2013年5月8日水曜日

その人の居る場所


アパートの一室
箪笥の横
畳の上
錦糸の布に包まれ
白い器の中で眠る人

ああ もう「人」ではないのでしたね
でも
その人の名前は
よく憶えているし
その人によく似た人が
たまに ここを訪れ
布の中身を見たいとごねている

アパートの一室
箪笥の前に布団を敷いて
その人のそばで眠るまた別のその人
その包みを
土に埋めたいという

私は
穏やかなその話を
何度となくきいた
そして包みは
土に埋められることもなく
今も箪笥の横においてある

そして

遊び飽きた
オモチャの木馬みたいに
夕方の日差しのシャワーを浴びている

1 件のコメント:

  1. 中村ゆき子2013年5月9日 0:17

    その人はいつまでも身近に 感じていたいのですね。
    たまにそうやって思い出話しに興ずるのが一番の供養です。
    夕日のシャワーあびながら白い包みの中で
    クスクスわらっているかもね。

    返信削除