2012年12月23日日曜日

自転車があったなら


私は客なのだが成り行き上 床を掃除している

昨日までは社長をやっていた

店員より私のほうが上手いだろう

線路際の食堂は冬には寒々とするほど全面ガラス戸で囲われていて

電車が通るたびに長閑にがたがたいっている

さっきまで私は秘密の女と石段の下の踏み切りのところで

いちゃついていた

秘書に知られたら彼女がかわいそうだと気もそぞろに

その落ち着きのなさに久々の新鮮な快楽を得て

 

しかしこの汚れやすい床は

いくら掃除してもきれいにならない

まるでそれが狙いであるかのように

油汚れを永遠に引きずり回すようだ

それでも

私は掃除が上手だ

 

巷では安部政権が発足するというが

その稼働率が四割ほどになったとき

私の口の中で

液晶表示装置の白い文字が

16ドットのゴシック体で

文字をスクロール表示することになっている

 

八又(やつまた)さんとできちゃった

私の中はそのニュースで持ちきりで

すごく忙しいから

夕方になるのも忘れて床をしごいている

自転車があったなら

すこしは

はかどったかも知れない

1 件のコメント:

  1. 中村ゆき子2012年12月24日 0:26

    自転車、買ってあげよか?(*^^*)
    だけど、石段あったら自転車つかえないね。
    それから油汚れには、油で落とすのが効果的ですよ。
    油と油がゆっくりだけど 交わって、汚れをキレイさっぱり拭ってくれます。
    焦ってゴシゴシしごいてはいけません。

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