2011年4月12日火曜日

二人のあいだに

ティールームのテーブルの上に
あなたはアップルパイのような夢をのせて
銀のナイフとフォークで切り裂いた

わたしはそれを
対面から見ていて
自分のフォークでパイを突き刺し
むしゃむしゃと食べた

窓の外では
花びらが散り始めた桜の木が
立っている

あなたは
願いごとのような砂糖を
スプーンにのせてカップに落とし
グルグルかき混ぜた

わたしはそれを
伏し目がちに眺め
二度咳払いをした

テーブルクロスの荒野が
日差しを受けて眩しく輝き
二人のあいだにあった

2 件のコメント:

  1. AKIRA2011年4月13日 2:00

    まぶしい荒野はどんな夜を迎えるのでしょう?
    生命の力はすばらしい!

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  2. 生命力とは偉大すぎて不遜を感じることもあります。
    ざわざわする生きる気配は邪魔なくらいうっとおしいこともありますね。

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