2014年3月25日火曜日

みらいのともだち

ともだちが
そのともだちの
そのまたともだちの
うわさばなしをしている

うわさばはなしを
されているのは
ぼくがあったことがない
ともだちのともだちのともだち

ともだちのともだちにも
あったことがないから
ともだちのともだちと
ともだちのともだちのともだちとでは
どちらがいいともだちになれそうかは
わからない

だけどきっと
とのだちのともだちや
ともだちのともだちのともだちなら
きっとともだちになれるだろう

ともだちとはいいもんだ
ぼくはむねがあつくなる
あったことがないともだちのことをかんがえると
きっと
あったことがないともだちも
あったことがないぼくにあいたがっている

かぜのうわさでつたえてよ
ぼくのうわさばなしを
ついでに
だれもしらないみらいのともだちに

2014年3月24日月曜日

ぼくの頭に巣をつくって

ぼくの頭に巣をつくって
鳥が住みついた
朝から賑やかでしょうがない

友達は
うらやましいという
いい効果音だね とも
ぼくがなにを考えているっていうんだ

そうか
蒼い空に
なにか忘れ物をしてきたっていう
あの 詩人が言っていたやつ?

鳥は巣を出て行ったり
戻って来たり
おい そこでなにか食べるのは
やめてくれないか

人の悩みなんて
こっけいだね なんて
どこかでうわさ話してきたのかい?

ほら
月がのぼってきたら
もう おやすみ
あしたはぼくが

たたきおこしてあげる

2014年3月23日日曜日

樋口くん 結婚の日に

なぜか光ってるね
樋口くん
なぜ光ってるんだろう
樋口くんの顔
なぜか光ってる
樋口くんの目

なぜか目立っているね
樋口くんの筋肉
なぜか少し変だね
樋口くんの話
なぜか面白いね
樋口くんといると

樋口くんは
見ているね
人やものごとを
樋口くんは動じないね
ちょっとのことでは
樋口くんは
何が好きなの
樋口くんが好きなもの
変わってるよね

なぜか人が寄ってくるよね
樋口くん
なぜかいい仕事をするね
樋口くん
なぜかひとを驚かせる
樋口くん

人生の晴れ舞台ってどんな気分?
わりといいせんいけちゃってる
なんて
思ってる?
きょうはおめでたいね

みんなが驚き
ほっとして
うらやましくなり
自分も頑張らなくちゃって
思ってるよ
そして樋口くんから
幸せのおすそ分けをもらって
案外 いつも
もらってばかりだな
なんて 思ってる

樋口くんはそんな人
いつも
与えてもらうような顔をして
なにかを
与えてくれる人

ありがとう
お礼を言いたいことに
いま 気づいた
でも
あんまりイイキになるなよ

2014年3月21日金曜日

封筒

封筒の中に
何が入っているのか
思い出せない

それは
見たことがある
よく知っている封筒

封が外れかかっている
でも
凛とした封筒

誰が何をいついれたのか
分からない
それを誰が知っているかも
忘れてしまった

でも
ここにある 封筒
私がここに来る前から
ここにあった

静止した風が
出てきたがっているかも
知るよしもない
隣人に不利な何かが
入っているのか
信心深い人を喜ばす何かが
入っているのか

見ていると
目眩さえしてくる
四角く視界をふ塞ぎ
静かにたたずむ
封筒

2014年3月20日木曜日

あなたは きっと 帰ってこない

いつもあなたがいたキッチンに いまも
あなたがいるような気がして
見てしまう 何度も

でも そこに あなたはいない

いつもあなたに注意された 悪いくせ
あなたに見られたようなきがして
ハッとして 振り向く

でも そこに あなたはいない

あなたは ほんとうに
いなくなってしまった
どこかへ いってしまった

私は あなたを
待つことはできない
あなたは
帰ってこない

あなたの気配を
まって
生きていくだけ

2014年3月19日水曜日

よごれたおとなには ぜったいならない

ゆきだるまが
おこっていたのは
つくったひとに
みすてられたから

ゆきだるまだって
ずっと
おもっていてほしい
つくったひとに

そんなこと
ぼくにだって
わかる

つくったのは
おとな
せけんをわたり
よごれてしまった
おとな

ゆきだるまは
おしえてくれた
あんなおとなに
なっちゃいけないと

ぜったいならないよ
ぼくは
つくったものをだいじにする
おとなになる

あんな
よごれたおとなには
ぜったいならない
そして
よごれたおとなに
いつも
きみのことを
はなしてあげたい

帰り道が待っている

帰り道が待っている
少し表情を暗くして

帰り道に足を踏み入れる
来たときの足跡をチラ見して

帰り道は家へとつづく
それはいつも変わらない真実

帰り道で寄り道しても
また帰り道に組み込まれる

帰り道を逆に歩いて
帰らない勇気はまだない

いつも帰り道が待っている
凡庸が顔を現す
けれども すがりつきたい毎日がある

2014年3月18日火曜日

わごむ いいきぶん

わごむひいて
あのこのせなか
ねらってあてる
ごめんね あてて

てくびにはめて
ちをせきとめる
だれかにじまん
したくって

たくさんつなげ
ごむとびしよう
ぱんつのごむも
ひきいれて

こわれたふたを
わごむでとめて
がっこうへいく
いいきぶん

2014年3月17日月曜日

Lover

むっつりがおが
かわいいね
おこったしぐさが
しんせんだ
ほおづえついても
えになるね
ないてすがるの?
スヌーピーに

あっさりしてて
さびしいよ
だまったままは
かなしいな
わらうのこらえて
おこりがお
あまのじゃくだね
マイ・ダーリン

2014年3月16日日曜日

そのときもきみは

私が疲れて帰ってきて表紙をひらいても
きみはため息をつかない
居住まいを正して
八百屋がトマトやごぼうやレタスを並べるように
活字を並べている

きみは愚痴を言わず
飽きることもなく
同じ話を
どこからでも
話してくれる

だがきみは 表紙を閉じると
話すのをやめてしまう
その表紙を誰かが開けてくれるのを
ひたすら待っているだけだ

この家にやって来たとき
きみは私のかたわらで
幸せそうにしていた
私の不幸と釣り合って
私に居場所を支えてくれた

私はきみに何ができただろう
愛を注いだことはあったが
旧い昔の恋人のように
思い出の中にしまい込み
たまに取り出してみるだけだった

そして
きみのページの間に
映画の半券をはさみ
どんよりと雲がたれ込めた日に
きみをテーブルの上に投げつけた

そのときもきみは
怒りもせず
ただ表紙を再びあけてくれるのを
待っているだけだった

2014年3月14日金曜日

くやしいときは

くやしいときは
なみだかくして
おおきなこえで
わらうのさ

くるしいときは
そとにとびでて
だいすきなもの
にらむのさ

さびしいときは
あまえたことば
きいてもらおう
ののはなに

2014年3月13日木曜日

ちんこ

おとこのこは
ひそかにちんこを
おもってる
ともだちたちの
ちんこのことをよくしっている
おとこのこは
ひそかにちんこをくらべている
いいちんこには
いいじんせいがまっているから

おとこのこは 
ちんこにいっしょうをささげる
だからちんこをほめられるとしあわせで
けなされるとふしあわせだ

おとこのこはちんこを
ぴかぴかにみがきあげ
なんどでもみつめる

ちんこにじしんがもてないこは
ちんこいがいでじしんをもてないか
いっしょうけんめいかんがえる
そんなことには
とうのちんこはおかまいなしだけど

あるひちんこはたびにでる
すきなあなをもとめて
ながいだびにでる
おとこのこは
おずおずとついてゆく

そして
あるひ
ちんこから
こういわれる

「きみはぼくより
   りっぱなにんげんだろうか」

すると
おとこのこはきまって
うつむいたままこうこたえる

「ぼくはもっとりっぱになる
   きみがいてもいなくても
   へいきなくらい」

ちんこはだまってきいている
ちんこには
ともだちがいなかったから

おとこのこは
そんなちんこを
ふびんにおもう
ちんことは
もちつもたれつのかんけいだ

ぱぱのちんこが
ゆめのなかでかたっている
ちんこのことは
あまりきにするなと
どんなちんこをもっていても
にんげんはじぶんのじんせいが
じぶんでつくれるから
ちんこにかんけいなく
いいじんせいが
まっているから

2014年3月12日水曜日

ちえのわ

ちんこがぼうちょうして
そらをみあげてた
ぼくはそれをむりやり
ぱんつにおしこんで
がっこうへかけていった

おんなのこのおっぱいが
あるくたびに
ちいさくなみうって
すかーとが
ゆれて
なかからぼくをさそっている

ぼくはちんこで
おいでおいでする

ぼくのからだは
おんなのこに
むいている

こんなにはなれているのに
くっついてはなれない
ちえのわみたいに

2014年3月11日火曜日

わすれずに なはがさいた

わすれずに
なはがさいた
かわいくて
きれいなはなだよ

わすれたのは
ぼくのほう
はなびらにとじこめた
さびしいそらいろ

はながあわく
かおってる
なつかしい
いいかおりだよ

あわくおもう
ずっとまえのこと
となりにいたのは
いまはいないひと

2014年3月10日月曜日

しんだひとのいのち

せんそうでしんだひとが
からだをぬけて
おもいでもすてて
ひかるたまになって
とんでゆきます

そのちいさなたまは
めにみえないほどちいさい
ひかりのつぶで
できています

ひかりのつぶはじぶんでひかっているようにみえますが
たいようからふりそそぐひかりをうけて
そのちからでひかっています
しかし
もしひとにみえたとしたら
それは
はんしゃしたひかりのほうです

せんそうでしんだひとは
せんそうをしたくないおもいで
せんそうをしていましたが
しんだとたんに
どうでもよくなってしまいました

いろいろなものをすてると
とてもらくになって
てきだった
しんだへいしも
もういっしょにはなねをのばして
わらいながら
ひかっていましたから

2014年3月9日日曜日

やったもんがちのよのなかは

やりたいことをやりたいときは
やりたくないことやらなきゃいい

やりたくないことやるときは
やりたいこともやればいい

やりたいことと
やりたくないこと
たまにいれかえてみるといい

やったもんがちのよのなかは
やりたいことと
やりたくないこと
どっちもやらなきゃはじまらない

2014年3月8日土曜日

なにがおやすみ?

たびびとは
たびをするのは
おやすみ

ままは
しょくじのしたくは
おやすみ

ねこは
ひげをじまんするのは
おやすみ

くもは
あめをふらすのは
おやすみ

さなぎは
ようちゅうがそだてるのは
おやすみ

うみは
なみをキラキラさせるのは
おやすみ

ぼくは
しゅくだいをするのは
おやすみ

きみは
きょうなにが
おやすみ?

しじんは
しをかんがえるのは
おやすみ

2014年3月7日金曜日

ミントティーを
入れましょう
きょうのお客は
かわいいこ

グラハムクッキー
添えましょう
風が吹いて
雲間から太陽

銀のスプーンで
混ぜましょう
指輪もいっしょに
回ります

涙はこっそり
こぼしましょう
いないないばあ
ひとりあそび

2014年3月6日木曜日

ね きんぎょ

あのひとがかえってくると
また でていってしまうのがしんぱい
ね きんぎょ

あのひとがでていくと
また かえってくるのがまちどおしい
ね きんぎょ

そんなことをくりかえしているうちに
こんがらがって わからなくなってしまった
ね きんぎょ

あのひとがいるのといないのと
どっちがしあわせなんだっけ

ね きんぎょ

2014年3月5日水曜日

きいろいくまさん

きいろいくまが
わたしをみつけると
きのうえから
とびおりてきた

うでをくびにまきつけて
みみもとで
なにかいっている

ぐしゃ ぐしゃ
ぎゅう ぎゅう

なにを
いってるのか
わかりません

わたしは
にんげんかんけいで
なやんでいるので
かまわないで

じんせい
おもいどおりに
いかないことばかり

きいろいくまさん
にたっ
と わらって
とびさった

あらら
おとしもの

きんいろの
ちいさな
ひかる
うんこだよ

2014年3月4日火曜日

きれいなこころを つむひとに

きれいなおはなを
つむひとが
きれいなこころも
つんでいた

きれいなこころを
つまれたひとは
かれたじんせい
おくってた

きれいなこころを
そだてるひとに
きれいなこころが
あふれだす

きれいなこころを
つまれたひとに
きれいなこころを
あげました

2014年3月3日月曜日

ことばでうまくいおうとすると

ことばでうまくいおうとすると
こころがひろがってゆく
こころでうまくうけとめようとすると
やさしいまなざしになる
やさしいまなざしでといかけようとすると
あいがふかまってゆく
あいをふかめようとすると
ことばをかけたくなる

きみのくちびるが
ちいさくうごきだして
こえがおくれて
こまくをたたきにいく

つきのきれいなしずかなよるに
なみおとのように
くるかえす
きみのといきが
ことばをはこんで
よるがそこだけ
しんとしずまりかえった


*みちるです。ことばってやっぱり、魔力が備わってしまうことがありますよね。詩はその魔力を使った芸術です。

2014年3月2日日曜日

おかねのことばかり きにしているおとこ



おかねのことばかり
きにしているおとこがいた
おとこはちいさなおかねを
あつめるのがすきだった

ちいさなおかねを
ながいじかんかけてあつめると
むらのひとびとをしょうたいして
えんかいをやった

だがむらのひとびとは
おとこのきげんがわるいことをしっていた
そこでおとこのきげんをとって
もてはやした

おとこはふくざつなきもちだったが
やがて
またおかねをあつめはじめると
きもちはおちついた

おとこはおかねをあつめるために
おおくのものをぎせいにした
それがおとこのじんせいだった

おとこがしんだあと
のこされたおかねは
にょうぼうがうけついだ

にょうぼうは
かなしみもかんじたが
よろこびのほうがおおきかった

おかねのことばかり
きにするのは
にょうぼうのほうが
いちまいうわてだったようだ

2014年3月1日土曜日

ろうそくのほのお

ろうそくの
ほのおのかたちは
つぼみのかたち
これからはながさくのかな
わたしが
ふーっといきをかけたら
へんなゆがんだかたちになって
どこかにとんでいっちゃった
とうめいなマントをきて
しろいけむりのせんをのこして

2014年2月28日金曜日

かみさまのともだち

あたらしいものを
うまなくなると
ひとは
しんでしまう

きっと
かみさまは
あたらしいものが
すきなんだ

それに
おもしろいものがすきなんだ

ぼくも
あたらしいものや
おもしろいものがすきだ

かみさまは
いばっていそうだけど
ほんとは
さびしがりやなのかもしれない

だからたまに
そらいっぱいに
うつくしいゆうやけをえがいたりする
そうぞうもつかない
こわいゆめをみさせたりする

ねえ
ぼくは いいともだちでしょ
かみさまのきもちがわかるから

2014年2月27日木曜日

ぎょうれつのかんがえ

ぎょうれつになびました
なんのぎょうれつかは
わからなかったけれど
みんながそうしているように
わたしもそうしました

そして
まえのひとがすすめば
わたしもすすみ
まえのひとがとまれば
わたしもとまりました

ぎょうれつはのびてゆきました
いちばんまえも
いちばんうしろも
どうなっているのか
わかりません

ひこうきが
あたまのうえをとんでゆき
そらのかなたで
ぎんいろのほしとまじわりました

ぎょうれつのまえでは
だれがまっているのでしょう
あるいはだれもまっていないでしょうか

わたしはぎょうれつを
あいしはじめました
そしてしんじはじめました
きっといいぎょうれつにちがいないと

しかしぎょうれつは
うらぎることをかんがえていました

どうやって
てきをまいて
じぶんだけいいおもいをしようかと
かんがえていたのです

2014年2月26日水曜日

絶望の先生

ゆうさん
お元気ですか
わたしは不元気て不幸な毎日を送っています
以前
時間というものはライバルでしたが
いまはわたしをこの世界に漂わせておいてくれる
波やそよ風と一緒です

ゆうさん
あなたは軽く笑うでしょう
私の目をみながら
なぜ不幸なんだと
何が不幸なんだと
たしなめるでしょう

わたしはあなたを困らせるつもりは
ないのです
あなたには分かっていますね
わたしがわたしの中にわいた
一つのアイディアに
捕らわれていると

たしかにそうです
でも
だから
わたしはここから踏み出すには
大きな犠牲が必要になってしまうのです
その犠牲はわたしの命を奪ってしまうでしょう

わたしは蛇足と知りながら
結論のあとに
わざと付け加えます
あきらめを味方につけるために
見放された愛の後ろ髪を
繋ぎとめている
明け方に見るユメのために

2014年2月25日火曜日

たべられちゃった

ぼく
たべられちゃった
かみくだれて
のどのおくにおちていった
ぬるぬのとんねるを
まっさかさまにおちていった

きのうのおやつ
かくさずに
たべておけばよかった
なおとがほしがってたしーる
あげちゃえばよかった

ぼく
もまれて
とかされてゆく
もう あしのゆびも みえない
めも みみも とけて
なくなっていく

きっと
えいようになって
からだのなかをながれていくうちに
のみこんだやつに
なってしまうのだろう

まあ
それもわるくないか
だが
このことばをしゃべっているぼくが
いったいどうなってしまうのか
それがもんだいだ

ああ
ぼくはいなくなったのに
にほんごのことばが
のこっている

だれか
たすけてくれ

2014年2月24日月曜日

包まれ上手な人が

包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人がなにかに包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人がふわふわの毛布に包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が春巻きの皮に包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が餃子の皮にも包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人がしっとりした愛に包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人がきわどい愛にも包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が竹の皮に包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が和柄の包装紙に包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が朝日新聞に包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が毎日新聞にも包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が金色の折り紙に包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が冷たい空気包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が淀んだ空気にも包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が相変わらずまったりと包まれました
包まれ上手な人が包まれました
そして淋しく包まれたまま
箱に入れられ
去ってゆきました


*長いものには巻かれ、郷に入っては郷に従う。なんのギモンも感じずに、そうして行きてゆく人に、包まれないように、しましょうね! みちる

2014年2月23日日曜日

いじわるなきりん

いじわるなきりんは
とおせんぼ
ことりがとおる
そらのみち

いじわるなきりんは
のぞいてる
こいびとたちの
ひめごとを

いじわるなきりんは
みはってる
しゃっきんとりの
みかたして

いじわるなきりんは
ぬがせたい
チーターがきてる
にてるふく

2014年2月22日土曜日

ひとでなしのふうふ

あるむらに
ひとでなしのふうふがすんでいました
だけど
いつもにこにこわらっていたので
じぶんたちがひとでなしだとは
きづきませんでした

ひとでなしのふうふは
どんなものでもおかねでかえると
しんじていました
だけど
おかねでくろうしたことがあったので
じぶんたちがそうしんじているとは
きづきませんでした

ひとでなしのふうふは
ひとをうらぎってばかりいました
だけど
いっしょうけんめいしごとをしていたので
じぶんたちが
へいきでひとをうらぎっているとは
きづきませんでした

ひとでなしのふうふは
しあわせにくらしていました
そして
さいごにしんでおおきなおはかにはいりました
おはかのまえには
きらびやかなはながおひがんのたびに
かざられていました



*みちるです。人の因果応報は一代限りのものではないんじゃないかな。立派な親の子どもがバカ息子だったり。世代を超えて、つじつまが合っていく。怖いような、救われたような・・・

2014年2月21日金曜日

すてねこ

ひろいねこびとが
すてられねこをひろったが
ねこはひろわれてすぐ
またすてられた

すてられねこを
ひろいねこびとが
またひろったが
すぐにまた
すてねこした

だがまたすぐに
すてねこされたねこは
すてられねことして
ひろいねこびとにひろわれて
ひろわれねことなった

ひろいねこびとは
すてられねこをこよなくあいしていたが
すぐにすてねこして
すてられねこのきもちもわからなかったので
あいするひとには
ついにあいされなかった

2014年2月20日木曜日

たけやぶに  はいるべからず

「この たけやぶに
 はいるべからず」

たけやぶの
いりぐちにたてられているかんばんに
かいてあった

あのたけやぶにはいったことは
なかった

だが いまになって
たけやぶのなかから わたしを
さそいいれようとするものがある

たけやぶのなかに
いったい なにがあるというのだろう
はいったことがあるひとは
いないのだろうか

いたら きいてみたいものだ
あの
たけやぶのなかになにがあるのかを

そうしているうちに
ひがくれて
ゆうやみがわたしをつつんでいた

「わたしのなかに
 はいるべからず」

かんばんをたてて
わたしは
わたしをぬけだして
たけやぶのおくへ
あるいていくことにしよう

2014年2月19日水曜日

春の雨に濡れたい

母が
足が痛いといいながら
寒いキッチンで
麻婆春雨を作っている
私はそれを覗き込む

いつもは〈中辛〉らしいのだが
きょうは〈甘口〉だ
私が子供のころ
辛いものが食べられなかったせいだろうか
今は母も私も
辛いものが大好きなのに

出来上がった麻婆春雨が
私の前に盛られ
母は横から
箸でつついてくる

なんとなく
ぎこちない

春がきて
あたたかい春雨に濡れて
家まで駆けて帰った
遠くて近い
あの日々


*みちるです。あなたの母の思い出はなんですか。私はきょう起こったことを、思い出を見つめるような視線でみちゃいます。

2014年2月18日火曜日

くるみのきのしたに

くるみのきのしたに
きれいなびんを
うめました
それは
ゆめみていた
あのころ
ゆめやぶれる
よかんがおとずれた
つきのよる

くるみのきのしたを
ほりかえしては
いけません
そこには
なにもなかったと
わかるから
うめたときのきもちを
かきかえて
しまうから


*くるみの木の下は心地よい。暑い夏には涼しい日陰を、寒い冬には冷えた心を「くるみ」、あたためてくれるから。はい、こじつけですみません。みちる

2014年2月17日月曜日

すきとおるころもをまとって

よごれてしまったものを
おおいかくそうとして
ゆきがふっている

いつまでも
ゆきがゆきをつれてくるので
きりがなく
ふりつもっていく

だが
よごれてしまったものを
おおいかくそうとしているのは
ほんとうは
ひとのおもい

ゆきは
なにも
かんがえていないから

ただその
じゅんぱくのうつくしさで
けがれのないつめたさで
ちじょうにあるものを
おおいかくし
しずめていく

まちもしにたえたえのようだ
あたらしいいのちがはじまる
よかんをふうじられて

いつか
あおぞらから
そそがれる
たいようのひかりにほだされて
みれんをみずにながして
きえていくゆき

そのしたで
たえしのんでいたいのちたちは
ふたたび
うごきはじえる

ゆきからもらった
すきとおったころもを

まとって



*みちるです。雪に襲われて身動きができない人、どんなにか不安なことでしょう。助けたいと願う人はたくさんいても、実際に手をさしのべられる人は僅か。時の権力者の多くは自らの保身があいかわらずの一大関心事。人の命も最優先にはならない。市民・住民は為政者の悪行にいつも責任を取らされる。雪は神様からの「問い」のように降ってきます。その「問い」を受けとった人は、きっといつのまにか「すきとおったころも」をまっとている。このころもは、いいころもだよ!

2014年2月16日日曜日

全員集合

1

雪降る夜に
餅食った

餅つきの昼
雪降った

それでおいらは
こんがらがって

餅つきせずに
雪食った

2

ファミレスすきさ
ファミリーレスさ
ひとりぼっちは
さびしくないさ
かってきままに
ファミレス暮らし
ひとりじめだよ
全員集合


*我が国の都会にはファミレスが少ない。ファミレスは孤独な人のパラダイスである。
狂った世の中を見詰められる深夜のラジオのようである。みちる

2014年2月15日土曜日

くのいちのせいかつ

くのいちは
くくをいう
くくがいえない
くのいちは
はいくをひねる

はいくをひねる
くのいちが
はいているのは
くろいくつ

くのいちは
くつをはいて
はいくをひねり
はいきんぐ

はいくをひねらぬ
くのいちは
くくをいいつつ
くつしたにあな

たびははかぬ
たびはみちづれ
ここんとうざい
くのいちは
つきをめでつつ
つつがなく
つりにきのぼり

つつましきかな
つつましきかな

2014年2月14日金曜日

チョコレートのカード

下駄箱の中の
チョコレートは
どこからやって来たの?

海の道を歩きながら
カモメにきいてみようとしたが
あいにく
カモメはいなかった

しかたなく
家に帰って
サッシをあけて雲にきいてみようとしたが
知り合いの雲はいなかった

それで それならばと
えりかに電話してきいてみようとしたが
えりかの電話は
つながらなかった

チョコレートは何も語らないので
神妙に箱を開けてみようとすると
かすかな甘い香りが鼻に入ってきて
チョコレートの木の映像が見えてきた

そのチョコレートの木の横に
女の子が立って水をやっている
眩しい日の光を背にその子が振り向くと
それは知ってる女の子だった

その子からのカードのメッセージが
チョコレートの下に
埋めてあった

*みちるです。バレンタインデーで初めてチョコレートをもらった男の子は、うまくその思いを受け止めて、返す事ができるでしょうか。きっと、とても難しい人生の試練なのではと、おもうんです。

2014年2月13日木曜日

君にVサインを

小さな船で漕ぎだせは
カモメもママもついてこれない

夕凪の海の彼方から
星が昇るよ

そのきらめきは
いつか君が見せてくれたもの

なつかしい
星降る音が
聴こえてくる

つじつま合わせの
人生とはさよなら
考える前に
思いのまま
やりたいことを
やる

思いのまま
やった
何も言わずに
君に
Vサインを送ろう


*みちるです。なんでも「じょうず」なことは役にたつのかな。でも「言い訳じょうず」にはなりたくない。すなおに自信をもって(ひらきなおるくらいで)やっていけたら、理想です。他人への言い訳も、自分への言い訳も、たまには必要だけど、癖にならないようにしなくちゃ。


2014年2月12日水曜日

ねえちゃん

ねえちゃん
マスクをずっとしてる
たまに咳して
鼻をジュルジュル
でも風邪引いてないって
みんなに言ってる

ねえちゃん
仕事が忙しい
張り切ってやってる

ねえちゃん
ぼくは知ってるんだ
恋人と別れて
父さんみたいな男の人に
やさしくされて
いやされてる

ねえちゃん
たまに黙り込んで
なにか考えてるけど

考えるのにあきたら
きっと
また
新しい恋人作って
ずる休みして
お気に入りの服をきて
海や森に
出かけてく

ねえちゃんが
楽しくしてるとこ
ぼくは
すき

なぜか
ちょっとだけ
さびしいけど

2014年2月11日火曜日

しつもんしないでください

みんなといるとき
なにをどうしゃべったらいいのか
わからない
しつもんされて
みんなはうまくこたえているけど
ぼくには
なにをどうこたえたらいいのか
わからない

げんき?
と きかれても
すこしおちこんでいるし
なにいろがすき
と きかれても
みるときによってちがってみえるし
イチゴジュースはすき
と きかれても
すきなときもきらいなときもあるし
おかあさんはやさしい
と きかれても
おこるとこわいし
おこらなくてもこわいときがあるし
ぼくには
こたえがわからない

みんなはうまく
こたえている

ぼくははんたいに
きいてみたい
しつもんするのはたのしいですか
だまっていてはいけませんか
げんきじゃないと
がっかりしますか

でも
ぼくはほんとうはしつもんしたくない
かんがえていたいんだ
いろんなことを
ながれるくもをみながら
かぜをほっぺでかんじながら
みんなが
かけまわるこえを
とおくにききながら


  詩・みちる

*みちるです。自分のカラに閉じこもってしまいがちな子をみると、仲間だ!っておもう。そんな子には「人とつきあうのが不得意でも、きっと本当に必要なときには、つきあえるよ」って言ってあげたい。自信はないんだけど、でも自分にもそういうことがあったかな、なんて思うから。

2014年2月10日月曜日

喫茶店の壁にもたれて

喫茶店の壁にもたれて眠っているあなたは
いやなことから
徐々に
ときはなたれて
外したネックレスのように
それを眺めている

いやなことも
いいことも
変わりない   と
感じられてくる

あなたは夢のなかで
瞳をひらいている

くちびるは
何かを語り出しそうだが
コトバは歯の奥に引っかかってしまうので
出てこないだろう

私はあなたをたまに盗み見る
私の良心をたしかめるために

あなたはいつまでも
目覚めない

波間から頭をもたげる
群衆の会話の海のなかに
脳を浸(つ)けて
漂っている
あなたの白い躯



*みちるです。喫茶店で気になる女性を見つけました。地味な服装の女性です。彼女はなにかの資料を読んでいたのですが、疲れていたせいか、壁にもたれてやがて眠ってしまいました。そのとき、彼女は嵐の海に浮かぶ小さな美しい小舟のようでした。ふと、どんないやなことがあったのか私は思いを巡らせたのですが、眠った彼女にとって、それは、彼女の生の美しさを飾るアクセサリーのように思えてきたのです。

2014年2月9日日曜日

たきび

たきびのひがおおきくなって
やまかじになった

ひは のはらをやき
すぎのはやしをやき
きこりのこやをやき
からまつのもりをやき
おちばのこみちをやき
みちあんないのひょうしきをやき
やまのいえのブランコをやき

それでも きえずに
もえるものをさがしては
つぎからつぎへと
もえうつっていく

ひとは
バケツでみずをかけ
しょうぼうしゃがホースでみずをかけ
ヘリコプターがあわをかけても
おかまいなく
めらめらと
とりやけものをおいはらい
いえのなかにはいり
かぐやあるばむのしゃしんに
そのてをのばし
ひとのこころのなかにまで
はいりこみ
もやそうとする

おおきくなった ひは
もう
ちいいさな たきびだったことを
おぼえていないのか

わたしは おぼえている
ちいさいころに
ひをつけた
ちいさな たきび

ゆうやみにほほをまっかにてらしてた
うつくしいほのおと
てをつないでいたひ


*みちるです。たき火が好きだった。たき火を子分にしたかったけど、たき火は気まぐれな大人だった。でも子どもの心をどこかに持っていて、原子力と手を組んだ大人を冷めた目でみていた。