アパートの一室
箪笥の横
畳の上
錦糸の布に包まれ
白い器の中で眠る人
ああ もう「人」ではないのでしたね
でも
その人の名前は
よく憶えているし
その人によく似た人が
たまに ここを訪れ
布の中身を見たいとごねている
アパートの一室
箪笥の前に布団を敷いて
その人のそばで眠るまた別のその人は
その人のそばで眠るまた別のその人は
その包みを
土に埋めたいという
私は
穏やかなその話を
何度となくきいた
そして包みは
土に埋められることもなく
今も箪笥の横においてある
そして
遊び飽きた
遊び飽きた
オモチャの木馬みたいに
夕方の日差しのシャワーを浴びている
その人はいつまでも身近に 感じていたいのですね。
返信削除たまにそうやって思い出話しに興ずるのが一番の供養です。
夕日のシャワーあびながら白い包みの中で
クスクスわらっているかもね。