するめを炙っている
そのよこで
柱時計が時を刻んでいる
板張りの床に響くたびに
心臓はリズムを乱されそうになる
ラジオからは流行り歌
たぶん間違えずに律儀に歌い終えてくれるだろう
あなたとのことを考えていたが
いろんなことが入れ替わり立ち替わり心を占領しようとするので
ついにあきらめて放っておくことにした
日が暮れて暗くなり
公務員が帰路につく
あるいは酔って飲み屋のはしごに出かける
きょうという日は
はじめてのことだ
毎日その日を初心者として
生きなければならない
私は声を上げ
おどけて助けを呼ぶしかないだろう
死んだあの人に
返信削除目覚めた朝も普段と何一つ変わらない
部屋の空気も景色も
迎える今日は誰にとっても初めてで
誰もが同じ時間
自分の欲するものたちを如何に手にしようか
自分と向き合うことをしなければならないから
死んだあの人に助けを求める暇なんてない
人生のベテランなんかいない、みんな毎日を初心者で迎えてる