2011年4月21日木曜日

空の渚に

ドカンがドカンと響いた
夜間に
きみというあなたがやって来た
きみというのはあなたの名前だ

あなたは
わたしの
穴の空いたタオルをみて
穴の空いていないタワシをわたしに渡した

わたしはタワシを
タオルの穴からすかしてみてみた
すると
タオルに空いた穴が
あながち悪いものではないことがわかり
代わりにまっさらなタオルを買うのは罪ぶかいことのように
思われてきた

きみはわたしにタワシの話しをし始めた

わたしは仕方なくその話を聞いていたが
その話は長くそのうち飽きてしまったので
いつの間にか眠ってしまった

またもやドカンがドカンと響いた
きみというあなたは帰っていった
タワシもどこかへ行ってしまったのか
みあたらない

ここには
もう誰もいないみたいだ
ただ
波が頭上で
波打っている

そのうち
凪もやってくるだろう
空の渚に

2 件のコメント:

  1. AKIRA2011年4月22日 1:33

    ぼくは、探し物をしていた。
    初めての海に飛び込んだ。

    ぼくのタワシはつがいだったが、メスのタワシが
    生まれ故郷の海に帰ってしまったからだ。

    海の底には、美しい人がいた、
    驚くことに、その人のもつタオルに
    メスのタワシがくっついていた。

    彼は、自分の持っているタオルに
    不満持っているらしい。
    ぼくのことを「きみ」と呼んだ。
    ぼくが連れてきた、オスのタワシを、タオルごしに
    興味深げに見始めた。
    僕は、驚いて、タワシを返してくれるように話をした。
    でも、そんなことには、まったく興味はないようで
    自分がもつ、タオルに興味があるらしい。
    あまり見ているから、タオルに穴があいた。
    メスのタワシは、穴があいたことで目が覚め
    雄のタワシとぼくのことを思い出し、
    泣きながら、戻ってきた。

    彼は、タオルをみていたかと思ったら
    眠ってしまったようだ。

    ぼくは、メスのタワシの気持ちがかわらないうちに
    帰ろう。
    彼が起きないうちに帰ろう。

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  2. AKIRAさん、傑作すぎます!
    タワシは深い世界を背負っていますね。

    そこでタワシではなく鰯(いわし)について書いてみました

    「いわし雲」

    鰯(いわし)が儂(わし)に言わしめた
    岩清水は湧き続けよと

    しめ縄を締めてある岩の清水で
    飯を炊き
    酢飯とし
    鰯を乗せよと

    皺のある和紙につつまれた箸で
    端まで残さずいただくのだと

    橋のたもとに
    幸せがやってくる
    きっと幸せがやってくると
    繰り返すのだ
    いわし雲を見上げて

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