思い切り力を込めて
黄色い風船を
空に打ち上げようとするのだが
風船は
上がっていかない
なにをしても
うまくいかない私
遠くで
住んでいた家も倒壊する
近くで
愛していた女も発狂する
静かにしていると
動いているものが見えてくるが
動いているもの同士は
連絡を取っているのだろうか
目を閉じて
闇の中に
浮き上がったギモンの答えを見つけようとするが
脳の周りに白い泡が纏わりついて
つい
その蠢く泡に見入ってしまう
胎内で丸まっていたときから
私がしようとしていたことが
いつかきっと明らかになる
風船は空気を内包して
空気の中で浮き沈みする
泡ははじけて会話する
私は耳の奥で「それ」を聴くことで
会話に参加しようとする
風船は、ただ吹く風の音を
返信削除聞いているだけ
泡は、脳の動きに合わせて
ただ蠢いているだけ
あなたもギモンの答えを見つけようとせず
ただ風に流される雲のように会話に参加してみれば?