2011年7月27日水曜日

彼方へとやり過ごすもの

右から左に夜景を受け流す
光る銃弾が無数に流れている
それは資本主義によって
美化されている

銃弾をかいくぐって人々は
営みを続けている
時に身を低くかがめて
聞き耳を立てている

ある家では
香りのいい葉が焚かれ
男の太く黒い枝が
女のか細く白い枝に
しなだれかかり
キュウキュウと音を立てながら
交わろうとしているが
もともと無理な行為であることを無視しているので
弾けて別の割れ目と裂け目が
樹液で一瞬固定されるのが
せいぜいいいところであり

だが
その刹那の音色にほだされ
毎夜交わろうとする
男と女は
そのことに関しては
疲れ知らずだ

やはり
夜景を受け流しながら
予定表にない行為を
始めるのだ

右から左へと
やり過ごされた風景は
いまはもう
上から下へと
受け流されている

それは民主主義によって
堕落へと
向かわされているかのようだ

3 件のコメント:

  1. 右から左、上から下へ受け流すといえば、
    まず、ムーディ勝山さんが思い浮かびますが、
    何となく、oblaatのポエグラムも連想できます。

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  2. マツザキヨシユキ2011年7月29日 0:17

    ムーディ勝山はとても詩的な存在だったと思います。
    受け流すことが選ぶこと、そんな生き方をしている気がします。それを面白おかしく揶揄するのは、まさしく詩の役割!

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  3. 中村ゆき子2013年2月19日 13:33

    資本主義も民主主義も、肩書きも脚本も、綺麗事じゃないのが一番きれい。
    言葉と心から飾りを外して
    右から左、上から下、流れに逆らわないのが本能で
    堕落じゃないよ。

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