2010年10月3日日曜日

窓越しの猫

へいの上に猫がいる
こちら側と あちら側
猫は 両方 見えるだろう

へいの向こうでは
蛙が 池に 飛び込む
こちらでは 豆腐屋の自転車が
通る

へいとは 関係ないところで
子供の はしゃぐ声が する
もぐらは
もうじき 目を覚ます

電話を切った 女子高生が
涙を流して 泣いている
猫は ちらと 後ろを 振り返る
遠くで 汽笛が鳴って
街に響き渡る

猫は 足音も立てずに 歩き去る
きょうもまた
私が残される

3 件のコメント:

  1. 彼は、何も喋らない
    何度、来ても喋らない
    窓から、へいの上の私を見てるだけ

    蛙の池に飛び込む音がしても
    豆腐屋が通り過ぎても
    とうとう娘が、泣き出した
    汽笛が、それをかきけす

    今日も答えが聞けずに、時間がきて
    私は、ここから歩き出す

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  2. 猫はいじわるなんでしょうか。ぼくは猫の視点になると、いろんなものが新たに見えてくる気がして、たまに利用しています。猫男の被害に注意を!

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  3. 猫は、この詩の中の「僕」に話しかけてもらうのを
    待っています。
    「僕」は自分が残されたと感じているようですが
    実は、猫が待っていたのではないか?
    待ちきれずに哀しくて立ち去ったのではないか
    でも、プライドの高い猫は、そんなそぶりはおくびにもださず。
    残された「僕」が、かわいそうな人の感じを漂わせて。

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