2010年10月2日土曜日

心の波は寝息になって

屋根を取り払えば
まんてんの星が瞬いている
みんなそれぞれ必要なものを
カバンに詰め込んでやってきた
それは夢の焚きつけにつかう
燃料みたいだ

ぼくはラジオを持ってきた
いつも自分の部屋で聴いている番組を
きょうは周りの友だちを気にしながら
ちょっと自慢気に聴くのだ

なかなか周波数が合わないが
ノイズの波の向こうに
見え隠れするいつもの声

星も何かのメッセージを発しているのだろうか
壁を何枚か隔てた所には
みんなと同じ布団を敷いて
小峰が寝ている

同じ星の天井の下
同じ星の同じ場所で
寝息はモールス信号のように繰り返し
未来のメッセージを伝えようとしている

2 件のコメント:

  1. 私は絵本を持ってきた
    「きかんしゃ やえもん」
    「ちいさい おうち」
    「ちびくろさんぼ」
    何度も何度も読んで、
    本を見なくてもそらんじることができる
    私の原動力

    同じ星の天井の下
    同じ星の同じ場所で
    小峰の寝息を聞きながら、
    私は、私のメッセージを発信する

    返信削除
  2. 小峰はいろんなところに影響するんでしょうか。詩の登場人物は、いつのまにか誰かの実在人物のようになることがあります。本物の小峰に関係なく、ももさんの小峰が存在していることが知らされ、作者としてはあわあわしてしまいます。いい意味で。
    ところで、僕の中に実在する小峰も、小峰本人からするとあわあわするのではないでしょうか。いい意味だといいのですが。

    返信削除