心を容れる器をくださいって言ったら
〈心が器でしょ。器を器に容れるの?〉
と言われてしまった。それでちょっと沈黙してしまったんだ。
彼女は器をくれる代わりに彼女が焼いたパンを出してくれた。そのパンの美味しいのなんのって。何もつけなくても、小麦と炎の香りがして、幸せな気分になってしまった。
そして彼女は唐突に音楽をかけた。心地よい音量で。左右のスピーカーから違う音が聴こえてきて、私はその場からどこかに飛んでいっでしまいそうになった。
私は、でもやはり、心を容れる器が欲しいと望んでいた。
私ごとでもいいから、器にいれて、タンスの上のほうにでも、しまってくれないか。
好きだな。この詩。
返信削除私も器が欲しくなった!
返信削除ピッタリサイズのガラスのような器
藤色のふわふわ敷いて
心が落ち着くまでしまっときたい
どこにあると思う?