2013年12月21日土曜日

記憶

あなたの顔は
なつかしい村

私はそこで
暮らしてた

泉の水で喉を潤し
水鏡でいい顔を作った

防風林をかき分け
砂浜に転がり遊んだ

小高い山に登り
しっとりした驟雨を浴びた

洞窟を覗き込み
コウモリのねぐらを見つけた


あなたの声は
到来(アリバダ)の知らせ

波打ち際に
一万の亀たちが上陸した

月は姿を隠し
影は命を満たした

私はあなたを縛り
あなたは一切の夜の記憶をほどいた

1 件のコメント:

  1. これまでは太陽や月明かりのもと顔を上げて生きていくのだと思っていたけど、
    心の波は、闇のなかで鎮まって行くのがわかる。
    日の当たる場所でもがきたいのか
    暗闇でさまよっていたいのか
    自分でもわからない
    不安定な心を癒してくれるのはむしろ闇
    記憶の坂を下るのはまだまだ先のこと

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