寝ているあいだに
あなたのからだに
何度も波がやってきて
連れ去ろうとしたので
目覚めたとき
あなたは疲れきっていた
こんなこと一度や二度ではないだろう
リビングのテーブルについたあなたは
無理やり笑ってくれたけど
ぼくはどうしたらいいのか
わからなかった
昼になって
あなたの手は
火に鍋をかけて
カボチャを煮
イワシを割いて小麦粉をまぶし
料理を作り始めた
大きなワイングラスに
金色の液体を注ぎ
ライムを絞って
さし出した
その一連の動きが
あらかじめ
決められていた
何かの美しい物語のように
僕の目の前にあった
ライムの香り
あなたの手から香ってきた
氷の上で
絞られたライムが見つめていた
物語は、決まってた。
返信削除不幸の手紙が竈にくべられた時から。
波があなたをおそうことも。
ライムの香りに包まれて、竈の火を使って、料理を彼のためにつくることも。
ももさんへ
返信削除前の詩と繋げて読んでくださってありがとう。
決まっていることがあるという感じは、安心につながることがあります。これは言葉を変えれば宇宙からの『愛』なのかもしれませんね。