私の目の前にあったはずの食べかけのメロンパンが
消えている
誰が食べたのだろう
死にたい と
検索窓に打ち込んでから
読みたいものを探し始めたら
死ぬ前の準備 とか 嫁に殺された俺がさっそうと登場 とか
変なものがたくさん出てきた
しばらく探しまわっていると
あるカウンセラーのページに行き着いた
その文章には
見たくない言葉がなく
ページをめくると挨拶ができなかった少年の話が紹介されていた
少年はなぜ挨拶ができなかったのか
そこにはこう書いてあった
「人に挨拶をすることと、死んでいく父親に挨拶していないこととが、重なり合っていたんですね。つまり、さよならを言わない限り父は、自分の中に生き続けていることになるわけです。
父に挨拶をし終っていないんだから、他人に挨拶なんかできっこない。挨拶をしてしまうと、父が本当に死んでしまうから、遠くに行ってしまうから・・・。
でも、こうした気持ちや感情は、頭の中で一瞬の無意識のうちに作られてしまうことなんです」
私は立ち上がって数歩歩き
訳もなく壁にかかっている鏡をのぞきこんだ
くちびるの左下に
メロンパンのカケラがついていた
メロンパンは
やはり自分が食べたのだ
今日職場で
返信削除「声優の三ツ矢雄二が『酔っ払って朝目覚めたら、手が真っ黒だったのよ』って話知ってる?」
と部下の子が言うので
「何それ?」って聞いたら
「『で、なぜか栗ご飯ができてるのよ』」って
「ええ~! 記憶ないままに栗むいてたってこと?」
と驚いたら
「私もたまに、炊き込みご飯つくってるんだよね」だって
すご~い。
無意識に栗ご飯や炊き込みご飯を炊いちゃうって、どういう心理なのでしょう。けっこうな作業ボリュームだと思うのですが、記憶がないっていうのは酔っ払っていたから?
削除知らない自分が出現している不気味さは、いつも我々につきまといます。