2011年5月16日月曜日

深夜の手紙

「愛する人へ」

これは最後の機会かもしれません
あなたとわたしの間には
埋めることのできない距離が存在します
時々その距離が縮んでなくなるものだから
勘違いしてしまいますが
やはり向こう岸が見えないほどの距離が存在するのです

最後の機会だと偉そうに言うのは
とても
おこがましいことでしょう
わたしはえらいにんげんではありません
誤魔化しの多いくだらない人間です
親にさえそう言われてきました

だからあなたは多分錯覚して
わたしを見ているのです

わたしは
あなたの前から去らなければならないと思いつつ
決意ができずに今まで来てしまいました
なにか残せるものとか
手渡せる財産が欲しかったのです
しかしそれは無理な相談でした
わたしはわたしに
無理だと
やっと
告げたのです

わたしはきょう
自分の無力さを知りました
どうでもいいような存在だと思いました
これは
わたしが目指す私の将来像と
正反対のものです

ここからどれだけ
努力したら
いいのでしょう

こんなことを書いているようでは
永遠に
無理だと言えるのではないでしょうか

そこで
わたしは
あなたへの被害を食い止めるため
ここで
あなたの目の前から去ることにしました

たぶん
そういうことになります
優柔不断な自分ですから
信用することはできませんが

そういうわけで
その決意をここに記し
その証にしようとしているのです

こんなくだらない証が
この世にあっていいものなのでしょうか

ながなが書きましたが
そういうことです

寝て
目覚めたら
わたしは
あなたのことを忘れるために
生きていきます

神様
よろしくおねがいします

3 件のコメント:

  1. わたしもえらいにんげんではありません
    あなたも多分錯覚して
    わたしを見ているのです

    遠くて近く 近くて遠い
    たとえ その距離が縮まらなくても
    わたしは わたしのままで ここにいます

    ↑とても切ない詩に心奪われ、短い詩が書けました^^

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  2. ちょっとちょっとちょっとちょっと。ちょっと困るんですけど。
    神様よろしくとか言ってますけど、あなた普段私のこと信じてないじゃないですか。
    だし、優柔不断なんだから無理。無理ですって。
    だし、すぐ忘れるし。
    いーの、いーの。
    愛してるでいーの。相手もあなたのこと愛してるから。

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  3. AKIRAさんは神様の立場で作者にアドバイスをしてくださったのですね。
    Pollyさんは、返事を書くような感じで詩によるコメントをくださいました。
    手紙スタイルのものは、そのスタイルゆえの強さがあって、おもわず返事したくなるのかもしれませんね。
    やはり、諦めようとする人は、そのまま放っておけません。コメントに愛を感じます。そしてちょっと後ろめたさ。

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