立派な表札の掛かった門があって
その前を貧相なわたくしが通り過ぎる
並木のあいだの道は人と犬が通い
木の上の枝はカラスが使っている
昼間は太陽と青空が使っていた
この辺りの世間は
夜になると月と星が控えめに控えて
見下ろしている
喫茶店は二人の姉妹とその友人がやっている
客はこの姉妹たちと無関係の人がほとんどだ
あきらめてやっていくことと
あきらめずにやっていくことは
ほぼ同じこと
わけもなく駅が混雑する日
そんな日が度々あっても
駅員にはなにも変化がない
オレンジスカッシュを頼んだのは
その色が見たかったからだけではない
三日月型のオレンジがグラスの淵にへばりついて
わたくしを励ましてくれるだろうから
ありがとうオレンジスカッシュ
わたくしは表札をいつかかけたいよ
どんな表札がいいかは
わたくしが決めよう
すてばちな気持ちになった時や、落ち込んだとき、不思議と人はどこかで励ましや元気をもらえるもんなんですね。
返信削除あきらめたふりしてあきらめず、やりつづけて ほほーっと言うような表札見てみたい。('▽')
そういう(中村さんのような)深い愛を持った人が、きっと世の中にはいるのです。この詩の主人公も、あきらめずにやっていってほしいですね。
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