2014年1月13日月曜日

最初の一粒を 見つけたら

最初の一粒を
見つけたら
そうしたら
次から次へと
雪の粒が空から舞い降りてきた
いつの間にか
街じゅうが
雪の襲来に会って
黙らされていく

だれかが声を上げても
空の途中で
凍えて落ちていってしまう

今夜の雪は容赦ない
過去と現在(いま)をつなげようとしているのは
空がひとのコトバに飽き飽きしたから
そんなに私たちは
無駄口をきいてしまった

雪を見張るのを飽きてしまったあとも
雪は降り続いているだろう

海の中でヒトデが時計の代わりに回転して
時を計っているが
それは空と申し合わせをした訳ではあるまい

最初の一粒を
見つけてから
私は
いつかも こんなことがあったと気づきながら
口をつぐんで
コトバにならないように気を遣っていた

あまりにも
身も蓋もないではないか
もしコトバにしてしまったら
私はこの世の牢獄に閉じ込められて
生涯出ることができないかも知れないのだから

1 件のコメント:

  1. 中村ゆき子2014年1月14日 0:52

    ふるゆきは
    邪心を持たないモノトーン
    最初の一粒の合図で
    過去を消すため降りしきる
    ゆきは
    足跡を消してゆく
    何も残さぬよう
    何もなかったかのように
    そして口数の多いあなたを
    牢獄から救うでしょう

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