2010年10月22日金曜日

花びら

小峰が大事にしている花
ベランダで咲いている綺麗な花
いつだったかてんとう虫が茎を登っていった
きっとその細い足に
水の流れを感じていたのだろう

小峰は別の流れを感じていた
花びらを染める鮮やかな色の流れだ
茎を伝わるうちに
見る見る変化していくその色は
花托に到達すると同時に
その花びらの色となる

そんなことは理科の時間には
習わなかったけど
小峰はそう信じていた

何かを思い
合わせて握られた手のひらの中で
息づいていた
小峰の思い

しっとりと熱い
愛のような 
愛でない なにかのような

4 件のコメント:

  1. ヤッパ、小峰は、人間じゃなかったでしょ(>人<;)

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  2. AKIRAさん、そうですか?
    人間じゃない証明にはなっていないと僕は思うのですが。

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  3. こんばんは。昨年の詩に、お邪魔しています。

    理科は好きでしたか?

    “花托に到達すると同時に その花びらの色となる”

    紫陽花を見ていたら、その通りだと思いました。
    花托の手前の花柄も、紫がかっていたので。

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  4. マツザキヨシユキ2011年7月5日 1:10

    本当に学校で習わなかったかどうかはおぼてないんです。
    いつも、興味のないことにはボーッとしていたので。
    もっと好奇心があったらよかったな、といまさらながら思いますが、いまもボーッとしています。

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