秘書とタワーに上る
階段で
どうしてこんなことになったのか
覚えていない
ドアに向かう社内の廊下では
秘書は前を歩く
階段では社長が前を歩く
でも疲れると
社長は秘書に前を歩くように命じる
秘書は訳もきかず今度は前を歩く
昇っていく
秘書はハイヒールに
ストッキングの足を心地悪そうに突っ込んでいる
でもすべてをかなぐり捨ててただ歩く
社長がヒーヒーと疲れて愚痴を言う
秘書は頑張らなきゃだめですよと声をかける
秘書は若くよく体を動かしている
社長はしょっちゅう椅子に座って煙草を吸いコーヒーを飲む
だから階段においては社長のほうが不利だ
足がもつれれば怪我をすることにもなる
途中でやめるには
階段を下りなければならない
汗の玉が落ちる
階段の掃除をする人のことが頭をよぎる
秘書は後ろを気遣うようにしながら
容赦なく昇っていく
社長は秘書を制止する
肩に手をかけて
秘書の一段上に倒れるように昇ると
今度は自分が先に行くという
呼吸を5回ほどすると
スローペースで昇り始める
秘書はそのペースに合わせて
二、三歩遅れてついてくる
秘書が持つ鞄には
秘密の書類
社長の後ろからついてくる
秘書の体には正しさが満ち溢れ
秘密の書類は秘書を超えて
どこまでも昇ろうとしている
階段の先の その先までも
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社長秘書が元気で勇気づけられます。
返信削除淡々として元気で、目的本位で。
社長もがんばれ
いろんな秘書さんがいるとおもいますが、秘書さんが元気でいること、とても大変なことのように想像します。秘書さんって本当にすごい。僕には出来ないでしょう。
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