11月
どこかから賛美歌が風に乗って
大きな池のある公園を通り過ぎ
駅前の鳩のいるベンチの前の小さな広場に
聴こえてきたような気がしたその日
その穏やかな日の午後2時
そのひとは黄色いラインの電車に乗って
心の闇を見せに行く
白く入り組んだ瀟洒な建物の
まあるい噴水の音が聞こえそうな
植え込みの向こうの窓に
ちらりとそのひとの姿を見ることができる
午後3時
何人かと面談をして
会釈を繰り返しているうちに
心の目はおでこからはみ出して
でんでん虫のツノのように頭上に突き出していた
買ったばかりの白いスマートフォンで
電話をしなくては
私がここにいることを確かめなくては
そうして
白い糸にがんじがらめに巻かれた自分の様子を
デジタルカメラで撮影して
タイムラインに上げなくては
日暮れのオレンジ色の太陽が
ビルの向こうに落ちる前に
闇を消毒して
目を閉じてもなにも踏んでしまわないように
下の方を片付けよう
手を揉んで
リズムを掴む
心臓の鼓動と呼吸と瞬きと
言葉の早さを合わせるのだ
真空の世界では、オレンジ色がきれいです。
返信削除澄んだ歌声と、心臓の音が、調和して耳に届きます。
言葉を発しているのか、のみこんでいるのか。
日が沈むのか、昇るのか。
でんでん虫のつのの先の心の目は潤んで、
何をツイートするのかわかりません。
小鳥が木の実を食べているかもわかりません。
Yoさん、ありがとうございます。私も「Yo」とサインすることがたまにあるんですよ。素敵なコメントを詩で書いてくださり、うれしいです。
削除昨日からこの詩に悪戦苦闘(TT)
返信削除タイトルの11日111月 が何でなんだ?と頭から離れない・・・マツザキさんの詩を読ませていただいて直感力を日々鍛えさせてもらってますが、ホント詩がむつかしい!(>_<)情景は想像できても、伝えたいコメントが伝えられないときどうすればいいのでしょう?
中村ゆき子さん、いつもありがとうございます。あなたのような読者に恵まれ、とても幸せです。
削除いつも中村さんのコメントは、私が持っていない答えを提示してくれて、あらためて、自分が答えを持っていないことに気付かされます。そのとき、いつも「タジタジ」になります。(もちろん、ありがたいし、とても詩を書く参考になるのです)
先日もある人に、提示するばかり、投げかけるばかりで答えを持っていないのは人を傷つける、と言われ、深く落ち込んだことがあります。ぎゃくに言えば「今更おちんでるのか」とツッコミを入れたくなります。
自分自身でさえそうなのですから。この詩も、明確な答えを持っていないところが、中村さんを悩ませてしまっているようで、なんだか「申し訳なく」なります。
ついでに言うと、私は「謝ってばかり」いるようです。
自分でも抜け出したいのですが。
と、いうことで、きょうも答えがないままに、このお返事を終わりにしてしまうしかないようです。
「伝えたいコメントが伝えられないとき、どうすればいいか」。うーん、Yoさんみたいに、詩を書いて伝えるのもひとつの方法ですね。もちろん、「伝えられない」と訴えるのも、立派な感想だと思います。
お返事ありがとー♪ございます。
削除毎日日記のように書いていかれると知り、私も一言二言のべさせてもらおうと毎日訪問させてもらっています。一回目に読んで感じたことと10回目に読んで感じたことが真逆であったりよくします。最初はストレートに直感で感じ、読み深めるうちに作者はこれが言いたいのだろうか?こう思っているのだろうか?と作者の腹を探ってしまって(笑)自分の言葉が出てこなくなってしまいます。詩とは面白いですね。作者さんもですが、自分も暴露してしまいます。七夕の笹の様に、思考の短冊がどんどん増えていくようです。
毎日とても楽しみです。でも、マツザキさんの詩は一筋縄ではいかないです。(^o^;)
おっしゃるとおりですね。自分でも一筋縄では生きません。でも、わかりやすい詩を書きたいと願っているんですよ。
削除これからも、どうぞよろしくお願いします。