2012年10月6日土曜日

その香り

私はじっと座っているだけだった
座って花の香りを吸い込んで
うっとりと目を閉じていた

いや
目を閉じてはいなかった
私は
劇場の舞台に目をやって
心地良い歌声に心をさ迷わせて
浸っていた

暗転が暗闇を投げかけてくる
拍手が静寂を破って
あふれだす

私の胸を満たしたその香りは
記憶の中に沈んで
未来の明るい日差しを投射してくる

時は
劇場の微風を吸い込んで
ゆるやかに速度を早め
舞台の奈落の上空を渦巻いて
ただ爽やかに過ぎ去っていった

3 件のコメント:

  1. 中村ゆき子2012年10月7日 0:58

    充実した一時がを持てたんですね。感動から生まれる香りはいつまでも胸の奥に居続けるのでしょうね。マツザキさんの詩を遡って読ませてもらっています。謎解きみたいで眠れない!(^^)d

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    1. 本当にいい香りがしたんです。不思議です。いままで出会ったことのない香り。DNAがドキドキして何かを叫びました。

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    2. 中村ゆき子2012年10月9日 1:16

      マツザキさん、思いを正直にすとれーとに文字にできてしまうのですね。うらやましいです。
      私は、自分の思いにあてはまる文字がなかなか浮かんできません。
      詩って難しいです。

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