2012年12月24日月曜日

吹きだまりの星

吹きだまりでやさぐれた心を自ら癒そうとして
煙草に火をつけた
赤い火の玉を燃やし煙を纏う君
クリスマスの音楽と騒ぎ声で溢れるあたりに
人気がなくなったら星屑でも拾いに行ってみるかと君は
頭の端っこで思っているが
疲れに襲われたらいつものように
朝まで夢の中をさまようことになると知っている

幸せの記号がどんなものか知らないまま
それはいつか引っ越してきたお嬢さんが首につけていた
あの光るナニのようなものかと思っていたこともあったが
幸せを掴み損ねた脱落者とつるむようになり
幸せがどんなものなのか考えるセンスも
ヒントさえも忘れてしまった
ご縁がなかったということでごめんなさい
と世界中の天使や神様や悪魔にも言われたような気がしていた

クリスマスツリーは
よく燃えるのかな
飾りをいっぱいつけた巨木はさぞかしよく燃えて
山裾の廃墟の低い窓からもよく見えることだろう

寒さがどんどん増してくるのがわかる
煙はまだその辺を漂っているが
こんな夜に猫は喧嘩して唸っている
沈黙がこわいわけじゃあるまいに

壁の中が透けてみえるのは
マッチ売りの少女の話
あれは本当は娼婦の話だとどこかのバカが言っていた
あの子は幸せになったのか憶えていない
多分なっていないだろう
なっていたとしてもすぐに終わっただろう

人が幸せを感じるのは他人よりマシだと感じた時
あるいは諦めがついた時
あるいはどうでもよくなったとき

吹きだまりの君は煙草を投げ捨てて空中で
スニーカーで蹴り上げた
赤い流れ星に気づいたものはいなかった

2 件のコメント:

  1. 中村ゆき子2012年12月25日 1:21

    幸せになりたいんじゃなく、ほんのちょっと幸せを感じたかっただけなのかな。。幸せは雲みたいなもの。形になる前に風に流されたり太陽に邪魔されたり、だから幸せに記号何てないから安心して。
    流れ星は好きで流れてるんじゃないと思うよ。同じくらいのの小さい光の星たちが
    『次はアナタが流れなさい』とつま弾き。だから流れ星は最期のちからを振り絞りキラリと耀いて落ちていく。流れ星のどれかは、悲しくて夜空を見上げている誰かが見つけてくれると願う。
    吹きだまりで蹴りあげたタバコ、まだ着地点をさがしているから。
    ちょっと泣きたくなりました。

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  2. 幸せの匂いってどんな香りでしょう?
    そんなことを考えました。

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