2012年7月16日月曜日

ぶんかいま

やきなす
やきな



きなこ

きな

こまったな
こまつな

こま
つた


まわり
ひまわり
まり

ひま


まり

なつのよ
つのよ


よの


りくつづき
りくつずき
くつ
つづき

くすりづけ
すりつけ

つけ



けつろん
けつろ
ろん

んろ

2012年7月15日日曜日

悲劇

崖は斜めに切り立っている
あなたの髪の生え際もまた
斜めに切り立っている

鳥は
どちらを目掛けて
降下したらいいのかわからない
という悲劇
と喜劇

日直

集中して聴いているのに
いくら聴いても分からない授業がある

簡単な足し算や
ちよっとした婉曲話法
誰もが知ってる当たり前の法則が
一箇所にまとまって何かを相談しているだけだ

いわば
私には関係ない事か
または
もともと私を欺こうと企てられた事なのか

水飲み場で
いじめる相手を待っているのは
いじめっこなのだろうか
関係ない人なのだろうか

休み時間のチャイムは
教室の大きな時計と
少しずれているが
それは
放っておいて大丈夫なのだろうか

音楽室から
ピアノの音と
歌う声に混じって
うめき声が聞こえてる

おお
ミステリー
僕らはますます集中力を空中で弄んで
巻きつけて
手首の血管を止めようとしている

何か不都合があれば
日直に言ってくださいと
きょうの日直が言っている
その日直がまずい
明日の日直のほうが
きょうの日直より
まっすぐに立っているから

2012年7月14日土曜日

おなかがすきました

おなかがすきました
「おなかがすきました」というシールを
胸に貼っておきたいくらい
いつもおなかがすいています

これは人類にとって
たいへん厄介な問題です
おなかがすくということは
食べなければならないから
食べなければならないということは
食べられてしまう側の命を奪うということだから

命を奪うということは
自分にその価値があると信じるいうことだから

ぼくはおなかをすかせて
頭を抱え込む
頭をかかえこんで
おなかを鳴らす

自分にそんな価値は見当たらない
人はぼくに価値があると
思ってくれているのだろうか
親や友だちは思っていてくれているだろう
仕事のパートナーもそう思っていてくれているだろうか
世間はどうだろうか

ぼくはおなかをすかせて
頭を抱え込むことしかできない

そうしているあいだにも
おなかがすきました
「おなかがすきました」という刺青を
背中に彫っておきたいくらい
いつもおなかがすいています

おなかがすくことから
逃れることはできないのでしょうか
食べ過ぎておなかを壊せば
もうたべたくなくなるでしょうか
いいえだめです
またすぐに食欲というものは復活を果たすでしょう
リバウンドして
ますますおなかがすいてしまうでしょう

もやは八方ふさがりです
八方焼きです
八宝菜です
たべたいです
おいしいものを
自分を生き延びさせる価値があると信じて

あなたは食べますか
食べ続けますか

あなたは食べていいとおもいます
ぼくはあなたに生き延びて欲しいです
あなたは生き延びる価値があると思います
食べられてしまう側の命より

だから生き延びて
ぼくに手本を示してください
そしてできれば
ぼくの価値を教えて欲しいのです
生きていっていいかどうかのその価値を

2012年7月13日金曜日

ホーホケキョ

変わり者だとうわさされ
誰も近寄らないあなたの
やさしさを私は知っています

普段はどんな服を着ているの?
初めて出会う人がいつも私に尋ねてくる

青空とは別れたわ
曇が好きなの
台風みたいに饒舌な人はキライよ
微かに葉を揺する夜風が最高ね

太陽が消え去ろうとしている
別れを惜しんで空が真っ赤に染め上げられる
想い出があなたの前に現れ
夜の闇が悪戯をそそのかす

楽しげな話には首を突っ込まない
出来上がった物語は
ドラム缶に突っ込んで燃やしてしまう

トンネルから夜の電車が飛び出すとき
ウグイスの鳴き声を重ねるあなた
ホーホケキョ

2012年7月12日木曜日

手のひらの町

君が手の指を立てて
手のひらで囲った小さな町には
雨が降るとフナの稚魚が泳ぐ
ベッドの上でカメラのレンズを見つめる瞳は濡れて
華奢な体がワンピにつつまれている
大胆な胸のカットからつややかな肌を現し
その肩がなめらかに見るものの視線を
滝つぼに誘い落とす

君はだれにとっての君なのか
君は私に君と呼ばれて何を考えるのか
柔らかい日差しの差し込む過去のある日のベッドの上で
君は答えなど持っているはずもなく

2012年7月11日水曜日

詩を書いていた

昔 毎週3編 詩を書いていたんだけど
一つは ラジオで朗読する用
一つは ブログに載せる用
一つは 雑誌に載せる用

ターゲットが決まっていたので
幸せな気分で書いていた
書く際の留意点を自分で決めて
それに添って書いていた

その時書いた詩は
残っているものもあるが
なくなってしまったものもある
会社がつぶれた時に
人に迷惑をかけてしまうんだからと
処分される机やパソコンと一緒に運びだされるのを
気配だけ感じながら見送った

詩は埴輪のように
黙って笑い土に埋まっただろう
僕の中には
幸せだった感覚がまだ残っている
凍えそうになったときは
その残り火に手をかざして
体が冷えきってしまうのを防いでいる

やることがある
人のためにやることがある
もしやらなければ
また自分の書いた詩を見捨てる


2012年7月10日火曜日

あなたと出会ったたとき

石造りの街であなたに出会ったとき
私は別の人と一緒でした
あなたはひとりで
何をしに来ていたのでしょう

オープンカフェで昼下がりに
穏やかな季節の風景を眺めながら
蜂蜜を絡めてこんがりローストしたフォアグラの
サンドウィッチを片手に
私は遠い街で出逢った別の人のことを考えていました

私の連れは舞踏会に行く準備がしたいと
そそくさと食事を終えて
ホテルに帰ってしまったのです

あなたは再び現れて
私の目の前をとぼとぼと通りすぎて行きました
とぼとぼと

その牧歌的な雰囲気に
私はいいしれぬ可笑しみを覚えて
思わず顔の筋肉を
映画スターのようにキュートに締めたのです

それからあなたのことを
しばらく考えていました
なんとなく
いろんなところで出会い
挨拶を交わし
すれ違ったあなたと私

いつのまにか夜になって
私は石の外壁の周りを回りこんで
舞踏会の会場に連れと行きました

シャンパングラスとワイングラスは
こうも様々な種類の優雅な線と輝きを
描いているものなんだと感心していると
そこに銀の皿でカナッペをサーブして回る
あなたが現れました

階段の上の壁には
ライオンの彫像が貼り付けられています
私は笑顔を作って
舞踏会をこなし
部屋に帰りシャワーを浴びると
ベッドに倒れ込みました

そこにはあなたが居たのです
なんということか
連れはあなただったのです

2012年7月9日月曜日

権利がない私

私には香りのいいおいしいお茶を飲む権利がない
私は水道の水を冷やして飲むから平気
私にはJRとメトロを乗り換えて目的地に行く権利がない
どちらか一つに絞っても行けるので平気
私には医者で健康診断を受ける権利がない
暴飲暴食をせず睡眠をとっていればたぶん平気
私には道の真ん中を堂々と歩く権利がない
道はたいてい端っこをおどおど歩くと安全なので平気
私には焼肉屋に誘われても一緒に行く権利がない
もう誰も誘わないので肉は牛丼屋で食べるし 平気
私にはカビたパンを捨てる権利がない
カビを削ってしまえばほぼ元通りのパンなので全く平気
私は穴あき靴下を捨てる権利はない
穴あき靴下は空いた方だけ靴磨きに使えばいいので平気
私には期日通りに電話料金を支払う権利がない
電話が止まる前にハガキが来てコンビニで支払えるので平気
私には結婚して子どもを作る権利がない
たとえ権利があっても結婚して子どもを生む相手がいないので平気
私には他人にはある様々な権利がない
でも何とかやっていっているので今のところたぶん平気

2012年7月8日日曜日

スターバックスという

スターバックス
コー ヒー

コー コー コー
ヒー ヒー ヒー

スターバックスと
コーヒーは別れ
コーヒーの 葉とコーヒーの 実は
さよなら し 慣らし

鳩と 富とは
コーヒー飲みと はとこ とは
一緒にいない
コー と ヒーは 離し合う
手と手 権利と管理を

スター と バック ス
コーヒーも別れ
その名がなくとも
珈琲店と判れば

後ろから 前から トモダチは
やってきて確信をつく
うそをつく
木をつつく のは きつつき
傷つのは グラスとコップと
炒られたナッツ
入れられた夏
無理矢理に入れられた膣
入れられたナッツ
夏に入れられたnuts

濡れられたnutsペンギンマークのnuts
nutsマークのペンギン
銀色のペン
ペンの形のnuts
nutsの形のペン
ペンの 先っちょのスター
ペンの先のmoon
moonのとなりのスター

後ろのトトロ
とろろ飯のトトロ
ロートルのトロロ
トロッコのスター
とろとろのスター

Tバックのスターバックスのスタジャン
ペニンシュラの
サマーの通り雨
イースターのスター トースター

の の の
ヒー ヒー ヒー
ノーヒー ノーヒー
コー コー コー
ノーヒー トーヒー

離された
コー ヒー
スターバックス
なにはなくとも 友もなくとも
珈琲店には
コー ヒー なくとも
泣くとも 無くとも

2012年7月7日土曜日

必死に生きているのに

必死に生きているのに
なぜ自分は生きているのかと
問いかけている人は
いませんか

雨が石段の苔を潤して
上空でカラスが
けたたましく啼いている
カラスは答えてくれない

無風のせいで
蒸し蒸しする
この世は巨大な盆地
山の向こうに幸せの塊があり
それが溶け出して
人に注ぎ込むと信じている

必ず死ぬというのが必死の意味?
空気は風になることなく立ち止まっているが
答えてはくれない

心が盆地のくぼみにはまって
もがいている
居心地が悪いのだろう
くぼみを揺すりながら
息をする

手足だけでも外に出せれば
心地よく動けるだろうか

上空でカラスが
けたたましく啼いている

福島の花+詩 Facebookで連載


2012年7月6日金曜日

ピーナッツが好き

懐かしいヒッピーの香り
さっきまでそこでマリファナ吸っていたのかな?
腰に入れたtattooは気にいってる?

川と道が交わるところに
一体誰が橋なんぞ作ったのだろう

森の上にある月を眺めて
聴き古した曲をかけて
踊るんだね
踊っているかどうかも
もう分からない
途中からは相手と舌を絡ませていたし

しっとりと
時間は湿って流れている
風よりも時間のほうが
軟かい

あなたの背骨は
くねっている?

チグリス・ユーフラテス川の岸辺
乾いた靴音で歩いて行く学者
澤登博士は
ピーナッツが好き

2012年7月5日木曜日

てれ - ビジョン

てれ
ビジョン

電磁波浴び
遠くを見る
試合
刃物を持ち
新しいヒカリエの
柔道場
厚い畳は沈みやすく湿りやすい

母は寝顔を覗いた
美しい夕焼け

家に忍び込もうとする
暴漢
ハニービー

ハエ ビー

生き残ったほうが勝ち
刃物を持った闘い

女武闘戦士
Marukoは白い胴着
黒い帯

2012年7月4日水曜日

大人びた小学生に教えてほしい

大勢の大人びた小学生たちが
古い小学校の校舎を改装したホテルに
無言で宿泊している
(無言というのはそういう印象だということだ)

いつから泊まり始めたのか
なぜそこに居つづけるのか
誰も疑問を差し挟むことは出来ない
(きっとそれは宇宙の真理に由来する現象に違いないから)

小学生たちは
大人社会の事情をすでに飲み込んでいるためか
黙々とやるべきことをやっている
自らの性的な行為さえ自らの判断でコントロールし
揺るぎない確度のもとに行なっている
(小学生たちは大人の事情を
すでに凌駕する行動理念と方法を獲得していたのだ)

大人である私が宵の口の時刻にそこを訪れると
昇降口の辺りにもまだ小学生たちはあふれていて
遊びとも仕事ともつかぬことを楽しげにやっている

私は大人びた小学生たちが
一見して幸せに暮らしていることを悟り
おおいに驚いた
大人は幸せと縁遠い社会を作り
作るべきもの目指すべきものが見えず
試行錯誤に苦しんでいたから

小学生たちは
大人対子どもという対立軸からさえも自由に
現実を受け止めている

私は学者の中沢新一と一緒に
次の選挙について
選挙事務所の候補場所のカフェで落ちあい
打ち合わせし物別れに終わってここにやってきたところだった

小学生たちは
大きな鍋で夕餉の支度をしている
私はそれを一緒にいただいて
これから自分がどうするかについて
小学生に学んで
結論を得ようと考えている
私がいま望んでいることは
間違っていないのだろうか

小学生たちが整然と食堂に向かい始める
私もあとについて食堂に入っていった

2012年7月3日火曜日

旅人

ある日 あるときに
同じ土地を 訪れている人の
眼差しは
優しい

いつか どこかで
きっと 出逢ったたことがある
見たことがある

湧き水の まえで
ペットボトルに 水を 注ぎ入れている
かがんだ 後ろ姿は
かわいい

葉を茂らせて 覆いかぶさっている
大きな樹の上に 青空があり
雲が こんもりとして 漂っている

いつか こんなシーンがあった
そのシーンに
私は 入っていく

一枚の絵に
私は 描きこまれる
その絵を
誰かが見つけて
見入っている

懐かしい家の
揺り椅子の前

2012年7月2日月曜日

山盛りごはん

山盛りのごはん
食べるのだ
ごま塩とたまご
チェリートマトと一緒に

冷たい水を飲み
一気に
味わうことに集中して
よく噛んで
食べるのだ

何も考えずに
のどごしを楽しみながら
元気に生きるために一心不乱に
食べるのだ

食べ終わったら
眠るのだ
灯りを消して
明日のことなど考えずに
体を休め
心を鎮め
眠るのだ

2012年7月1日日曜日

帰る場所がない

何に憧れて
何を手に入れようとしていますか
それとも
もう憧れは
わすれてしまったの?

初めて経験したとき
ドキドキして
すごいね! と思ったことが
いまは誰も見向きもしない

いま
あなたは
どう思う?
初めての経験した時の感動のこと

答えを聞くまで
きょうは帰りたくない

というか
帰る場所がない

2012年6月30日土曜日

人々は考えも

楽しいことが始まる前に
楽しいことが終わった後のことを
考えるのは
悪い癖ですか

未来を予見し
対策を打とうとすることの
弊害はありますか

明日まで考えても
私にはわからない答が
あのひとには分かるのかどうか
あなたはどう思っているか
人々は考えもしません

北京の食堂にて。


なんともいえぬ表情が愛嬌たっぷりの俊太郎さんと北京留学中の私。北京の食堂でお腹をすかせて。撮影は詩人の田原さん。みんな、気楽にパクパク食べられる料理が好き。

2012年6月29日金曜日

浜辺の少年

少年が砂浜に打ち上げられていた
気を失いながら
考えごとをしている
波は
彼のところまでは届かない

塩にぎりと梅干し
鍋でご飯を炊くと
全部おにぎりにして
ラップで包む
たまに廃棄されているコンビニの弁当や
作りすぎて埋められようとしている
山積みの野菜を
羨ましく思う
なぜ食べ物を羨ましく思うのかは
分からない
わかる必要もない?

照明を点けなくても
月夜の浜は明るすぎて
手相や砂粒さえ
くっきり見ることができる

思いではなんのためにあるのだろう
海はなんのために
陸地を遮っているのだろう

少年の命は
始まりから測るのと
終りから測るのと
どちらが長いのだろう

打ち上げられた少年には
分からない
わかる必要もない?

浜辺に落ちているのは
波が洗ったものばかり
そうでないものは
そこにはない
そこにないものは例えば
炊飯器と照明のようなもの
少年には
必要なかったもの

2012年6月28日木曜日

いつからが未来?

行きずりのカモメに指揮棒を振っている
行きずりのカモメは歌うの?
それとも楽器を奏でるの?

雨の日のバスに指揮棒振っている
雨の日のバスは歌うの?
それとも楽器を奏でるの?

遠くのカミナリ雲に指揮棒振っている
遠くのカミナリ雲は歌うの?
それとも楽器を奏でるの?

月の砂漠に指揮棒振っている
月の砂漠は歌うの?
それとも楽器を奏でるの?

ディズニーの森の精霊に指揮棒振っている
ディズニーの森の精霊は歌うの?
それとも楽器を奏でるの?

こまったちゃんに指揮棒振っている
こまったちゃんは歌うの?
それとも楽器を奏でるの?

分子構造式に指揮棒振っている
分子構造式は歌うの?
それとも楽器を奏でるの?

総額100万円還元キャンペーンに指揮棒振っている
総額100万円還元キャンペーンは歌うの?
それとも楽器を奏でるの?

クマノミを図鑑で調べた子に指揮棒振っている
クマノミを図鑑で調べた子は歌うの?
それとも楽器を奏でるの?

消費税増税反対に指揮棒振っている
消費税増税反対は歌うの?
それとも楽器を奏でるの?

屋根瓦が割れそうだに指揮棒振っている
屋根瓦が割れそうだは歌うの?
それとも楽器を奏でるの?

愚かな私に指揮棒振っている
愚かな私は歌うの?
それとも楽器を奏でるの?

いつからが未来? に指揮棒振っている
いつからが未来?  は歌うの?
それとも楽器を奏でるの?

2012年6月27日水曜日

ふわふわ

きょうはいちにちじゅう
ふわふわしている
からだが
ふとろうとしているのかな

ふわふわ
ふわふわ

あしたもいちにちじゅう
ふわふわするかな
ゆめみたら
きもちいいかな

ふわふわのくちびるから
ふわふわのことば
たよりないかんじ
こころもふわふわしているのかな

2012年6月26日火曜日

Curry Salmon

僕のあだ名はCurry-Salmon
CurryとSalmonが主食
毎日食べています
CurryとSalmon
飽きません
食べたりません
もっとこのままずっと行きます

Curryがなくなったら
この世は闇
Salmonがいなくなったら
世界は地獄
親友が嫌いでも
僕は好き
CurryとSalmon

Salmon色の夕日
Curry色の夕闇
CurryとSalmonで満たされてゆけ

愛する人と
CurryとSalmon
幸せが満ちる
CurryとSalmonの世界
宇宙へ広がってゆけ
海と川と大陸の香辛料がある限り

2012年6月25日月曜日

そんなとき

なぜ生きているのか
たまに考えると分からなくなる
だけど
そんなとき
僕は生きていると感じる

2012年6月24日日曜日

楽しいことを

楽しいことを
もう一度やろうと思います
誰彼に気兼ねなく
のびのび自由に

あなたを
誘い込もうと思います
特別の企みはなく
素直に気楽に

どんなことも
やりたいようにやろうと思います
ひと目を気にせずに
自分なりの方法で

いつまでも
やり続けたいと思います
飽きてしまっても
また楽しくなるまで

2012年6月23日土曜日

日照りの熱、どろんこの道

土の上に草が生い茂っていてそこに急に
日照りの熱を冷ますような大雨が降ってきて
遊んでいた小学生たちはかけ出したが
なかなか勢い良く走れないのは
心と体がしっくりいかないから

二階のベランダのある窓から
中学生がその様子を見ていて
やや薄暗い部屋には最近LEDのスタンドライトを
親に頼んで買ってもらったが
点けるより点けないほうが好きで
ぼんやり過去の自分が
行った場所のことなどを思い出していて

あの日も
土の上に草が生い茂っていて
そこに急に
日照りの熱を冷ますような大雨が降ってきて
木の下へと走りだしたが
想うように早く走れず
シャツが背中にピタッと張り付いて
熱を奪われ
友だちと一緒に大騒ぎした

あんなに大騒ぎしたのに
その友だちが
いま何を考えているのか
もしいま会ったら
本当のことを話してくれるかどうか分からない

自分は本当のことを話せるだろうか
そうだ
一緒に
雨の中に飛び込み
どろんこの道で転げ回ろう

そうすれば きっと

2012年6月22日金曜日

雨が言っている

雨があらゆるもののなかに
降り注いでいて
癒しを与えようとしている

そんなに熱くならなくていい
と言っている

怖い顔しないで
慌てないで
よく見せようとしないで
言い訳も言わなくていい
と言っている

雨は
古ぼけたものと仲良し
古ぼけた というのは
人間の言い方

実は
ぼけていない
いちばん
澄んでいるんですよ
と言っている

2012年6月21日木曜日

冷温停止できるかニンゲン

自己紹介すると自分がどんなニンゲンか
鋭い相手には知られてしまうので
(ニンゲンよりニンジンになりたかったけれど)
それを惧れて私は嘘をつく
本当はそんなことを分かって欲しい訳ではない

私には分かって欲しいことは別にある

相手の自己紹介だって
ほとんど型にはめて当たり障りなく語っているだけで
なにか大事なことを隠しているに決まっている

私は一人でアイスコーヒーをかき混ぜながら
自己紹介の破綻を楽しんでいる

冷やし続けなければ破綻するアイスコーヒーは
自ら体ごと投げ出して
私の前にすべてを曝し
中をかき混ぜられ
好きなように放置される

冷たいままでいて
最期まで
私らぬるい人間の
熱を奪ってください

きのう、詩人の家へ向かう道

2012年6月20日水曜日

召される気配に

神様、まだ、生きていて、いいですか?
まだ、死にたくない、
死ぬ準備が、できていないのです、
見ていてください、
私が、いいと思う、その、タイミングまで、
見守って、いて、ください、

きっと、人の役にたつこと、しますから、
自然を、大事にしますから、
うそをつかないように、気をつけますから、
悪いこと、しません、
でも、ちょっとだけ、大目に見てくだいね、

神様、私は、なんのために、生まれてきたのか、
まだ、知りません
いつも、心が沈んで暗いとき、考えていました、
でも、答えは、あるのでしょうか、
私にわかるような、都合のいい、答えが、

そしてこの街には、きょうも、夜が、やってきます、
昨日の台風は、湿気を残して、去って、
いまは要塞の見張りのような、塔が、見下ろして、います、
薄暗闇が、街のディテールを、隠し、
私の目は、光を反射して、
キッと、光ることでしょう

あっ、獲物は、狙っていません、
狙って、いない、
ただ、私は、何かを手に入れたい、らしいのです、
それは、悪いこと、ではない、
むしろ、大事なことです、
だけれど、何を、どうやって、手に入れたらいいのか、
迷うばかりで、わかりません、

時間は、あるのでしょうか、
いつ打ち切られるか、知らされないまま、
私は、まだ、続けたいと望んでいます、

2012年6月19日火曜日

きょうを守る命

あの人が死んでから
時が経ったが
あの人の死が
あの人にとって
どういうものだったか
私は知らないまま生きている

あの人が好きなものを
あの人の写真に供えて
あの人に届けたいと願うが
このようなことを
あの人がどう思っているのか
私はわからないまま繰り返している

あの人が死ぬときに
私はそれを見ていなかった
あの人は
死んでいきながら
何を見ていたのか
私は訊くことができずに悩んでいる

あの人が死んでから
あの人がいなくなったが
あの人の気配は
私の周りにいまも残っている

あの人が生きていたら
あの人が死んでいるより
あの人は幸せだろうか
私は幸せかどうかわからない
あの人のことも私のことも
わからないまま生きている

あの人が死んでから
人々はあの人と会えなくなって
あの人には
新しい友だちが
出来ただろうか

あの人は死んだあと
体と記憶を失くし
ただの命となって
また会いにやってくるのだろうか
それとも
会いに行くのは私たちの方なのだろうか
どこに行けばいいか
分からないで迷う
私たちに答えは見つけられないまま
今日を生きていく

-----2012年6月17日、映画『きょうを守る』(菅野結花監督)を観て

2012年6月18日月曜日

窮屈な器

猫なで声で
猫背のあなたに
話しかけてみた
あなたは
あなたを抜けだして
きょうもどこかに出かけていた

帰ってきたとき
あなたから微かに
潮の香りがしたので
ビーチに行っていたのだろう

器の方のあなたは
誰かと抱き合って
昇り詰めようとしている
中身のあなたはあくびをして退屈そうだ

私も器に帰ろうと
元の器を捜しはじめた

だが
誰かに撤去されてしまったらしい
仕方なく
ここにはいったのだ
小さくまだ目もあかない窮屈な器だ

2012年6月17日日曜日

新しいポスト

錆びたポストに
真新しい手紙が届いた日に
私は家を出ていった

出ていって
帰ってくることはなかった

錆びたポストを
道路に突き出して
家族は家で生活していた

そして
妹も家を出ていった

父母が残り
錆びたポストを掲げて
この家を守っていた

家は
私が生き延びるために
融資の担保にされ
父が死に
やがて母は追い立てられて
この家を出た

私は母を新しい部屋に連れて行った
母の部屋は私の新しい帰省地になった

部屋からは富士山が見えるという
エレベーターで出会う人々と
挨拶を交わすという

母には守るべき家がなくなった
掲げるべきポストもない
ただ
気楽さを入れる空白ができた
空白はさびしいが
その空白は
新しいポストになった

新しいポストは
錆びたポストの
親戚なのか

そこに
私は新しい手紙は届くが
もう出ていく人はいない

2012年6月16日土曜日

就活生Nさんの場合

学校を卒業したら
どこかの会社に入るつもり
就活のためにスーツを買い
学生というより
これからは就活生やる

想定問答を何度も練習し
自分の長所とメリットを
うまく自分から語らなければならない
短所をどう克服しているかさえも
無理やりにでも
答えを用意して行かなければならない

迷い苦しんでいる会社の人に
癒しを与え
自信を取り戻してもらうのだ
そうしたらきっと合格する

ストレスがたまったら居酒屋で愚痴るんだ
とりあえずビールなんて余裕はないから
好きなお酒を最初から注文して
楽しかったころを懐かしんで
乾いた涙をぬるい風に晒しながら

《ホンネのつづきはミクシィへ》

2012年6月15日金曜日

大きくなるテレビ

テレビは窓とは違う


テレビはギロチンと同じ
時間がくると
さようなら

長いものに
巻かれもするが
短くカットするのが仕事

正義の味方のフリをして
いつの間にか成りきって
ギロチン
人殺し

お茶の間に届ける
お茶の間の団欒を
消し去って

誰のために何をしているのか
分からなくなっても
省電力を錦の御旗に
大きくなっていく

2012年6月14日木曜日

召しませ詩

しめ縄を締めてある岩の清水で
飯を炊き
酢飯とし
鰯を乗せよと

皺のある和紙につつまれた箸で
端まで残さずいただくのだと

橋のたもとに
幸せがやってくる
きっと幸せがやってくると
言わしめる何か
いわし雲を見上げて





参考作品
詩 未 来 創 作: いかすすいか

2012年6月13日水曜日

幸せの種

除染され新しく敷かれた芝生の上に
夕方になって霧雨が降る
その庭をランプが照らし
あなたと私が歩いてゆく

お皿ごとに出される銀のカトラリーで
植物に囲まれながら食事をすませたあと
薄い花びら色の車に乗って
渓流沿いのこの部屋まできた

車窓の風景は
緑の中に明かりを灯していた
あのころ
私は反抗期だった
あなたは幸せでしたか
横顔が幸せだよ と答えだが
あのころのあなたの日々の中に
あなたは不幸せを探しに行ってしまった

それは
幸せの種だったの?
祈りは通じたね


2012年6月12日火曜日

石畳の道

石畳の道
歩きにくい石畳の道
走り出したいけれど
ここは石畳の道

石畳の道は
古くからあるこの街の
道から路へと通じる途

走る人もあったが
容易に足をくじいてしまう
意地悪な道

未知へと続いているのか
知らんぷりで
手を取り合って歩くと
広場の外れの塔のところで
途切れてしまう道

石畳の道は
足音を響かせて
なかなか眠りにつかない道
何も語らずに
聞き耳をたてている
好奇心あふれる道

石畳の道は
いつまでもここにあるのか
私が戻るときに迎えてくれる
優しい道

2012年6月11日月曜日

僕は詩をやめるかもしれません

僕は詩をやめるかもしれません
いつも悩んでいます
または基本単語600語だけで書くとか

屋久島に初めて一人で行ったときに
島の海岸をぐるっと巡る道をレンタカーで走りながら
僕はその時も詩をやめようかと考えていました

詩は何故かいつも僕のそばに居ましたが
僕は詩がそばに居るだけで満足でした
気が向いたらすぐに詩を味わうことができたからです

何処かの町の食堂でポカンとして頼んだ定食を待っていた時
壁の棚に設置された古びたテレビから
いきなり詩の朗読が聴こえてきて 僕は
自分が知っているその詩がこうしてテレビで読まれることが
とても嫌でした

詩は皆のもの とよくいわれますが
僕は自分だけで楽しみたかったのです
しかし詩を楽しんだあと その詩の良さを
なるべくたくさんの人に知ってもらいたいと願いました
そして僕は 自分が書いた詩も合わせて知って欲しいと
願いました

自分の好きなものを
他人が紹介するのを受け入れるには
高いハードルがあるのだと知りました

会社で働いている時
僕は詩を仕事にしたいと思っていました
誰もがそうして競い合えば楽しいと思い
詩を無理やり仕事の場に挿入しました

詩は自由で
変幻自在 神出鬼没
しかも食べ物のように味わってもなくなりません
永遠に存在しつづけるかのようです
僕は食うに困っても
詩があることで命は死なないのだと勘違いさえしました



2012年6月10日日曜日

永遠につづいていくキスだった


掛け算の九九ができなくてもひとつひとつかぞえることができる
漢字の読み書きができなくても
挨拶の言葉をはっきり言うことができる

あなたは
あなたの前にいる人の気持ちを受け止めると
いつもお祈りをする
このひとの夢がかないますように と

余りお喋りは上手じゃなくても
役立たずの言い訳に時を費やすこともない

天使がやってきたとき
あなたはうれしそうにキスをした
それは
とても自然で
永遠につづいていく
キスだった

2012年6月9日土曜日

やっかいなあなた

悔しさは薬になる
あなたは夕日に向かって諦めた顔をしている
いまは挑まないのだろう

苦い果実を齧って
何かを企もうとしているが
気づいていない

自分のことなのに
冷たい視線で見つめたきり
突き放して
足の指で弄ぶだけ

2012年6月8日金曜日

何も知らずに死んでゆけ

食べ物はある
捨てるほどたくさん
だが
お前に渡すことはできない
お前は黙って死んでゆけ

この食べ物には
微量の毒が入っている可能性があるから



救助隊もある
彼らを雇うためのカネもある
だが
お前を助けに行くことは出来ない
お前は黙って死んでゆけ

お前の命など
見知らぬ名前ほどの価値しかないのだから



情報はある
みんなのカネで手に入れた情報だ
だが
お前に渡すことはできない
お前は知らずに死んでゆけ

お前はすぐに
パニックを起こすから



私たちに
それは任せておけ

そして 何も知らずに
死んでゆけ

もしうまくいけば
何も知らずに
生きてゆけ

2012年6月7日木曜日

幸せになると

幸せになると
不幸な人のこころが
見えなくなるから
お前は幸せになるな

ある朝
天使が私の前に舞い降りてきて告げた

幼い私にはその意味がわからなかったから
私はそんなお告げなどすっかり忘れて
長い年月を過ごした

ある朝
あの時の天使が
またやってきた

私は突如思い出した

そんな私に天使は告げた

不幸せになると
幸せな人のこころが
見えなくなるから
お前は不幸になるな

だが私にはその方法がわからなかったから
私はそんなお告げなどすっかり無視して
今までどおり不幸な人のこころの傍らで
暮らすことにした

2012年6月6日水曜日

やりすごす日々

街の模型の上 を 歩いているとカタカタ ウーンと唸り 電車が 走っている
夕方の風は 昼の空気のよどみを 押し去ろうと している
工場の煙 調理の油っぽい煙 車の排気ガス
街には 灯りが点ろうとしている
巨人の 私
足の踏み場もない街の上空の空気を吸いながら
ゆっくりと 視線を 旋回させる

あのこも あのひとも 知らないあの人も いやなあいつも 
がんばっているあの素敵なひとも
街の 大地の上に 頼りなげに 着地して
今を過ごしている

ひときわ 高い 塔が ライトアップされ
街の中で シンボルを 主張している

待っている 相手が 来ないのは
私が 待ち合わせ場所に いないから なのだろうか
それとも
待ち合わせ場所が
変わってしまったからなのだろうか

もう
夜になろうとしている
毎晩毎晩 ご苦労さま なことだ

むかし
「お呼びでない?  こりゃまた、失礼しました!」
っていうギャグが 繰り返し 聞こえてきたが
世の中は 呼ばないのに来るもの で満杯だ

巨人の私は 上空で 考える
呼ぶ人が 少なすぎる
待っているばかり の 人が
多すぎる
待っているだけでは駄目だ と いいながら
来る日も 来る日も
ただ 待っている

そのくせ
待っているものが来ても 気にもとめず
やりすごしてしまうのだ

俊太郎&DiVa こころの旅 観に行きたい


2012年6月5日火曜日

苦しんでいる人に

「もうだめかもしれません」
と心のなかでつぶやいて
絶望を抱えて苦しんでいるね

だれが
「もうだめかもしれません」って
言っているの?

その人に
あなたから
話しかけてあげて!

「あなたはそう思っているかもしれないけれど
私はそう思わないよ」って

だって
苦しんでいる人がいたら
いたわらなくちゃね

お互い様だから
あなたが苦しい時には
私がそばに居て
あなたをいたわるから
私が苦しい時には
あなたがそばに居てね
詩がからっ風になって吹いているが
誰も気に留めていない

その詩は私の詩なので
私だけが気にしている

私は分かりにくい生き方をしている
だから私が書く詩は
時々からっ風になってしまう

好きな女の人にまとわりついた布は
ほどけそうだが
詩の謎はこんがらがるばかりだ

2012年6月4日月曜日

メロンパンは私に

私の目の前にあったはずの食べかけのメロンパンが
消えている
誰が食べたのだろう

死にたい と
検索窓に打ち込んでから
読みたいものを探し始めたら
死ぬ前の準備 とか 嫁に殺された俺がさっそうと登場 とか
変なものがたくさん出てきた
しばらく探しまわっていると
あるカウンセラーのページに行き着いた

その文章には
見たくない言葉がなく
ページをめくると挨拶ができなかった少年の話が紹介されていた
少年はなぜ挨拶ができなかったのか
そこにはこう書いてあった

「人に挨拶をすることと、死んでいく父親に挨拶していないこととが、重なり合っていたんですね。つまり、さよならを言わない限り父は、自分の中に生き続けていることになるわけです。
 父に挨拶をし終っていないんだから、他人に挨拶なんかできっこない。挨拶をしてしまうと、父が本当に死んでしまうから、遠くに行ってしまうから・・・。
 でも、こうした気持ちや感情は、頭の中で一瞬の無意識のうちに作られてしまうことなんです」


私は立ち上がって数歩歩き
訳もなく壁にかかっている鏡をのぞきこんだ

くちびるの左下に
メロンパンのカケラがついていた
メロンパンは
やはり自分が食べたのだ

2012年6月3日日曜日

負担なく帰りたい

連れてくるのかな
猫も
連れてくるのかな
ふたり
ナナとビスケット

あのひと

連れてくるのかな
連れられてくるのかな

ライラックの咲く坂道
バッグ振り回して
登ってくるのかな

猫の鳴き声聴こえたら
あのひとの
泣き声と
間違ってしまいそう

青空に雲は流れ
ビルとビルの間に
この季節らしい風が吹く

そろそろ
自分の部屋に帰ろうかな
あのひととの待ち合わせは
6年前

もう地名も番地も変わってしまった
あっ
そういえば
自分の部屋も
今は新しい駅で降りなければ
負担なく帰ることは出来ないのだ