泣いたら
気が晴れた
笑ったら
淋しくなった
おこったら
悲しくなった
ゆるしたら
笑いたくなった
わたしの
ココロは
変じゃ
ないですか?
2014年1月23日木曜日
2014年1月22日水曜日
2014年1月21日火曜日
詩人のコトバ
下の方で火がチロチロと燃えて
煤(すす)の匂いが立ち込めている
あの大火がまだ続いているのだ ✴︎
消し止められたものだと思っていた
もう忘れ去られたのだと高を括っていた
だがあの人の哀しい願いごとのように
その火は
いつまでも消え去ることはなかった
あの人は白黒写真のなかで笑っている
時代が繊細な色模様に彩られ
ノイズさえ音楽になったとき
あの人の叫び声は
人々が気づかぬ時に蒼空の彼方から
空に吊るされた高い高いブランコのように
やってきてはまた彼方目指して消えていった
それでも
時代の漆喰の壁に打ち付けられた〈?〉の形のねじ釘は
夕日にただあやしく光って
コトバでないものを語りかけてくる
その問いに私は頷いて
やはり
答えのコトバをもつことはなかった
——吉野弘さんを追悼して
✴︎酒田大火(さかた たいか)。1976年(昭和51年)10月29日に、吉野弘さんの郷里である山形県酒田市で発生した。
煤(すす)の匂いが立ち込めている
あの大火がまだ続いているのだ ✴︎
消し止められたものだと思っていた
もう忘れ去られたのだと高を括っていた
だがあの人の哀しい願いごとのように
その火は
いつまでも消え去ることはなかった
あの人は白黒写真のなかで笑っている
時代が繊細な色模様に彩られ
ノイズさえ音楽になったとき
あの人の叫び声は
人々が気づかぬ時に蒼空の彼方から
空に吊るされた高い高いブランコのように
やってきてはまた彼方目指して消えていった
それでも
時代の漆喰の壁に打ち付けられた〈?〉の形のねじ釘は
夕日にただあやしく光って
コトバでないものを語りかけてくる
その問いに私は頷いて
やはり
答えのコトバをもつことはなかった
——吉野弘さんを追悼して
✴︎酒田大火(さかた たいか)。1976年(昭和51年)10月29日に、吉野弘さんの郷里である山形県酒田市で発生した。
2014年1月20日月曜日
満月の次は?
君が向かう方向に
未来とやらが待ち構えているのか
待ち構えているものだから
すでに過去だといま君が言った
済んだことは全て過去にながれさるのか
いま思い出した過去は未来のビジョンだが
明日考える今日と3年後に考える昨日は
いまの私からどちらが近いのか
アラームのスイッチをいれ
予定を確認して
夢を見に螺旋階段を満月の方向へ上ってゆく
2014年1月19日日曜日
冷たい風にのせて
冷たい風にのせて
石の声を伝えよう
水の声でささやこう
冬の日差しを浴びながら
土の香りを懐かしもう
木々の戯れを見守ろう
私はこの地が好きだ
あなたと同じくらい
鉄瓶で湯を沸かそう
ナイフで鉛筆を削ろう
生きた証などなにも必要ない
ただ
いまを精一杯生きて
あなたを抱きしめよう
石の声を伝えよう
水の声でささやこう
冬の日差しを浴びながら
土の香りを懐かしもう
木々の戯れを見守ろう
私はこの地が好きだ
あなたと同じくらい
鉄瓶で湯を沸かそう
ナイフで鉛筆を削ろう
生きた証などなにも必要ない
ただ
いまを精一杯生きて
あなたを抱きしめよう
2014年1月18日土曜日
振り向いて、、、
声? 鳴き声?
が、したので、振り向いてみたら
田んぼの脇の 夜の道
暗がりから 何かの気配が
こっちを見てる
獣だろうか 人? 宇宙人?
森の黒い影の上に
たなびく 雲の上に
三日月
いつもより大きい
いつもより
時間が早く流れている
もう一時間も
ここで 振り向いて
様子をうかがいながら
つい 物思いに耽る私
きつねでございます
油揚げ
本当に 好きなんだ
が、したので、振り向いてみたら
田んぼの脇の 夜の道
暗がりから 何かの気配が
こっちを見てる
森の黒い影の上に
たなびく 雲の上に
三日月
時間が早く流れている
ここで 振り向いて
様子をうかがいながら
つい 物思いに耽る私
油揚げ
本当に 好きなんだ
2011年10月、北京市西部で撮影
2014年1月17日金曜日
曇り空の彼方に
わざと気づかないように
奥の方に仕舞ってあるもの
たまに目が合うと
コトバを失う
こわいかさえ分からないけど
なんだかヤバい気がして
触れずに来た
いままで ずっと
だけど いま取り出して
手にとって向き合わなければ
負けた気持ちで
生きていくしかない
そんなのいやだからと
自分に言い聞かせて
思いきって
蓋を開けた
わざと気づかないように
奥の方に仕舞ってあったもの
私はその中に引きずり込まれて
なにかが碎け散った
その破裂した音だけが
木霊して 羽音のように
バタバタと耳をかすめて
曇り空の彼方に飛び立っていく
奥の方に仕舞ってあるもの
たまに目が合うと
コトバを失う
なんだかヤバい気がして
触れずに来た
いままで ずっと
手にとって向き合わなければ
負けた気持ちで
生きていくしかない
自分に言い聞かせて
思いきって
蓋を開けた
奥の方に仕舞ってあったもの
私はその中に引きずり込まれて
なにかが碎け散った
木霊して 羽音のように
バタバタと耳をかすめて
曇り空の彼方に飛び立っていく
2014年1月16日木曜日
どうしようもない子 〜少女編〜
平らで硬かった胸板に
柔らかなふくらみが育って
波打つようになった
制服を着替えるとき
空気がひりっとして
思わず 手のひらで押さえると
指のあいだから
はみ出して
押さえつけないで
痛い! と主張してくる
瞳は蒼空をうつして緑に萌え
流れる雲を追って灰色の哀しみを湛える
12歳の卒業式から
何日が経ったのか
指を折って数え
そしてその指を唇にもっていった
指が唇に触れているのだが
この感覚は
唇から来るものなのか
指から来るものなのか
それとも
どこか遠くからやって来たのか
分からずに途方に暮れる
私の唇は
小さなアンテナ
指はセンサー
私は大きくため息をついて
明るくない 未来のことも
考えていた
柔らかなふくらみが育って
波打つようになった
空気がひりっとして
思わず 手のひらで押さえると
指のあいだから
はみ出して
押さえつけないで
痛い! と主張してくる
流れる雲を追って灰色の哀しみを湛える
何日が経ったのか
指を折って数え
そしてその指を唇にもっていった
この感覚は
唇から来るものなのか
指から来るものなのか
それとも
どこか遠くからやって来たのか
分からずに途方に暮れる
小さなアンテナ
指はセンサー
明るくない 未来のことも
考えていた
2014年1月15日水曜日
まっすぐな道を
足が痛いから
もう旅行なんかいかないと
不機嫌そうに言う母
家にいたほうが安心だし
行きたくないという
つれていってよ
また いつか
楽しい場所へ
ちょっと恥ずかしいけど
そこで
新しい 楽しい想い出を作って
土産に持ってかえろう
レンタカーを借りて
まっすぐな道を
どこまでも 走って
もう旅行なんかいかないと
不機嫌そうに言う母
行きたくないという
また いつか
楽しい場所へ
ちょっと恥ずかしいけど
新しい 楽しい想い出を作って
土産に持ってかえろう
まっすぐな道を
どこまでも 走って
2014年1月14日火曜日
井の中のドングリ
いいもの持ってるね
いつどこでそろえたの?
あなたの周りには
ボクがほしいものばかり
そのまん中にあなたがいるのに
きょうも足早に立ち去ろうとする
いい香りがしている
サラダよりも新鮮だね
風下に立っていると
うっとり眼を閉じたくなる
引力は向かってくる
光を集めてくちびるが香る
あなたはそっぽを向いているけど
ピンク色
ボクは首ったけ
へのへのもへじ
井の中のドングリ
いつどこでそろえたの?
ボクがほしいものばかり
そのまん中にあなたがいるのに
きょうも足早に立ち去ろうとする
サラダよりも新鮮だね
うっとり眼を閉じたくなる
引力は向かってくる
光を集めてくちびるが香る
ピンク色
ボクは首ったけ
へのへのもへじ
井の中のドングリ
2014年1月13日月曜日
最初の一粒を 見つけたら
最初の一粒を
見つけたら
そうしたら
次から次へと
雪の粒が空から舞い降りてきた
いつの間にか
街じゅうが
雪の襲来に会って
黙らされていく
だれかが声を上げても
空の途中で
凍えて落ちていってしまう
今夜の雪は容赦ない
過去と現在(いま)をつなげようとしているのは
空がひとのコトバに飽き飽きしたから
そんなに私たちは
無駄口をきいてしまった
雪を見張るのを飽きてしまったあとも
雪は降り続いているだろう
海の中でヒトデが時計の代わりに回転して
時を計っているが
それは空と申し合わせをした訳ではあるまい
最初の一粒を
見つけてから
私は
いつかも こんなことがあったと気づきながら
口をつぐんで
コトバにならないように気を遣っていた
あまりにも
身も蓋もないではないか
もしコトバにしてしまったら
私はこの世の牢獄に閉じ込められて
生涯出ることができないかも知れないのだから
見つけたら
そうしたら
次から次へと
雪の粒が空から舞い降りてきた
いつの間にか
街じゅうが
雪の襲来に会って
黙らされていく
空の途中で
凍えて落ちていってしまう
過去と現在(いま)をつなげようとしているのは
空がひとのコトバに飽き飽きしたから
そんなに私たちは
無駄口をきいてしまった
雪は降り続いているだろう
時を計っているが
それは空と申し合わせをした訳ではあるまい
見つけてから
私は
いつかも こんなことがあったと気づきながら
口をつぐんで
コトバにならないように気を遣っていた
身も蓋もないではないか
もしコトバにしてしまったら
私はこの世の牢獄に閉じ込められて
生涯出ることができないかも知れないのだから
2014年1月12日日曜日
2014年1月11日土曜日
どうしようもない子
どうしようもない子
その少年は
自分でも
どうして自分が人と違うことをするのか
普通のことが
普通にできないのか
わからない
いましがたも
飛び出して来てフェリーに
飛び出して来てフェリーに
飛び乗ったばかりだ
強い海の風が
甲板の先端に立つ哀しげな少女を後ろから襲って
スカートの裾をなんども捲りあげて
少女は
少女は
パンティーのお尻を
その度ごとにさらけ出している
(少女はたぶんそれに気づいているのだ)
少年は高いデッキからそれを見て
独り占めしていたいと願っていた
悲しいことがあると…
悲しいことがあると
人は何をすればいいのだろう
少年は
いつまでもその
パンティーのお尻を見ていた
それは永遠に続く物語のようだ
それは永遠に続く物語のようだ
海の強い風に
パンティーを捲らせて
(何かを忘れただろうか
少女は
きっと
そのことさえ
忘れてしまっただろう)
心では
2014年1月10日金曜日
薄い革袋
薄い革袋に
荷物をたくさん詰めて
やぶけそうになっても
耐えて
このままやっていきます
肉や骨
毛髪などが一緒くたです
もう
くたくたですが
なぜか
新鮮で
血がかよっているせいか
冬でも暖かいのです
薄い革袋のうえに
布をかけて
紐状のもので結び
定期券を持たせて
電車に乗せます
この
革袋を愛するひともいるのです
革袋はそのときほんのり染まり
甘美な香りに
酔いしれさえするのです
皮から湯気を発して
荷物をたくさん詰めて
やぶけそうになっても
耐えて
このままやっていきます
肉や骨
毛髪などが一緒くたです
もう
くたくたですが
なぜか
新鮮で
血がかよっているせいか
冬でも暖かいのです
薄い革袋のうえに
布をかけて
紐状のもので結び
定期券を持たせて
電車に乗せます
この
革袋を愛するひともいるのです
革袋はそのときほんのり染まり
甘美な香りに
酔いしれさえするのです
皮から湯気を発して
2014年1月9日木曜日
いないいないバー
ぴたっとキマルそのポーズ
その瞬間
ドキューン×3
素知らぬ顔
アンニュイ
不埒な女なの そうそう
今日は顔の半分マスクして
立ち姿
細枝に可憐な花弁
はんなりキメタそのポーズ
その瞬間
スポーン×3
猫なで声 かすれ声
いないいない
バー×3
ヴァーサス イケメンじゃない
におう におう
メン×3
その瞬間
ドキューン×3
素知らぬ顔
アンニュイ
不埒な女なの そうそう
今日は顔の半分マスクして
立ち姿
細枝に可憐な花弁
はんなりキメタそのポーズ
その瞬間
スポーン×3
猫なで声 かすれ声
いないいない
バー×3
ヴァーサス イケメンじゃない
におう におう
メン×3
2014年1月8日水曜日
まだ行ったことのない場所が
写真の中から誘っている
私はここでこうして生きてきたと
愚痴まじりの味わい深い話を始める
ここ日本は
2014年1月。1週間前からの天気予報が当たって
夕方から雨になった。
耳が寒さの向こうに
聞き耳を立てているのは
寂しいからじゃなく
未来の友だちを捜しているのだ
その写真には
葉がすっかり落ちてしまって
だがもう間もなく芽吹きそうな
広葉樹
雨上がりの濡れた道
その向こうに
雲の小どもが遊びにきそうな池
私は
部屋に帰ってきて
何かを整理するつもりもなく
だだ思いや視線を巡らせ
部屋の中を行き来し
昨日の残りの麻婆豆腐を
暖めて食べた
まだ行ったことのない場所が
誘ってくれているのは
幸せなことだ
そんな場所が
まだ五万とあり
その数は死ぬまで大差なく減らないだろう
私は
まだ行ったことのない場所に
行きたいし行きたくない
だが
ただどこかに
まだ行ったことのない場所があることが
私を生かしている
と言うことができるのだ
2014年1月7日火曜日
そしてあんたは
愛するとは
裂けた傷口を癒すことだ と
あんたは言った
一緒にいると
周りの空気が淀んでくるよ と
あんたは言った
離れていると
あんたを恨みたくなるんだ と
あたしは言った
波風が立たないと
不安と絶望で眠れないよ と
あんたは言った
そして
あんたはいなくなった
嵐の夜が終わった朝の
金色の日差しの矢の中
あたしもいなくなった
裂けた傷口を癒すことだ と
あんたは言った
一緒にいると
周りの空気が淀んでくるよ と
あんたは言った
離れていると
あんたを恨みたくなるんだ と
あたしは言った
波風が立たないと
不安と絶望で眠れないよ と
あんたは言った
そして
あんたはいなくなった
嵐の夜が終わった朝の
金色の日差しの矢の中
あたしもいなくなった
2014年1月6日月曜日
星屑 落下星(らっかせい)
得意なことを自慢しているあなたの
眼の輝きが好き
苦し紛れのいい訳を探すときの
あなたの声が好き
海でも見に行くかと
ぶっきらぼうに誘うあなたが好き
階段をひとりで走って上っていってしまう
気遣わないあなたが好き
お前は何がほしいんだと
決めているくせに訊いてくるあなたが好き
あなたが好きで好きでどうしようもない
のぼせちゃってる私も好き
サンダルつっかけて
夜道に星屑 落下星 探しにいこう
眼の輝きが好き
苦し紛れのいい訳を探すときの
あなたの声が好き
海でも見に行くかと
ぶっきらぼうに誘うあなたが好き
階段をひとりで走って上っていってしまう
気遣わないあなたが好き
お前は何がほしいんだと
決めているくせに訊いてくるあなたが好き
あなたが好きで好きでどうしようもない
のぼせちゃってる私も好き
サンダルつっかけて
夜道に星屑 落下星 探しにいこう
2014年1月5日日曜日
忘れてはいけない
冷たい風にあたり
ぼやけた気持ちをしゃっきりさせます
小さな勇気を取り戻します
忘れてはいけないもの
それは
真空の夜空から見守っている星
春風を生む暗い海
あなたが作りだすことができる未来
覚えていてほしいこと
私たち出会えたこと
離れたあとも忘れない
あなたの手の温もりが残って
いまも私を励ましている
ぼやけた気持ちをしゃっきりさせます
小さな勇気を取り戻します
忘れてはいけないもの
それは
真空の夜空から見守っている星
春風を生む暗い海
あなたが作りだすことができる未来
覚えていてほしいこと
私たち出会えたこと
離れたあとも忘れない
あなたの手の温もりが残って
いまも私を励ましている
2014年1月4日土曜日
あなたと私
電車にとびのれば
すぐに生まれ育った街に行ける
そこには見慣れた道
街路樹
駅前のビル
まだ
あなたと私が一緒にいたころの
思い出が
影のように 遺ってる
もう一度出会いたいなんて言えない
あの頃の私たち
楽しすぎて
輝いていたから
いまは静かに時を
やり過ごしている
その時を
美しい色に染め上げたくて
暮れ行く街
遠く 道の見えなくなるあたり
まだ
あなたと私
ふざけながら
歩いていそうで
2014年1月3日金曜日
足りない気持ちに包まれて
太陽と風の香りがする
ベッドに顔をうずめて
透明な涙を零してみたら
滴はすぐに
見えなくなった
部屋に舞う埃の小宇宙
フッと吹き飛ばして
どの靴を履いて出かけようか
考えてみた
君は遠くて近いから
君はやさしくて残酷だから
ボクは君と無関係に
生きていく
さよなら
さよならをおそれた
愛しい時間たち
もう君がいなくても
足りない気持ちに
包まれて 寄り添って
生きてゆける
ベッドに顔をうずめて
透明な涙を零してみたら
滴はすぐに
見えなくなった
フッと吹き飛ばして
どの靴を履いて出かけようか
考えてみた
君はやさしくて残酷だから
ボクは君と無関係に
生きていく
さよならをおそれた
愛しい時間たち
もう君がいなくても
足りない気持ちに
包まれて 寄り添って
生きてゆける
2014年1月2日木曜日
夜を待つ朝は
夜を待つ朝は
無骨な薬缶の冷めた水の心
なんのために
生まれてきたのか
思春期は遠く過ぎ去ったのに
青春の蹉跌は
錆びて胸に刺さったまま
心臓が鼓動を打つたびに
これでもか、これでもか、と
痛みを投げかけてくる
夜は眠るもの
朝は希望を抱いで外に飛び出すものと
オトナは教えてくれたけど
むしろ 夜の闇の中にしか
希望は見出せないと今 感じてる
なんのために生きているのか
自己満足のためなのか
それとも他人を満足させるためなのか
そもそも意志や思いなどは無関係なことなのか
大事なことは
口を開けて待っていても
学びようはなかったのだ
夜を待つ朝は
無骨な薬缶の冷めた水の心2014年1月1日水曜日
君の磁石
君の磁石はいい磁石かい?
何を引き寄せるというのだ
どこまでも渡ってゆける鉄の舟か
太古ににちりばめられた無数の恒星か
俺の磁石はいい磁石はかい?
何を弾き飛ばすというのだ
悪い連中が抱え込んだくすんだ名誉か
夜な夜な取り出して眺める不安と恐怖か
君の磁石はいい磁石かい?
何を預言するというのだ
大事なひとを即座に見分ける秘伝の術か
悪魔に出会わない藪の中の一本の小径か
俺の磁石はいい磁石はかい?
何を言いよどむというのだ
短い命が絶えるまでの残り時間か
悦楽と幸福を得るための生け贄のリストか
磁石は引き寄せ弾き飛ばし
預言し言いよどむ
人の胸の上で
踊り狂って光を反射して
何を引き寄せるというのだ
どこまでも渡ってゆける鉄の舟か
太古ににちりばめられた無数の恒星か
何を弾き飛ばすというのだ
悪い連中が抱え込んだくすんだ名誉か
夜な夜な取り出して眺める不安と恐怖か
何を預言するというのだ
大事なひとを即座に見分ける秘伝の術か
悪魔に出会わない藪の中の一本の小径か
何を言いよどむというのだ
短い命が絶えるまでの残り時間か
悦楽と幸福を得るための生け贄のリストか
預言し言いよどむ
人の胸の上で
踊り狂って光を反射して
2013年12月31日火曜日
あなたへ
暗くて寒い部屋
胸のところで缶ジュースみたいに
絶望を握りしめて
息を潜めているあなた
私は
あなたのことばかり
考えています
あなたにも
うれしさにみちあふれた
日々がありましたね
私にもありました
不器用なあなたは
大事なことを
いつも後回しにしないと
その大事さが分からなかった
幸せを放っておいて
人の幸せを願うという贅沢を
たくさんして
そんなに不幸に浸かってしまった
今度はあなたが
幸せになる番です
幸せをつかんだ人の
真似をしても
悪いことはないのです
私もそうしたいと
思っています
胸のところで缶ジュースみたいに
絶望を握りしめて
息を潜めているあなた
私は
あなたのことばかり
考えています
あなたにも
うれしさにみちあふれた
日々がありましたね
私にもありました
不器用なあなたは
大事なことを
いつも後回しにしないと
その大事さが分からなかった
幸せを放っておいて
人の幸せを願うという贅沢を
たくさんして
そんなに不幸に浸かってしまった
今度はあなたが
幸せになる番です
幸せをつかんだ人の
真似をしても
悪いことはないのです
私もそうしたいと
思っています
2013年12月30日月曜日
たとえられた風
海の向こうから
潮風の香りの手紙がとどく
はりがねの形の平仮名が
洒落た置き物のような漢字をつないで
ほどけぬように
カタカナでとめてある
あなたの見慣れたイニシャルは
渡り鳥が羽を休める場所
私もなんどか
あなたにとまって
羽を休めた
そんなこともあった
地球の違う場所では
朝と昼と夕方と夜とが
それぞれの場所を覆っていて
みな
違う言葉で挨拶をしたりするが
黙っている場合もある
そういう私も
いま黙って
手紙が来るのを待っている
手紙というたとえをまとった
なつかしい
春の風が
潮風の香りの手紙がとどく
はりがねの形の平仮名が
洒落た置き物のような漢字をつないで
ほどけぬように
カタカナでとめてある
あなたの見慣れたイニシャルは
渡り鳥が羽を休める場所
私もなんどか
あなたにとまって
羽を休めた
そんなこともあった
地球の違う場所では
朝と昼と夕方と夜とが
それぞれの場所を覆っていて
みな
違う言葉で挨拶をしたりするが
黙っている場合もある
そういう私も
いま黙って
手紙が来るのを待っている
手紙というたとえをまとった
なつかしい
春の風が
2013年12月29日日曜日
てにしたしゅんかんに
てにしたしゅんかんに
あわくきえてしまうものがある
てにしなければよかったと
くいてももうおそい
ずっとてにしたかったものなのに
ずっとおいもとめてきたものなのに
どうしてそれは
きえてしまうのか
てにしては
いけないものだったのか
ほんとうはわたしは
きづいている
わたしがそれを
ほしいとねがうちからが
わたしには
いちばんだいじなものだったと
それがこころにあったとき
わたしのこころは
つよかった
みたされることをまちこがれる
つよいおもいで
わたしはいつもみたされていた
わたしとともにいた
だいじなじかん
あわくきえてしまうものがある
てにしなければよかったと
くいてももうおそい
ずっとおいもとめてきたものなのに
きえてしまうのか
てにしては
いけないものだったのか
きづいている
わたしがそれを
ほしいとねがうちからが
わたしには
いちばんだいじなものだったと
わたしのこころは
つよかった
つよいおもいで
わたしはいつもみたされていた
わたしとともにいた
だいじなじかん
2013年12月28日土曜日
初めて知るだろう
あなたの前ではずんでいた白い鞠
私がポケットに隠し持っていた光るパイプ
あなたの髪が匂い立つ真昼のスコール
私の胸で渦巻く怪鳥の羽ばたき
あなたのものと
私のものを
一緒くたにして
たき付けに
くべてしまえ
その穴に
その竃の火に
やがて湯がたぎるだろう
湯に その辺の生命をそのまま投げ入れて
私たちは夜の間中
魔除けのダンス
やがて明け方の太陽が
夕焼け空を背景にしていると
初めて知るだろう
初めて知っただろう
私がポケットに隠し持っていた光るパイプ
私の胸で渦巻く怪鳥の羽ばたき
私のものを
一緒くたにして
たき付けに
くべてしまえ
その穴に
その竃の火に
湯に その辺の生命をそのまま投げ入れて
私たちは夜の間中
魔除けのダンス
夕焼け空を背景にしていると
初めて知るだろう
初めて知っただろう
2013年12月27日金曜日
日々の扉
もう気づくことはない
そんなふうに 思うことはなくても
毎日が新しいことの連続だった日々は
いつのまにか別世界を描いた絵のようだ
もう誤ることはない
そんなふうに 考えはしなくても
いつも間違った道に迷い込んでいたあの頃は
かさぶたとなってすでに消えた傷口のようだ
もう「いいひと」にはならない
そんなふうに 決意しなくても
すぐに人を信じてしまう性格は
皮膚に刻まれた曲がった笑い皺のようだ
もう私は私から抜け出したい
そんなふうに 望みはしなくても
そう願った日々の重い扉は
とっくに開け放たれていて出入りは自由だ
そんなふうに 思うことはなくても
毎日が新しいことの連続だった日々は
いつのまにか別世界を描いた絵のようだ
そんなふうに 考えはしなくても
いつも間違った道に迷い込んでいたあの頃は
かさぶたとなってすでに消えた傷口のようだ
そんなふうに 決意しなくても
すぐに人を信じてしまう性格は
皮膚に刻まれた曲がった笑い皺のようだ
そんなふうに 望みはしなくても
そう願った日々の重い扉は
とっくに開け放たれていて出入りは自由だ
2013年12月26日木曜日
なみは
なみはさらう
りくちのものを
そのてにしたものを
うむをいわさず
ひきつれて
なみはつつむ
うつくしいもの
そうでないもの
おんどやいろさえ
同化して
なみは話す
太古と未知のはなし
いみのない繰りごと
その声がこきゅうと
まざりあったあとも
なみはしる
せつなのかがやき
むごんのよげん
なみだがかくまった
ちいさなこえも
なみはあそぶ
ほしとゆきをうずまいて
あさとよるを
ひとつにして
ふところに深海をかかえて
なみはありつづける
わたしがせかいから
しょうめつしても
りくちのものを
そのてにしたものを
うむをいわさず
ひきつれて
なみはつつむ
うつくしいもの
そうでないもの
おんどやいろさえ
同化して
なみは話す
太古と未知のはなし
いみのない繰りごと
その声がこきゅうと
まざりあったあとも
なみはしる
せつなのかがやき
むごんのよげん
なみだがかくまった
ちいさなこえも
なみはあそぶ
ほしとゆきをうずまいて
あさとよるを
ひとつにして
ふところに深海をかかえて
なみはありつづける
わたしがせかいから
しょうめつしても
2013年12月25日水曜日
見知らぬだれかが
心がつかれたら
重荷をいったん脇に置いて
ひと息つきましょう
ぎすぎすした衣を脱いで
日向ぼっこでも
してみましょう
好きな人と過ごした
きらめく日々を
思い出してみましょう
無垢な魂の
わがまま勝手な力を
体の芯に感じてみましょう
そして
あなたのように
心がつかれたひとのことを
見知らぬだれかが
どこかで
心配して祈りを捧げているのだと
信じてみましょう
それは全く
本当のことなのだから
重荷をいったん脇に置いて
ひと息つきましょう
ぎすぎすした衣を脱いで
日向ぼっこでも
してみましょう
好きな人と過ごした
きらめく日々を
思い出してみましょう
無垢な魂の
わがまま勝手な力を
体の芯に感じてみましょう
そして
あなたのように
心がつかれたひとのことを
見知らぬだれかが
どこかで
心配して祈りを捧げているのだと
信じてみましょう
それは全く
本当のことなのだから
2013年12月24日火曜日
気取らない幸せ
幸せをそっちのけにしておいて
それに気づかない人が多い
そしてそれに気づいたときには
もうその幸せはそこにない
メーテルリンクさんが教えてくれたのは
まだ学校に行く前のこと
ルビー色の気取ったカクテルが いま
気取らない幸せを教えてくれた
もう学校も出て街をふらついている私に
君の居場所はそこではない と
それに気づかない人が多い
そしてそれに気づいたときには
もうその幸せはそこにない
メーテルリンクさんが教えてくれたのは
まだ学校に行く前のこと
ルビー色の気取ったカクテルが いま
気取らない幸せを教えてくれた
もう学校も出て街をふらついている私に
君の居場所はそこではない と
2013年12月23日月曜日
ケーキの入った箱を
ケーキの入った箱を
落としてしまいました
やっと手に入れた
大事なケーキ
ケーキは箱の中で
大けがしてしまったでしょう
私の顔からは
笑みがきえました
そのかわりに
涙がとまりません
あなたを守れなくて
ごめんね
強くなりたいと
願った夜
落としてしまいました
やっと手に入れた
大事なケーキ
大けがしてしまったでしょう
笑みがきえました
そのかわりに
涙がとまりません
ごめんね
願った夜
2013年12月22日日曜日
私の中に
泥水の中に落ちた
大事なもの
私の手を引いてくれたから
私
我に返った
太陽の光を跳ね返して
眩しかった
私の
大事なもの
泥水の中で
輝いていた
泥水の中から
私は
拾い上げた
泥でよごれてしまったけれど
それは
もっと大事なことを
話してくれた
私の中に
残った
その 輝き
大事なもの
私の手を引いてくれたから
私
我に返った
眩しかった
大事なもの
泥水の中で
輝いていた
私は
拾い上げた
泥でよごれてしまったけれど
それは
もっと大事なことを
話してくれた
私の中に
残った
その 輝き
2013年12月21日土曜日
記憶
あなたの顔は
なつかしい村
私はそこで
暮らしてた
泉の水で喉を潤し
水鏡でいい顔を作った
防風林をかき分け
砂浜に転がり遊んだ
小高い山に登り
しっとりした驟雨を浴びた
洞窟を覗き込み
コウモリのねぐらを見つけた
あなたの声は
到来(アリバダ)の知らせ
波打ち際に
一万の亀たちが上陸した
月は姿を隠し
影は命を満たした
私はあなたを縛り
あなたは一切の夜の記憶をほどいた
2013年12月20日金曜日
少年
*
みんなのまえでうたった暗い歌
聴かせたくない人がいた
弱い者をみていた弱い自分
夢の中で遠くまで出かけた
外の宇宙と相談している
人差し指が覚えているそのなつかしい人
みんなのまえでうたった暗い歌
聴かせたくない人がいた
*
強いものの陰に隠れ弱い者をみていた弱い自分
*
寂しさのうえに横たわり夢の中で遠くまで出かけた
*
自分の中の宇宙が自分を介して外の宇宙と相談している
*
木の机に刻まれていた知らない人の名前人差し指が覚えているそのなつかしい人
2013年12月19日木曜日
少し背伸びを
白い椅子に
空気が座っている
ほおづえをついて
私の話を聴いている
もうだいぶ長い時間が過ぎた
私は
さっきとまた同じ話をしている
空気が
あくびした
私は席を立って
改札口へ向かった
カードをかざすと
そこから数字が抜かれて
小さくなった
肩をすぼめていた私は
すこし
背伸びをしてみた
空気が座っている
ほおづえをついて
私の話を聴いている
私は
さっきとまた同じ話をしている
あくびした
私は席を立って
改札口へ向かった
そこから数字が抜かれて
小さくなった
すこし
背伸びをしてみた
2013年12月18日水曜日
きいろいくまさん
きいろいくまさん
わらっているよ
ひとりぼっちで
ソファーにすわって
きいろいくまさん
なかないでね
わたしもひとり
ゆうごはんはパン
きいろいくまさん
どこかにいこう
だれもこれない
かなたのさとへ
きいろいくまさん
つかれてねむる
わたしもねむる
ほしぞらがいっしょ
2013年12月17日火曜日
ほしいもの
いま食べるための
ひときれのパン
いま喉を潤すための水
いま伝えなければならないことを知らせるコトバ
それをささえる勇気
私はほしい
パンでなくてもいい
水でなくても
コトバでなくても
勇気さえなくてもいい
いま
私がここに生きていくために
必要なもの
それがあれば
宇宙からの問いを
問いのまま受け入れることの大事さを
忘れることはない
流れる水さえ
止めることができる
一枚の写真に収まってしまったように
宗教画の一部となってしまったように
私は風景の一部に
積極的に加担する
黄金比のポーズさえキメて
ひときれのパン
いま喉を潤すための水
いま伝えなければならないことを知らせるコトバ
それをささえる勇気
パンでなくてもいい
水でなくても
コトバでなくても
勇気さえなくてもいい
私がここに生きていくために
必要なもの
宇宙からの問いを
問いのまま受け入れることの大事さを
忘れることはない
止めることができる
一枚の写真に収まってしまったように
宗教画の一部となってしまったように
私は風景の一部に
積極的に加担する
2013年12月16日月曜日
きょうのぼく
いきているかちがない
しんだほうがましなぼく
しぬかちもない
いきているほうが
なみかぜがたたないぼく
いのちをつながない
かくんやいえもつがない
たちきるぼく
わるいせけんには
だまされてばかり
いいひとをまもれない
むりょくなぼく
ごみのかちもない
にさんかたんそをはいしゅつするぼく
はやくつちとまじって
しょくぶつになりたい
あわれでみにくいぼく
しょくぱんをたべるとき
おいしいとかんじる
そのことをだれかに
プレゼントしたい
きょうのぼく
しんだほうがましなぼく
しぬかちもない
いきているほうが
なみかぜがたたないぼく
いのちをつながない
かくんやいえもつがない
たちきるぼく
わるいせけんには
だまされてばかり
いいひとをまもれない
むりょくなぼく
ごみのかちもない
にさんかたんそをはいしゅつするぼく
はやくつちとまじって
しょくぶつになりたい
あわれでみにくいぼく
しょくぱんをたべるとき
おいしいとかんじる
そのことをだれかに
プレゼントしたい
きょうのぼく
2013年12月15日日曜日
しにゆくひとは
きょうは、谷川俊太郎さんの誕生日。毎年それを祝い詩を書くのですが、
この詩は違います。
しにゆくひとは
しにゆくひとは
すんでいる
にごりすぎて
すみわたる
みなもになにかをなげいれても
なみはたたず
なにもかもをしまいこむだけ
おともきこえてこない
この世でノイズを聴きすぎたので
もう音はたたない
ただかすかな色彩が
ゆうぐれて
漂ってくる
しにゆくひとは
方向音痴になっていく
三半規管も不要であるから
回路を切ったのだろう
走馬灯のようなおもいでが
走馬灯のように回る
意味が重なってしつこくなっても
意味は無意味に行きついたので
自由だ
しにゆく人が
死にゆきつくまで
あとどのくらい時間があるのか
答える神様はいない
死にゆく人は
死にゆく人になりきり
世間をつんざいて
血潮で線を描く
道に喩えることができる
無粋な比喩は
苦いくすりのように
何かに効き目がある
とは
言えないだろう
この詩は違います。
しにゆくひとは
しにゆくひとは
すんでいる
にごりすぎて
すみわたる
みなもになにかをなげいれても
なみはたたず
なにもかもをしまいこむだけ
おともきこえてこない
この世でノイズを聴きすぎたので
もう音はたたない
ただかすかな色彩が
ゆうぐれて
漂ってくる
しにゆくひとは
方向音痴になっていく
三半規管も不要であるから
回路を切ったのだろう
走馬灯のようなおもいでが
走馬灯のように回る
意味が重なってしつこくなっても
意味は無意味に行きついたので
自由だ
しにゆく人が
死にゆきつくまで
あとどのくらい時間があるのか
答える神様はいない
死にゆく人は
死にゆく人になりきり
世間をつんざいて
血潮で線を描く
道に喩えることができる
無粋な比喩は
苦いくすりのように
何かに効き目がある
とは
言えないだろう
2013年12月14日土曜日
奇跡というもの
奇跡は何食わぬ顔をして
あんパンを食べている
ところで
そのあんはうぐいす色であった
奇跡はハッとして
帽子に手をやった
鳥のフンかとおもいきや
なんと金貨だった
奇跡は青空に
軌跡を描いて
行くべき道を
教えてくれたこともある
奇跡なんか起きたことがない
と言っている人がいるが
なんと滑稽なのだろう
気づかないなんて
☆蛇足
(奇跡はあまりに
ありがたがられるので
ありふれた格好で
ドアががたっと開くの待っている
ドアが開いたら
やさしい日差しが
あるいは
微かな風邪が
頬に触れるだろう
そのとき・・・・)
あんパンを食べている
ところで
そのあんはうぐいす色であった
帽子に手をやった
鳥のフンかとおもいきや
なんと金貨だった
軌跡を描いて
行くべき道を
教えてくれたこともある
と言っている人がいるが
なんと滑稽なのだろう
気づかないなんて
ありがたがられるので
ありふれた格好で
ドアががたっと開くの待っている
やさしい日差しが
あるいは
微かな風邪が
頬に触れるだろう
そのとき・・・・)
2013年12月13日金曜日
ほしいものができたら
ほしいものができた
買うことはできない
ほしいもののことを
ずっと考えている
ほしいものは変わらずに
そこにある
私は少しずす変わっていっていて
ほしいものは
気配を変えない
落ち着いている
瞑想しているのだろうか
あるいは眠っているのか
私の瞼は重たくなってくる
私はその場所から姿を消す
夢のなかでは
知り合いの女が
腹から血を流してもがいている
近くにその元恋人が立って
真っ二つに割れたiPadで
病院を検索していたがその過程で
ほしいものをみつけ
そちらに夢中になってしまっているようだ
私は女に
大丈夫だからと言って
女のことを気遣いつつ
助けたいと願った
私はこの女をほしいと思うと同時に
ほしいものリストに追加した
買うことはできない
ほしいもののことを
ずっと考えている
ほしいものは変わらずに
そこにある
私は少しずす変わっていっていて
ほしいものは
気配を変えない
落ち着いている
瞑想しているのだろうか
あるいは眠っているのか
私の瞼は重たくなってくる
私はその場所から姿を消す
夢のなかでは
知り合いの女が
腹から血を流してもがいている
近くにその元恋人が立って
真っ二つに割れたiPadで
病院を検索していたがその過程で
ほしいものをみつけ
そちらに夢中になってしまっているようだ
私は女に
大丈夫だからと言って
女のことを気遣いつつ
助けたいと願った
私はこの女をほしいと思うと同時に
ほしいものリストに追加した
2013年12月12日木曜日
あなたがこのよにうまれて
あなたがこのよにうまれて
よろこんだひとはいたが
かなしんだひとはいなかった
あなたがかなしみのなかにいるとき
くうきはバリアをつくって
あなたをまもろうとした
あなたがこのよにうまれて
やがてあなたはめをひらき
うつくしいものをみた
いいかおりをかいだ
それはあなただけのものだ
いま
まちにながれはじめたおんがくも
よくきいてみるといい
それは
あなたのためだけに
かなでられている
おんがくだ
と
わたしはおもっている
よろこんだひとはいたが
かなしんだひとはいなかった
くうきはバリアをつくって
あなたをまもろうとした
やがてあなたはめをひらき
うつくしいものをみた
いいかおりをかいだ
いま
まちにながれはじめたおんがくも
よくきいてみるといい
それは
あなたのためだけに
かなでられている
おんがくだ
と
わたしはおもっている
2013年12月11日水曜日
花をだいていた女の子
はなをだいていた
おんなのこ
いつのまにか
じぶんも
おはなになっていました
みんながくちぐちに
きれいだと
いいました
はなをだいていた
おんなのこ
かれていく
おはなも
だいじにしました
みんながくちぐちに
あわれだと
いいあいました
はなをだいていた
おんなのこ
じぶんは
きれいじゃないと
ないていました
みんなはくちをつぐんで
ひとことも
こえをかけませんでした
はなをだいていた
おんなのこ
かれしが
きれいだよと
まいにちきすをしました
みんなはくちぐちに
おにあいだと
いいました
はなをだいていた
おんなのこ
はなの
たねを
まきました
みんなはどんなはなが
さくのか
めをとじてかんがえました
おんなのこ
いつのまにか
じぶんも
おはなになっていました
みんながくちぐちに
きれいだと
いいました
はなをだいていた
おんなのこ
かれていく
おはなも
だいじにしました
みんながくちぐちに
あわれだと
いいあいました
はなをだいていた
おんなのこ
じぶんは
きれいじゃないと
ないていました
みんなはくちをつぐんで
ひとことも
こえをかけませんでした
はなをだいていた
おんなのこ
かれしが
きれいだよと
まいにちきすをしました
みんなはくちぐちに
おにあいだと
いいました
はなをだいていた
おんなのこ
はなの
たねを
まきました
みんなはどんなはなが
さくのか
めをとじてかんがえました
2013年12月10日火曜日
だからとにかく
こそこそと
みちのはじをあるけば
どろみずにはまり
こえをたてずに
ちかづくとちゅうで
ころんでたおれ
みようとすれば
そこにはもうなく
さわったときには
やけどしたっけ
のぼっていくと
みちはなく
くだっていけば
がけからおちた
わたしはさいきんこんなぐあい
だからとにかく
だいじょうぶ
みちのはじをあるけば
どろみずにはまり
こえをたてずに
ちかづくとちゅうで
ころんでたおれ
みようとすれば
そこにはもうなく
さわったときには
やけどしたっけ
のぼっていくと
みちはなく
くだっていけば
がけからおちた
わたしはさいきんこんなぐあい
だからとにかく
だいじょうぶ
2013年12月9日月曜日
本物
コンサートが終わり
一つの家族が薄暗い道を歩いている
命のかたまり
音楽はしつけ糸
靴はクッション
まとったユニクロのウルトラライトダウンは
隠し事を欺く
足取りは恋心の成れの果て
夜の星空は
寒い風に散る涙を映した偽物
一つの家族が薄暗い道を歩いている
命のかたまり
音楽はしつけ糸
靴はクッション
まとったユニクロのウルトラライトダウンは
隠し事を欺く
足取りは恋心の成れの果て
夜の星空は
寒い風に散る涙を映した偽物
2013年12月8日日曜日
ゆらゆらゆれて
ゆらゆら
ゆれています
ふらふら
しています
うごくもののうえ
かわりゆくかたち
うまれてくるもの
きえさってゆくもの
ゆらゆら
ゆれています
ふらふら
しています
ゆらゆらゆれる
しんきろうのまどから
みわたします
せかいは
やはりゆらゆらゆれて
そこにたつ
ひとはふらふらしています
ふらふらしながら
どこかに
たよるものがないか
めをまわしてさがしています
ゆれています
ふらふら
しています
うごくもののうえ
かわりゆくかたち
うまれてくるもの
きえさってゆくもの
ゆらゆら
ゆれています
ふらふら
しています
ゆらゆらゆれる
しんきろうのまどから
みわたします
せかいは
やはりゆらゆらゆれて
そこにたつ
ひとはふらふらしています
ふらふらしながら
どこかに
たよるものがないか
めをまわしてさがしています
2013年12月7日土曜日
鉛筆で
私の考えは
鉛筆で書く
文字を書き間違えるように
考えもよく間違えるから
私の思いは鉛筆で書く
書き終わった途端に変わるから
きらいな人も好きな人に変わるから
私の未来は鉛筆で書く
あなたが消して書き直せるように
未来は独り占めできないだろうから
鉛筆で書く
文字を書き間違えるように
考えもよく間違えるから
書き終わった途端に変わるから
きらいな人も好きな人に変わるから
あなたが消して書き直せるように
未来は独り占めできないだろうから
絵 一之瀬仁美
2013年12月6日金曜日
いつまでもここに
いつまでも
ここにすわっていたい
この席に
いまは
駅前の
クリスマスのイルミネーションを借景に
珈琲の香りが漂い
ほどよく賑わっている
今ふうのカフェだが
まわりのひとが
すべていなくなり
たてものに蜘蛛の巣が張り巡らされ
壁は剥げ落ち窓は割れ
寒風が吹きこんでも
街が廃墟となり
行き交うひとが皆無となっても
私は
この席に
すわっていたい
私の思いは
強く不変であるに違いない
私はいたい場所に
いたい
それが私の抵抗だから
それが私がいる意味だから
ここにすわっていたい
この席に
いまは
駅前の
クリスマスのイルミネーションを借景に
珈琲の香りが漂い
ほどよく賑わっている
今ふうのカフェだが
まわりのひとが
すべていなくなり
たてものに蜘蛛の巣が張り巡らされ
壁は剥げ落ち窓は割れ
寒風が吹きこんでも
街が廃墟となり
行き交うひとが皆無となっても
私は
この席に
すわっていたい
私の思いは
強く不変であるに違いない
私はいたい場所に
いたい
それが私の抵抗だから
それが私がいる意味だから
2013年12月5日木曜日
あやまち
あやまちをくりかえし
いきてきた
いきてきたといま書いたのも
またあやまち
あやまちにあやまちをかさね
あやまちの塔が建つ
あやまちの塔を自ら破壊して
あやまちの道をひきかえして
あやまちの川のほとり
誤って正しいことを
水にながす
あやまちで
日が暮れて
あやまちの夢にめをさまし
誤った名を呼んで
ふたたび眠る
あやまちをくりかえし
いきつづける
くらしをよくしようとする
だがくらしはよくならない
すべてがあやまちだから
あやまちの躯を
正しいもので染め
正しさというもので染め
中身も
ねこそぎ入れ替えなければ
それでも
あやまちをおかすだろうが
あやまちには
気づかなくなるだろう
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