ブランコがひとりでに揺れて
夕日が長い影を作ると
どこかに閉じ込められていたあの子が
やって来る
歳のはなれた姉の手を引いて
姉は悪い男に犯されてから
誰とも恋をすることができなくなった
恋の真似事をして
恋の気分を味わおうと何度も試みたけれど
それはいつもただの激しいセックスに溺れ
傷つくだけだった
だから
歳のはなれたミルクの匂いのする妹とは
気兼ねなくつきあえたのだろう
ブランコがキーキーと
音を立てる
諦めかけた悲鳴のように
か細いまま 叫び続けている
風も吹いていないのに
木の葉がしきりに
裏表になるのを繰り返している
何かの警告だろうか
ブランコがひとりでに止まり
夜が来て
もうここには誰の悲鳴も聞こえない
ガン細胞のように誰もの心の奥に宿る悪魔の囁き。
返信削除何かの警告です。
警告はあちこちなされているのに気づかない。
誰もいない夜の公園は行ってはいけません。
ブランコ動かしてるの誰でしょう?