2011年7月23日土曜日

ウィンクされた

古い木の机で
新しいあなたに
手紙を書いている

気づくと
木の机が
勝手に手紙に関与してきている

書きたいことが
知らない思い出の上を
歩いて行く

通ったことのない森の中の道を
明るく輝く雲に平行に歩いて行く
草の積もった足元の地面が
心地よい

私は
木の机が何を思っているのか
先回りして
私の手紙に関与するのを
食い止めようと試みてみた

だがそれはできないことだった
木の机のことを考えると
自分の計画のことをすっかり忘れてしまうのだ

そわそわしながら
そうしているうちに
ずいぶんと時間が過ぎ
手紙は終わりの行を迎えようとしていた

もう手紙用のストラスモアライティングレイドのペーパーも
最後の一枚だ
それを意識した時
囁くように
あなたの名前を呼ぶ気配がした

見ると
紙のうえの 。 がウインクしていた

2 件のコメント:

  1. あなたは、。にウインクされてしまったのですね?
    机が大樹であった時の記憶。
    ストラスモアライティングレイドペーパーが若木だった頃の記憶が、
    あなたの記憶をおそうでしょう。
    そうしてあなたは、私を忘れていくのでしょう。

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