海の向こうから
潮風の香りの手紙がとどく
はりがねの形の平仮名が
洒落た置き物のような漢字をつないで
ほどけぬように
カタカナでとめてある
あなたの見慣れたイニシャルは
渡り鳥が羽を休める場所
私もなんどか
あなたにとまって
羽を休めた
そんなこともあった
地球の違う場所では
朝と昼と夕方と夜とが
それぞれの場所を覆っていて
みな
違う言葉で挨拶をしたりするが
黙っている場合もある
そういう私も
いま黙って
手紙が来るのを待っている
手紙というたとえをまとった
なつかしい
春の風が
春の風は何を運んでくるのかな
返信削除見覚えのある切手とインクの色
それを目にするだけで
心のすきま風を埋めることができますね