2013年5月16日木曜日

戦乱の大地へ


木の実を採る
そこに実がなっていれば
木いちごを栗を
柿や梨を採る
そして土を堀り芋を取る
魚を蟹を岩魚を鮭を捕まえる
海苔を若布を集める
黍(きび)や粟や葱やゴーヤを採る
山羊の乳を搾り
椰子のジュースを飲む

生まれた場所の
生まれた季節の香りが
帰趨本能に囁きかけ
粗末な崩壊しかけた家に
私を呼び戻すが
そこには既に家はなく
何事も見る影がない

いや
多くの血と涙が流されて
見たいものは痛み
見られることを嫌っている

誰かがここにいたはずだ
愛すべき誰かが
目を輝かせて何かの夢を語り
それは希い望みとなって
私を生かすのに一役買ってきた

きょうも人びとは
戦争の代わりにテロを
テロの代わりに金儲けをやっている
またはテロや戦争や
核戦争の計画をしている

自然がが与えてくれるものを
我が物顔で人工化して
新たな争いをする機会を待っている

子に母乳を与えながら
あなたは何を狙っている?
その子が生き延びる世の中は
どんな色の花が咲き乱れ
どんな生き物たちの血が流されている?

私は言葉で問う相手を見つけられず
言葉を捨てて
生まれた場所
戦乱の大地へと
問いかけに戻ってゆく

1 件のコメント:

  1. 中村ゆき子2013年5月17日 1:02

    緩やかに流れる時間に身を任せていられたのはいつの頃までだったかな?
    何かを始めようとすると容赦なくそれを阻む者が現れる。
    それは何の目的も持たない、只自分の居場所と存在価値を確かめたいだけの人。
    語りかけてくれる人が居ないから刺すような目で自分にないものを求め、奪おうとするから争いが起きるのだろう。

    だから、言葉を捨てないで語りかけてほしい。
    あなたの言葉はきっと届いて気づかせてくれると信じてる。

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