2014年1月7日火曜日

そしてあんたは

愛するとは
裂けた傷口を癒すことだ と
あんたは言った

一緒にいると
周りの空気が淀んでくるよ と
あんたは言った

離れていると
あんたを恨みたくなるんだ と
あたしは言った

波風が立たないと
不安と絶望で眠れないよ と
あんたは言った

そして
あんたはいなくなった
嵐の夜が終わった朝の
金色の日差しの矢の中
あたしもいなくなった

1 件のコメント:

  1. 中村ゆき子2014年1月8日 1:05

    西陽で色褪せた昭和の映画みたいです
    きっと傷つくことでしか愛を確信できないんだろうね
    臆病で不器用だけどそれも一つの愛しかた
    金色の光の矢、指し示す方向、きっと気付かないふりをして生きていくんでしょうね

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