雪の日に
女のひとに手を引かれて
田舎道を
チョコレートを買いにいった
古い木枠の硝子の引き戸をあけて
店の中に入った
ストーブの灯が燃えている
薄暗い店内の平台に
赤い包みのチョコレートを見つけた
その包みの中に薄い銀紙に包まれた
チョコレートが入っていて分け合って
指をなめなめ食べるのだ
そして雪の降る薄暗い道を
女のひとと一緒に
帰っていった
あの女のひとは
母だったのだろうか
あの田舎道は
いまもあるのだろうか
ドラッグストアの店頭で
安売りされているチョコレートに訊いてみたが
もちろん答えてくれない
母に訊いてみようか
いや
訊かない方がいいだろう
甘い謎は
そのまま取っておいたほうがいいに決まっているから
赤い色の記憶の中で
返信削除その女の人と
繋いだての温もりが
よみがえってきそうですね
大切な甘い思い出
何度も何度もチョコレート食べて
忘れないようにしてね