2010年9月12日日曜日

区別がつかない

毎日 日付変更線がこの身の上を通り過ぎていくのに
通り過ぎでしばらくすると もう
境界線は 溶けてなくなってしまう

初めてそのひとと会った夏の終り
スキー場の斜面に無数に咲き誇るコスモスが
風に揺れていたけれど
その風が
その日が
どんな境界線で区切られているかは
判然としない

コスモスの中に
そのひとはいたけれど
いま そのひとはどこにいて
何をしているのか
その輪郭さえ
とらえることができない

幻と夢の間に
夕日が落ちて
思い出へと誘う

誘っているのが
誰なのか
判然としない

2 件のコメント:

  1. 過去の思い出は、真実の記憶と感じているけど
    夢との境界性はわからない。
    あの人と繋がっていた気がするけれど
    今も繋がっているのか
    そのとき繋がっていたのか判然としません。
    不確かな感覚に共感しました。

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  2. 不確かな感覚って人はたくさん持っていますね。自分が自分をつかまえることは難しい。お腹がすいて自分を飲み込んでしまうヘビの話のように、哀しくも滑稽なパラドックスが存在するからでしょうか。しかし信じることは大事だと思います。信じないこと以上に。

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