2011年11月25日金曜日

三階建のバス

三階建のバスに乗っていると
橋をくぐる時に怖い
本当は四階建だけど
四階はほとんど棺桶状の仮眠スペースなので
慎ましくも三階建と自称しているのだ

リゾート地のホテルから幹線の駅までを走るが
市街地に入ると
その巨きさはひときわ眼を惹くから
やがて人々は箱舟バスと
ヘンテコな呼び名を与えた

その三階に秘書と同乗しているわけだが
もちろん昨夜は
一緒のベッドで一夜を過ごした

持って行った小さなカバンは
イタリアの空港で
衝動買いしたものだったが
朝 シャワーを浴びている隙に
秘書がゴミとして捨ててしまった

駅に着くと
さすがは一流のリゾートの駅という感じで
洒落た店が立ち並び
静かに賑わっていた
中には訳ありの旅行者もいるのだろう

私たちはマクドナルドに入り
コーヒーとアッブルパイを分け合って食べた

きょうはこの後
仕事があるのだ
三階建のバスが
そろそろ新しい客を
乗せ始めるころだ

そういえば
四階に乗っていた人は
どうしたのだろう
乗る時も
降りる時も
顔を合わさなかった
ただ気配だけが
頭上で蠢いていた

捨てられたカバンにしまっておいた
人には見せられない大切なもののことが
気になり出していた
カバンと一緒に
砕かれ
燃え尽きただろうか

三階建バスは
確かに
私たちを降ろしただろうか

3 件のコメント:

  1. 秘書はマオだから
    一緒に寝れば暖かい

    マオの箱舟バス
    四階に乗っているのは
    数え切れないほどの
    ユウーの気配

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  2. 本当に三階建バスはあるの? と質問をいただきましたが、たぶん無いと思います。無責任に見えるかもしれませんが、お許しください。作者より

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  3. おとぎばな詩ね^-^★→

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