2010年9月28日火曜日

白いタンクトップ

きみはぼくのすきなひと
白いタンクトップがよく似合う
飾り気のない美しい人
きみの横顔には
しゃれた街並みや緑の草原
曇った窓ガラス 雪の雑木林も
よく似合う
きみはいろんなものをほしがるけれど
ぼくは それらの代わりに
一本の枯れ枝を渡したい
枯れ枝はなんの役にも立たないけれど
きみの頬をふくらますのには十分だ
きみはぼくの誘いにもよくつきあって
軽やかについてくるけれど
きみが思っているのは
いつでもきみの優雅な日常のこと
きみをどこに解き放つかということ
ぼくはきみの部屋にある
きみの写真を思い出す
モノクロ写真のの森の中にいまもつるされているはだかのきみ
その周辺を 天女の布が舞い 漂っていて
きみは今にも放心しそうに こちらを見ている
ぼくは きみに 問いかける
きみはなにをゆめみているのか
きみは いつもわらうばかりで こたえない
きみは なにも ゆめみていない
ぼくは きみに 手紙をかこう
よまれることのない とどくこともない手紙
きみのゆめのなかで もやすといい

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