰ろう

と訴えた
それをどこ吹く風といった感じで
あしらったあなたは
だれかの首にしがみついて
もう踊っている
濃厚な接吻などしながら

月の模様のドレスを腰に絡ませている

私は水

人生を楽しむの?
うまく人付き合いして

人気者になるの
友だちも恋人もスペアはすぐ見つかるよ

あなたには向いている
私には向いていない

でも一緒にご飯を食べよう
あなたは焼酎
私は水

2011年5月9日月曜日

五月の私 その1

私の命は特別に選ばれた命なのだろうか

五月

山の下の方で鮮やかに輝きはじめた緑の木々の上に
暗い雲が広がり
湿った風が強まってくる
こんなときには決まって
中腹で霙(みぞれ)が降っているのだ

私は選ばれた特別の人間なのだと
私の中の何者かが記憶している
だが私の心はそう思ってはいない

あなたはどうだろうか

小さなボロ車で山頂から一気に駆けおりる

2011年5月8日日曜日

リゾートの夜

壁を隔てて聞こえてくるのは
ウシガエルの声かと思っていたが
違うようだ

隣に寝ている彼女は
裸のままなのに
眼を閉じてどこかに出かけていってしまった

窓を開けると
暗い夜から
森の香りと一緒に
せせらぎの音が入ってくる

そこに
海辺からのメールが紛れて届く

メールも
一糸纏わぬ裸だった

2011年5月7日土曜日

天使のBIRTHDAY

二股どころではない
十股だ
いや二十股だ
いやいや百股だ

彼女の魅力は
たくさん
股をかけても
減らない

むしろ
股をかければかけるほど
加算されていく感さえある

彼女はいつも
自分のことで
忙しい

美味しい物を食べては
太らないか気にする
愛しい人に会っては
洋服をおねだりする
約束しては
遅れて登場する

ハードなスケジュールが
彼女のスレンダーな体に
磨きをかけ
過密すぎるイベントが
睡眠時間を奪い
様々な悩みが
様々な表情を作る

いつも
いつも
彼女はいそがしく
考えることが追いつかない
感じるままにやっていく

他人のことを中途半端に慮らず
ただ驚かせ喜ばせようと努力をおしまない

そんな彼女に
転機がやってきた

彼女はいままでの自分をあっさり脱ぎ捨て
新しい服に着替えた

初めての肌触り
天使の羽で織られた
それは
夏のユニクロのワンピース

地球日記より その1

2011年5月6日
地球

どんとこい


2011年5月7日
地球

スーと行け


2011年5月8日
地球

蹴り飛ばした


2011年5月9日
地球

瓶を集めます

2011年5月6日金曜日

いつのまにか

いつのまにか『命のバトン』を渡されていた

いつのまにか自分の命を守るプログラムを手に入れた

いつのまにか日が傾いてきょうも夕暮れがやったきた

いつのまにか知り合った人がどこかにいってしまった

いつのまにか大きな雲が形を変えて彼方へ消え去った

いつのまにか電話がかかってこない日々がつづいていた

いつのまにか体が古くなって皮膚が乾燥した

いつのまにか側で蛙の声が聴こえなくなっていた

いつのまにか愛する人のことを忘れようとしていた

いつのまにか遠くから小さな何かの音が鳴り続けるのが聴こえていた

いつのまにか寂しい気持ちが心に満ちていた

いつのまにか生きていることが自分のことであると気がついた

いつのまにかあの頃のコロッケが食べたくなった

いつのまにか「今」が立ち止まってこちらの様子を窺っていた

いつのまにか外出の時間が近づいてきた

いつのまにかカーテンの向こうの窓の外で星が瞬きはじめた

そして

いつのまにか私はいなくなった

2011年5月5日木曜日

ひやす

ひやして
見る

湯気が立たない状態で
見てみる

それが大事

ついでに
大事も冷やす

すると
ただの 事 になる

しみじみして

しみじみしてね

しみじみしてね

しみじみと
しみじみしてね

しみじみして
しみじみしてね


しみじみ
しみじみ
しみじみしてね

しみじみと
しみじみ
しみじみしてね

しみいる
しじま
しみじみ
すすいでね

恨みを持って

恨んでいるね

恨んでいるんだね


恨みを持っているんだね

恨みを持って恨んでいるんだね


恨んでね

恨みを持って恨んでね

恨んで恨みを持って恨んでね

恨んで恨んで

売られた喧嘩は
買わんでね

もういいか

静かな時が流れる
もういいか
って思うのは
あなたのくせ

ちやほやされていると
本当の自分が
分からなくなる

思いついたプランは
どれも実現し難く
高度な技とセンスが必要

もういいか
そう言って
諦めるのが常

だれも気にしない
あなたの本心
あなたの真の長所

あなたは
一人ではできない
一人でできることは
とうにやってしまった

それで
いつものように
誰かを誘うのだが
誘う前に
諦めている自分に気づかない

用意されている
もういいか
が 
ほら 出番をまってるよ

2011年5月4日水曜日

きまぐれごめん

いつでもついで
なにかのおまけ
わざわざこない
へんじはおくれ

すすんでもどる
とまってやめる
なくなくとらい
きもちはどらい

こっそりにげる
いるすをつかう
けんかはさける
はなしはしない

おいたてられる
たいろがたたれ
よくよくみれば
だいすきなひと

2011年5月3日火曜日

貝殻の瞳

あなたのいいところは
眼が光るところだ
タイミングよく
光るところだ

相手は背筋をゾゾッと震わせ
もう逃げることはできない

月の光の中で
あなたの眼だけが光り
波音が遠ざかる

時間の縄に縛られた二人は
窮屈に互いの体を行き来する

柑橘系の木の実の香り

どこで弾けたのか
そこここに
散らばり
もう
貝殻と区別がつかない

2011年5月2日月曜日

恋をしよう

春だ、恋をしよう!
とTが言った。

恋をした、春がきた
とYが言った。

春が来たし
恋もしたから
結婚しようと言おう
とRは思った。

春が来たし
恋もしたし
結婚しよう、とも言ったし
赤ちゃんもできたので
このままずっと一緒にいよう
とKは思った。

どれも
みんな
私が知っている話。

別々の誰かの
よくある話。

2011年5月1日日曜日

あなたの影

あなたの影があなたを見上げている

あなたはその影を
見下ろしたことしかない


わたしはあなたを
自分の目のある高さから見ている

忙しそうなあなた
ゆったりしているときも
自分のことを忘れている


影は
あなたを見ている
あなたのことを
よく知っているのに
何も語らない


わたしは
あなたのことを
あなたに語る

あなたは
何を考えているのだろう
その答えは
あなたの中にはないのだ

2011年4月30日土曜日

ライムの香り

寝ているあいだに
あなたのからだに
何度も波がやってきて
連れ去ろうとしたので
目覚めたとき
あなたは疲れきっていた

こんなこと一度や二度ではないだろう

リビングのテーブルについたあなたは
無理やり笑ってくれたけど
ぼくはどうしたらいいのか
わからなかった

昼になって
あなたの手は
火に鍋をかけて
カボチャを煮
イワシを割いて小麦粉をまぶし
料理を作り始めた

大きなワイングラスに
金色の液体を注ぎ
ライムを絞って
さし出した

その一連の動きが
あらかじめ
決められていた
何かの美しい物語のように
僕の目の前にあった

ライムの香り
あなたの手から香ってきた
氷の上で
絞られたライムが見つめていた

2011年4月29日金曜日

竈(かまど)の火

不幸の手紙を自分に出した
なぜか節目に送られてくる手紙
その手紙をそのまま書き写し
自分に出すのだ

私に届いた私が書いた不幸の手紙は
あなたの幸せの役に立つだろう
不幸の手紙はあなたの幸せのために考えられたものだから
私はあなたが幸せになるのを見届けて
どこかに去っていく

居なくなった私は
もう不幸の手紙を書くことはない
ただ残された多くの出せなかった手紙が
あなたの家の竈の火を燃やし
食事の鍋をあたためるだろう

わたしはやっている

詩を生むよりも
生活や仕事を大事にしなきゃと
思っているんだね

両方やれるんじゃないかな
わたしは
やっているよ

そこに置いて

暗い顔をして
雨上がりの
緑の
木々を見ているね

暗い気持ちを
そこに
置いて行きたいと
思っているんだね

2011年4月28日木曜日

あしたにはきえている

死への道をまっしぐらだよ
もう詩は書かない
書けないんだ

読む人に
未来を信じさせなきゃならないから
嘘でも
役に立たなきゃ価値がないんだ

価値がないのを
知っていて
取り繕うのは駄目なんだ

下手な詩が
下手な書き手から
見放され
道ずれを求めてやってきたんだ

ついさっきのことだ
追い返すことはできなかったよ

深呼吸して
生き延びようとするように
死んでいくよ

相似形なのかな
分からないけど

悔しさは繰り返しやってくるだろう
いいところもあったから
あきらめがつかなかった

神様に指導して欲しかったよ
いまからでも見守っておくれ

文字は仲間だったな
最後まで
看取ってくれよ
よろしく

寝入るように
言葉ともお別れ
役に立っておくれ

希望を与え
やさしくいてくれ

2011年4月27日水曜日

ゆっくりやればいいんだ

ゆっくりやればいいんだ
ゆっくりやればいい

ゆっくりやればいいんだ
ゆっくり
ゆっくり

ゆっくり


慌ててやってもいい具合にいかないんだ
慌ててやってもいい具合にいかない

いい具合にいかない
慌ててやっても

やっても
やっても


どうにもならない一筋縄では
一筋縄では

どうにもならないんだ
慌ててやっても

ゆっくりやればいいんだ
慌ててやっても
一筋縄ではいかないんだ
どうにもならないんだ
いい具合にいかないんだ
いかないんだ
慌ててやっても
どうにもならないんだ
一筋縄では
いい具合にいかないんだ
ゆっくりやればいい

ゆっくりやればいいんだ

ゆっくり
ゆっくり

2011年4月26日火曜日

野山の野と山の間

のこのこと
やってきた私は

しめしめと
待ち構えていたあなたに
みすみすつかまった

やれやれと
帽子で顔を覆う人をしりめに
私たちは
幸せだった

トントン拍子にことは進み
しんしんと更けた静かな夜に
私たちはミシミシとベッドをきしませて
朝まで眠らなかった

だれもがそれぞれの思いを抱えて
スースー寝息をたてて眠っていただろう

私たちの時間は濃厚で
薄まる気配さえなかった

星の光のなかで
シクシクと泣く姿は見えなかった
恋人はなくなく去っていった

そうして
あなたと私は自然に結ばれた
自然は私たちによって
イキイキと薫ったのだ

2011年4月25日月曜日

彼は朝立っていった

彼は朝
立っていった

彼女は
立っていった彼を
包み込み
やさしさで満たす存在だった

彼は
出ていった
それから
立っていった

立っていってから
彼女は
彼を追っていった

彼は
追い抜かれる心配でいっぱいだった
胸がいっぱいだった

彼女は追い抜かず
すこし
あとからいった

彼は彼女に
いった
愛してると
すきだと

彼女も彼が好きだった
だから彼にいった
いかないでと

いくなら
一緒にいこうと

だが
彼は
朝立って
いった

それが
彼のいいところだわ

彼女は思った

2011年4月24日日曜日

ソナチネの木

ソナチネの木というのが
この世のどこに
あるだろうか

その枝には
解説されていない
いくつもの物語が
葉のように茂っている

葉のように
というのは
どれも
木の枝に付くのに
ちょうどいい大きさだから

それゆえ
どこからか風が吹いてきても
軽く受け流して
ただちょっと揺れたり
震えたりするだけなのだ

もっとも古い葉は
もう千年以上も前に生まれ
そこに付いているという

ソナチネの木にも
季節というものはやってくる
やってきては
過ぎてゆく

季節変わりに
物語の葉たちはその様相を変える

ぐんとおおきくなるもの
誰かに摘み取られてしまうもの
誰かの解説にあずかって消え去るもの
季節とともに旅立っていくものたちがいるからだ

ソナチネの木が
いつからそこにあるのかは
だれも知らない
いつ生まれたのか
どうやってそこに運ばれたのか

いや
その木の存在さえ
見ることができない者さえいる

だが
ソナチネの木は
いまも
多くの葉をたたえ
日々小さな変化をしていく

4月も終わりに差し掛かったいま
夏に向けて
その葉を青々と空にかかげている



2011年4月7日
岸田衿子さんの詩の永遠と
魂の冥福を祈り

2011年4月23日土曜日

雨の日の詩

23時36分
パソコンの前

外で
雨の音がしている

手元で
キーボードのキーの音がしている

モニターに
「詩に愛はあるか☆未来創作」というタイトルが表示されており
その下の白地のウインドウに
迷いがちに文字が表示され
文字の下に点線のアンダーラインが現れては消えていく
(消すためには変換候補のある箇所は
一旦青い地が背景に現れ文字は白色となる)

その様子を見ながら
私は
さっきから消去してしまった
いくつもの書きかけの詩のことを
考えている

きょうは特に多くの詩を消去した

消去された詩の中には
きょうは頭の中から消去したい『あなた』のことが記されている
(消去したのだが、むしろ『あなた』のことばかりが
また言葉になって出てこようとする)

『あなた』のことは書かないぞ
←もう書いているじゃないか
消してやる
←脅してる

話題をかえよう
「それはさておき」と言えばなんとかなるものだと
芝居のセリフで聞いたことがある

それはさておき。


きょうは雨が降っている
夕方は天気雨だった

傘をささずに
バス停まで歩いて行くと
ポケットにメールが届いた

『あなた』からだ

それはさておき。


桜は散ってしまった

お好み焼きが
うまく焼けない
それは
私が言いたいことだった

雨の中で
愛を呼び寄せるため


それはさておき

詩なんか
書いていられない

2011年4月22日金曜日

どうしたの?

考えごとをしようと
きょうも波打ち際にきてみたが
海は何も教えてくれない

木製のデッキの階段にこしかけて
砂浜と海をみる
大きな雲が
ゆっくりながされている

私もながされているのだろう

コンビニで買った
ドリップコーヒーのカップは
もう空だ

私のこと
誰も見ていない

私だけ。



いなくなった人が
どこかにいるような気がしてくる

ドアを開けて
帰ってくるだろう

どうしたの?
と怪訝そうに訊ねて

2011年4月21日木曜日

空の渚に

ドカンがドカンと響いた
夜間に
きみというあなたがやって来た
きみというのはあなたの名前だ

あなたは
わたしの
穴の空いたタオルをみて
穴の空いていないタワシをわたしに渡した

わたしはタワシを
タオルの穴からすかしてみてみた
すると
タオルに空いた穴が
あながち悪いものではないことがわかり
代わりにまっさらなタオルを買うのは罪ぶかいことのように
思われてきた

きみはわたしにタワシの話しをし始めた

わたしは仕方なくその話を聞いていたが
その話は長くそのうち飽きてしまったので
いつの間にか眠ってしまった

またもやドカンがドカンと響いた
きみというあなたは帰っていった
タワシもどこかへ行ってしまったのか
みあたらない

ここには
もう誰もいないみたいだ
ただ
波が頭上で
波打っている

そのうち
凪もやってくるだろう
空の渚に

2011年4月20日水曜日

僕の服は潮の香りがする

僕の服は潮の香りがする

靴には砂粒が入っている
耳には波が砕ける音が残っている
防波堤で激しく砕ける波
物語の始まりのようで
終わりのような 砂浜の道

指にはカメラボデイの形が
背中にはあなたの視線を感じる気配が
コンビニで買ったコーヒーの苦さとその熱が
残っている

空には満月から1日たった月が
暗くなった海の手前に立つ
あなたの瞳のうえで光の点となっている

僕の服は潮の香りがする
あなたには
なにが残っているだろうか

2011年4月19日火曜日

ノープランながら応援に

さて、でかけよう
ノープランながら応援に

動きやすくて
ちょっと派手目な色をまとって
靴紐をキュッと結んで

雨にぬれてもヘッチャラっていう感じで
スタスタ歩いて

地下鉄を乗り換えて
人ごみの中を分け入って

むかし藪の中に宝物を探しに
行ったように

音楽を聞きながら
歩いて行こう

知り合いに出会えるかも
面白いことがあるかも

わくわくする気分を持って
お財布 落とさないように気をつけて

ノープランながら応援に
ノープランでもなんとかなるから
応援に行こう

そして
応援し終わったら
家に帰ろう

大きな都会の小さな部屋

終電があれば大丈夫
遅くなっても
あしたは
また ノープランでも

いいえ
明日は プランがあったわ
大事な約束が


(K・Mさんに)

2011年4月18日月曜日

マレーシアの風に吹かれて

マレーシアの風に吹かれて
新しい高層ビル群を見渡して

沈んで行くのは
夕日ではなく
私たちのほうだ

つぶやいいてみる

邪気を払うようだ、な

そう思ってみる

いつも自分が生きていると思っている街から
関係ないと思っていた街へ
マイルを使って
きてみると

そこにあったのは
自分の記憶していたものばかりだった

懐かしい、の、かな

そう思ってみる

高層ビルから
古い家が並ぶこの道まで
すべり台を設置して
来られないかな

楽しいだろうな
子供よりも
大人には

ボウリングの玉を
高層ビル群に向けて
なげるのもいいな

辺りから聴こえる歌を
応援代わりにして

東京よ
何か忘れていないかい

わたしは
マレーシアの風に吹かれて
ちょっと気分がいい

マレーシアの風、なんて
大雑把ないいかただが
これでいい、のだ

そう思ってみる

2011年4月17日日曜日

なんだかわからないけど書きたかったもの


普段は鈍感でもいい
チャンスは一度しか来ないから
その時に力が発揮できればいい
勇気を出して全身全霊で挑戦だ

チャンスを勝ちとったら
自信が湧いてくる
冷静にやるべきことをやっていけば
すべてはよくなっていくだろう


自分のことが嫌いなら
嫌いな自分のために頑張れるはずがない
好きなところを見つけて
そこだけを見つめてあげればいい

好きなことを続けてもなかなか芽が出ない
焦ることはない
世間にない自分に合う方法が見つかるまで
あきらめてはいけない


大きな失敗をしてもいい
もっと大きな失敗が来るかも知れない
人間なんてそんなモノだ
経験済みの先輩が参考になる

失敗したら取り繕わずに
真実の姿を見なければならない
しかしそれにとらわれずに
新しい自分を作っていくのだ


締切りが来たら提出しなければならない
このルールは案外役に立つ
中途半端な自分を許す言い訳にもなる
集中力を高め必死になるための指揮官にもなる

提出した後で提出したもののことを考えるのは
無意味なこともあるが役に立つこともある
しばらくしてから反省すれば客観的な評価ができる
新しいアイディアをそこに見つけることも珍しくはない


作者独白 

いままでずっと日記のように詩を書いてきて、とても勉強になりました。
飽きっぽい自分は、一つの書き方では飽きたらずに、いろいろな方法で書くことを開発できたからです。
また、過去のものを読み返すことで、自分の癖や自分らしさを確認することもできました。(自分らしさは、もちろん肯定できるものばかりではありませんでしたが。)
毎日書くということから新たに編み出された、詩を書くための「発想法」のようなものも、一つや二つではありません。詩を書くとこの効用も副産物として実感できました。
最近、震災によるいままでの社会体制への疑念の潮流から、詩人・アーティストなどの表現者が、日本の社会でなにができるか、自分も書きながら考えることとなりました。そのなかでは、詩の実用性や機能について、簡単にいえは「詩の力」について、どう強化していくかということが避けられないテーマでした。
以前から詩と詩のメディアについて自分なりの理想や野望を持ち、投稿メディアや場をつくってきた自分は、やはり、こうしなければという思いが、段々確かになってきました。
これは感想に過ぎませんが、そんな気持ちを少しでも具現化していければと思っています。

2011年4月16日土曜日

君のTwitterに返事したいのだが

みんなが集まってチャリティをやっている
楽しみながら
社会貢献をしようとする集い
その輪から
弾かれて
節電モードの駅に入り
電車を乗り継いで家に逃げ帰る

弾かれたのは何?

この間まで
作ってきた街のオプションが
停止している
いくらお金をつぎ込んだことか

そのお金はもちろん帰ってこない
こんなものつくらなければよかった

明るすぎる街の姿を思い出す
レクイエムのようにテレビの音が流れている

才能ある若者が
暗い通路の影で
一生懸命
誰かと話している

ジェスチャーしたりして
笑顔を浮かべたりして

その脇を通りすぎていくのは
どこかの詩人が書いた時代の文脈ってやつかな

ぼくは手のひらの小さな画面を覗き込み
指で触れる
こんなこと
一日何回繰り返しているのだろう

そう頭の中で思った
何回も思った

これも
何回目だろう

2011年4月15日金曜日

想定外の計画

瓦礫の山
という慣用表現
瓦礫が積み上がってできた山のこと

瓦礫が見渡すかぎり続いている
瓦礫の道
瓦礫の荒野

一面の
瓦礫の海
そのなかで
小高くなっている
瓦礫の丘
瓦礫の崖

瓦礫の荒野

人が生き埋めになっているかも知れないのは
瓦礫の家
死んでしまった
瓦礫の墓

瓦礫の山から
人を助けるのは
救出劇
これは慣用表現

自然災害は四字熟語

災害報道
報道特別番組
いまはもうない
緊急報道特別番組

普段の体制

瓦礫の下で
テレビを観ている人はいないのだろうか
電気も来ない
電波を信じる?

瓦礫を撤去
閉鎖された遺体安置所
風評被害
出荷制限
避難指示
計画避難

魚を値切る
魚を取らない
稲を作付しない
株主代表訴訟を恐れる
働く場所がない
家族を失った
知人を失った
見つけられない

はやりの言葉が
慣用表現になっていく

想定外
想定外の計画

2011年4月14日木曜日

あの男のように

46歳という年齢は
関係するのだろうか
なにかをするときに

なにかをするときに
本人は年齢を忘れているのだが

忘れたほうがいいことと
憶えておかなければいけないことは
同じ引き出しの中にはないのだが

同じ方向をみて歩いていたと思っていたあなたが
突如怪訝そうな目でわたしを見るのは

わたしが何か不思議な動きをして
憶えていたほうがいいことを忘れ

忘れていたほうがいいことを
思い出しているのが知れてしまうからなのか

しまった  と思ったときにはもう遅く
いつものように連れは遠ざかり

さかりのついた猫が勢いづいて
無謀な喧嘩を挑むのに憧れたまなざしで

深夜にあなたに無謀な計画を打ち明けたあのときの自分を
また呼び込もうとしている

お呼びでないのがセールスポイントの
あの男を慕うように

2011年4月13日水曜日

暗い花

青い空を背景にして
あなたをあおりぎみに撮る

視線を移す度に
波打つ胸

声を発するたびに
波紋が広がり

夕暮れが早まる
ピンチョスをつまむ指

石畳を過ぎる靴音
コットンの開かれたえりから

こぼれてくる香り
生白い稜線

独りで居るのが怖かった時代
不安の列が連なって

見られているふたり
背景にアザミ

アザを見るという名前の
暗い花

2011年4月12日火曜日

二人のあいだに

ティールームのテーブルの上に
あなたはアップルパイのような夢をのせて
銀のナイフとフォークで切り裂いた

わたしはそれを
対面から見ていて
自分のフォークでパイを突き刺し
むしゃむしゃと食べた

窓の外では
花びらが散り始めた桜の木が
立っている

あなたは
願いごとのような砂糖を
スプーンにのせてカップに落とし
グルグルかき混ぜた

わたしはそれを
伏し目がちに眺め
二度咳払いをした

テーブルクロスの荒野が
日差しを受けて眩しく輝き
二人のあいだにあった

2011年4月11日月曜日

ただ、走ってゆけ

今までが明るすぎたんだ
わけもなく騒ぎすぎたんだ
強迫観念に襲われて
ムラ社会の怖さとありがたさを背中に感じて
バブルの時代を通り過ぎ
いろんな「ショック」を乗り越えて
明るく騒ぎ立てただけだったんだ
日常をドラマ化し
人生をマニュアル化し
不安を追いやり
あまり考えず
思想家を追い出し
明るくおしゃれに可愛く生きる
そのことが粋でかっこいいとはやし立てて
根暗はださく
オタクはゆるせることにして
クールジャパンと商標を立て
何だってやり過ごしてきたんだ
わかりにくいものは切り捨て
マイナーはマスが保護するんだということにして
長いものにはこっそり巻かれて
キャッチコピーのような早い話が大好きということにして
みんなでやってきたんだ
その明るさが
どんな明るさだったのか
みんな知っていたことに
気づかないことが
約束だった
気づかないように
表現者を骨抜きにして扱い
ヤバイものには触れないようにしたんだ
ヤバイという言葉さえ骨抜きにして
怖いものを覆い隠してしまった
暗い街に灯る灯りのような笑顔が
町を歩いてゆく
未来を無造作に抱えた子どもたちは
親の手を解いて
ただ走りたくて走ってゆく

2011年4月10日日曜日

6次元にて

美味しいアイスコーヒーを
ありがとう
自然な笑顔が素敵です

本をかき分けて
カウンターの席で
アイスコーヒーを飲んだ

みんなが持ち込んだ
本を販売して
地震の被災者に全額を送る

色紙の看板は
谷川俊太郎さんの筆文字
売り上げを入れる募金箱は
谷川さんが持ってきた古い革のバッグ
ひょっとしたら谷川徹三さんのものかもしれないという

谷川夢佳さんは毎週のように
おじいちゃんの家から本を持ってきて
手伝っているそうだ
その様子が目に浮かぶと
自分も頑張らなければと思う

穂村弘さんは昨日きて
一箱置いて行った
その箱は出されたアイスコーヒーの隣に置かれていて
わたしに語りかけた
わたしはその中から本を買い
募金箱のバッグにいれた

混み合ってきたので
店をでることにした

外に出ると
中が恋しくなった
こんなことは
久しぶりだ

ありがとう
6次元

2011年4月9日土曜日

居場所

黄色い花が咲いた
去年と同じ
いつもの道端に

風が
揺すり
花は今にも折れそう

だが
そこは
花の居場所

その花が
咲くための

その花が
香り
命を継ぐための

わたしの
居場所は何処?

あなたは知っている?

2011年4月8日金曜日

わたしのきつね

寝ずの番
あの 
きつねが
どこかに
いってしまった

トンネルの中で
立ち往生した
電車を見に行ったのか

きつねさん
コン と鳴いて
戻ってきてよ
座布団を用意しておくから

耳をすましても
声は聞こえない

耳をブーメランのように
飛ばして探してみようか

コン

いまのはきつね?
いいえ
隣の家の誰かの咳の音