2014年2月9日日曜日

たきび

たきびのひがおおきくなって
やまかじになった

ひは のはらをやき
すぎのはやしをやき
きこりのこやをやき
からまつのもりをやき
おちばのこみちをやき
みちあんないのひょうしきをやき
やまのいえのブランコをやき

それでも きえずに
もえるものをさがしては
つぎからつぎへと
もえうつっていく

ひとは
バケツでみずをかけ
しょうぼうしゃがホースでみずをかけ
ヘリコプターがあわをかけても
おかまいなく
めらめらと
とりやけものをおいはらい
いえのなかにはいり
かぐやあるばむのしゃしんに
そのてをのばし
ひとのこころのなかにまで
はいりこみ
もやそうとする

おおきくなった ひは
もう
ちいいさな たきびだったことを
おぼえていないのか

わたしは おぼえている
ちいさいころに
ひをつけた
ちいさな たきび

ゆうやみにほほをまっかにてらしてた
うつくしいほのおと
てをつないでいたひ


*みちるです。たき火が好きだった。たき火を子分にしたかったけど、たき火は気まぐれな大人だった。でも子どもの心をどこかに持っていて、原子力と手を組んだ大人を冷めた目でみていた。

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