2012年7月10日火曜日

あなたと出会ったたとき

石造りの街であなたに出会ったとき
私は別の人と一緒でした
あなたはひとりで
何をしに来ていたのでしょう

オープンカフェで昼下がりに
穏やかな季節の風景を眺めながら
蜂蜜を絡めてこんがりローストしたフォアグラの
サンドウィッチを片手に
私は遠い街で出逢った別の人のことを考えていました

私の連れは舞踏会に行く準備がしたいと
そそくさと食事を終えて
ホテルに帰ってしまったのです

あなたは再び現れて
私の目の前をとぼとぼと通りすぎて行きました
とぼとぼと

その牧歌的な雰囲気に
私はいいしれぬ可笑しみを覚えて
思わず顔の筋肉を
映画スターのようにキュートに締めたのです

それからあなたのことを
しばらく考えていました
なんとなく
いろんなところで出会い
挨拶を交わし
すれ違ったあなたと私

いつのまにか夜になって
私は石の外壁の周りを回りこんで
舞踏会の会場に連れと行きました

シャンパングラスとワイングラスは
こうも様々な種類の優雅な線と輝きを
描いているものなんだと感心していると
そこに銀の皿でカナッペをサーブして回る
あなたが現れました

階段の上の壁には
ライオンの彫像が貼り付けられています
私は笑顔を作って
舞踏会をこなし
部屋に帰りシャワーを浴びると
ベッドに倒れ込みました

そこにはあなたが居たのです
なんということか
連れはあなただったのです

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