2010年10月11日月曜日

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そのひとのことを思うとき
目の前は涙で滲み
辺りは水の香りで一杯になる

じっさいに泣いているわけではない
涙の思い出があるわけでもないはずだ

しかし
そのひとのことを思うとき
その笑顔はさびしさに輝き
笑い声は風鈴の音のように止むことがない

手をつないで遠出をして
初めて眺めた夕暮れの景色
旅先の部屋で勢いよくボタンをはずす指
夜の迷路ををさまよいながら
目をつぶって遠くの音を聴いた

鏡の前に立ち
ツーショットの具合を確かめると
また向きあった胸と胸
そこに激しい嵐の予兆が打ちよせたのだ

朝はあっけなくやってきて
地平線が煙り
すぐに二人は互いを見失った
探すこともままならない

それからどう季節が流れたのか
思い出せず
目を上げるとそこには部屋の白い壁があり
一通の手紙が届いた
カレンダーを見ると
20年の年月が過ぎていた

そのひとは
いま
新しい土地に出発しようとしているという

ぼくは 小さくサインを出してみる
2人へのサイン
何のサインかは自分にも読み解けない

4 件のコメント:

  1. (>人<;)
    人生には、出会いと別れが、
    あるんですね。

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  2. 2人はきっと幸せなんだと僕は思いますが、
    マツザキさん どうですか?

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  3. ぼくにとっては謎だらけな感じがするんです。気持ちは揺れ動くから。不安定な関係は、ことに変わりやすいし、本当はどんな気持ちで、何をしたいのか、本人は一番わかっていないのではないでしょうか。それは、きっと幸せなことのようにぼくは思います。

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  4. 回答ありがとうございます。
    僕は、自分も幸せになりたいし、
    大切な彼女も幸せにしたいと思っています。

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