2014年1月16日木曜日

どうしようもない子 〜少女編〜

平らで硬かった胸板に
柔らかなふくらみが育って
波打つようになった

制服を着替えるとき
空気がひりっとして
思わず 手のひらで押さえると
指のあいだから
はみ出して
押さえつけないで
痛い! と主張してくる

瞳は蒼空をうつして緑に萌え
流れる雲を追って灰色の哀しみを湛える

12歳の卒業式から
何日が経ったのか
指を折って数え
そしてその指を唇にもっていった

指が唇に触れているのだが
この感覚は
唇から来るものなのか
指から来るものなのか
それとも
どこか遠くからやって来たのか
分からずに途方に暮れる

私の唇は
小さなアンテナ
指はセンサー

私は大きくため息をついて
明るくない 未来のことも
考えていた

1 件のコメント:

  1. 中村ゆき子2014年1月17日 0:40

    思春期の少女は大人よりもおませさんかもしれないね。
    未来という二文字には明るい意味を持たせてほしいな
    お先、行く末、今後、先々、、、将来を表す言葉ってなんとなく暗い響きを纏うのは何でなんだろう

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